熊野古道:小辺路(水ヶ峰、伯母子岳)、バスも使いつつ大股から大周回【奥高野、和歌山県・奈良県】
- GPS
- 08:42
- 距離
- 30.8km
- 登り
- 1,419m
- 下り
- 1,594m
コースタイム
- 山行
- 8:43
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 9:42
(1) 大股P 623 ― 最初の標識 640 ― 林道タイノ原線に合流 645 ― 最初の迂回路 650 ― 平辻 712 ― 次の迂回路 715 ― 林道開通碑 722 ― あずまや 740 ― 大股から5.6km 749 ― 林道と小辺路の合流点 757 ― 水ヶ峰集落跡解説標 809 ― 古道から北股への林道に 812 ― 水ヶ峰への尾根に取り付き(B) 814 ― 水ヶ峰 823 ― (B) 832 ― (A) 833 ― 水ヶ峰分岐(高野龍神スカイラインに合流) 842 ― 野迫川村総合案内所 900 ― 鶴姫展望所 918/932 ― 野迫川村総合案内所 950
○野迫川村総合案内所/護摩壇山 1024/1053 南海りんかんバス
(2) 護摩壇山BS 1054 ― 駐車場端 1058 ― 林道奥千丈線分岐点 1104 ― 私有林道分岐点 1123 ― 北今西への林道分岐点 1141 ― 登山道入口まであと1.6km 1158 ― 登山口 1211 ― 1294m標高点 1220 ― 口千丈山 1238 ― 焼山ノ太尾ノ頭 1252 ― 牛首山 1258 ― 牛首ノ峰への西分岐点 1308 ― あと1km 1329 ― 山頂巻き道分岐点 1337 ― あと500m 1340 ― 伯母子岳山頂 1355/1417 ― 巻き道分岐点 1427 ― 夏虫山分岐点 1447/1458 ― 桧峠 1500 ― 萱小屋跡 1529/1533 ― 墓地 1555 ― 登山口の橋 1601 ― 大股P 1602
● 行動時間 3:27+5:08=8:35
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
(和歌山市内=大股P) 大股P―水ヶ峰分岐―野迫川村総合案内所 (野迫川村総合案内所=護摩壇山)南海りんかんバス 護摩壇山BS―伯母子岳登山口―口千丈山―伯母子岳―大股P (大股P=和歌山市内) ●登山口へのアクセス ○大股 ・野迫川村中心部から県道733号を南下。約25分。高野龍神スカイラインから野迫川村総合案内所手前で分岐する林道タイノ原を降りると川沿い突き当たりを左折で駐車場に至る ・駐車場はほんとうに4台分しかない。無料 ・登山届の提出箱はトイレの扉脇に置いてある ○野迫川村総合案内所 ・駐車場は20〜30台は駐められそうだ。ただし総合案内所は開いていなかった。いつ開くのかもわからない。また、そんなときにはトイレも開いていないようだ ○護摩壇山駐車場 ・駐車台数は不詳だが、20〜30台は入りそうに見えた。無料 ・高野龍神スカイラインを行く。バス便は高野山からと紀伊田辺からのものがあるのだが、日に一本では登山には使いようもない ・当然ながら伯母子岳登山口には公共交通の便はない。また駐車可能台数も僅かと思われる |
コース状況/ 危険箇所等 |
○大股〜水ヶ峰(熊野古道:小辺路) ・最初はジグザグの急坂を登る。途中で林道タイノ原線に合流すると、何度か林道を外れて直線的に歩く部分があるが、ほぼ林道に沿って進む。林道から古道が分かれると、そのあとも熊野古道は北股への林道でもあるので道幅は広い。水ヶ峰集落跡で北股への道を分けると、斜面をへつる細道で高野龍神スカイラインへと至る ○護摩壇山P〜伯母子岳登山口 ・林道奥千丈線を歩く。標高差が少なく、殆ど平坦 ・途中では、護摩壇〜龍神〜耳取や伯母子岳がきれいに見えるタイミングがある。全般に樹林に覆われることが少ないので、眺めがよい道 ○伯母子岳登山口〜伯母子岳 ・標高差が殆どなく、昇降もかなり緩やか。舗装こそされていないが林道のように道幅が広い ・ピークには名称表示もあるので、進行がわかりやすい ○伯母子岳〜大股(熊野古道:小辺路) ・大股から萱小屋跡の先までは、ジグザグに登る急斜面。それ以降は緩やかな道取り。山頂下の巻き道分岐点までは殆ど平坦。そこから山頂までは尾根筋を行くが、道は不明瞭。マークが頼り ・山頂下以外は、さすがは熊野古道。車でも走ろうかというほどの道 (いずれの記述も2021.11現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・野迫川村内にも店舗はあるが、早朝深夜の状況は不明。村に入る前には買い物した方が良さそう ・大股は、中心集落から約20分県道733号を走るが途中に店舗は見当たらない ●日帰り温泉 ・大股の近辺にある「野迫川温泉ホテルのせ川」も日帰り入浴を扱っているようだ (2021. 11現在) |
写真
感想
○プロローグ
せっかく和歌山県で仕事をするからには、熊野古道は遍く歩きたい。しかし、泊まりで行くことも容易ではない状況なので、小辺路も日帰り主体で組むことにした。大股や三浦といった難所を抱える中、片道往復を繰り返しては能率的ではないので、バスも使ったダイナミックなコース設定を考えた。
○大股から水ヶ峰へ
大股へと車で向かう。どの道でもいいのだが、これから歩く道を車で先に行ってはつまならい。そこで、龍神スカイラインから野迫川村中心部へと下降し、奈良県道733号を南下した。この道は最初のうちこそはいいのだが、すぐにセンターラインのない道に変わり、さらにはすれ違いのできない狭い道へと変わる。朝未きからエラい道を選んでしまった。北股川に沿っていくのだが、途中で川原樋川に合流するまでは、川を下降する向きに走っていることになる。確かに道は緩やかに下降しており、途中からは上りに変わるのがわかる。
大股には、まだ日の出ていない時間に到着。すでに2台が駐まっている。駐車場はほんとうに4台分しかない。予定には早いのだが、早め出場してよかったと思う。
クルマを置き、トイレを済ますなどして、出発。その頃には周りが見渡せる程度には明るくなる。少し戻って高野山方面への登り口から山道へ。畑の合間を縫って進むが、古道というよりは作業道だ。畑が終わると、ちょっとは山道らしくなった。
しかし、道はしばらく進むとタイノ原林道に合流する。この先殆どはこの林道上を行く。とはいうが、いきなり林道から分かれて山道へ。一部にはこんな部分もある。
この辺りは秋の気配が漂う。樹林は林道の上方ばかりで、紅葉に見下ろされながらの道取りだ。今日は快晴。四方の景色がよく見える。先ほどまでは伯母子岳山頂部にだけ雲があったが、それも次第にほどけていっている。
やがて、林道から古道が分岐し水ヶ峰へと向かう。しかし分かれた古道も林道のようで、舗装こそされてはいないが車の通れるだけの幅がある。ほどなく「水ヶ峰集落跡」。かつては宿場が各地にあったのであろう。ここも廃墟となってしまっている。墓地も残るが、墓標が倒れたままになっている。
コースタイムよりはずいぶん早くここまで来た。地図には道が示されていないが、水ヶ峰へと行ってみることにした。集落跡の先で北股へと続くその林道へと進む。尾根と思しきところに、うっすらと踏み跡がある。それに従い、尾根へ。柔らかな落ち葉の尾根道だ。小ピークを二つ越えると水ヶ峰。小さな小さな手製山名標がぶら下がっていた。
戻って古道を先へ。急下降すると「水ヶ峰分岐」。ここには小さな鳥居もある。今日の第一弾はここまでだが、バスに乗るために車道を歩かなければならない。高野龍神スカイラインは人気のドライブウェイだ。天気も最高とあって、車通りが多い。基本は右側通行で行きたいが、カーブの具合で気づかれにくいと思うところは左を歩く。使い分けながらバス停を目指す。野迫川村総合案内所は20分も歩かないうちに現れた。残念ながら閉鎖されている。季節営業であろうか。バスには時間があり過ぎるくらいにあるので鶴姫公園に向かう。10分も歩くと山頂の展望台に到着。展望台はこの一帯の最高標高点でもある。今日は360どの展望で、これから向かう護摩壇山や伯母子岳もなとなくわかるように思う。
戻って、もう昼食にする。まだ9時台だが、今日のこの後の行程も考えて食べてしまうことに。
一息入れたら、バスが来た。6分遅れ。ただでさえ運転日がわかりにくいこのバス、遅れるだけでも心配がつのる。乗ろうとすると、運転手さんから「予約はありますか?」と聞かれる。ないと乗れないのかと不安がよぎったが、空いているから大丈夫、最近は混んでいるので予約がある方がいいですね、とのこと。護摩壇山についてやおら、明日の予約を入れた。
○護摩壇山BS〜伯母子岳〜大股
護摩壇山バス停には概ね時刻通りに到着。隣には龍神バスが待っており、一緒に乗ってきたほかのお客さんは皆乗り換えた。行き先はそれぞれ異なるようだが、この脊梁国道のバス、結構利用されているようだ。
目の前に和歌山県最高峰があるにもかかわらず、今日は登らない。ここまで来て護摩壇山に行かないのは山に対して失礼な気もするが、このあとの長い行程のことを考えて諦め。夏ならば成立したかも知れない行程だけに、残念な気もする。
駐車場から護摩壇山を尻目にスカイラインを戻る。500mほどで奥千丈林道が分岐する。道筋は遠目にもよく見える。林道は伯母子岳への山々の山頂付近を殆ど標高を変えずに走り続けている。ちょうど山々が鉢巻きをしているようだ。
黙々と林道を歩く。見通しのいい道だ。天気もいいので日焼けしそうだ。護摩壇山と龍神岳の並びも進むごとにちょっとずつ姿を変える。形を変えても目印となる電波塔や展望塔があるおかげで山を間違う心配はない。
やがて、伯母子岳登山口。といっても広場も何もなく、自動車も路駐状態だ。殆ど駐車はできない。
そこからは、未舗装の山道となるが、道幅が広く、車が走れるのではないかと思うほどだ。しかも起伏は殆どない。口千丈山、焼山ノ太尾ノ頭、牛首山と名のあるピークは現れるが、緩やかな昇降が続く。道は相変わらず冬枯れの木立に囲まれている。
時間のことを考えて巻いてしまった牛首ノ峰を過ぎ、いよいよ伯母子岳が間近に見えるようになる。
やがて巻き道との分岐点が現れる。この辺りが最低高度と思われる。そこからはやや斜度を上げて、ようやく山登りのようになる。一気に登ると見晴らし最高の山頂だ。
紀伊山地の山々が一望なのだが、あいにくにもまだ山々の同定ができない。今やってきた護摩壇山はかろうじてわかるのだが、それ以外はアバウトだ。ちょっと残念だ。
十分に堪能して下山へ。枯れ木の中を最初の分岐点まで降りると巻き道と合流し、しっかりした道となる。ここから桧峠付近までは、あまり斜度はない。おおむね樹林の中を進む。夏虫山への道の分岐点付近で一息ついていると、先ほどすれ違った方がもう降りてきた。速い。聴けば、今日は午前に大峰の釈迦ヶ岳に行ったとのこと。猛烈な勢いで山巡りをしているようだ。眺めのない山はお嫌いなようで、ここもつまらなそうだった。こちらは、熊野古道を可能な限り歩き尽くそうとの想いがあるので、古道を歩いていることでの納得感がある。
萱小屋跡の避難小屋では今日の泊まりの方々なのか、食事の準備が進んでいるようだ。湯気立ち上るのを見てこちらもお腹が空いてきたのだが、あと一息と気合いを入れる。
最後はジグザグを切って一気に降りる。まず墓地が現れ、やがて大股集落へ。見覚えのある橋を渡り到着。
山々は閑かだった。人とも殆ど会わず、鳥や虫の声もしなかった。
コースは長くて時間にも追われ緊張感もあったが、一人自分を見つめられる至福の時間だった。
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