飯豊連峰(南部)大展望ルートを南下 弥平四郎〜立石山〜高森山〜高陽山〜大出戸(林道)〜出戸
- GPS
- 80:00
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,432m
- 下り
- 1,561m
コースタイム
- 山行
- 4:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:10
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 10:40
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 8:05
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:00
天候 | 1日間 晴れ 2日間 朝ガス、のち晴れ 3日間 快晴 4日間 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
詳しくは西会津町HP ■行き 東京駅6:08〜新潟駅8:12/8:25〜野沢駅10:01/11:00デマンドバス〜弥平四郎12:00 (東京駅〜新潟駅早割35%2人分13700円、新潟駅〜野沢駅1520円、デマンドバス450円(300円+荷物料150円)) ■帰り 出戸(いでと)〜野沢駅(デマンドバス450円) 野沢駅前〜会津若松駅(770円) 高速バス 会津若松〜王子駅(4900円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■全行程、4月上旬〜中旬。気温高め。 ■全行程、ストックとワカン。3日目は年季の入った靴と残雪期の水分を多く含んだ雪で水がしみこんで、靴下が絞れるほどになった。 もう買い替え時期の捺印。 ■立石山の直下の雪庇が大きく手こずった ■高陽山の先、下部(南部)に進むと大出戸まで尾根が分かりづらい箇所がある。 |
その他周辺情報 | ●野沢駅は待合室が広く寛げる ●野沢駅前にある「えちご屋」さんの、みそラーメン(750円)は美味しかった。ご飯物定食類もあった。 ●温泉 会津若松駅前の「富士の湯」450円 安くて、色々な湯が楽しめる。 |
写真
感想
なぜだろう?飯豊連峰というデカく、思わず食いつきたくなるよう偉大な山がある。それにも関わらず、メインルートを外れて地味なルートに行くことになった。
理由としてはモコモコさんが数年前前から豪雪の年を狙っていたということだ。標高が低いので豪雪でないと難しい。私個人的には、メインルート(飯豊本山)を歩きたかった。この時期長期の休みを今後取れるとは限らない。
モコモコさんが騒ぎ出すと面倒なのでこの計画に乗っかることにした。
メインルートのほうは、このレコにアクセスした皆さんの記録を待つことにします。
■1日間
弥平四郎〜堰堤〜尾根850m(幕営)
野沢駅からあらかじめ予約しておいたデマンドバスに乗り込む。乗客は我々のみ。
この時期、弥平四郎に行くのは初めてだ。あたり一面とても雪深く豪雪地帯に集落があるのだなとしみじみ感じた。
弥平四郎に到着。少しばかり歩き、除雪終了点で身支度を整える。弥平四郎登山口へ向かうメインルートから外れ、四ッ沢の左岸の林道を進む。しばらく歩くと堰堤。そこからさらに奥へ進む。沢が出ている箇所があったりして回り込んだりして進む。夏道は更に沢沿いに進むが、沢は埋まっておらず急斜面のトラバースが続きそうなので、標高約570mの二俣から尾根に取りついた。初日の重荷もあり、870m付近で幕営。
■2日間
尾根850m〜七森峰〜立石山〜1088mP(幕営)
朝の内は曇りでガスっている。今日は稜線に上がるので、晴れていないと魅力が半減する。この稜線自体が飯豊の大展望台となっているからだ。真っ白に輝がやく飯豊連峰が見たいのだ。
登るにしたがって、時折青い空がチラホラ見えてきた。
県境稜線に上がったところからは七森峰の肩なので、一人で歩き七森峰1168mPに到着。モコモコさんは、稜線に出た時点でザックを下ろして休憩。
ここから先に進めば飯豊主稜線が待っているのだが、後ろ髪惹かれるようにモコモコさんの元へ戻る。
まだ、ガスで景色は見えない。飯豊本山への思いを胸に、モコモコさんの計画に従いここから南下する。
のんびり休憩しているとガスが取れてきた。しかしまだ、大日岳、本山本面はまだ雲に隠れている。
遠く見えるのが、立石山だろうか、上部は雪庇だろうか?白い。基本は南下するので標高は次第に下がる。時折、熊棚を発見して喜ぶ。
最低鞍部の標高約740mで大休憩。ここから立石山への急登りが始まる。登りになるカグンと速度が落ちる。遠くから見たとき山頂直下の雪庇が気になっていた。ようやくそれが目の前に屏風のように立ち塞がった。長さは50m〜70mはあるだろうか?
立石山(989m)に、これほどの雪庇が張り出すとは飯豊連峰恐るべし。早速、弱点を探し出すと正面からなら取り付けそうだ。ジャケットを着込みアイゼンを装着し、お守り代わりに持ってきた7ミリ20ロープを引っ張り、ピッケルとスコップ両手に持ち雪壁に取り付いた。
足場を作りながら、雪庇を崩す。3分2ほど登り、雪の壁を崩していると、巨大なクレバスが空いていた。ザックの荷揚げの中間点を作りたかったが、底が抜ける可能性が高い。
作業中の転落も考えられる。下がいくら雪でも、怪我する可能性がある。雪庇を乗り越えても、荷揚げの重労働、あのモコモコさんが果たして突破出来るか。危険と天秤に掛ける。
どうやら、雪庇の魔力に魅せられていたようだ。雪庇にまつわる武勇伝。スコップ片手にキノコ雪突破、雪庇トンネル突破等が記憶の片隅にこびり付ついていたようだ。かれこれ1時間ほど雪庇にこだわり時間と体力を消耗して終わった。
気を取り直して、雪庇の下をトラバースする作戦に変更した。これしか方法がない。巨大な雪庇の下で気分は悪いが、背後に憧れの大日岳、飯豊の主稜線を眺めながらのトラバースは爽快だ。トラバースするには雪質も悪くなく、結果的に、安全で早く突破するこができた。地形図では何でもない所が核心部だった。
雪庇に時間と体力をすっかり消耗させられた。
その間に、空は一面の青空。なんだか素敵な演出。
立石山の山頂からは、憧れの水晶尾根(実川〜水晶峰〜大日岳)、オンベ松尾根、懐かしき10年前の5月に辿った蒜場尾根(蒜場山〜烏帽子山〜大日岳)。三国岳〜飯豊本山〜大日岳〜蒜場山の主稜線の大展望台だった。
素晴らしい景色に歩みを止めながら、何度も振り返りながらで先に進まない。立石山からの稜線は最初は快適だったが、途中痩せていて、雪堤が大きく口を開けていたりうねりが酷く使えなかったりで、実川側を進む箇所があった。
1088mP手前でかなり疲れていたが、最後に一踏ん張りして1088mPへ登り返した。本当は高森山の先の鞍部まで進みたかったがここで力尽きた。
本日まで二日間頑張ったが、結局1088mPが本日のテン場となった。
■3日間
1088mP〜高森山〜高陽山〜大出戸(林道)〜幕営
天候に恵まれ本日も快晴。ここからの眺めも素晴らしい。我々にしては珍しく早朝の写真を撮影。なだらかな稜線を辿り昇って高森山に到着。
C1012mまで穏やかな稜線、振り返りれば大日岳という感じで歩みが遅くなる。
高森山を越えてもなだらかな稜線が続く。高陽山の山頂手前の大平原を少し登って大休憩。
ここが、最後の大展望台。これで飯豊連峰も見納め。高陽山山頂にはしっかりとした看板があった。
高陽山の広い急斜面を下る。迷い込みやすい尾根をやり過ごし、ヘアピンカーブのC737mの横を過ぎるとしばらくして顕著な尾根を外れて大出戸への直線的な下りに入る。最初の標高差50mは急な斜面の下降。雪質次第では苦労しそうな所だが、今日は下りやすい雪質で問題なく下降出来た。急斜面が落ち着くと、緩やかな広い尾根になり、視界が悪いと苦労しそうだ。
ようやく大出戸の林道に到着。モコモコさんは疲労困憊なので、少しだけ進んだ所で幕営することにした。
テントに入り作戦会議。計画ではここから更に足を延ばし、県境を更に南下、樽木峠から磐越西線の徳沢駅までの計画だ。
話し合いの結果、樽木峠は断念。明日C396mまで進み、其所からエスケープして「二タ俣」集落まで行くというこになった。
■4日間
大出戸〜出戸
朝起きて、ふとした会話から、もうことのまま下山しようということになった。もう、山人のブーツが靴下を絞れるくらいびしょぬれ。凍傷になる?モコモコさんは全身筋肉痛。特に肩が痛い。など。
林道(大出戸)からデマンドバスに予約を入れて、単調だけど確実に下山できる安堵感。徳沢駅まで行けなかった残念な気持ちの入り混じる最後の道となった。
集落からは早めに迎えに来てくれたデマンドバスで野沢駅に向かって山旅は終わった。
あとがき
東北のどこの山に登っても「あの白い山どこ?」「飯豊だよ。」というフレーズが聞こえくる。
今の季節、多くの岳人が真っ白く巨大な戦艦のように浮かぶ憧れるの山、飯豊連峰。やはり、行かなきゃ!もったいない。モコモコさんはお願いします。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ハングした雪庇は負けるが勝ち?(笑)
勾配、雪質によっては危険なトラバースになりますが…。
メインルートだけが飯豊じゃないですよね。
昨年、何の気なしに遊んだ牛ヶ岩山も素晴らしいロケーションでした。
家庭の事情(介護)で里山しか行けませんが、
お二人の自由な山旅、堪能させて頂きました。感謝。
コメントありがとうございます。
立石山の雪庇はノーマークでしたので驚きました。頭の片隅に雪崩れ警報。
内心、モコモコさんさっさと歩いてよ!といった感じでした。今回は運が良かった。
>メインルートだけが飯豊じゃないですよね。
飯豊連峰をこよなく愛し、登山道整備にも汗を流しているkamoshiquaさんにそう言っていただければ嬉しい限りです。山と高原地図を見ていると、本当に大きな山域。また、山モコらしい渋いルートを見つけたいと思います。
かねてから大出戸から県境尾根で高陽山に登りたくて、本日も下見してきました。
鏡山〜マナクボ〜大出戸の県境尾根(=かつて営林署が刈り払いしたルート)は、しょせん里山でしかないんだけど、いいですよね。
こちらこそ、初めまして。コメントありがとうございます。
>かねてから大出戸から県境尾根で高陽山に登りたくて、本日も下見してきました。
このようなマイナールートに興味があるということで嬉しくなりました。
>鏡山〜マナクボ〜大出戸の県境尾根(=かつて営林署が刈り払いしたルート)は、しょせん里山でしかないんだけど、いいですよね。
実際歩いてみると、地形図からだけではわからない展望の素晴らしさや、郷に近いのに植林に脅かされていない健全なブナ林の続く尾根など満喫できました。
県境尾根からの高陽山のレポ楽しみにしています。
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