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Yamareco

記録ID: 4459835
全員に公開
沢登り
甲信越

【川内山塊】杉川八匹沢右俣遡行・大底川[逢塞川]ハンタン沢下降

2022年07月02日(土) ~ 2022年07月03日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
20:29
距離
17.0km
登り
1,785m
下り
1,789m
歩くペース
ゆっくり
1.41.5
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
8:50
休憩
0:00
合計
8:50
距離 7.7km 登り 750m 下り 630m
9:08
530
17:58
宿泊地
2日目
山行
11:24
休憩
0:11
合計
11:35
距離 9.3km 登り 1,053m 下り 1,187m
5:21
680
宿泊地
16:41
16:52
4
16:56
ゴール地点
天候 両日晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
木六山登山口駐車場:7台程度可、トイレ無し、ヤマビル注意
コース状況/
危険箇所等
・入渓点(取水堰)までの道はヤマビルが極めて多い。
・地理院地図に描かれている大底川方面への道は藪に埋もれて判然としないが、それらしきピンクテープはあった。
・杉川本流は雪渓3箇所。八匹沢は雪渓だらけ。ハンタン沢は脇にスノーブロック1か所だが目の前で一部崩壊、大底川本流は雪渓無し。
・杉川本流は本気で泳いだ箇所が2か所、それ以外も緩い泳ぎが多数。泳ぎ以外に難所はない。
・八匹沢は難しそうな滝は雪渓で全て巻いた。スラブは容易で快適。
・ハンタン沢は源頭部がスラブ状だがその脇の窪を下れる。下流は普通の沢で、ゴーロ歩きとクライムダウンと懸垂下降。
・ハンタン沢合流点より下流の大底川本流は、ゴルジュは発達しているが特に難所はない。
・杉川八匹沢:4級下程度、大底川ハンタン沢:2級上程度
その他周辺情報 ・七谷のコミュニティセンターで300円で入浴可能。
・chelseaによるぶなウェブサイト記録
https://www.bunanokai.jp/archives/20847

【既往記録】
○八匹沢左俣
・浦和浪漫山岳会 年報「渓」19号(2006):1998年9月6日遡行
・ヤマレコ(中沢さん):2020年9月12日遡行
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2610035.html
・関東周辺の沢への記載によると、1996年より前にも登られている。
○ハンタン沢
・登山大系:詳細の記載なし
・浦和浪漫山岳会 年報「渓」18号 (1996):1994年8月1日遡行
大底川出合までも結構泳ぐ
2022年07月02日 10:03撮影 by  SC-03K, samsung
7/2 10:03
大底川出合までも結構泳ぐ
泳ぐのが面倒になってきたので流木にジャンプ!
2022年07月02日 10:49撮影 by  SC-03K, samsung
7/2 10:49
泳ぐのが面倒になってきたので流木にジャンプ!
美しい杉川
2022年07月02日 11:49撮影 by  SC-03K, samsung
2
7/2 11:49
美しい杉川
何度も飽きるほど泳ぐ
2022年07月02日 12:10撮影 by  SC-03K, samsung
7/2 12:10
何度も飽きるほど泳ぐ
なんだか水が冷たくなってきたと思ったら雪渓出現、これはくぐった。
2022年07月02日 12:58撮影 by  SC-03K, samsung
7/2 12:58
なんだか水が冷たくなってきたと思ったら雪渓出現、これはくぐった。
食べきれないほど生えていたヒラタケ:収穫してカレーの具にした。
2022年07月02日 13:24撮影 by  SC-03K, samsung
1
7/2 13:24
食べきれないほど生えていたヒラタケ:収穫してカレーの具にした。
3回目に出てきた雪渓はズタズタ
2022年07月02日 14:32撮影 by  SC-03K, samsung
7/2 14:32
3回目に出てきた雪渓はズタズタ
それなりに大変だった淵と小滝
2022年07月02日 15:09撮影 by  SC-03K, samsung
1
7/2 15:09
それなりに大変だった淵と小滝
流れの早い部分を潜って通過した淵
2022年07月02日 15:50撮影 by  SC-03K, samsung
7/2 15:50
流れの早い部分を潜って通過した淵
結構流れがあって大変だった淵
2022年07月02日 15:54撮影 by  SC-03K, samsung
1
7/2 15:54
結構流れがあって大変だった淵
やっと見つけた幕営適地
2022年07月03日 04:38撮影 by  iPhone XR, Apple
7/3 4:38
やっと見つけた幕営適地
八匹沢最初の滝:tamoshimaは左壁を直登したがほか3人は左から巻いた。上から冷気が下りてきて雪渓の存在を感じさせる。
2022年07月03日 05:52撮影 by  SC-03K, samsung
7/3 5:52
八匹沢最初の滝:tamoshimaは左壁を直登したがほか3人は左から巻いた。上から冷気が下りてきて雪渓の存在を感じさせる。
八匹沢最初の雪渓、ここから雪渓だらけ。
2022年07月03日 06:00撮影 by  iPhone XR, Apple
7/3 6:00
八匹沢最初の雪渓、ここから雪渓だらけ。
ヘッドライトを出して雪渓を潜った先で、大変そうな滝出現。戻って雪渓の上に出て巻くことに。
2022年07月03日 06:20撮影 by  SC-03K, samsung
1
7/3 6:20
ヘッドライトを出して雪渓を潜った先で、大変そうな滝出現。戻って雪渓の上に出て巻くことに。
雪渓が途切れたので小尾根に登って巻く。
2022年07月03日 06:38撮影 by  SC-03K, samsung
7/3 6:38
雪渓が途切れたので小尾根に登って巻く。
写真の左俣はめんどくさそうな滝と今にも崩れそうなスノーブリッジがあるため、安定した雪渓の右俣へ。
2022年07月03日 07:00撮影 by  iPhone XR, Apple
7/3 7:00
写真の左俣はめんどくさそうな滝と今にも崩れそうなスノーブリッジがあるため、安定した雪渓の右俣へ。
雪渓のおかげでスラブに楽に乗ることができ、以降は快適なスラブ登攀、だが暑い。
2022年07月03日 08:13撮影 by  SC-03K, samsung
1
7/3 8:13
雪渓のおかげでスラブに楽に乗ることができ、以降は快適なスラブ登攀、だが暑い。
途中でトラバースして左俣の源頭のスラブへ。下を見下ろす。
2022年07月03日 08:30撮影 by  SC-03K, samsung
1
7/3 8:30
途中でトラバースして左俣の源頭のスラブへ。下を見下ろす。
上を見上げる。スラブは飽きるほど続く。
2022年07月03日 08:41撮影 by  iPhone XR, Apple
1
7/3 8:41
上を見上げる。スラブは飽きるほど続く。
ハンタン沢の下降:源頭部は左岸にスラブ、右岸に壁のある樋状だが、所々スラブに出て巻く必要があり、結構大変。
2022年07月03日 10:21撮影 by  SC-03K, samsung
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7/3 10:21
ハンタン沢の下降:源頭部は左岸にスラブ、右岸に壁のある樋状だが、所々スラブに出て巻く必要があり、結構大変。
ハンタン沢の、目の前で崩壊した雪渓
2022年07月03日 12:08撮影 by  SC-03K, samsung
7/3 12:08
ハンタン沢の、目の前で崩壊した雪渓
ハンタン沢で一番立派だった滝、だがしょぼい。
2022年07月03日 13:48撮影 by  A003SH, SHARP
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7/3 13:48
ハンタン沢で一番立派だった滝、だがしょぼい。
大底川本流で一番大きかった滝。快適に下れる。
2022年07月03日 14:55撮影 by  A003SH, SHARP
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7/3 14:55
大底川本流で一番大きかった滝。快適に下れる。
大底川の典型的な渓相
2022年07月03日 15:36撮影 by  A003SH, SHARP
7/3 15:36
大底川の典型的な渓相
大底川に架かっていた廃橋
2022年07月03日 15:41撮影 by  A003SH, SHARP
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7/3 15:41
大底川に架かっていた廃橋
遡行図
2022年07月04日 22:53撮影
1
7/4 22:53
遡行図

装備

備考 ラバーソールでOK

感想

2年ほど前に空中写真を見ていて見つけた巨大なスラブ、調べてみると八匹沢という変わった名前で、当時はオンラインには記録がなかった。
日本有数の大スラブが殆ど注目されずに眠っているとあって、行きたい候補に入ったが、その後nkzwさんらによりオンライン上に記録が出された。
やはり魅力的な沢であることには違いなさそうだったので、今回、関東の天気が悪いこともあって、遠路川内まで行くことにした。
記録のない八匹沢右俣を登ろうと思ったのだが…

初日は八匹沢出合まで行ければいいので、遅出。入渓点の取水堰まで激暑&蛭地獄。しかし杉川にいざ浸かってみると、想像以上に冷たい。これはもしや、結構雪渓が残っているのでは…

杉川本流は泳ぐ箇所は多いが、難しい箇所はないし、案の定出てきた雪渓もさほどの障害ではなく、どんどん進む。これは結構余裕をもって八匹沢出合まで行けるなと思った矢先、急に流れの急な淵が3つも連続して、ロープを出したりして結構時間を食われる。八匹沢出合に辿り着くも、幕営適地が見当たらない。下流は今越えてきた大変な淵があるし、八匹沢に入ってみても狭いし雪渓からの冷たい風が吹いてくるし、上流も大変そうな淵がある… が、結局上流の淵をちょっと悪い高巻きで越えてみると、河原発見。ここで寝ることに。晴天が続いていたのもあって焚火は快適にできた。

翌朝は早起きして八匹沢へ。滝を1つ登ると案の定すぐに雪渓で、しかもそのすぐ下には深い釜が。朝一で冷水に浸かるのは辛いが気合で何とかする。連続する雪渓をライトを点けて潜っていくと、悪い滝。もう沢通しは諦めて、戻って雪渓の上へ。結局、予定通り右俣に入ったが、すべて雪渓に埋まっていたので、遡行したことにはならないだろう。残念。昨冬の多雪が恨めしい。
雪渓のおかげで割合楽にスラブに乗ると、急に暑くなってくる。快適なスラブもお腹一杯。暑さで参ってきた頃漸くスラブは終わり、少しの藪漕ぎを経てハンタン沢との鞍部へ。

ハンタン沢は、源頭までスラブが続いており、藪漕ぎゼロで沢下降開始。スラブ下降だと大変だと思ったが、幸いにもルンゼ状の部分があり、さほど労せずに下れた。が、後続は苦労していてかなり時間をロス。
スラブが終わるとゴーロと小滝の沢になったが、1か所だけ脇に雪渓が残っており、目の前で崩壊。あと10数分早く下っていたらと思うとぞっとする。雪渓のある沢なんて、好き好んでいくものではない。その後は人によって2回〜4回ほどの懸垂下降を経て、飽きた頃に大底川へ。

大底川は、最初は河原状で、名前の割には大したことない沢だと思っていたが、途中から連続したゴルジュとなり、なかなかの景観。しかし下降に難儀するところは全然なく、杉川より温い水も心地よく、快適に杉川出合まで下れた。

あとは、昨日の朝も通った杉川を下るだけ。融雪の冷たい水も、午後の暑さの中では気持ちよく、すぐに堰堤が見えてきた。

最後は、またヤマビル地獄を歩く羽目になったが、自分は超高速で先頭を歩いたので取り付かれなかった。多い人には10個体以上付いていたが。

【総評】
杉川、大底川は、川内山塊の中でもアプローチが短く、渓相も綺麗なのでもっと登られても良いと思う。中級者以上にお薦め。なかでも八匹沢は、日本有数の大スラブを楽しめる秀渓。ハンタン沢の下降と合わせると1泊2日でちょうどよく、見所も多いお薦めルート。ただし、杉川・大底川は泳ぎが多いが、八匹沢は日当たりのよいスラブなので、行く時期が悩ましい。ウェットスーツを準備して秋に行くか、朝一にスラブを登るつもりで夏に行くか、どちらかだろう。

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