【川内山塊】杉川八匹沢右俣遡行・大底川[逢塞川]ハンタン沢下降
- GPS
- 20:29
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,785m
- 下り
- 1,789m
コースタイム
天候 | 両日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・入渓点(取水堰)までの道はヤマビルが極めて多い。 ・地理院地図に描かれている大底川方面への道は藪に埋もれて判然としないが、それらしきピンクテープはあった。 ・杉川本流は雪渓3箇所。八匹沢は雪渓だらけ。ハンタン沢は脇にスノーブロック1か所だが目の前で一部崩壊、大底川本流は雪渓無し。 ・杉川本流は本気で泳いだ箇所が2か所、それ以外も緩い泳ぎが多数。泳ぎ以外に難所はない。 ・八匹沢は難しそうな滝は雪渓で全て巻いた。スラブは容易で快適。 ・ハンタン沢は源頭部がスラブ状だがその脇の窪を下れる。下流は普通の沢で、ゴーロ歩きとクライムダウンと懸垂下降。 ・ハンタン沢合流点より下流の大底川本流は、ゴルジュは発達しているが特に難所はない。 ・杉川八匹沢:4級下程度、大底川ハンタン沢:2級上程度 |
その他周辺情報 | ・七谷のコミュニティセンターで300円で入浴可能。 ・chelseaによるぶなウェブサイト記録 https://www.bunanokai.jp/archives/20847 【既往記録】 ○八匹沢左俣 ・浦和浪漫山岳会 年報「渓」19号(2006):1998年9月6日遡行 ・ヤマレコ(中沢さん):2020年9月12日遡行 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2610035.html ・関東周辺の沢への記載によると、1996年より前にも登られている。 ○ハンタン沢 ・登山大系:詳細の記載なし ・浦和浪漫山岳会 年報「渓」18号 (1996):1994年8月1日遡行 |
写真
装備
備考 | ラバーソールでOK |
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感想
2年ほど前に空中写真を見ていて見つけた巨大なスラブ、調べてみると八匹沢という変わった名前で、当時はオンラインには記録がなかった。
日本有数の大スラブが殆ど注目されずに眠っているとあって、行きたい候補に入ったが、その後nkzwさんらによりオンライン上に記録が出された。
やはり魅力的な沢であることには違いなさそうだったので、今回、関東の天気が悪いこともあって、遠路川内まで行くことにした。
記録のない八匹沢右俣を登ろうと思ったのだが…
初日は八匹沢出合まで行ければいいので、遅出。入渓点の取水堰まで激暑&蛭地獄。しかし杉川にいざ浸かってみると、想像以上に冷たい。これはもしや、結構雪渓が残っているのでは…
杉川本流は泳ぐ箇所は多いが、難しい箇所はないし、案の定出てきた雪渓もさほどの障害ではなく、どんどん進む。これは結構余裕をもって八匹沢出合まで行けるなと思った矢先、急に流れの急な淵が3つも連続して、ロープを出したりして結構時間を食われる。八匹沢出合に辿り着くも、幕営適地が見当たらない。下流は今越えてきた大変な淵があるし、八匹沢に入ってみても狭いし雪渓からの冷たい風が吹いてくるし、上流も大変そうな淵がある… が、結局上流の淵をちょっと悪い高巻きで越えてみると、河原発見。ここで寝ることに。晴天が続いていたのもあって焚火は快適にできた。
翌朝は早起きして八匹沢へ。滝を1つ登ると案の定すぐに雪渓で、しかもそのすぐ下には深い釜が。朝一で冷水に浸かるのは辛いが気合で何とかする。連続する雪渓をライトを点けて潜っていくと、悪い滝。もう沢通しは諦めて、戻って雪渓の上へ。結局、予定通り右俣に入ったが、すべて雪渓に埋まっていたので、遡行したことにはならないだろう。残念。昨冬の多雪が恨めしい。
雪渓のおかげで割合楽にスラブに乗ると、急に暑くなってくる。快適なスラブもお腹一杯。暑さで参ってきた頃漸くスラブは終わり、少しの藪漕ぎを経てハンタン沢との鞍部へ。
ハンタン沢は、源頭までスラブが続いており、藪漕ぎゼロで沢下降開始。スラブ下降だと大変だと思ったが、幸いにもルンゼ状の部分があり、さほど労せずに下れた。が、後続は苦労していてかなり時間をロス。
スラブが終わるとゴーロと小滝の沢になったが、1か所だけ脇に雪渓が残っており、目の前で崩壊。あと10数分早く下っていたらと思うとぞっとする。雪渓のある沢なんて、好き好んでいくものではない。その後は人によって2回〜4回ほどの懸垂下降を経て、飽きた頃に大底川へ。
大底川は、最初は河原状で、名前の割には大したことない沢だと思っていたが、途中から連続したゴルジュとなり、なかなかの景観。しかし下降に難儀するところは全然なく、杉川より温い水も心地よく、快適に杉川出合まで下れた。
あとは、昨日の朝も通った杉川を下るだけ。融雪の冷たい水も、午後の暑さの中では気持ちよく、すぐに堰堤が見えてきた。
最後は、またヤマビル地獄を歩く羽目になったが、自分は超高速で先頭を歩いたので取り付かれなかった。多い人には10個体以上付いていたが。
【総評】
杉川、大底川は、川内山塊の中でもアプローチが短く、渓相も綺麗なのでもっと登られても良いと思う。中級者以上にお薦め。なかでも八匹沢は、日本有数の大スラブを楽しめる秀渓。ハンタン沢の下降と合わせると1泊2日でちょうどよく、見所も多いお薦めルート。ただし、杉川・大底川は泳ぎが多いが、八匹沢は日当たりのよいスラブなので、行く時期が悩ましい。ウェットスーツを準備して秋に行くか、朝一にスラブを登るつもりで夏に行くか、どちらかだろう。
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