木曽御嶽山
- GPS
- 08:43
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,609m
- 下り
- 1,602m
コースタイム
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 8:39
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
六合目から八合目にかけての木の階段が,濡れて,泥がついていて滑りやすかった。下りで特に要注意だった |
その他周辺情報 | 鹿ノ瀬温泉で汗を流した |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
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感想
2022年7月18日(月祝)に,ふと思い立って木曽御嶽山の日帰り登山に挑戦した。できれば三連休の中日に当たる前日の日曜日に行きたかったが,天候がもう一つという予報だったので祝日の月曜日に登ってみた。しかし,山上はいまいち快晴には恵まれず,ずっとガスがある状態だった。時々雲が流されて晴れ間がでて見通しがよくなったが,全般に曇った登山となった。また,今回も念のためにと思って友人たちに声をかけたが,誰も行ける人がいなかったので単独での登山となった。しかし,途中,多くの登山者がいたので,完全な単独登山という感じではなかった。
木曽御嶽山は,2014年9月27日午前11時52分に,剣ヶ峰近傍の地獄谷噴火口から噴火し,58名の犠牲者と5名の行方不明者を出した。そのため,しばらくは登山禁止であり,いまだに噴火警戒レベルによって登山できる場所が制限されている。今回は 2022年7月10日に噴火警戒レベルが2から1に格下げになり,剣ヶ峰まで行けるようになった。そこで登ってみた,というのが今回の記録。
ルートは東側にある黒沢口登山道で剣ヶ峰を目指した。噴火前までは,南側の田の原から登る王滝口登山道がメインだったように思うが,2022年7月10日時点で王滝頂上から剣ヶ峰までは通行禁止になっている(7/10以前はもっと下までしか登れず)。しかし,木曽御嶽山で一番標高が高いのは剣ヶ峰であり,そこに行こうと思うと,王滝口登山道以外の道,ということになる。そうなると,北西の濁河温泉からルート,北の日和田道,東の開田口登山道,同じく東の黒沢口登山道,のいずれか,になる。黒沢口登山道以外は,三ノ池,五ノ池付近に登り,そこからサイノ河原を越えて剣ヶ峰に向かうため,多少距離が長い。そこで一番距離が短い黒沢口登山道で登ることにした。
黒沢口登山道から登るには,六合目にあたる中の湯駐車場から登るか,あるいは御岳ロープウェイで七合目まで行き,そこから登るか,になる。しかし,御岳ロープウェイの始発は7月の三連休中は午前7時からだった。そうなると七合目が7時半とかになるので,少し出発が遅くなる。そこで,最終的に黒沢口登山道の六合目にある中の湯駐車場から登ることにした。
中の湯駐車場にはトイレがあるので,そこで朝まで寝て過ごす作戦にした。中の湯駐車場に着いたのは前日の午後5時半ごろだった。三連休だから駐車場いっぱいになるかも,と思って早めに着くようにでたからね。ところが,駐車場は意外といっぱいにならなかった。朝登り始める時も,下山した時もそんなにたくさん駐車されている感じではなかった。なんでやろ?みんな御岳ロープウェイを使ったのかな? 駐車場に着くと,すでに下山してきた人たちに話を聞いてみた。静岡から来た若人3人組に話を聞くと,黒沢口登山道は八合目の女人堂までの木の階段の道が,すごく濡れていて大変だった,とのことだった。ビオトープの中を歩いているようだった,と表現していた。また,同じように早めに着いて,朝登る人も数グループいたので,その人達とも情報交換しておいた。その後,晩御飯を食べ,インスタントコーヒーを飲み,チューハイを飲んで次の日に備えた。
午後8時頃には寝て,午前3時頃に起きた。気温は15℃程度だったみたい。車の中で毛布をかぶって寝たが,少し寒いぐらいだった。そのためか,1時間毎に目が覚めてしまった。それでも長い時間寝れたので,寝起きは悪くなかった。午前3時過ぎから朝ごはんを食べ,登山ウェアに着替え,トイレに寄ってから出発した。出発したのは午前4時前だった。
六合目に当る中の湯駐車場からしばらくは森の中の木の階段を延々と登っていく。そのルートは昔からの参詣の道だったみたいで,開山した覚明の銅像や,石碑などが多数あった。そんな古い道なので,かつてはそれらしく整備されていたようだが,その木の階段がへたっていて,かつ,かなり濡れていたので滑りやすくて困った。それでも登りはまだ言うほど難しくはなかった。だが,下りが大変だった。濡れて滑りやすい上に,多くの登山者が歩いて泥がついていて,余計に滑りやすくなっていた。そのため,下りで5回ほど尻もちをついてしまった。一度なんかは右手をついてしまい,薬指を突き指してしまった。
そんな道だが,登りは一定のペースでもくもくと登ることができた。途中,七合目を過ぎた辺りで後続の人に追いつかれた。その人は石川県の人で,2週間前に白山にご来光を見に行かれたらしい。その人とはペースが合う感じで,その後剣ヶ峰まで一緒に登った。私の亀さんペース(うさぎとかめの亀のように,遅めだがほぼ止まらずに登る)に合わせてくださり,まずまずの時間で登ることができた。途中,うだうだを話をしながら登ることで,かなり気が紛れてよかったと思う。また,雲がかかり,これから登る上部があまり見えなかったのもよかったかもしれない。下りに振り返ると,八合目,九合目より上がはっきり見えたが,登る時にあれが見えてるとちょっと気持ちが萎えたかもしれない,と思ったからね。
八合目には女人堂がある。きっと,昔はそこが女人結界やったんやろなぁ,と思う。でも,そこからだとまだ剣ヶ峰はかなり遠くて,あまりはっきりとは見えへんねんけどね。八合目では,少し休憩してからさらに上を目指した。ちなみに,八合目付近まで来ると背の高い木はなくなった。どうやら八合目の辺りが森林限界みたい。八合目より上はさらに木がなくなり,ザレた道を登る,いかにも「高山」という道になった。
八合目からしばらく登ると,徐々に角度がきつくなり,岩場を登る感じになったなぁ,と思ったら,見上げた先に石室山荘が見えた。もっと平らになった辺りにあるのかと思っていたら,かなりの斜面にへばりつくように立っていた。石室山荘付近では,ルートは右から行って石室山荘内を通過するルートと,左から行って石室山荘を迂回するルートがある。今回は,行きは石室山荘の中を通り,帰りは石室山荘に入らずに下山した。石室山荘を出るとまだまだ急な登りがある。少し登ると「九合目」の石碑がある。そのすぐ上に覚明堂がある。そこも急な斜面にある狭い空間に建ててある感じだった。ちなみに覚明堂は噴火後に廃業したらしい。
覚明堂をすぎると傾斜が少し緩やかになり,二ノ池山荘への分岐がある。その先に少し広い別の分岐点がある。そこは二ノ池山荘から剣ヶ峰に向かうルートとの分岐で,黒沢十字路をいうみたい。本来は王滝頂上への道も分岐してるみたいだが,現在は王滝頂上への道は通行止めとなっていて,T字路に見えた。そこに多くの荷物がデポしてあった。どうもどこかの宗教団体の皆さんが上にいるみたいだった。
黒沢十字路から先はラストスパートであり,頭の中では栄光のビクトリーロードと思いながら歩いた。きっと横から見るとヨタヨタ歩いていたと思うが…。そして,登山開始から3時間半ほど経った 7:20 に剣ヶ峰にたどり着いた。しかし,その時剣ヶ峰は雲の中で,周りは何も見えなかった。おまけに風があって寒いし…。そこで雲が切れるのを待ってもよかったが,9時とか10時に天候がましになるという予報がとあるサイトであったので,それにかけてみることにして,とりあえず摩利支天山に行き,その後で再び剣ヶ峰に行くことにした。ちなみに石川から来られた方とはそこで別行動になった。
摩利支天山は剣ヶ峰の北の方にある。剣ヶ峰から黒沢十字路まで下り,そこから二ノ池山荘前を通り,サイノ河原を越えて行く。剣ヶ峰は 3067m あるが,サイノ河原は 2880m 程度であり,そこから 2960m の摩利支天山に登り返す。 剣ヶ峰から 200m ほど下って 80m 登り返す形になる。言い換えると,帰りは 80m 下って 200m 登らないと剣ヶ峰にいけない…ふぅ…。二ノ池山荘は二ノ池の横に建っている。二ノ池は一ノ池ほどではないが,ほぼ火山灰(?)で埋まっていて,池はほんの少ししか残っていない。いかにも火山という雰囲気の場所である。そこから池の淵を回り込むとサイノ河原が目の前に広がる。二の池ヒュッテの辺りからダラダラと下り,一度ガクッと下るとそこがサイノ河原になる。サイノ河原は霧が出ると位置がわかりにくいからか,多くのケルンが積んであった。
サイノ河原を越えると,サイノ河原避難小屋横を通り,摩利支天乗越に向かって一気に登る。そこは標高 2930m あり,摩利支天山 2959.5m とほぼ同じである。そのため,そこから摩利支天山へは,壁のようになっている尾根のすぐ下をトラバースして行く。途中,かわいい高山植物の花が多数咲いていた。摩利支天山は壁のようになっている尾根(きっと昔の火山の火口の壁)の先端にある。そのためあまりピークのようには見えないが,摩利支天山という標識と,三角点が置いてあった。その少し先にも行ってみたが,どんどん下に行ってしまいそうな気がしたのでやめておいた。
摩利支天山からは,来たルートを戻った。 摩利支天乗越やサイノ河原避難小屋の辺りからは三ノ池が見下ろせた。三ノ池はサイノ河原避難小屋横から見るとかなり下の方にあった。地図で確認すると三ノ池は標高 2720m 程度みたい。その北側に四ノ池があるが,そこも一ノ池,二ノ池と同様に埋まっているみたい。その辺りも行ってみたいと思ったが,とりあえず今回はやめておいた。
摩利支天乗越からサイノ河原を越え,二の池ヒュッテ前を通り,二ノ池山荘,黒沢十字路と歩いて剣ヶ峰に向かった。再び剣ヶ峰に着いた時は,やっぱり剣ヶ峰は雲の中だった。しかし,時間が10時過ぎだったので,とりあえずしばし雲が切れないかを待ってみることにした。その間に御嶽神社奥社でお守りを買ったりした。そうしているうち,10:20頃,急に山頂付近の雲が薄くなり,一ノ池や王滝頂上が見えた。すぐにまた雲が来たが,しばしするとまた雲が薄くなり,その後,一度ほぼ雲が取れた。20分以上粘った甲斐があった。剣ヶ峰から見ると一ノ池は完全に埋まっていた。噴火前はその周りをぐるっと回れたみたい。また反対側を見ると王滝頂上や,そこに続く登山道が見えた。また右寄りに火口の端らしきものも見えた。
とりあえず剣ヶ峰で周りを見ることができたので,満足して下山を開始した。下り始めたのは 10:30 頃だった。下りは得意なので,そこから黒沢十字路,覚明堂,九合目,石室山荘と下り,八合目の女人堂まで 50分程で下ってしまった。女人堂前では石川から来られた方が休憩してはった。摩利支天山まで行って,そのまま下ってこられたみたいだった。その人はしばしゆっくりされるみたいだったので,声だけかけて下山することにした。
八合目の女人堂から先が今回の一番つらい場所だった。何が辛いって,八合目から七合目にかけての道の後半部分。そこは木の階段が続いているのだが,濡れてさらに泥もついていてかなり滑りやすい。その階段が延々と続く。そのためちょっと気を抜くとすぐに滑ってしまう。その区間だけで3回コケて,一回は右手をついてしまい突き指してしまった。今回は KEEN のピレネーを履いていったのだが,あの靴はソールが滑りやすいので,特に難しかったのかもしれない。やっぱりアルパインクルーザーを履いてくるべきだったか?
八合目の女人堂から七合目の行者山荘までは 30分ほどかかってしまった。御岳ロープウェイに乗る人は七合目で横移動になるが,六合目の中の湯駐車場に行くにはさらに下らないといけない。その先もやはり修行だった。八合目から七合目の区間よりも階段はヘタっている気がする。そこでも2回ほど尻もちをついた。それでもなんとか頑張って下り,七合目から35分ほど経った 12:26 に無事に中の湯駐車場に下山できた。剣ヶ峰からほぼ2時間で下ったことになる。いいのか悪いのかわからへんけど…。
中の湯駐車場に着いて,靴を履き替え,レインウェア(パンツのみ)を脱ぎ,シャツを着替えて,とりあえず帰路についた。帰りに温泉に寄りたかったので,御岳ロープウェイ前を通り,鹿ノ瀬温泉に寄ってみた。鹿ノ瀬温泉はよくある日帰り温泉施設という感じではなく,むしろ普通の旅館風だった。日帰り入浴ができるのか一瞬わからなかった。しかし,よく見ると看板に入浴とあるので聞いてみたら,入れるとのことだった。鹿ノ瀬温泉はカルシウムや鉄分が豊富な温泉だった。地下 1000m から汲み上げているらしい。そこで汗を流し,開田高原,国道19号線経由で中津川インターに向かい,そこから中央道で帰った。
今回は2週間前の白山に続き,木曽御嶽山に登ってみた。十分日帰りできる山だったが,さすがに 3000m を越えるだけあって,思った以上に疲れた。やはり空気が薄いのかなぁ?地図で見るとすぐ近くに木曽駒ヶ岳や空木岳のある中央アルプスがある。次はその辺りの山に登ってみたい,と思った三連休の最終日だった。
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