大雪山・十勝連峰縦走
- GPS
- 44:13
- 距離
- 75.6km
- 登り
- 5,538m
- 下り
- 5,342m
コースタイム
- 山行
- 12:39
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 13:07
- 山行
- 10:41
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 11:17
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 8:22
- 山行
- 9:23
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 10:42
天候 | 8/21晴れ(風あり) 8/22晴れ(静穏) 8/23雨(風あり)※停滞 8/24雨→曇り時々晴れ 8/25晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三川台〜双子池間はハイマツ、笹が濃いので、早朝の朝露、雨天時はずぶ濡れになる可能性あり。 |
その他周辺情報 | 前泊はふもとのホステル(ケイズハウス)を利用 |
写真
感想
黒岳や旭岳周辺を除いて、表大雪はほとんど歩いて来なかったので、頭の中でも空白部のようになっていた。今回、新婚旅行で旭岳から富良野岳まで縦走コースを歩き、大雪山、十勝連峰の夏の魅力にどっぷりと浸かってきた。
【8/21】
前日は旭岳のふもとのホステルに宿泊。ホテルの体重計で測ったら、ザックの重さは水なしで13キロ、パートナーのmは12キロだった。
午前2時半に旭岳登山口を出発。明るくなる頃に姿見に到着した。風が強く、かなり肌寒さを感じた。後旭周辺には立派な雪渓もあり、水も流れていた。御鉢の南側を歩いて白雲岳分岐へ。ザックをデポして白雲岳を往復する。白雲岳避難小屋からは高根ヶ原という台地地形が続き、圧巻の景色だった。特に板状の岩が敷き詰められたスレート平という岩礫地は見応えがあった。忠別岳までが思っていたよりも遠く、荷物がずっしりと肩に食い込んでくる。忠別岳山頂から西面、南面の眺望は息を飲んだ。ヘロヘロになりながら指定キャンプ地に到着。雪渓もあり、水は十分に補給できた。
【8/22】
4:30にキャンプ地を出発し、五色岳へ。五色岳から誤って沼ノ原方面に下ってしまい、途中で気づいて引き返す。化雲岳山頂には岩山があり、登ってみると大雪方面がよく見えた。この岩山は遠くからも見えるランドマークだ。ここからトムラウシ山への登りは圧巻の景色の連続だった。自然が造り出した日本庭園、ロックガーデン、次々と変化する風景に何度も歩みを止めながら見入ってしまった。あちこちからナキウサギの鳴き声が聞こえるのでじっと待っていると姿を見ることができた。繰り返していると、段々とナキウサギの姿を見つけるのが上手になってくるので面白い。トムラウシ山南西の南沼キャンプ場には水なし。南沼で水を汲んで、三川台に向かう。23日の予報が非常に悪いので、指定地以外でのビバークは避けられず、テン場選びにはかなり神経を使ったが、三川台のカール地形の縁で風を防ぐことができた。浄水や煮沸が必要だが水も確保することができ、ここで明日は停滞することにする。
【8/23】
停滞日。一日中雨が降っていたが、テントをたたく風は弱い。稜線では風であおられたハイマツがものすごい音を立てていたが、カール壁に守られてテント内は快適だった。停滞中はラジオが最高の楽しみだった。ボルネオ島に通っているというボタニカルアーティストのおばさまのトークが、上品な話し方と破天荒な旅の話がミスマッチしていて面白かった。毎正時の天気になると、神経を尖らせて耳を傾ける。テント内で全身のストレッチとマッサージを半日かけて行ったところ、翌日は縦走初日のような体の軽さとなった。
【8/24】
天気の回復が遅く、朝方から霧や小雨。三川台から双子池までは笹やハイマツが覆いかぶさっていて、前日の雨による水滴でずぶ濡れとなった。行動開始から45分程度で靴が浸水してしまった。あっという間に双子池まで到着し、水を汲んでいると、スコールのように雨が降ってきた。肌着まで濡れてしまい、かなり冷え込んでくる。8月の山だというのに本当に寒かった。化繊ジャケットをハードシェルの下に着込むとぬくもりを感じて気が安らいだ。オプタテ山頂までは600メートルの登りで、稜線は西風が強かった。雨は短時間で止んだので幸いだったが、あのまま降り続いた状態で稜線に出ていたら恐ろしかった。ベベツ岳、石垣山を越えて美瑛富士キャンプ指定地へ。わずかに水たまりと水の流れがあったが、双子池で十分に汲んできたので新たに汲む必要はなかった。テントから顔を出すと天の川がみえた。満点の星空だった。
【8/25】
最終日、美瑛富士に空身で登り、美瑛岳へ。大雪、十勝方面共に眺望できた。十勝岳からは砂漠地帯のようになり、またガラッと様相が変わる。ここから先は冬を含めて何度も来ている場所なので、帰ってきた感がある。カミホロカメットク山周辺で尾根や岩、壁をじっくりと観察した。この冬は自分の力でここを登攀したいと思っている。かみふらの岳から先は未踏の地。富良野岳は迫力があり、とてもかっこいい山だ。12時半過ぎ、ようやく長い旅の終着点に到着した。振り返ると旭岳は雲の中だったが、長い旅路を感慨深く眺めることができた。
天気にも恵まれ、1日の停滞は体の回復にも繋がった。夏道をゆっくり、味わい深く歩き、大雪山、十勝連峰、そしてそこから見える夕張山地や東大雪、北大雪の位置関係を自然と体で覚えることができた。75キロのロングトレイルは最高の新婚旅行になり、これからどうやって大雪十勝を登っていこうかという夢を広げてくれる山行でもあった。
新婚旅行で大雪〜十勝縦走ですか。これからの長い人生、楽しみがいっぱいですね。おめでとうございます。
2晩にわたる沈澱、オプタテシケからの暴風雨、すごく共感できました。おつかれ様でした。
ありがとうございます。記録拝見しましたが、前週にまさに同じような境遇でいらっしゃったんですね。写真で拝見した双子池の停滞はとても大変そうでした。浸水しなくてよかったです。北海道遠征お疲れ様でした。また何処かで。
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