綾部市境08 古路峠 枯木峠 千原峠 尾藤峠 宮ヶ岳 宗峠 宗谷 金谷峠
daisukena
体力度について
- GPS
- 07:09
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 941m
- 下り
- 980m
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- 山行
- 7:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:10
| 過去天気図（気象庁） | 2022年10月の天気図 |
|---|---|
| アクセス | |
| コース状況／ 危険箇所等 |
2022年5月から綾部市境を巡る縦走を開始。テント泊で一気に行きたいところだがまずは日帰りで線をつないでいく。 先日、秋に入って初めて半日の市境巡りをして少し足が慣らした。そこで7月に歩いた古路峠の先、福知山市と綾部市の西側境界を南側に向かって歩き、由良川平野部の私市を目指す。 オンラインの打ち合わせが朝8時からに入っていた関係で、家から原付で古路峠に急いで向かったが、登山開始は午前10時過ぎ。この日は私市まで辿りつけず、途中の金谷峠で降りることになった。 |
| その他周辺情報 | 綾部市境巡り全10日の記録一覧 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/search_record.php?place=%B0%BD%C9%F4%BB%D4%B6%AD&uname=daisukena&request=1 |
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感想
2022年5月から綾部市境を巡る縦走を開始。テント泊で一気に行きたいところだがまずは日帰りで線をつないでいく。
先日、秋に入って初めて半日の市境巡りをして少し足を慣らした。そこで今回は7月に歩いた古路峠の先、福知山市と綾部市の西側境界を南側に向かって歩き、由良川平野部の私市を目指す。
オンラインの打ち合わせが朝8時からに入っていた関係で、家から原付で古路峠に急いで向かったが、登山開始は午前10時過ぎ。この日は私市まで辿りつけず、途中の金谷峠で降りることになった。
古路峠近辺はちょっとした広場があり、そこに原付を駐車してから登山開始。廃道になった林道を登り始めるが、少しすると背の高い草が生えている箇所があって歩きづらいので、林道の曲がり道から取り付いてショートカットし、尾根を目指す。稜線に到達すると道のようなものが続いている。林道をもう少し進んだ先から尾根に上がる道があったのだろうか。その後の道中は快適で、尾根道に沿ってサクサクと歩いていく。
少々難儀だったのは枯木峠。車道が尾根を分断していてルートをうまく探さないと車道に降りられないが、地籍調査のためのピンクテープをヒントに降りていくと、車道傍に階段上の壁面があり、比較的降りやすいルートが見つかった。南側の尾根への復帰もピンクテープを頼りに取り付くと、まず車道が開通する前の古い峠道を見つけることができた。そこから尾根に復帰する明瞭なルートは見つけられず、地籍調査の杭を目安に斜面をガシガシ登っていった。稜線に出ればまたもやいい感じの尾根道が続いていて、地籍調査のピンクテープが市境をガイドしてくれる。地籍調査の担当者は山好きなのだろうか。登山靴やストックなどを使って山の中の道なき道を歩くのだとしたら、そんな仕事も悪くない。でも地籍調査といっても山ばかりではないのかもしれないな、などと考えながら歩く。途中、何度も峠道と交差する箇所があって、里山らしい人の移動の気配を感じる。
尾藤峠へと降りる手前、峠の西側の山にお堂があった。お堂に置いてあったものは既に移動されたのか、廃墟のようにはなっていたが、このあたりで育ったというwalkinさんの記事によれば、ここは行者堂だったという。お堂の裏（北側）には石垣でできた祠があり、中には偶像が祀られている。尾藤峠からは参道があって、少し荒れている箇所はあるものの原型を留めており、かつては地域の方々がお堂の手当てや道の整備を行っていたのではないかと思われる。ちなみに僕が住む山家というエリアでも、自治会の活動の中に「行者当番」というものがあり、山中にある行者堂のお掃除などをすることになっていて、もしかしたら来年は当番が回ってくるかもしれない。
尾藤峠から東側の尾根は登りやすい取り付きが見つからず、獣道と思われる道を少し上ったあとはやや強引に斜面を登って尾根に辿り着く。尾根は比較的歩きやすかったが、ここでスズメバチに遭遇。最初は尾根道にハチが止まっているのを目撃し、地面に向かってお尻を何度も刺しているような動作をしているのを発見する。産卵なのか何なのかよく分からないけどヤバそうな予感がして少し先を見たら7〜8匹のハチがブンブン飛んでいる。まずいなあと思ってとっさに谷側に迂回したので、ハチに気づかれることなく行動できたように思う。クマは身体的な動作などで少しはコミュニケーションできたけど、虫はそうしたやり取りできないから怖い。マダニの感染症もあるし、山で一番怖いのは虫だなと、改めて思った。
その後の尾根道は歩きやすく、里山の古道が山の中を交差しておりいい雰囲気。徐々に高度を上げていくとやがて宮ヶ岳に辿り着く。頂上はちょっとした広場になっていて、かつては何か建っていたとしてもおかしくない地形。南側にはお宮さんがある。
宮ヶ岳の南側の尾根も、美しい道が続いていて歩きやすい。途中で「境」の文字が刻まれた石碑が複数立っているが、何と何の境目なのかは特に記載がない。綾部市と福知山市の境界線を表すのであれば、時代的にプラスチックや金属製のはずだが、これは石製なのでもう少し古い時代のものだろう。もしかしたら、丹波国と丹後国の境界線を表しているのかもしれない。黄黒のガイド用ロープが貼られている箇所もあり、現在も登山道やお宮参りの道として、整備されているのだろう。宗谷（P285.9）付近には眺望が少しだけ開けるところがある。ピークを過ぎて南西側に降る緩やかな道を進むと、金谷峠に到達し、ここで今日の山行は終了の時間となった。
金谷峠はどうやら地表から比較的浅い場所を水が通っている地形のようで、つい最近に大量の土砂が流れた跡があった。金谷峠の上側を少し散策すると、今年の大雨で比較的大きな土砂崩れが起きている様子が見えた。谷の地中に大量の水が流れ込んだことによって土が流動化し、谷に生えた木と共に流されていったように見える。こうやって少しずつ時間をかけて、山の地形も変わっていっているのだろう。峠道にも水が流れ込んでやや荒れていた。道に水が流れないように排水管が設置されていたが、排水管の入口が土砂で埋まってしまって機能せず、峠道が川のようになってしまっていた。僕がストックなどで土砂を少し取り除くと、排水管に水が流れ始め、峠に流れていた水は止まった。自分も道の整備に少し関われた気がして嬉しかった。
里まで降りてくるときれいな夕焼け。車でピックアップしてもらって古路峠まで戻り、原付に乗って家路についた。
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yurimuko さん
■地籍調査に立ち会ったことあります。P185近くです。
市の担当職員、外注してる専門業者２名、地元の詳しい人数名が１チームでした。
従来からある地籍図と地主のデータを確認しながらチェックしていって、境界確定点に赤杭を打っていきます。市職員はともかく、業者の人は大変みたいです。山好きでないと務まりませんね。山好きにはおもしろい仕事です。
しかしいきなり道間違いして、急斜面を直登させられましたが・・・真夏のかんかん照りの日でこちらも疲れました。
■行者山の石室見落としました！こんど見に行きます（現在綾部にいます）
■金谷峠の水流は丹後側と丹波側で水の取り合い（河川争奪）が怒っているのではないかという説がありました。現在そのサイトがクローズです。
ではまた
地籍調査員の方とお会いになったことがあるのですね。市境巡りをしていると、地籍調査の痕跡や整備された関電巡視路と出会うことが多く、どんな職業なのだろうと興味津々でした。
行者山の石室は小ぶりでしたが、石像も残っていて気になりました。修験信仰を祀っていただけなのか、行者がここで修行をしていたのか、イメージを膨らませても想像がなかなか追いつきませんが、気になります。うちの近くにも「岩根山行者堂」というお堂があり、毎年時期になると法要やホラ貝吹き大会が開催されているようで、現在はコロナ禍で中止続きですが、来年あたりは開催されるんじゃないかと楽しみにしています（私は昨年の年初に引越してきたのですが、来年は自治会の行者当番が回ってきます）
金谷峠の水流は、そこまで奥深い地形ではないのに、大量の水で地崩れした跡があって、もしかしたら地上の水が集まって流れるだけでない、地下を流れる水脈があるのかもしれません。丹波と丹後の谷が峠で出会う地形になっているので、なるほど水の争奪は有り得る地形です。水の争いは死者を出すこともあると聞いたので、過去には恐ろしいことが起きているかもしれませんね。
■行者山
この地方、多分丹波修験の範囲と思います。その昔、本家の修験と諍いがあり焼き討ちにあったという話がありました（うろ覚え）。しかし、末端の信仰はあまり関係がないようで、お構いなしに大峰に行ってたようです。
子供の頃、持ち回りで寄り合い（要は宴会）をしていたようで、隣のおじいさんが行者で、ザンゲーザンゲー・・・などとやっていました。法螺貝を吹かせてもらいましたが、スカスカで音など出るはずもなく。それなりに信仰
があったようです。
■河川争奪
原著者は自然現象の河川争奪ということでした。しかし、人為的な引き水があるということは自然現象ではないかも知れませんね。重要なご指摘です。
ただ、丹波、丹後の対立・諍いはないと思っています。丹波側は土地が高く水がかりが少ない、一方丹後側は土地が低く、そのぶん山は相対的に高いです。ということは水に苦労しない。西坂など水が少なく、夏場は風呂の水にも苦労していました。溜池も多いです。金谷峠の水源は小畑の人が苦労して水を引いていたと思います。
■行者山
このあたりの修験道は丹波修験の流れを汲んでいるのですね。室尾谷観音寺が近いのでその影響もあったのでしょうか。丹波修験について、東京から引越してきたのでこのあたりの歴史地理に疎く、少し調べました。多紀連山が本山なのですね、行ってみたいです。大峰奥駈道は前から興味があって、来春に挑戦してみたいなと思っています、冬の間に身体の調整うまくいけばですが・・・。
■河川争奪
なるほど、自然現象でしたか。早とちりしました。夏場は風呂の水にも苦労していたとは、田んぼの水のことを考えたら死活問題ですね。地形を改めて見ると、北側と東側、どちらに水が流れてもおかしくなさそうな地形で面白いです。
先週末、シデ山〜洞峠を歩いてきました。徐々に色づき、そして色を失っていく木々たちが、本当にきれいでした。後日またアップしようと思います。
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