誰もいない山梨百名山・眺望を独り占め・太刀岡山〜黒富士〜曲岳
- GPS
- 07:35
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 1,238m
- 下り
- 714m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ時々曇ったり |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
観音峠までプラス10分 下山:観音峠にデポした自転車で太刀岡山登山口駐車場まで約10分。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○特に危険な場所はありません。 ○太刀岡山と鬼頬山の登りがけっこうきついです。 ○曲岳付近には、展望ブリッジやめまい岩など、 眺めの良い岩場がありますが落ちないように気を付けましょう。 |
写真
装備
備考 | 眺望の良い場所が多々あるので双眼鏡を持って行きました。 遠くの山や下界を眺めると楽しいです。 |
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感想
好天が続いた9月の連休は混雑が予想されたのでじっと我慢して山行を見送ることにして、天気予報とにらめっこをしながら平日の天気のよさそうな日を待った。
候補地としては、自転車を活用する太刀岡山から曲岳の日帰りコースと奥秩父で唯一未踏の和名倉山1泊2日コースである。
このあと、谷川岳全山縦走を予定しているし、2日続きで天気が良さそうな日が来そうもないので、前者の太刀岡山日帰りコースに行くことにした。
高速道路の深夜割引が利く午前3時過ぎに家を出て、東名高速、圏央道、中央高速を利用して双葉スマートインターを出たのが5時過ぎ。太刀岡山登山口を確認しながら下山口であり自転車をデポする観音峠に着いたのが、家を出てからちょうど3時間の午前6時10分。いい時間である。
圏央道が開通したおかげで、いままで不便でしょうがなかった中央高速に乗るのが30分以上短縮されるようになった。
下山口の観音峠から太刀岡山登山口までは距離にして約5.3キロの下り坂。歩いたら1時間以上かかりそうだが自転車で下ればあっという間だろう。守門岳に続いて自転車活用第2弾である。
太刀岡山登山口には誰もいなかった。好きな場所に車を止め歩き始める。え〜、ここが登山路?というような民家の裏を通り、野生動物脱走防止用のフェンスを抜けるといきなり急登が始まる。
登りはじめの気温は14度と快適だったが、風のない樹林帯の急登は暑い。黙々と登るのみ。途中、名物の鋏岩やその手前の大きな岩はロッククライミングの練習場になっているらしく、岸壁には沢山のピンが埋まっていた。
太刀岡山は標高にしては1200メートルほどなので大したことはないが、けっこう登り甲斐がある。1時間半ほどずっと急登なのだ。突然、目の前が明るくなったと思ったら山頂に飛び出した。
石祠が2基と三角点がある。ほどほどの広さとほどほどの展望がある感じの良い山頂である。富士山方面はガスが立ちこめているので何も見ないが西の方には木々の間に八ヶ岳が見えている。これから行く前方には茅ヶ岳が山腹に雲を漂わせながらすっきりと立ちはだかっている。
ビデオに記録しようと準備していると、あれよあれよという間に雲が八ヶ岳を隠そうとしている。かろうじて阿弥陀から権現あたりをビデオに収めたが赤岳は雲に隠れてしまった。恥ずかしがり屋なのか、この日赤岳は最後まで姿を見せなかった。
太刀岡山の急登もきつかったが、この先、鬼頬山(おにがわやま)の登りもきつかった。え〜。ここを登るのかよ、というくらい目の前にとてつもなく大きく立ちふさがり、登山路にはずっとトラロープが張られていた。このどうってことのない山の登りが今日一番のきついところだった。この標高差300メートルの急坂を登り切ってしまえば、あとは大した登りはないはずである。
ちょっと時間はかかったものの何とかこの急坂を登り切って鬼頬山山頂の山毛欅の大木の下でひと休みしていたら樹間から黒富士牧場の白い屋根が光って見えていた。時折、のんびりした牛の鳴き声が聞こえてくる。牛の鳴き声はいいとしても、風に乗って牧舎の臭いまで運ばれてくるのはちょっと頂けない。
狭い黒富士の山頂からはほとんど展望がない。山梨百名山の標柱が立っているだけだ。金峰山から梢越しに見えるくらいで低い三脚では視野に入らない。しかし黒富士の魅力は山頂にはなかった。ちょっと八丁峠寄りに下ったところに展望抜群の露岩があった。人が一人か二人乗れるくらいの狭い露岩であるが、ここからの展望が素晴らしい。
これから行く曲岳やお隣の茅ヶ岳はもちろん、さっき山頂からちらっと見えた金峰山から八ヶ岳(ちょっと雲に隠れてはいるが)までがずらりと見えるではないか。南アルプスの甲斐駒ヶ岳あたりも雲から出たり入ったりしている。遠くには名もわからない山も見えている。
佐久方面になだらかな山並みが横たわっていると思ったら、先日、昔の記録を書き起こした茂来山から四方原山ではないか。その横に険しい稜線を見せているのは御座山だろう。
いくら見ても見飽きない展望である。
きっと天気の良かったこの連休中ではこの露岩は大渋滞だっただろう。でも今日は誰もいない。この素晴らしい眺望を独り占めである。
お昼ご飯を食べながらたっぷり展望を楽しんだので先へ進むことにした。八丁峠の手前に枡形山というのがある。縦走路からちょっとはずれた山で、山梨百名山にもなっていないし、三角点もない。地図で見る限りでは何の変哲もない山なので素通りしてもよかったのだが、10分ほどで行けるらしいし、この山頂だけ登り残すのも何なので行ってみることにした。
結論から言うと、この枡形山からの眺望も黒富士の露岩からの眺望と負けず劣らずでなかなか良い。南アルプスを除けばほぼ黒富士と同じ景色が見ることが出来る。黒富士の露岩が満員だったらこちらにきてもゆっくりしてもいいのではないだろうか。ただ、私が寄ったこの日は、大量発生した羽蟻が腕や顔にまとわりついて素晴らしい展望の山頂には長居は出来なかった。この山頂には羽蟻のいない時期に立ち寄ろう。
曲岳というのは甲府の街からよく見える。茅ヶ岳の右側に、平らな稜線の左端にちょこんと三角な頭をもたげているのが曲岳だ。けっこう目立つ山容をしているので、教えられれば一度で覚えてしまう山である。
そのなだらかな稜線をぶらぶら歩きながら曲岳の急坂に取り付いた。といっても鬼頬山ほどの急登ではないしその距離も短い。曲岳の山頂には展望はない。しかし、黒富士のように山頂の前後に展望の良い場所がある。八丁峠側から行くと展望舞台という富士山側の展望が開けた場所がある。
眼下に甲府の街が広がり、大菩薩から御坂山塊の山々がずらりと並んで見える。当然、富士山も雲の上からひょっこり頭を出している。ただ、ここも狭いので休日には渋滞するだろう。平日がお勧めである。
山梨百名山。三座を登頂して観音峠に降り立ったが、とうとう今日一日誰にも会わなかった。今年、西上州の角落山以来2回目である。天気もまあまあだし、それなりに展望もあったし、文句のない山行であった。
観音峠からはデポした自転車で観音林道を快走し、徒歩1時間30分のコースをわずか10分で駐車場に戻った。
快適かつ静かな山行でした。やっぱり山は平日に限ります。
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