記録ID: 5221339
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
悪沢岳の研究(東尾根)
2023年02月25日(土) ~
2023年02月27日(月)
体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 51:27
- 距離
- 41.3km
- 登り
- 5,113m
- 下り
- 5,017m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:58
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 5:07
2日目
- 山行
- 10:09
- 休憩
- 3:23
- 合計
- 13:32
3日目
- 山行
- 10:15
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 11:38
天候 | 1日目曇り、2,3日目晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●新倉湧水〜田代川第二発電所 現役の林道歩き。途中リニア工事や堰堤工事現場を通過し、その関係車両通行には要留意。 ●田代川第二発電所〜八丁峠〜伝付峠 田代川第二発電所〜八丁峠の間の急斜面は脆く細いため(重荷と重登山靴では)割と苦労した。フィックロープをありがたく使用したが、馬の背(仮称、両側が切れ落ちている箇所)には「関係者意外 使用禁止」の文言が確認され、これに律儀に従うなら50mロープがあった方が(そしてその残置を覚悟した方が)よい。 八丁峠から内河内川へトラバース風に高度を落とす箇所は薄雪が積もり北側斜面なので融けにくく嫌らしかったため、アクセススパイク等があるとベター。ちなみにフィックスロープは各所にある。 内河内川に沿ってしばらく遡行する箇所は劣化が進み困難は増していく方向の印象。岩から染み出した水が凍結した箇所も(ごく僅かだが)あり積雪期には要注意。フィックスロープや橋は設置されている所も多いが全てではない。 内河内川から伝付峠への尾根に取り付くと平和になり、水場と幕営適地を経て峠へ至る。水場にはパイプが設置され水が垂れていた。 ●伝付峠〜二軒小屋 東側のルートと比べて非常に歩きやすく整備されているが一部獣道に惑わされやすい所もある。融けかけて凍ったツルツル路面が数箇所あり何度か派手にすっ転んでしまった。 ●二軒小屋〜マンボー尾根〜千枚岳 尾根取り付きのルンゼが状況次第で嫌らしくなる懸念があったが、通行時は締まった雪が付着していて問題なし。 尾根の下部ほど等高線は密だがルートがジグザグに切られているため負荷はそれほど高くならない。また全体を通じて藪漕ぎは無く通行者は多くない様子だが一般道の感は強い(一般道です)。万斧沢ノ頭の先のアップダウンの一部はトラバースルートになっているので積雪期は選択。 ダケカンバ帯から千枚岳はハイマツ等が埋もれているので自由度高くルートを選べる。 ●千枚岳〜悪沢岳〜中岳・前岳 千枚岳の先のアップダウンは稜線通し。体感で雪稜8割、岩・ザレ2割。風衝地で雪が締まっていた事に助けられた。雪岩ミックス箇所では重荷で体勢に工夫を要する所もあったが、結果フリーで問題なく往復。 悪沢岳→(中岳との)最低コルは基本夏道を追い、滑落の危険はあれど雪の締まりに助けられて問題なし。 最低コル→中岳は稜線通しで、千枚岳と比べると穏やかな雪稜歩き。 ※千枚岳アップダウン、中岳までの雪稜では一部トラバースも選んだが、復路では稜線通しが良いと判断した。 |
その他周辺情報 | 【宿泊地】 1日目→2日目:二軒小屋 後から知るが今季テント泊も不可との事。 2日目→3日目:中岳避難小屋 風を完全にシャットアウトできてあまりにも快適。 【下山後】 ヘルシー美里♨️ |
写真
装備
MYアイテム |
SGtyuta
重量:-kg
|
---|
感想
平均ペースが物語っているように、一般に厳冬期と呼ばれる時期にも関わらず、残雪期終盤の様な雪の締まりでラッセルのラの字も無かった。今厳冬期は昨年経験した物凄い負荷のラッセル(スノーシューでもラッセル)は遂に一度も経験することなく、気温も高めのようで冬季八ヶ岳や昨残雪期の南アルプス主稜線歩きで味わった極冷風の厳しさも無かった。
(条件はかなり優しいものだったと思うが)やりたかった南アルプス南部BIG3の冬期東尾根は聖岳に続いて悪沢岳も成功でき嬉しい。
残るは赤石岳だが、ロープワーク必須の箇所があると知り今季は見送る可能性が高い。その理由は、ソロでやるにはランニングビレイをしっかり習得しないと危険であり、懸垂下降スキルも不十分のため。特別ソロにこだわっている訳ではないが、自分と同じ興味を同じ熱量で持っているパートナーが現状いないため、できる限りは単独でやってみる所存です。
もし読んでくださった方で何かご存じであれば教えて頂けると幸いです(「やめとけ!」等含め)。
hillwandererさん
伝付峠越え→蝙蝠岳→峰山尾根(→田代川第二発電所への支稜)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5092373.html
詳細かつ素晴らしい山行記録で、伝付峠越えルートをしっかり追いたい方はこちらを参照されたい。
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コメント
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はじめましてこんばんは。
冬の聖岳に登りたくて昨年と今年のSGtyutaさんの記録を参考させて頂いていました。ありがとうございます。
悪沢岳の夕景も素晴らしいですね。✨
今年赤石岳東尾根にチャレンジしましたが、体力水切れにアクシデントで核心上部で敗退しました。装備的にロープまでは持てないのでフリーで臨みましたが、岩をやらない私の技量でちょっとギリギリな感じでした。持てる荷物にも限界があり、ソロの厳しさをより感じた次第です。💦
小渋川ルートで日帰りできるSGtyutaさんの体力があれば... 、僭越ながら私より遥かに可能性があると思いました。
秘密兵器を手に入れ、今年中に赤石岳に再チャレンジしようかと思っていましたが、体が癒えずまた来年以降に。w
今後のSGtyutaさんの南アルプスの研究、楽しみにしています。
はじめましてこんにちは。
お返事が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
僕のような拙い者の記録を読んでくださりありがとうございます。昨年末の聖岳が(優しかったようですが)成功して満足感に浸っていたのですが、時間が経過して悪沢岳への思いが強くなってきてチャレンジしました。
赤石岳東尾根の取り組み素晴らしいです!!コメント頂きありがとうございます。やはり岩主体なのですね。過去に簡単にネット検索した時に懸垂下降した等出てきましたので、核心上部で引き返してくるのも大変そうだと想像します。アクシデントの中、ご無事で何よりです。
僕も重荷の登攀系はソロでは難しいと考えており、今の力量なら聖岳東尾根のようにBCから(比較的)身軽に山頂往復の策で検討しております。貴重な情報ありがとうございます。
昨年、赤石岳から見下ろした東尾根にはクリームの様に大きく盛り上がった雪が載っていて「あれは自分にはとても無理だな」と思ったものですが、気付けばやってみたくなっている自分がいます。(笑)
あのような雪稜歩きはシビれますが、研究としては良い題材に感じます。
shibawannkoさんの秘密兵器は気になります!(が、どうか無事に帰ってくるまではナイショでお願いします🤫)
僕も既に残雪期ではありますが雪のあるうちに核心を見上げる位置まで行って観察し、来冬季へのヒントを見つけられたらなと思っております(他にやりたい事もあるので天気とも相談なのですが)。
またお話聞かせてください!この度はコメント頂きありがとうございました。
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