冬期大唐松尾根・農鳥岳
- GPS
- 56:37
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 2,579m
- 下り
- 2,581m
コースタイム
- 山行
- 10:42
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 11:33
- 山行
- 13:44
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 14:36
- 山行
- 0:58
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 1:03
天候 | 初日 曇りのち雪 2日目 晴れ 3日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://maps.app.goo.gl/6GntvD7MhJ2tUKxM6 奈良田第一発電所上のゲート前。5台ほど停められます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【DOCOMO電波状況(4G/5G)】 大門沢ゲート付近 X〜△ 大唐松尾根 X〜△ 農鳥岳〜大門沢下降点 △〜○ 大門沢下降点〜大門沢ゲート X 【登山道状況・雪の状態】 ・登山口〜雨池山 登山口は写真参照。尾根に乗ってからは鉄柵に沿って巻き道を進むが、鉄柵を最後まで行くと行き止まりになるので、その手前で左に進み尾根を直登する。標高1200m付近の急登は斜度45°以上あると思われる。崩れやすく滑りやすい土質。ロープも鎖もない。 この区間ヤブ箇所はほぼなし。雪は標高1500m付近から。 ・大唐松山付近 積雪深はここから段違いに増えた。 急な雪の斜面の連続。ほぼ雪壁と言っていい斜度の雪の斜面が3箇所。最深で胸の高さのラッセル。ヤブもここから現れ始める。1日目の夜に降った新雪が最大20cmほど。その下の雪はクラストしていた。 ・大唐松山〜P2633 細尾根で、かつ急なアップダウンを連続でラッセルする。ヤブに囲まれた岩峰、ナイフリッジ、胸まで埋まる吹き溜まり、雪壁。森林限界と樹林帯を交互に上り下りする。 ・P2633〜農鳥岳 標高2600m〜2800m区間は斜度45°〜50°ほどの雪の斜面。 ・農鳥岳〜大門沢小屋 トレースは稜線上のみうっすら。樹林帯の急斜面区間は非常に硬い雪の上に新雪が乗っていた。標高2200m付近から下部1900mに雪崩のデブリ。登山道も埋まり分断されていた。 ・大門沢小屋〜登山口付近 下部、垂直に近い斜面のトラバース区間あり。 ・テン泊適地 雨池山〜P2633区間は各コル、ピーク毎に大小の平坦地あり。 【装備】 大唐松山のピーク取り付きからアイゼン。大唐松山頂からP2633はスノーシューとアイゼンを使い分け。P2633下のコルから標高2800mまでアイゼンとダブルピッケル。その後稜線までスノーシュー。稜線からアイゼン。 下りは大門沢小屋までアイゼンとダブルピッケル。大門沢小屋からはチェーンスパイクとトレッキングポール。 |
その他周辺情報 | 奈良田温泉 白根館 https://hayakawakankou.jp/archives/spot/奈良田温泉 白根館/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
アクティブインサレーション
ハードシェル上下
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着(全身)
ゲイター
バラクラバ
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
軽アイゼン
ピッケル
スノーシュー
トレッキングポール
ビーコン
スコップ
ゾンデ
調理用食材
行動食
非常食
飲料
酒
水筒(保温性)
ナルゲンボトル
ビニール袋
バーナー
コッヘル
予備燃料
ライター
マッチ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
モバイルバッテリー
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
山財布
携帯
時計
サングラス
ゴーグル
タオル
テント
ポール
竹ペグ
テントマット
椅子
テーブル
ランタン
シュラフ
シュラフカバー
シュラフマット
ナイフ
温度計
予備たばことライター
歯磨きセット
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---|
感想
元々は今冬期の集大成としてロング縦走を期すべく、白峰三山縦走を目論んでいました。しかし登りで大門沢を使うのはキツイだけでつまらなそうだし、雪崩も怖いしでテンション上がらず。そこで、南ア屈指のバリエーションルートである大唐松尾根から白峰三山を縦走するという、ワタシの身の丈ギリギリの大イベントにする予定でした。
ですが、冬期大唐松尾根は農鳥小屋の親父さんをして「やめとけ!死にてえのか!」と言わしめる難路。よって2日目の農鳥岳到達タイムに応じて3プランを計画しました。以下到達の早い順に
①2日目に三山縦走、池山吊尾根テン泊
②2日目北岳山荘冬期小屋泊、翌日北岳
③2日目に下山開始、大門沢冬期小屋泊
結果、プラン③を選びましたが、この選択が正しかったのか、今でもわかりません。
・参考にさせていただいたレポ
やまとさん(YAMAP)
大唐松尾根-白峰三山 https://yamap.com/activities/10522542 #YAMAP
ymoonさん(ヤマレコ)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1737732.html
ありがとうございました。
さて。
今回、やはり厳しい山行となりました。
大唐松尾根はもはや登山と言うより登攀と言ったほうがよい場面が多かったです。ワタシにはこれを下るとしたらロープ必須と思われました。念のため懸垂下降装備一式を持ってはいましたが、もしなければ撤退という選択肢がなくなり、精神的にかなり追い込まれたと思います。また、スノーシュー、ライトニングアッセントの威力を再認識できました。これなくしては不可能だったと思います。
計画としては案の定、時間的にも体力的にも余裕がなくなったため、農鳥岳から下山としました。大門沢ルートを下り始めたときは明るいうちに大門沢小屋に着けるなぁとウキウキでしたが、実際のところ今山行の本当の核心部はここからでした。
森林限界より上は雪崩が怖かったので、GPSを頼りに登山道を無視して一気に下りましたが、その下の樹林帯、鬼の急登区間の雪質はアイゼンが効きづらく、下りは簡単に滑落する状況でした。そのため水平距離にして1kmほどのこの区間のほとんどの場面で、ダガーポジション+バックステップを強要されました。そして極めつけはモーメントに上げた雪崩のデブリです。登山道が潰されたためヤブの中ラッセルし、あるいは垂直の雪壁をアイスクライミングよろしく登り降りしつつ、沢筋の硬いデブリの中をよろけながら歩きました。デブリのせいでテントを張れるスペースすらない。暗くなってくるにつれ、これはもはや遭難しかけているのでは?と焦り始めたそのとき、ヘッ電を装備して開き直りました。
「真っ暗の大唐松尾根よりはだいぶマシだな(笑)」
程なく、デブリ区間は終わり、登山道に復帰できました。
この3日間、怪我ひとつなかったのは本当に運が良かったと言う他なく、また装備も酷使によく耐えてくれました。
最終日の暖かな下山路。何故か、次の誕生日には親にお礼を言おうと、そんな思いが頭に浮かびました。
長文にお付き合いくださりありがとうございました。
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