丁岳 ブナ林の秋田・山形県境稜線を行く
- GPS
- 12:19
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 1,125m
- 下り
- 1,125m
コースタイム
- 山行
- 12:22
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:22
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
装備
個人装備 |
登山靴+スノーシュー。支尾根下山時のP676.7から林道に出るまでワカン。アイゼンは持参したが使用せず。
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感想
好きな山の一つ丁岳(ひのとだけ)へ登った8年前の秋、山頂から西へ少し下った地蔵岩で、1時間半ものんびりしたことがあった。その狭い岩峰からは、遮るものの無い姿の鳥海山に向かって、豊かな森を湛えた秋田・山形県境稜線がうねりながら伸びていた。遥かなる稜線を、可能ならばいつか残雪期に歩いてみたいと思っていた。
長い林道歩きも考慮し、早起きして出かける。雪の締まりは不十分で、モナカの下は軟らかい。夏道の登山口から沢に下り、右俣を少し辿って西側の尾根に取りつこうと考えていたが、沢沿いを辿るのはかなり手間取りそうで早々に諦め、おとなしく登山道のある尾根を一歩一歩登る。今日は丁岳登頂だけが目的ではなく、山形との県境稜線も辿る長丁場だ。
少しずつ標高を上げてくると、やや硬い雪面に新雪が10cmほど乗った状態が多くなった。スノーシューのヒールリフターを立てると足にかかる負担が少なくて助かる。いつもワカンとの選択は悩むところだが、今回は長い林道歩きのみならず、山中でもスノーシューで良かった。ワカンではずり落ちそうな急斜面でも、スノーシューはグリップがよく効いていた。
やがて平らな山頂平原に上がる。風も無く、真っ白い鳥海山をはじめ、周囲の眺めを堪能した。地蔵岩へ下ったその先までは滑落の危険があるが、今回はアイゼンを着けずに通過。あとは素晴らしいブナ林が続く。以前奥羽山系の東山(とうざん)に登った際、その後のブナ林に感動したが、それに匹敵するような、いい雰囲気のブナ林だ。
丁山地に多い急坂や細尾根も、この県境稜線にはほとんど無い。振り返って眺める丁岳の姿もよく、何度も写真を撮ってしまう。
ただ丁岳と水無大森との三分の二にあたるP727付近からは、秋田県側に杉の植林が現れる。どうかブナ林を残してほしいと願わずにはいられない。
県境稜線から支尾根に下りてからも、スノーシュー向きの尾根が続く。ブナの二次林のような尾根の中心線には樹木が少なく、もしかするとこの雪の下には登山道があるのではないか?とも思えてくる。P676.7からはワカンに履き替え、慎重に読図を繰り返して、急斜面を下った。
久しぶりにまる一日たっぷり山に浸り、歩くことができて幸いだった。帰宅して眠りにつくまで、まだ歩いている感覚が身体の中に残っていた。
コメント
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雪山レコお待ちしておりました。
ブナの県境稜線歩き、今回も素晴らしいルートの周回でしたね。
特に鳥海を正面にして下るシーン(No.32)などは嫉妬もの?です。(笑)
標高1,000m前後の残雪の無名峰は景観も美しく程々変化もあって私も大好きです。
ここ数日は二桁の気温や雨が予想されていますから、今季は山の融雪も案外早いかもしれませんね。
本当に天気のいい時の雪山は最高ですね。以前3月に丁に登った時は鳥海山の上部が雲に隠れていて少し残念でしたが、今回は有難いことに素晴らしい姿を拝むことができました。
今回は久しぶりに長い距離を歩きましたが、実は疲れや筋肉痛が意外に少ないです。先は長いと思って、一歩一歩呼吸に合わせてゆっくり歩いたのが良かったのでしょう。時々tonkaraさんの確実な歩きを思い出しますが、私もほんの少しコツをつかめたような気がしています。
今季は今月いっぱいぐらいで終了してしまうかもしれませんね。行事等で山へ行けない週末もありますが、行ける時は山に浸りたいものです。
いよいよkamadamさんのシーズンがやってきましたね。
「3〜4月頃がハイシーズン」というお言葉、この1年間ずっと頭から離れませんでした。
満を持して地元の県境稜線を歩かれるスタイルは、著名な高山のピークハントとは一線を画す
この上なく価値あるものと思います。
今年は雪解けが早いので “kamadan world” を表現する機会も少なくなるかもしれないですね。
でもわくわくさせてくれる山行内容とレコの文体をまたお待ちしております。
私の目標は、昨年から考えているニノ沢畚です。3月中の休日、好天になるのを待っています。
本当に今年は雪解けが早いですね。雪もやや少なめだったので、秋田県内でも今日は内陸の田んぼまで畔が出始めています。どこを登るにしても、早めが良さそうですね。
私の言葉を覚えていていただき恐縮です。実際は家族にこの時期だけは諦めてもらっているということで
二ノ沢畚、十分にお気をつけて。レコ楽しみにしています
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