志度内畚(和賀山塊) 北西稜を登る
- GPS
- 11:58
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 1,710m
- 下り
- 1,723m
コースタイム
- 山行
- 11:53
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 11:59
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪山バリエーションです。 |
写真
感想
志度内畚(シトナイモッコ 1,290m)は、羽後朝日岳の北方に伸びる稜線が東に枝分かれした先に立つピーク。麓の仙北市生保内(おぼない)地区や秋田市方面からはよく見える。きれいな三角形をしており、短いながらも、その一辺を登ったらどんなに気持ちがいいだろう・・と長年思い続けてきた。朝日岳北方稜線から尾根伝いに一度登ったことはあるが、なんとか北東稜(北西稜ではなく)を登ることはできないか、あれこれと検討してきた。
山中一泊の行程でルートを考えていたが、今年は泊りがけの日程は組めないようで、改めて日帰りでのルートを検討。朝日岳北方稜線上のP955からシトナイ沢P615に向けて下り、志度内畚の北方稜線上のP1,071.4に向けて登り返すというルートを考えた。シトナイ沢への下降は等高線が混んでいる。無事に沢へ下りられるのか、プレッシャーで山行前はよく眠れなかった。
まだ暗いうちに出発。林道はヘッデン歩きでも問題ない。林道終点から小さな沢を越えて、以前登ったことのある支尾根を登る。作業道が横切ったり、ヒバの倒木などで歩き辛いが、スノーシューのまま登る。雪が出てくると歩き易くなる。やがて朝日岳北方稜線に上がると、目の前に目指す志度内畚が現れた。
ここで急に、北東稜ではなく、山頂に向けてダイレクトにスッキリと伸びる北西稜を登りたくなった。ルートを検討していた時、この北西稜を登るのもありだな・・とは思っていた。急だが雪はしっかりと付いているようだ。
ピッケル・アイゼン・ヘルメットの格好になって、まずP955へ向かう。すぐに地図ではわからない小さな岩峰があって、慎重にトラバース。シトナイ沢に下る急斜面は雪が程よく締まって意外に歩き易い。だがやはり最後は崖のようになっている。藪につかまりながら、やっとの思いで沢に下り立った。
北西稜にするか否か、まだ迷いはあった。しかし今下りてきた斜面は急過ぎて、二度と来ることはない。ならば北西稜から志度内畚に登るのは、今日をおいて他にない。心は決まって、北西稜に取り付いた。
北西稜は期待以上だった。ゆっくりとだが着実に高度を上げ、振り返った時の雄大な眺め。秋田駒ヶ岳に向かって、3本の尾根が延々とうねりながら伸びている。志度内畚には過去に一度登っていてこの眺望は分かっているはずなのだが、思わず感動で声が出た。
下山は過去に通ったことのある朝日岳北方稜線からP528のある支尾根へ。デポしていたスノーシューは背負って、下部の土の出ている藪尾根もワカンのまま下った。今回山頂手前で振り返った時の眺望の素晴らしさは、これまでの自分の山登りでも3本の指に入るかもなあ・・などと考えながら、駐車地点に向けて林道を登っていった。
コメント
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今回も極難のハードなルートの攻略で、相撲では有りませんが、まさに心技体充実者の為せる技ですね。(特にシトナイ沢の横断等)そして、残雪登山者の心を引き付けて止まない志度内畚北西稜の美しさにも魅了脱帽です。凡人では通常出会うことの出来ないアングルからの絶景を拝見させて貰いました。
スケールは勿論異なりますが、小生にも山歩きをしているとどうにも魅惑される未踏の稜線やピーク等に出会うことが何度かあります。その際いつも思うことは、思いが募るあまり自分の力量(年齢や体力も含め)を超えてはいないかと自重する気持です。単独行の持つ単なる不安なのか、心配症の臆病者なのかと言うことでしょうか。(笑) そんなことからか、貴兄のトラッキングには勇気とある種自分の鬱憤を晴らす心情(←失礼)が沸き何時も癒やされております。
話が妙な方向に入ってしまいましたが、今回レコも楽しく拝見しました。
「思いが募るあまり自分の力量(年齢や体力も含め)を超えてはいないかと自重する気持です。」・・私もまったく同じです。今回はシトナイ沢に下る斜面が急過ぎて、進退窮まるのではないか・・という不安で眠れませんでした。沢をやる方にはなんでもない斜面なのでしょうが・・
週末しか出かけられない自分の行動範囲で、自分が挑戦しがいがあって手頃な山が多いということが、まずあると思います。明らかに自分の力量を超える山なら、考えもしませんよね。
地元なので下見登山も行きやすい、そして今回の場合、下山ルートは過去に歩いて知っているという経験も大きいと思います。少しずつ段階を踏めば、余裕を持って核心部に集中することができますね。
ベテランのtonkaraさんに偉そうに申し上げてすいません。たとえば御神楽の東側の笠倉山など、自分ならどう登る?と考えますが、やっぱり数年かけて研究し、雪質・天候のベストなタイミングをつかむようにするのかなあと思います。
なんと、kamadamさんも行ってたんですね! レコに気づくのが遅れて申し訳ありません。
ニアミスといっていい位ですよね。今回も“kamadamさんワールド”に引きずり込まれ、ドキドキしながら拝読しました。志度内畚以降の見覚えのある景色には思わず「ウンウン」と頷きながら…。
主稜線に至るまでは私には初めての景観ですので、これまた地形図とにらめっこしながら想像させてもらいました。
レコ冒頭、「スタート地点 志度内畚 ゴール地点」の3カ所しか掲示されていないのが、希有な山行の証であり山行の価値を高めていると思います。失礼ながらkamadamさんは、特に山々の“稜線の美しさ”に魅了された方なのでは…と感じております。
No62、PCで最大拡大してみたところ…、映っている感じです! 頂上に居た時刻もその頃です。ジャケットの赤色はわかりませんが、縦に小さな棒のようなものが…。まさかkamadamさんが登っているとは思いませんでしたので、こちら側からは全くわかりませんでした。互いに分かっていたら声を上げれば聞こえたかもしれませんね。写真、家宝にさせていただきます。ありがとうございます。
mametanさんが二ノ沢畚を目指すと伺って、もしかしたら・・と思って目を凝らしていました
私が羽後朝日岳まで足を伸ばしたら、きっとお会いできましたね。それも考えたのですが、稜線上は風が強くて、自分の残りの体力のこともあり自重しました。二ノ沢畚山頂の棒のようなもの(失礼)がその後消えたので、人で間違いないとは思っていましたよ。もっと拡大写真にすれば良かった
志度内畚側、あるいは羽後朝日岳北方稜線から眺める羽後朝日岳も、生保内川源流部の光景が独特で素晴らしいですよね。羽後朝日岳に登るルートとして、この北方稜線がもう少し選ばれてもいいのになあ・・と個人的に思っています。特に秋田の岳人の方々に。
「稜線の美しさ」、mametanさんのレコの写真で、私も改めて堪能させていただきました
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