爺ヶ岳三兄弟と幻の鹿島槍ヶ岳
- GPS
- 18:38
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 2,839m
- 下り
- 2,769m
コースタイム
- 山行
- 10:07
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 10:27
天候 | 両日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
上野12:30(新幹線)13:53長野14:00(しなの)14:51松本15:24(大糸線)16:21信濃大町16:35(バス)16:48大町温泉郷5:00(タクシー)5:15鹿島口 (帰り) 日向山ゲート14:50(車)15:10信濃大町15:43(あずさ)19:08新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■鹿島〜東尾根〜爺ヶ岳 ・スタート早々より激登り ・ジャンクションピークより爺鹿島槍眺望よし ・P2〜P1間は痩せ尾根・リッジ・急斜面あり ■爺ヶ岳〜冷池山荘 ・稜線上は信州側の雪庇に注意 ・モナカ、ラッセル、アイスバーン等様々 ・樹林帯は踏み抜くと場所により胸下まで潜る ■爺ヶ岳〜南尾根〜柏原新道登山口 ・中爺直下は雪なしハイマツ帯 ・柏原新道下部の日当たり良い箇所は積雪なし ■柏原新道登山口〜日向山ゲート ・ひたすらアスファルト車道を歩く ・たくさんのサルやフキノトウ 【追記】 同日南ア・中アで発生した雪崩事象。それに関連したコース状況を感想欄へ記載。 |
写真
感想
冬山シーズン最後の山行は爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳へ。
大町温泉郷で前泊し翌朝タクシー利用で鹿島より入山。今回は避難小屋泊なので日帰りよりも断然荷が重い。序盤より想像以上の急登。歩幅を細かく刻みながら登るが早くもバテる。雪晴れの朝。幻想的な霧氷や綿帽子に励まされながら高度を上げる。
ジャンクションピークからは爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳の絶景を眺めながらの尾根歩き。だが、その後も休みの回数・時間多く、爺ヶ岳山頂まで何と8時間以上も要した。
ガリガリの雪面に昨日降り積もった30-40cmの新雪。トレースこそあったが、地形や時間帯により次々と変化する積雪コンディション。その変化に上手く対応できず難儀した。
東尾根P2〜P1間。さらさらふんわり積もった新雪。リッジ通過は日中になると足場が緩みかなり不安定で慎重に通過。また、2箇所ある急斜では硬いバーンの上に柔らかい雪が乗っかりクライムダウンする人が多かった。今回柄の短いピッケルを持参したのは失敗。荷が重い中、ピッケルワークはとてもストレスだった。
爺ヶ岳〜冷池山荘。本来は気持ちのいい稜線歩きだが、トラバース斜面の積雪状況が刻々と変化。踏み抜き、アイスバーン、ラッセル。ハイマツ帯の踏み抜きはかわいいもんで、樹林帯では胸下までハマり暫く抜け出すことが出来なかった。結局夏場1時間のところ2時間半も掛かってしまった。
16時にやっとの思いで冷池冬季避難小屋に到着。8畳程のコンクリート土間にトイレも併設。疲労困憊すぎて食欲も湧かず、楽しみだったアーベンロートも靴を履く元気すらなく拝むことなく小屋でぐったり。幸い他に利用者がおらずゆったり利用させて頂いた。
午前3時半起床。今日は鹿島槍ヶ岳を目指す予定だったが、昨日悪戦苦闘したトラウマもあり、また、今日中に帰る必要もあって、鹿島槍は山頂目前にして断念。下山も赤岩尾根を下る予定だったが雪の悪そうなリッジや急降下の連続するコースなので自分には危険すぎると判断し断念。安全な南尾根ルートで下山した。
自分の技術力・体力が追い付かず登頂を果たせなかった今回の山行。これ以上ない天候だっただけに悔しい。無理しない範囲でスキルを磨き、またいつか冬の鹿島槍に挑みたい。帰路のあずさで一人反省会をしながら今回の山行を振り返った。
【追記】自分への戒めも込めて
19日発生した甲斐駒ヶ岳黒戸尾根や木曽駒ヶ岳千畳敷カールでの雪崩。3月に入りずっと異常な暖かさが続き融雪凍結が繰り返され雪面がガリガリツルツルだった中、前日の18日に南岸低気圧通過によるまとまった新雪が降り積もり、雪崩はその翌朝に発生した。
19日朝はまさに自分も爺ヶ岳東尾根の不安定な急斜面を登っていた。北ア北部は中南信のような降雪ではなかったものの、30-40cmの新雪が降り積もっていた。東尾根P2〜P1間の急斜バーン。不規則なステップだらけだったのでそれを回避しようと一部ノートレースの急斜バーンを登っていった。硬い雪面上のふわふわの新雪。アイゼンを蹴り込む感触がいつもと異なる違和感を感じていた。明らかに古い雪と新しい雪が固着していない感触だった。自分で雪崩を誘発してもおかしくない状況だったと思う。このような場合は硬い雪面までしっかり蹴り込んだステップ跡を辿るべきであった。下山後雪崩の事象を知った時に記憶が甦ってきた。
事実、翌20日。南尾根樹林帯の下山中、西側へ少し開けた疎林のトレース脇に表層雪崩跡(幅2m弱・深さ15cm・全長30-40m)があった。明らかに人為的なもの。へえー尾根筋の樹林帯でも起きるんだ。樹林帯での雪崩跡を初めて見たその時の驚いた記憶も甦ってきた。
あらためてこの時期の雪山は怖い。特に春先の南岸低気圧通過による降雪直後。2年前乗鞍岳ツアーコース上部で発生した雪崩も全く同じ状況だった。あの時は人も亡くなった。自分は付近の鉢盛山を登山中だったが、捜索ヘリの音まで記憶が甦ってきた。自分を戒める意味でもレコに書き留めておくことにした。
コメント
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ソロで冬の鹿島槍は凄い!私も冬の鹿島槍はいつか行ってみたいと思っていましたので来年は日程が合えばシェルパとしてご一緒させて下さいね!
頑張って挑戦しましたが、私には2泊必要な山でした。山頂は踏めなかったけど次の目標ができたので勝手に良しとします笑。
はい、軽量化の腕を磨き天気の約束された日に是非!けどお酒の持ち込みは程々でお願いします笑。
19日のタイムラインを見比べると、P3付近で抜かせていただき、P1と中爺の間ですれ違ったようですね!25枚目の写真で奥の斜面を降りているミジンコみたいのが私だと思います(笑)もっとお話しすれば良かった…😞
2日間、大変お疲れ様でした!
冷池の冬季避難小屋について伺いたいのですが、シュラフとマットがあれば(つまりテント無くても)いけそうですか?来シーズン鹿島槍にも行きたいなと思いまして。
まさか同じ日に登られていたとは。いつも楽しくレコを拝見していたので、分かっていたらお話ししたかったです笑。
冬季小屋はシュラフとマットがあれば大丈夫です。施設使用料2000円を周囲の状況と併せ後日納付・報告するルールとなっています。
ご返信ありがとうございます。
なるほど、利用ルール承知しました。
ルート状況次第では12〜13時間あれば爺と鹿島の日帰り周回もできそうですが、yamapapaさんのレコ見たらモルゲン観たくなったので小屋泊もいいですね♪
またいつか何処かでお目に掛かりたいです。
私としては2週連続で3G+鹿島が感じれて、更にヨダレもののモルゲンにはぁはぁしました!!頑張ったご褒美ですね☺️素敵なお裾分けにありがとうございます!
これからも中爺ちゃんの踏ん張りを一緒に応援しましょ〜
私はたみぃさんの爺レコにハアハアしてしまい我慢できず鼻水垂らしながら登ってきました笑。天気に恵まれ過ぎて顔が火照り突っ張ってヤバイです。。。
爺ちゃんを助けてあげることができず悔やむばかり笑。これからも爺ちゃんの踏ん張りを温かく見守ってあげましょうね!
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