霊仙山最高点
- GPS
- 04:43
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 774m
- 下り
- 798m
コースタイム
- 山行
- 5:19
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 5:33
天候 | 曇のち晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道。南雲岳南の1003mPK、近江展望台から笹峠上の岩礫の急斜面は落石・滑落に注意。 |
その他周辺情報 | 河内風穴に食堂等。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
なかなか行く機会のなかった霊仙山へ、満を持しての山行である。今日は天気も安定しているようだし、花の季節は過ぎ去って人出も大分減っていることだろう。落合登山口の駐車スペースは限られているという話なので、それが一番の懸念事項だった。もし止める場所がなかったら高室山に転進することにして、とにかく行ってみることにする。河内風穴までは、フクジュソウの季節に鍋尻山に登った時に入ってるから、大体のところはつかんでいる。それにしても、鍋尻山の時には、駐車スペースを探して奥まで突っ込んで、いっちもさっちもいかず、大きな車でもがく羽目になった。あのトラウマで不安が再燃する。が、細い車道の脇、あちこちに駐車可能なスペースを確認して、安堵した。とはいっても、デカい車で切り返しが簡単ではない。切り返そうと思って先に進むうちに、落合の集落に到達。何台もの車が止まっている広い空き地に何とか一台分のスペースを見つけて、してやったり、と思ったのは、無知のなすところ。歩き始めてすぐ知ったのは、さらにすぐ上にもう一つ、広い駐車可能スペースが存在するということ。実際、自分の後ろを走っていた車一台が、悠然とそこに置かれていたのだった。まあいい。次回はここに悠然ととめてやろう。人間心理の深層とはこんなものなのであった(笑)。
地形図での印象通り、大洞谷に沿ったルートは楽々であった。谷沿いなのでヤマビルを警戒してヤマビルファイターをスプレーしていたのだが、その不安を感じる場所はなかった(ただし、ヤマビル被害が実際出ているので注意するに越したことはない)。過去数日降雨がなかったので増水することもなく、2か所の渡渉点も問題なく通過。谷から離れてジグザグに登って右岸の稜線に乗ると、そこが汗拭き峠であった。賑やかな男女4人のパーティーを抜いて自然林の気持ちの良い尾根を進む。しばし進んで展望地に飛びだす。左手に琵琶湖の北端がのぞまれるものの、白く霞んで「あそこにあるなあ」程度。この日一日空気は白く霞んで、光り輝くブルーの琵琶湖を眺めることはできななかった。
傾斜は無くなって小広いのんびり空間に出たのち、やや急な斜面を登ると、目前にカルスト地形が現れる。霊仙山の山頂部の末端に到達である。琵琶湖とそれを取り巻く近江の里が一望される。カルストの雄大な広がりに息を飲む。あいにく雲が広がり、陽光のもとでの解放感には及ばないが、素晴らしい眺めである。眼下に池が見えてきた。鳥居が立ち、霊山神社とある。ウスバシロチョウがふらふらとあちこちに飛んでいる。ここのものは黒化が進んでいて、積雪が多いことを物語る。
多くの人たちが行きかうカルストの高原を、山頂に向けて緩やかに登っていく。霊仙山の山頂には二等三角点が埋設され、360度の展望が迎えてくれる。ここで昼食とする。ちょうど陽射しが戻り、汗をかいていても寒さを感ずることもなく快適なひと時である。
昼食休憩の後は、少し戻って霊仙最高点に向かう。ここから、帰路にとる笹峠への稜線派生点が、ある意味今日のハイライトかもしれない。稜線の左手は石灰石の石屑で埋め尽くされた急峻な斜面となり、谷底まですっぱりと切れ落ちている。そのゾクッとする高度感がたまらない。ここから鳥になってダイブしたい気分だ。と、下方の空間に目をやると、本当に猛禽類が滑空しているのだった。足元に目をやると、岩礫地をウスバシロチョウが舞う。なんだか、こんなアルパインなところを飛んでいると、アポロチョウ飛ぶ中央アジアの奥地にいる錯覚に襲われる。
石灰岩の賽の河原のような斜面を左に、右側にはなだらかなカルスト地形を眺めつつ、絶景の展望尾根を行く。琵琶湖も姿を見せてくれるが、白い霞のベールはとれないまま。やがて南雲岳を気づかずに通過し、「近江展望台」と標識の立つコブを越える。ここから岩礫の急傾斜をまっすぐに下降していく。見た目よりも斜度があり、岩の間の土は滑りやすいので、自然と慎重になる。結構これが長く感じられる。ここを抜けるとホッとするが、一気に疲労感が押し寄せもする。降り立ったところからは森林地帯である。鞍部からは南に眺望があり、すぐ前には鍋尻山、遠く向こうの御池岳は高くそびえる。この先、ケヤキの純林の入るとすぐに笹峠だ。笹峠からはよく踏まれた古い道を下ってゆく。まだ山中であるのに家屋が見えてくるが、いずれも今や廃屋となっており、庭先にクリンソウが咲き乱れる。かつてはこんなところに集落があったのかと感心する。さらにひとくだりで林道の登山口に出る。駐車場に向かうと、朝は車でいっぱいだった空き地も今ではガラガラ。楽々車を動かして、帰路についた。関西圏から2時間ほどでこんな別世界を体験できる鈴鹿は貴重な存在であると改めて感じさせてくれた充実の山行であった。
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