慶応尾根から涸沢へ(前穂北尾根敗退)

- GPS
- 56:00
- 距離
- 25.8km
- 登り
- 1,280m
- 下り
- 1,275m
| 天候 | 1&2日目 ぴーかん 3日目 曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
慶応尾根はグズグズの雪 8峰からもグズグズの雪 |
| 予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
| ファイル |
非公開
5637.xls
計画書
(更新時刻:2012/04/24 12:59) |
写真
感想
敗退。
記憶の中では2回目。
<帰京>
松本駅の改札で笑顔で見送ってくれた2人と別れた後、
特急あずさに乗車し帰京した。
僕はチケットに書いてある座席番号を何度も確認し、自分の席が車両の一番後ろだったことに安堵する。
重いザックを座席の後ろに置き、iPodを聴きながら今回の敗退の原因を考えた。
iPodからはOASISの「Don't Look Back In Anger」が流れてきた。
<初めての敗退>
初めての敗退はシゲと行った赤岳主稜だったと思う。
あの日は寒波が来ていて、それでも突っ込んだ。
しかし予想以上の悪天で1ピッチ目で敗退した。
<今回は??>
◇1日目
天気は快晴
初日は5,6のコルまで行きたかったが・・
慶応尾根が思った以上に厳しく(雪がグズグズで)8峰までがやっとだった。
しかし、計画書では初日5,6のコルまで行けなかった場合は8峰まで。と記載していたので、
僕の心の中も「まあ、今日はここまで来れて上出来」って感じだった。
◇2日目
筋肉痛はナシ。
今日は出来れば山頂まで行きたい。と思った。
8峰には3パーティが泊まっていたが、我々はこの日2番目にスタート。
先行パーティの踏み跡を辿る。
朝5時台だと言うのに、岳沢側の雪がグズグズだ。
踏み跡をステップを切って歩くも崩れる箇所が何度かあった。
これは午後はヤバイな。今日は3,4のコルまでだな。と思った。
7峰途中の細い尾根は気を使う。踏み跡も信用出来なかったので何度も何度もステップを切り、歩く。
6,7のコルに着いて1本。(ここで後続パーティに追い抜かれる)
この時に思った。今日は自分自身のことで精一杯だ。何かあっても2人を引き上げる実力もスキルもない。。
2人はここが5,6のコルだとか、なんとかだ。って言っていたが、どうもテントを貼れるスペースはないし、
ここが5,6だろうが、6,7のコルだろうがどちらでも良かった。
登るか、下るか、そのどちらかだ。
暫くして2人に下ろうと言った。
涸沢へ下山を開始。
涸沢側は雪が絞まっていて安心した。
<帰京2>
帰りの車内は全く眠くなかった。初日の8峰と2日目の徳沢園で爆睡したのと、今回殆ど筋肉痛が出なかったから。(アミノ酸をスゲー飲んだ)
そして、なんと言ってもこんな僕に凄く気を使ってくれるサイコーのパーティだった!
涸沢でおでんを突付きながらの反省会。徳沢園で飲みながらの反省会。締めは松本での焼肉を食べながらの反省会。
愛すべき2人!
来年再挑戦すると硬い約束と決意!!
ノエルは唄う
「君は呟く、世界が始まって以来一度だって」
「これまで見てきた人々の栄光が長続きした例はない、と・・」
僕は1時間ほど、OASISの「Don't Look Back In Anger」と「Whatever」を繰り返りし聞いていた。2曲終わったら、また2曲分戻し・・それを何度も何度も繰り返した。
今更ながら・・
来年はステップを踏んで挑戦しよう。
今回は即席パーティだった。
ある程度の雪稜のある山へ共に行くことが1回もなかった。
これも敗因の1つ。
リアムは唄う
「俺は思いのままになれるんだ なんだろうと自分が選んだものに」
「その気になればブルースだって歌ってやる」
我々も・・その気になればあの山だって登ってやる!!
今回、このパーティで組めたことに感謝。2人に出逢えたことに感謝。
そして、命を繋げてくれた穂高にも感謝!
Don't Look Back In Anger
Whatever
GW前半、慶応尾根から前穂北尾根〜明神岳主稜にチャレンジしたが、前穂北尾根6・7のコルで
CLに敗退を申し出、撤退判断をいただき、6・7のコルから涸沢へ下山した。
今回、バリエーションルートで初めて途中敗退となったが、敗退要因は、一言で言えば「実力不足」に
尽きると思うが、もう少し詳しく分析すると、以下のとおり。
<登降能力に関連する要因>
〜寛戮把甲場をこなす実力の欠如
今回は、4日間、20kg超を背負って、北アの気の抜けないルートの登降を繰り返す実力が必要であったが、
これが不足していた。肩や腰にストレスを感じながら、緊張感を継続できる心身の余裕はなかった。
冬の八ヶ岳西壁をこなしても、当該実力はつかない。冬を含め、縦走、クライミング等、積極的に全荷での
トレーニング、山行を行い、本チャンにおいて重量上の余裕をもって臨む必要があると感じた。
◆\穃任侶亳撹埖
3月に谷川の西黒&東尾根の計画をあげていたが、天候不良等により中止。結果、雪稜は石尊稜のみに
なってしまった。これにより、慶応尾根、北尾根の8〜7峰の雪稜をこなすのに精一杯になってしまい、
想像以上に疲労してしまった。当たり前のことだが、雪稜は雪壁とは異なる能力が必要であり、当該能力(しかも全荷!)の
向上が課題となった。
体力、回復能力の欠如
初日の慶応尾根は想像以上にキツイ尾根で、相当消耗した。天候はピーカンでこれもキツかった。
これで翌日に想像以上に疲労が残ってしまったのだが、一方で、幕営地点への到着時間は遅くなく、
テント生活も快適だったわけで、こんなんで、「疲れ」が想像以上に残るようではトライする資格はない。
冬山縦走等、2泊、3泊の山行をこなすなどして、「余裕」を作る必要があると感じた。
<判断能力に関連する要因>
ぁ6・7のコルを5・6のコルと勘違いしたこと
昨夏、5・6のコルから前穂北尾根をこなしてから1年も経っていないにもかかわらず、現在地把握を誤った。
登る前から、私的核心は7峰、6峰になることは分かっており、事前の打ち合わせでもそれを話してきたが、
それでも誤ってしまった。これにより6・7のコルで目の前の壁を5峰と勘違いしてしまったわけだが、昨夏の経験から
5峰と4峰の困難度の差は明らかであり、5峰がこれほど難しそうと感じてしまうなら、到底4峰をこなせる
わけもなく、この勘違いが敗退申し出の直接的なトリガーとなってしまった。もし、6峰だとわかっていれば、
その困難度は分かっていたわけで、少なくとも、ロープを出してでも登ったうえで、5・6のコルまでは到達
できていたわけで、そこからは得意領域でもあり、幕営も撤退もできたわけだから、その点では、強く悔やまれる。
<外的要因>
ァ\磴両態が悪かった
これも事前(最近の天候、2週前の爺ヶ岳、岳沢小屋の情報等)に把握していたことだが、雪は終始グズグズだった。
2日目も早朝くらいは快適かと思ったが、最初からグズグズ、雪は崩れまくりだった。
これにより、慶応尾根ではストレスフルな登りを強いられかなりの体力を削がれ、2日目の7峰付近の雪稜では、
緊張感ある登降を繰り返し、実際2回くらい落ちた。しかし、これでもまったく登れないというわけではなく、
結局は経験不足に尽きることとなる。同じ雪山でも「残雪期」は別ジャンルと捉える必要があると感じた。
以上が、私が分析した(涸沢での反省会を含む)敗退申し出、あるいは敗退の要因である。
(敗退要因としては、ロープを出してでも6峰を越えればよかったとかもあるかもしれないが、その点は割愛)
moriyaさん、kenzoさん的にはまだまだイケルと思っていたハズなので、その点では申し訳なく、またとても悔しい
思いをした。
ただ、ここまでの2年間、中止以外での敗退は全くと言ってよいほど無く、その点でこれだけ多くの課題を「心から」
実感できたことは代えがたい収穫であり、今後の取り組みに十二分に活かしていきたいと決意したところ。
2年たって、ようやく「アルパイン」の意味が分かってきたカモ。
来年は、やります。
mjun
kenzo
tyaku














雪の状態想像しながら見ると、ホントにシンドそうっすね〜。
来年は一緒に行きたいっす
敗退は残念だけれど、
そこまででも十分素晴らしい
いい天気
…私もいつかは行きたい
2人とも「行きたい」って言いました!?
少々感傷的に記述されているためか、
敗退原因の検証が自分には整理されているという気がしないけれど…。
パーティー編成?、体力?(一番弱いメンバーの)、雪の状態?
…何にせよ、この時期は一番行動時間が長く条件はいいはず。
天気も全日程ほぼ問題なかったのであれば??
むしろ、自分的には整理できているからこういう記述に
なっているのカモ…
と、うがった見方をするおやじ一人。
鋭いですねw
うがらないで下さい〜。
一回目の敗退だったんですねー。申し訳ない。
自然の寒波はほんと怖いですね。
GW後半は、天気の隙間をついて、
奥穂、北穂に登頂してきました。
でも、雪の状態は相当悪く、
ザイテングラード脇で、小雪崩が発生してました。
あの雪の状態で、ナイフリッジはやばいっすね。
ご無事でなによりです
シゲの行くとこ行くとこ、悪天なんだ?
どこまで悪天好きなんだ!!
ttanaさん
敗退要因、私の感想にまとめてみました。
アドバイスがあれば是非是非お願いします。
頑張ります
経験不足なんだろうなぁ〜。
グスグスの雪、ふかふかの雪、かたい雪…
シーズンは当然で、一荷の中でも気温、日差しなど
色々な状況で千差万別に変わる。
ある程度の状況でもそれなりにそつなくこなすには
やはり経験の蓄積量の差だろうね。
ということであれば、やっさんの現状では
今回は仕方がないところだろうと思うよ。
敗退と言うと聞こえが悪いので
次回への経験の蓄積と思って、
この反省をきちんと自分のものにできればいいんじゃない。
経験と自信は車の両輪のようなものだと思う。
焦ることないよ、まだ若いんだから(自分よりは)。
おぢさんなんかえらそうなこと言っているようになったのは
最近になってからだよ。
あっ、でもおぢさん昔はこれでも練習だけはたくさんしたつもりだよ。
なにぶん人よりも物覚え?が悪いもんだからね。
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