知床連山縦走(羅臼岳〜硫黄山)

- GPS
- 34:10
- 距離
- 23.5km
- 登り
- 2,411m
- 下り
- 2,403m
コースタイム
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 11:40
| 天候 | 1日目晴れ 2日目ガスのち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
カムイワッカ湯の滝〜岩尾別:シャトルバス650円(知床自然センターにて事前にチケット購入) 岩尾別〜木下小屋:3.8凖綿50分 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 ・羅臼岳まではよく整備されている。 ・縦走路はハイマツの藪漕ぎに体力を奪われる。 ・知円別岳〜硫黄山は足場の悪い箇所や分かりにくい箇所あり。 【ヒグマ】 ・全体を通してヒグマの遭遇率が高い。硫黄山付近で親子熊3頭目撃。 ・クマ撃退スプレー必携。自然センターや木下小屋にて1日1100円でレンタル可能。 【水場】 ・北海道はすべての水場が要浄化(エキノコックス対策)。 ・三ツ峰キャンプ指定地の水場は風前の灯。 ・二ツ池キャンプ指定地の水は本当に池の水だった(生ぬるくて多少濁り有)。浄水器で浄水しても飲むのは勇気がいる。サシルイ岳の雪渓融雪水が豊富なため、そこで水を補給した方が良い。 【キャンプ指定地】 ・テント内では飲食禁止(においを残さないため)、食料や食物のにおいのついた食器・ゴミはすべて密閉してフードロッカーへ。 ・二ツ池は蚊が非常に多い。虫よけ、蚊取り線香必携。 |
| その他周辺情報 | 木下小屋:素泊まり2500円(露天風呂有) ウトロ温泉夕陽台の湯:500円(受付19:30まで) 国設知床野営場:4人用ケビン1棟4000円(寝具等なし) |
写真
感想
羅臼岳に登るなら、どうせなら連山縦走をしたいと思っていました。なかなか大変そうなコースなので、1泊で周回できないことも想定して予備日を設け、2泊分の食料を持って登りました。
<前日>
前々日の21日、仕事を終えてから18時花巻集合で八戸のフェリー乗り場へ。乗用車を積むため出航1時間半前の20:30までに手続きを済ませなければなりませんが、それから乗船までかなり待たされます。せめて車なしの人と同じ1時間前にしてほしい。乗船後すぐ入浴、コンビニで買った夕食でささやかな宴会を始めるとほどなく出航(22時)。今の2等船室は昔と違って雑魚寝ではなく、個人ごとにマットが割り当てられているので、快適に寝ることができます。
翌朝6:00苫小牧着。ここから知床半島まで430劼亮岼榮亜F鷽佑捻薪召鮓鯊紊掘▲皀鵐戰訃清水店や知床自然センターに寄ったりしながら、夕方、登山口の木下小屋に到着。小屋は空いており、私たちの他は一組2名のみ。管理人さん手作りの露天風呂で汗を流してから、管理人さんを交えて皆で宴会しました。小屋も管理人さんと前管理人さんが手作りしたもので、その建設の様子を写したアルバムなども見せてもらいました。とても素敵な小屋と管理人さんでした。
<1日目>
3時起床、4時過ぎ出発。クマにびくびくしながら、要所要所で笛を慣らしながら登りました。大沢にはすでにほとんど雪がなく、花はここ数日の快晴で干からび気味で残念。羅臼平で重い荷物をデポして(食料のみフードロッカーへ)山頂へ往復。次第に花が増えてきてテンションアップ。最後は急な岩場ですが特に危険なところもなく無事登頂。山頂からは360度の展望を楽しみました。羅臼平に戻りいよいよ縦走路へ。入り口からすぐに藪道となり、今までの歩きやすい登山道とのあまりの落差に驚きました。羅臼岳までは100名山だけあって多くの登山者に会いましたが、縦走路では数えるほどでした。ハイマツの藪漕ぎで体力を奪われ、時間も多くかかりました。三ツ峰キャンプ指定地で泊まることも考えましたが、翌日夕方から雨が降る予報だったので、予定通り二ツ池まで頑張ることにしました。サシルイ岳北面の雪渓からは豊富な融雪水が流れており、冷たい水で顔を洗ったり、飲み水を補給したりしました。
その後、登山道が沢になっている個所があり、道が分かりにくかったです。最後のピークのオッカバケ岳を超えると二ツ池が見えてきてほっと一安心。テン場には大阪から来た単独男性がおり、ここの縦走は6回目だとか。テントを張っていると、羅臼の登りから抜きつ抜かれつしていた地元の女性二人組が遅れて到着。皆でフードロッカー前で夕食を摂りました。ここの水場は池の水。ぬるくて浮遊物も交じっており、浄水器を通しましたが、あまり飲みたい水ではありませんでした。こんなことなら融雪水をもっと汲んでくればよかったと後悔しました。それから、ショックだったのは私の浄水器(ソーヤーミニ)が使えなくなっていたことです。5年ほど前の大雪山縦走の時に使ったきりだったのですが、押しても何しても水が出てこないため、Uさんの浄水器(新品)で3人分の水をろ過しました。日没間際に虫がひどくなったので、あまりのんびりできずにテントに戻りました。74歳のSさんは相当疲れた様子で早々に横になって休んでいました。
<2日目>
2時半起床、テント撤収後、フードロッカー前で朝食を摂り、4時過ぎに出発。最初はガスガスでしたが、稜線に出た辺りで次第にガスが薄くなり景色が見えるようになってきました。女性二人組や単独男性は遅れて出発しましたが、南岳辺りで追いついてきて山頂で合流。その後、歩く速さは違っても(私が遅い)、知円別岳や硫黄山の山頂など休憩ポイントでは皆一緒になりました。知円別岳〜前衛峰は切り立った痩せ尾根で足場が悪く、落ちたらただでは済まない箇所もあり、緊張しながら進みました。前衛峰で再びガスが濃くなり、霧雨になりましたが、ひどく降ることはなく、再び硫黄山の山頂直下まで来たところで晴れてきました。硫黄山は急な岩場でしたが、花が多く、景色も楽しみながら山頂へ。山頂からの眺めは、昨日からの縦走路や知床半島の先端とそれを両側から挟んだ海、どれもすべて素晴らしかったです。女性二人組から、登り口の少し前にシレトコスミレが咲いていたと教わり、少しだけ縦走路を戻り探したところ、きれいに咲いている株が結構見つかり大変うれしかったです。一生懸命写真を撮っていると、Uさんが3頭の親子熊を見つけました。こちらに気づいても逃げようとせず、母親は食事に夢中、子熊は遊んだりしていたので、硫黄山の登り口の方で休んでいたSさんや女性たちも呼びに行き、皆でヒグマの観察会をしました。20年ほど前、観光船からヒグマを見ようとして見られなかったので、大変うれしかったです(近くではなく遠かったから言えることですが)。硫黄山からは長く急な涸沢下り。いい加減疲れてきたところで沢から尾根へ。尾根の樹林帯も長かったです。やっとの思いで展望が開けた新噴火口、その次の休憩ポイント展望台までは地図では30分と書いてありましたが、1時間近くかかりました。やっとの思いで登山口着。ここからの林道がクマが多いと聞いていましたが、道路工事中で心配無用でした。林道歩き20分弱でシャトルバス乗り場着。最後まで天気が持ってくれました(むしろ晴れて暑い!)。
クルマ回収後、自然センターでヒグマ目撃の報告をしているうちに土砂降りになっていました。予定では翌日斜里岳でしたが、疲れとパッとしない天気予報とで取りやめて観光しながら戻ることになりました。近くでどこか安く泊まれる場所はないか探したところ、キャンプ場のケビンが1棟だけ空いていました。宿泊手続き後、近くの温泉で汗を流し、コンビニで買い出しをしてから縦走の無事成功を祝って宴会しました。
<翌日>
翌朝も土砂降り。テント泊でなくてよかったと思いながら出発。ほどなく晴れてきましたが、斜里岳山頂は雲の中だったのであきらめもつきました。摩周湖から阿寒岳を眺めたり、美幌峠から屈斜路湖を眺めたり、層雲峡〜富良野のラベンダー園と回りましたが、天候が不安定な一日で、晴れたと思ったら土砂降りになったりを繰り返しました。混んでいてフェリーを早い便に交換できなかったので、予定通り翌朝5時発の便で帰ってきました。
今回、私の計画に乗って参加していただいたUさん、Sさんには大変感謝しております。おかげさまで大変楽しい、思い出に残る山行となりました。
コメント
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這松の藪漕ぎなど結構ハードでしたが終わってみると、また行きたくなる素晴らしい縦走コースでした。やはり雪渓で水を汲むのが正解なのですね〜。
先行して3人があるいてくれて、お花を教えてくれて、情報もらえて本当に助かりました。
縦走路分岐からは全く人に合わなかったので、縦走仲間がいてくれて嬉しかったです。
2日目の下りは6人で乗り越えられてよかった!
シレトコスミレだって、教えてもらわなかったら見つけてなかった。
本当にありがとうございました。
すごく楽しかったですね!!
二日間、縦走ご一緒できて、大変心強かったです!特に二日目はヒグマあり、シレトコスミレありで盛りだくさんでしたね。
北海道は大好きなので、また行きます!
ありがとうございました。
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