八ヶ岳連峰・北横岳の怪
- GPS
- --:--
- 距離
- 3.8km
- 登り
- 270m
- 下り
- 258m
コースタイム
- 山行
- 1:40
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 2:20
天候 | 曇りのち快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ロープウェイ駐車場まで積雪は全くなく、ノーチェーンで行けました。 |
その他周辺情報 | 平日に限りますがロープウェイ・リフト1日券で日帰り温泉が無料で利用できます。 |
写真
感想
北横岳山頂に残されたアイゼンとストック。雪上に点々と残る血痕。いったいこの山頂で何があったのだろう。
この日、始発のロープウェイに乗って山頂駅に着いたのが午前9時過ぎ。スキーヤーは真っ白なゲレンデにシュプールを残そうと我先に滑り降りて行った。登山者に混ざって大きな三脚を抱えたアマチュアカメラマンは、日差しのないどんよりとした空模様に戸惑ったように空を見上げていた。
北横岳を目指す登山者はアイゼンを着けるとそそくさと坪庭に消えて行った。途中で着けるのも面倒くさいので出発時にアイゼンを着けることにした。12本爪はいらないかと思ったが、冬山用の登山口にはこの12本爪はワンタッチで着けられるので楽なのだ。
登山道はしっかり踏み固められアイゼンが気持ちよく効く。これなら北横岳ヒュッテまで夏時間で歩けそうだった。
ここしばらく雪が降っていないらしく、期待していたシラビソのモンスターはすっかり消えていた。天候は午前中に回復する予報なのになかなか青空が出てこない。南、中央アルプスは見えているものの灰色の空がバックでは折角の山並みが映えない。
それでも何枚か写真を撮りながら蝸牛のペースで歩いていたらひょっこり北横岳ヒュッテに出た。一緒にロープウェイに乗ってきた人たちはすでに山頂を目指して歩き出していたのでヒュッテの前には誰もいなかった。この先、稜線に出るといつも冷たい風が吹きまくっているようなのでここでしっかり休憩をとることにした。
テルモスに入れてきた暖かい紅茶と大好きなマカデミアンナッツのチョコレートを腹に入れるとホッとする。
北横岳ヒュッテの先には樹林帯の急登が待っていたがそう長くはない。木々の背が低くなり周囲の山々が見え始めたころ、ヘリコプターの爆音が聞こえてきた。山頂付近でホバリングしたり旋回したりしている。機体に日の丸が付いているので山小屋の荷揚げ用ヘリではなく県警のヘリのようだった。
もう遭難者が出たのと思ったが、一緒にスタートした今日の登山者はいま山頂に着いた頃なので救難ヘリがくるには速すぎる。早々と下山してきた登山者に「何があったのですか?」と聞くと、「山頂にアイゼンやストックが置きっ放しになっていて付近には血痕があるので遭難者がいるのではと捜索しているようです」と教えてくれた。
北横岳は南峰と北峰がある。ほんの一投足の距離だ。最初に登り着く南峰には6,7にんの登山者が三角点を取り囲んで写真を撮り合っている。この登山者たちは当分いなくなりそうもないし、問題の山頂はこちらではなさそうだ。
南峰を素通りして北峰へ向かう。先ほどの県警ヘリが山腹に捜索隊員をロープで下ろして付近の捜索をしていた。
蓼科山が正面に見える北峰にいる登山者は展望を愉しむこともなく捜索隊の動向に目をこらしていた。山頂に足を踏み入れると真っ白な雪の上に真っ赤な血痕が目に飛び込んできた。血だまりになるほどの量ではないが山頂に点々と散らばっている。素人目には鼻血がポタポタと垂れたような感じである。石碑の裏にはストックとアイゼンがきちんと並べて置かれている。
もしアイゼンでも引っ掛けて転んで怪我をしたとしても道具を置いたまま下山するとは考えにくいし、無事下山すればロープウェイ関係者に何らか告げるだろう。それとも鼻血程度で出血が止まったのでそのまま帰ってしまったのだろうか。それならそれでいいのだが、山頂の道具はどうするのだろう。あのままでは不審を呼ぶことは間違いないのだから。
万が一、出血したことにより動転して道に迷っていたとしたら大事である。いったい持ち主はどこへ行ったのだろう。何とも不可解な北横岳の山頂の光景であった。
県警のヘリが立ち去ったあとの山頂は静寂が戻ってくるかと思いきや、捜索を見守っていた高齢男性グループが我に返ったようにはしゃぎ出した。
私が居合わせた方に蓼科山をバックに記念写真を撮ってもらおうとしていているとそのうちの一人が画面の中に入って来る。「すみません。写真を撮っているのですが」と言っても聞こえたのか聞こえないのか無視している。再度お願いしてもちょっと横にずれた程度でどこうとしない。その様子を見ていた仲間も何も言わない。人をどけて記念写真を撮る方が悪いと言わんばかりである。この高齢者登山グループはどういう連中なんだろう。全く頭にくるなあ。
何とか記念写真撮ってもらい、今度は蓼科山の写真を撮ろうしたら、またさっきの親父さんが蓼科山の真ん前に立ったまま動こうとしないのだ。こんな気配りのない自分勝手な登山者は山に来るなと言いたくなった。
風は弱いものの二千メートルの厳冬期の山頂なので長くいると手が凍えてしまうほどだ。一緒のロープウェイで登ってきた登山者が全員下山したのを見計らってのんびり山を下りることにした。
日差しが出てきた北横岳ヒュッテ前には若者グループが雪遊びをしていた。この若者たちは顔が合えばちゃんと挨拶はするし、人に迷惑が掛からない程度にはしゃいで楽しそうだった。さっきのオジングループとは月とすっぽんだ。
ロープウェイを使って下山したのがちょうどお昼。車に登山具を置いて今度はスキーを楽しもう。レンタルスキーは半日で2500円で借りられる。リフト・ロープウェイ1日券もシニアで2500円。この1日券を買うと帰りには温泉も無料で入れると言うからすごくお得である。
まずは、下のゲレンデで足慣らしである。クワッドリフトに10回ほど乗ってから再びロープウェイで山頂駅へいく。お昼を過ぎた頃からすっかり天気が良くなり、雲ひとつない晴天になった。ちょっと霞んではいるものの、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、御嶽山、乗鞍岳などそうそうたる山並みがすべて見えている。
山頂からのダウンヒルコースは初級、中級が入り混ざった気持ちの良いコースで快適に山麓まで滑り降りることが出来る。約2劼離魁璽垢鮴橘5,6分で滑り降りるとロープウェイの次の便にちょうど乗れるのだ。ロープウェイに乗っている7分間が休憩時間で連続で3本滑った。
すごく気持ちよかった。
午後1時から2時間。大満足なスキーを終え平日限定の無料の温泉へ。小斉の湯の露天風呂で汗を流し、茅野市内の更科そばで鴨せいろを食して家路についた。
山の天気はイマイチだったが、満足のいく一日でした。
Youjiさん、こんばんわ。
山頂で不明になられていた方、残念なことに亡くなられたようです。
※北横岳ヒュッテのブログに書かれていました。
気配りの出来ない残念な方、いらっしゃいますよね
山頂碑の前に荷物を置かれる方や食事しちゃう方とか…。
記念写真を撮られている方をみて、ちょっと気を使うことがどうして出来ないのかなぁ。。。そういう方って以外と年配の方なんですよね、不思議です
コメントありがとうございました。
そうですか、なくなられていましたか。
今回は久しぶりにぼやいてしまいました。
山は誰にでも楽しんでもらいたいのですが
最低のモラルだけは守ってもらいたいですね。
最近は、若者の方が礼儀正しい気がします。
山頂の怪、どうやら不幸な結果になったようで亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
しかし、今日私が登ったのが栃木の『赤雪山』
帰宅後最初に読んだレコが雪の中の真赤な血痕。何やら奇縁を感じます。
match1128様
いつも気にかけていただきありがとうございます。
山では赤い服やら赤い靴下が多いのですが、血痕だけはいやですね。
お互いに山で怪我をしないよう気をつけましょうね。
youjiさん、yamajiisan、はじめまして。こんばんは。遭難したものは私の友人です。一体どういう状況なのか気になってなりません。ただこうやって情報をあげていただいたことは大変ありがたいです。他に何か気になったことなどあれば教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。
katsuo1223様
亡くなられた方がお友達なんでびっくりです。
遭難をするような場所ではないと思うのですが、
私も状況が全くわかりません。
ご冥福をお祈りします。
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