七ツ森:しょっぱいデビュー戦!
- GPS
- 08:33
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 876m
- 下り
- 875m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ロープ・ハシゴ・案内板の設置など、よく整備されていて、危険箇所はありません。 ハイカーの利用も多く、平日でも賑わっていたのは、花の季節だからでしょうか。 地形の特質から、急坂の上り下りが続きますので、慎重な行動が必要かと感じました。 |
写真
装備
備考 | ウォーター・リザーバー,手袋 |
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感想
七ツ森といえば、家内の実家が大和町で、家内や義兄たちにとっては遠足の山と云うニュアンスで話されることが多かったこと、信心薄い自分には薬師詣では無縁と感じていたことなどから、少し遠目に感じていた。
ヤマレコに触れるようになり、七薬師掛けや花便りなど、諸先輩方の魅力的な実踏レポートを知って、その素晴らしさを自ら確かめてみたいとの思いから、古希まじかになった今、遅まきながらのデビュー戦を試みた。
人気のスポットとあり、閑けさとマイペースの我が儘が許されそうな平日を選んだつもりだったが、宮床・信楽寺跡の駐車場に着くと、すでに先行車一台があって、登山準備中だった。
私が準備を終えて出発するころには、もう二台が到着。
平日なのに賑わいそうな予感だ…さすがに花の名所か。
モカモア・コーヒー店がいい雰囲気だが、まだ早い。
帰りにでも寄ろうかななどと思いつつ、先ずは正面の松倉山に向かう。
ゆるやかに登るアプローチは素晴らしい杉林の中へ入っていき、少しずつ傾斜が加わる。
ずいぶんマメに現れる立派な案内板が、そこらの里山との違いを示しているかのようだ。
やがて、いきなり急登が始まる。
と、綱引きの半分ほどはあろうかと感じる太いロープが最初から出現。
ずいぶんな優遇ぶりに気を良くして登っていくと、左右にニリンソウ・カタクリの群落が出現。
さっそく、道をそれて斜面で花遍路するうち後続者はどんどん先へ
時間が早いせいか、大部分はまだ閉じたままだったが、大群落のあちこちにちらほら目覚めを迎えているものもあって、これはこれで、なかなか捨てがたい風情だ。
急登だが、ロープの助けもあって、案外あっさりと東峰との間のコルに到着。
コルに乗る手前、緩やかになった斜面のカタクリ・ニリンソウ・ロードもみごとだが、カタクリは少々盛りを過ぎた様子だった。
これまで自分と前後しつつ登ってこられたご婦人お二人連れは、蜂倉山のイワウチワがお目当てだそうで、勇躍、先へ進まれた。
頂上尾根に登り、少し南に行くと、松倉山山頂三角点だ。
蔵王の峰々、笹倉山を眺めながら、北上すると、スタンプラリーの標識と薬師如来像がある。
これから向かう撫倉山から大倉山・蜂倉山、蔵王の烏帽子岳まで見渡せる。
尾根筋を下山する途中、あちこちに多様な種類のスミレが目についたが、識別能力のない自分には、みなスミレだ。
他の草花にくらべて、ショウジョウバカマが少なめに感じたのも、見落としなのかも知れない。
撫倉山とのコル部分におりてみると、松倉山の登りで追い越していかれた男性が撮影中だった。
この方は、三脚持参の本格派で、自分も習ってカメラを向けているうちに、軽々と撫倉山へ登って行かれた。
撫倉山は、全体的に岩がちで、ゴツゴツした印象だ。
悪天時は滑りそうで、がっちりしたロープ頼りになるだろう。
山頂尾根直下にも太いロープが張られていたので、そちらを進んだが、右方に巻き道らしい踏み跡があった。
山頂尾根に出て、少し左へ行くと、展望台がある。
こちらに寄らないのであれば、巻き道のほうが良さそうだ。
戻って尾根を北上すると、撫倉山山頂表示と薬師如来像があるが、標高359mと中では一番高いので、眺望は抜群だ!
烏帽子あたりは少し雪解けの進んだ様子だが、真っ白な蔵王連山から直下の七ツ森湖までの眺めはいつまでも見飽きない。
山頂の薬師如来像を過ぎて、岩の痩せ尾根伝いに進むと、分岐に出た。
直進すると天狗のなにやらと云うスポットに行きそうなので、遠慮して巻き道状へ進んだ。
すると、コース唯一のハシゴ場に出た。
見下ろすと迫力のある風景だが、下から見上げると長めのアルミ脚立をひろげて固定してあるフツーっぽい眺めだった。
ただし、このハシゴ設置場所以外も急坂で、設置された太いロープ頼りの気の抜けない下りが続く。
ようやく、大倉山とのコル部分の遊歩道に下りてきて、ほっと一息ついたが、この場所をしっかり記憶していなかったことが、後に大きなミスをしでかす原因だったとは…
遊歩道を少し進むと(この間の数十メートルが肝だった!)大倉山登山口。
大倉山の登りは、前二山に比べると、貧弱なロープの途切れ途切れな設置だったが、こちらの方が、むしろ里山のスタンダードと云えるだろう。
大沢山頂の薬師如来前の狭いスペースで、オニギリの昼食。
冷たい風が吹き抜けて、動いている時には感じなかった寒さを感じる。
先行者に教えられて山頂北側の斜面に行ってみると、満開のイワウチワの群落があった。
この方の他、山頂付近で昼食中だった二人組のベテランさんにも下山路を訪ねると、いすれの方も、登った道を引き返すとのことだったが、尾根道が蜂倉山方向に延びているようなので、進んでみた。
そこからのルートは、かなり急坂で、もちろんロープも張って無かったが、土質斜面で、雑木もあったので、慎重に下った。
不安のまま、少し下ると、ぐんぐん登ってこられた男性と出合って、道を確かめることができた。
ロープ無しの急坂だが、土質だから転んでも大丈夫、慎重に行くようにとのクールなアドバイスを頂いて、安心した。
更にしばらく下ると、熟年男女2人のパーティとすれ違った。
男性は自分と同年輩。
お連れの妹さんに蜂倉山のイワウチワを見せたくてやってきたと仰るベテランで、蜂倉山の北斜面は満開で見事だから、是非行ってみろとのことだった。
蜂倉山とのコルの遊歩道に下り、蜂倉山を登る。
ここは岩と土の混合斜面で、足場の悪い急登を太いロープ頼りに登った。山頂にはここにも薬師如来像。
そこを過ぎてしばらく緩やかな稜線を進ん行くと、男性とすれ違ったので、イワウチワの群落の様子や崖の案配をたずねてみた。
お若い方だとお見受けしたが、柔らかな物腰で、丁寧に説明してくださって、ありがたかった。
更に進むと、尾根筋の肩の部分から急降下するあたりで、一面、満開のイワウチワの大群落が出現。
かつて見たこともない贅沢な風景に感動!して、シャッターを切りまくるが、なんと云っても急峻な崖地。
足場も不安定で、技量も無いし、なかなか望みの写真は撮れない。
…で、脳裏にやきつけておくことにして、しばらく立ち尽くした後、下へ。
傾斜が緩くなったあたりで、カメラとスマホのバッテリーを交換しながら、今後を考えた。
イワウチワ大群落の堪能で満足し、古傷の膝の痛みも出始めたし、今回はここまでとして、鎌倉山・遂倉山・たがら森は次の機会に譲ることにしようと決めた。
…で、どこを帰るか?
舗装路歩きを嫌がって、七ツ森自然遊歩道経由で戻ろうと決めた。
…と、そこへ、先ほど大倉山の下山路ですれ違った紳士が、下ってこられた。
あれから大倉山に登られて、蜂倉山を越えてこられたとお見受けしたが、まったく変わりないご様子!
自分に気づいて頂いたので、下山路をお訊ねすると、下の林道へおりて、鎌倉山の裾を七ツ森湖畔に抜けるルートを教えてくださった。
自分は(舗装路歩きを嫌がり)、自然遊歩道経由で戻りたい希望だとお伝えした。
一瞬、不審を感じられたようだったが、撫倉山との間の道は廃道になったようだと仰り、気をつけて行くようにとアドバイスをくださって、先へ行かれた。
湯名沢林道に下りて、そこから自然遊歩道で戻るべく大倉山と蜂倉山のコル部分へ登り返した。
案内板の梅の木平展望台方向へと進むと、大倉山登山口に到着。
ここで地図とニラメッコしたが、どうしても梅の木平方向への道がつかめない。
帰宅後の検討で分かったことだが、もう3〜40m進めば分岐に出られたはずで、最初に通過した際の記憶が曖昧なため、その場所がすっぽり抜け落ちてしまっていたのだ!
余裕時間も少なくなり、先ほどの紳士の一瞬の不審な表情がよみがえってきた結果、湯名沢林道まで引き返し、七ツ森湖畔を歩いて戻る決断をした。
「急がば、廻れ」と「叩けよ、さらば開かれん」の判断の難しさだ。
ホームの蕃山あたりなら、間違いなく探索に突っ込んだはずだが、いかんせんこちらは若干(30分ほどだが…)アゥエーだ、致し方なし。
往復でちょうど1時間ほどタイムロスした勘定だが、気を取り直して湯名沢林道を左へ、七ツ森湖畔に向けて進んだ。
沢沿いの道はやがて、遂倉山と鎌倉山のコルへ登る道を分岐するようなので、左をとり、進むにつれて、踏み跡が薄くなり、やがて小ピーク前で消失してしまった。
山陰の夕暮れが近いので、藪漕ぎで小ピークを突破すると、ようやく鎌倉山登山口の遊歩道に出ることができ、そこからは七ツ森湖が見えた。
結局、湖畔から舗装路を約4キロ歩くはめになったが、5時20分頃、ヘッデン直前で、駐車場に到着。
しょっぱいデビュー戦になって、お恥ずかしい限りだが、満開のイワウチワの大群落、ずいぶんいろいろな方々との出会いなど、有名スポットならではの貴重な体験ができて、大満足であった。
ながらくおつき合いくださって、ありがとうございました。
(戻って参りましてから、ヤマレコを拝見しましたら、大倉山下山路と蜂倉山下山路でお会いした紳士は、もしかしたらcheezeさんではなかったかと思い当たりました!
もし、そうでしたら、とんでもない失礼を申してしまいました。
なにぶん、礼儀知らずの未熟者です、ご不快を抱かれたことと、お詫び申し上げます。
加えまして、簡潔なアドバイスをくださり、ありがとうございました!
おかげさまで、無事、戻ることができました。
今後とも、よろしく、ご指導くださるよう、お願い申します。)
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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長時間、長距離、膝の方は大丈夫でしたか。
里山でもアップダウンきついですよね。タイムロスがもったいなかったですが、はじめてのお山はそれがアリですから仕方ないですね。
丁寧なレポートも、ほんとうにご苦労様でした。
cheezeさんにお会いしたかもなんですね。cheezeさんはyamasoneさんにお会いしたらしいですが、人気のお山なのでヤマレコユーザーさんも沢山訪問しておられることでしょう。
私も誘惑されていますが、花の命に間に合うかどうか。
たぶん無理でしょうね
さっそくのコメント、ありがとうございました!
苦行(?)の顛末は、こんなんでした(笑)
間抜けなミスで、お恥ずかしい限りですが、それも含めて自分らしい山遊びでした。
さすがに有名スポットですねぇ!平日でも、たくさんお出かけで驚きました。
花にも人にもお天気にも恵まれて、ラッキーでした♪
ワタクシも畑をサボって抜け出したのですが、文々さんも誘惑に負けて、お早いうちにお出ましください!
ayashiさんがまだ未踏だったとは意外でした
私もひとりで歩いた事ないですので、道迷いしそうです
膝痛再発で焦られたのでしょうね?! 無事のお帰り何よりです
明日はたくさんの方が訪れそうですね
宿題は後日にされてまずは膝を治してくださいまし!お大事に
コメント、ありがとうございました♬
人見知りで出不精なもので、未踏なところが沢山あって、宿題はたまる一方なんですよ(爆)
自分の膝はどうやら、8kmあたりが臨界らしくて難儀なはなしですが、騙しだまし使っていくしかないみたいです。
アホなポカばっかりのレコ・アップで、ヒンシュクものですけど、反面教師的に許容していただければ…と甘い考えでおります。
おまけに二回もお話させていただきました ayashi様とはつゆ知らず、失礼な物言いをしてしまったのではと今頃冷や汗です
帰路の撫倉の巻き道、もう少し丁寧にご説明申し上げればと誠に後悔しきりです。あと数十メートルでした、おしかったです。また舗装路に戻る道ですが、
>沢沿いの道はやがて、遂倉山と鎌倉山のコルへ登る道を分岐するようなので、左をとり、進むにつれて、踏み跡が薄くなり、やがて小ピーク前で消失してしまった。
この道、私もかつて一度突っ込んだことがあります。そのまままっすぐ登っていけば問題なかったのですが、結構な登りに見えて左に行きたくなりますよね。
ayashi様、実に悠然たる仙人風のお姿、優しい口調、大変印象に残りました。ハードな一日でしたが、ゆったりと春の花山を楽しまれているご様子でしたね。今度は私の方で、ayashi様ホームの蕃山へでかけてみたいものです。またお会いできる幸甚を願って…
*三脚の方がSONEさんです。
ご丁寧なコメントを頂き、ありがとうございました!
貴レコを拝見致しまして、もしや♪と思ったら、あと先考えず勝手に感想に書き出してしまいました。
ご迷惑をお掛けするリスクを配慮せず、踏み出してしまう粗忽をお嘲いください、年のせいか我慢がきかないんです、申し訳ありませんでした。
でも、やはり!的中でしたか♪
トラックタイミングだけではなく、お会いした印象から、間違いない!と内心確信しておったのも事実ですが…
簡潔・的確で、クールなアドバイスは練達のお人にしかできないことです。
感服いたしました。
また、もうおひと方がSONEさんでいらしたとは、驚き!ですが、こちらも納得です。
ちょっと、お話させて頂いただけですが、柔らかなお人柄が、ブログで拝見させて頂いているイメージとピッタリでした♪
高名なおふた方にお話できたなど、望外の喜びで、出かけてよかったぁ!と喜んでおります、ありがとうございました。
長くなって恐縮ですが、以前の大沢山・大倉山の際にも感じましたことを付け加えさせてください。
同じ場所をほぼ同じころ歩いても、何と違う報告になるものか…と云う感想です。
見るべきものを見、語るべきことを語るということなんでしょうが、こればかりは修練とか技量を超えた感性とでも云うべきもののなせる技なんだろうなぁ!と感じ入っている次第です。
今後ともよろしくお願い申します。
今晩は、SONEです。
松倉山と撫倉山の分岐、そして蜂倉山の登りで三回お会いしましたね。
ゆっくり山を噛みしめながら登っておられるお姿に、自分の山歩きが急ぎ過ぎていると感じてしまいました。
また何処かの山でお会いするのが楽しみです。
しかし夕方まで歩かれたとは大変でしたね。
七ツ森はこれからニリンソウとヤマブキソウが咲き揃いますよ。
コメントを頂戴しておりましたのに、返信を差し上げるのが、ずいぶん遅くなってしまいました。
心から、お詫び申し上げます。
みなさんの豊富なレコを訪ね歩くのにかまけて、自分のレコのチェックがおろそかになると云う超初心者ミスを犯しておりました。
実はSONEさんの写真を、はからずも無断でアップしてしまった件のお詫びを、どうしたものか悩んでおったところでしたので、愚レコにコメントを発見!しました驚き!と喜び♪と、申し訳なかったとの思いが重なってプチパニックに陥っております。
撫倉山の分岐で撮影中のお姿を拝見しました際は、みごとに風景に同化といいますか、実に自然に溶け込んでおられた感じを受けまして、ついそのまま使わせて頂いちゃったのですが…
自分は、まさか、SONEさんとは知らずでしたが、どなたも、ひと目でわかって、教えてくださいまして、そういえば…と思い返してみて、慌てたという粗忽な顛末でありました。
三脚を担いで軽快に先へ行かれる際や、自分がヨタヨタ歩いて蜂倉山の登りで溜め息をついている時に、ひと仕事終えられておりてこられた際に、かけて下さったアッタカイ言葉が心に残っておりましたが、数年前から愛読させて頂いていた「東北の山遊び」のSONEさんのイメージと合致して、驚きました次第です!
今更ながら、自分の想像力の乏しさを疎ましく思います。
大変、失礼申しました。
蛇足ではありますが、「東北の山遊び」に親しんで、かなりしばらくの間、SONEさんが、写真に登場なさる女性の方だと思い込んでおったという間抜けでした。
あいた口がふさがらぬ手合いですが、今後ともよろしくご指導くださるよう伏してお願い申しあげます。
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