バリエーションルートで丹沢主稜の丹沢山・蛭ヶ岳を周回登山
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.3km
- 登り
- 1,626m
- 下り
- 1,626m
コースタイム
天候 | くもり一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
○本間橋周辺には駐車場はありませんが、随所に路肩に駐車可能 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★旧丹沢観光センターの登山口および本間の頭までの間には公的な指導標は一切ありません。踏み跡とマーキングを頼りに登りますが、稜線に出れば本間の頭までしっかりしたトレースがあります。 ★姫次の先から榛の木丸への入口にも指導標はありませんが、造林組合の看板とマーキングを見つければ、あとは下山口までトレースはしっかり付いています。(感想文を参考にして下さい) ★地図によっては、榛の木丸から左右に下山ルートが掲載されているようですが、左寄りのルートはトレースが不鮮明なので行かない方が無難です。右ルートの方が本来の登山道のようで、トレースもしっかりついています。 |
写真
感想
先週、アカヤシオが見たくて静岡の岩岳山へ出かけたもののすでに時季を失して満足に見られなかった。ではアカヤシオがだめならシロヤシオを見に行こうと丹沢へ出かけることにした。
神奈川県に住んでいると丹沢は目と鼻の先にある山なので山を始めた当時は五万分の一の地図を片手に歩き回ったものだ。特に、ユーシンを拠点にすると丹沢の主稜へ直接登降できるのでよく利用した。
随分前の話になるが、ユーシン入口の玄倉川キャンプ場で増水した川に何人も流されだ事件が起きて以来ユーシンへの林道が通行止めになってしまったのを機に足が遠ざかってしまった。あの長い林道歩きをしてまで行こうとは思わない。私だけではなく、ほとんどの登山者の足が遠ざかってしまったので、数年後には歴史あるユーシンロッジも閉鎖された。当然、登山道も荒廃し、昔歩いたほとんどのコースが消滅してしまった。
そんなことで、ここしばらは丹沢から遠ざかっていたが、最近、ヤマレコの記事を見ていると裏側から登るコースが目を引いた。手元にある登山地図に載っているコースもあるが、破線だったり、中には地図に載っていないバリエーションルートで登っている記事もある。
丹沢というと交通の便がよい表側から登る人がほとんどだし、私も裏側のルートはほとんど利用したことがない。しかし、記事を見ていると地図に出ていないルートでも、登山コースとしてしっかり踏み跡がついているルートが色々あるようだ。しかもこれらのコースは人が多い表と違って平日に行けばほとんど人がいないようだ。ぜひ一度様子を見に行こうと計画を立てた。
西丹沢のツツジ新道のシロヤシオも綺麗だが平日でも人が多い。30年ほど前に歩いた丹沢三峰のシロヤシオも立派だった記憶を呼び起こし、当初は塩水橋を拠点に丹沢山周回コースを計画したが一日コースとしてはちょっと物足りない。天気がよい日に登るのだから蛭ヶ岳からの展望も組み入れようと、早戸川上流の本間橋からバリエーションルートを使って丹沢三峰の本間の頭に登り、主稜の丹沢山、蛭ヶ岳をめぐって蛭次経由で本間橋へ戻ることにした。
当初は、焼山尾根の黍殻山から本間橋へ戻る通常ルートを計画していたが、ヤマレコを見ていたら本間橋の上にある榛の木丸経由のコースを見つけた。山と高原の地図には載っていないし、二万五千の地図にも載っていない。しかし、先日はこのコースを利用したトレイランレースが開催されたというから結構しっかりしたコースのようなので、下山にはこのコースを歩いてみることにした。
日帰りにはちょっと長い10時間コースになりそうなので午前5時スタートの予定で家を出た。計画通り登山口の旧丹沢観光センターに着いた付近には標識はない。登る前に付近を歩いて観光センターの右手の林の中に登山道らしきものを見つけておいたがこの踏み跡もかなり薄い。実際、よほど注意して歩かないと見失ってしまう。
本間の頭付近へは、尾根ルートや沢ルートがあるようだし、国土地理院の二万五千にはすでに消滅しているようなコースも載っている。いま自分の歩いているコースが尾根コースなのか沢コースなのか判断しがたい。でも稜線に向かっていることだけは間違いなさそうなので行けるところまで行ってみることにした。
小さな涸沢を右左に横切りながら高度を上げていったらトラロープの付いた急斜面にでたのでヤマレコで見た尾根コースの一部だと確信した。やがて登山道は踏み跡がしっかりついた尾根に出た。申し訳程度の小さな手作りの標識が木に括り付けてあった。登山口からここまで約30分。順調なスタートだ。
踏み跡はしっかりしているものの、ここから本間の頭までが長かった。緩やかな尾根道だがなかなか本間に着かない。何かには2時間10分と書いてあったのを記憶していたが、実際、本間の頭に着くのに2時間を要した。
本間の頭まで来ればあとは迷うところはない。ゆっくりシロヤシオを眺めながら丹沢山まで行けばいいと思いきや肝心なシロヤシオがないではないか。時々、足下に真っ白な花が落ちてはいるものの頭上の木々には花がない。またまたすでに時季を失してしまったのだろうか。
円山木の頭(中峰)、太礼の頭(西峰)と越えても花はない。岩岳山に続いて空振りかと思っていたら、丹沢山が近づくに従って徐々に花が出て来た。標高の高いあたりはまだまだ残っていそうだった。
丹沢では鹿が増えすぎて植生が脅かされているため至る所に鹿除けのフェンスが張り巡らされている。しっかり花のついたシロヤシオがあってもこの柵の向こう側だったりしてなかなか写真が撮れない。そうこうしているうちに、塩水橋からの道を合わせると丹沢山に着いた。
昔の小屋に替わって立派になったみやま山荘が建っていた。ここへ登った時はいつも天気が悪くて何も見えなかった記憶しか残っていないが、今日は富士山が見えている。その横には南アルプスも顔を出している。どのあたりだろうかと双眼鏡をのぞいてみたら悪沢岳から聖岳の稜線だった。
晴れの予報が外れて曇っているので肌寒い。さっきトイレ使いに行ったらみなま山荘の親父さんにジロッとにらまれた。みやま山荘には二回ほど泊まったことがあるがあまり良い印象は残っていない。昔の小屋番とは違う人だろうがあまり感じがよくない。まあ、この先泊まることはまずないだろうからどうでもいいことではあるが・・・。
展望は、この先の蛭ヶ岳が一番だと思うので、おにぎりを一つお腹に納めて蛭ヶ岳へ向かうことにした。
このコースは30年ぶりだろうか。真冬に歩いたときにはこの先の岩場で引き返したこともあった。いまは気候的には最高の時だし、さすがに人気のコースだけあって登山者も多い。トレイランの若者もいるし、どこにでもいるおしゃべりなおばさんグループもいた。 丹沢山から蛭ヶ岳の稜線は、常に富士山を見ながらのコースなので楽しい。それに加えて、丹沢三峰ではすでに散ってしまったシロヤシオがあちこちに咲いている。ミツバツツジもここではこれから最盛期を迎えようとしている。被写体にはことかかない。改めて丹沢の魅力を感じた素晴らしいコースである。
蛭ヶ岳山頂には前後して歩いていた小父さんが二人いるだけだった。富士山はちょっと雲がかかってしまったし、南アルプスも半分見えなくなってしまった。それに蛭ヶ岳山頂はかなり広いので360度のパノラマ展望ビデオはここでは撮れない。途中、不動の峰でビデオを撮っておいてよかった。
ちょっと早いがここでお昼ご飯を食べてから下山にとりかかった。蛭から姫次へは一気に標高を下げる木製階段が設置されていた。結構歩幅に気を使った階段なので下るにせよ、登るにせよ、割と歩きやすく出来ていた。
でも、登ってきた若者は「かなり厳しい登りですね」とかなりバテ気味な口調で話していた。蛭ヶ岳はどこから登ってもきつい上り坂がつきものだ。そうなると丹沢山から縦走してくるルートが一番楽かも知れない。
一気に300メートル以上標高を下げるとあとは姫次までダラダラと歩い樹林帯を歩く。かつてあった原小屋はすっかり取り壊され樹林帯にぽっかり空いた原小屋平となっいた。
姫次は小広い大地にテーブルが数カ所設置してある休憩にはもってこいの場所である。富士山も見えるし、第一、蛭ヶ岳が小屋を含めて手に取るように見えるのもいい。年配のグループが昼食をとっていた。私もここで最後のおにぎりを食べた。
今日は、入山するに際しバリエーションルートをとったが下山も榛の木丸経由のバリエーションルートで下る。本間橋の登山口にも標識は一切なかったが、たぶん榛の木丸への入口にも標識はないだろうと思い、地図とにらめっこをしながら慎重に歩いた。
姫次のすぐ先に1433メートルと標高が書かれた指導標とベンチがあるがこの先あたりが榛の木丸への分岐だ。案の定、さっきの指導標から2,3分歩いた場所に意外としっかりした踏み跡が林の中に伸びていた。入口にはピンクテープと「鳥屋造林組合管理地」の看板があった。
4月にトレイランレースをやったくらいだから、結構しっかりした踏み跡があるはずだと思っていたが、これほどしっかりした道だったらちゃんと案内標識を設置して、登山コースとして地図に載せればいいのにと思うがどうなんだろう。
分岐からはほとんど下り坂一辺倒だが40分ほど下ると小さな上り坂になった。この坂の上が榛の木丸山頂だった。小さな手作りの標識が二カ所に付いていたが何の変哲もない山頂だ。何もないところが静かでいい。
山頂から本間橋へ下るルートは二本あるらしい。左のルートが近道のようなので最初はそちらに行ってみたがすぐにトレースが不明瞭になってしまった。これでは先が思いやられると思ってすぐに引き返し、トレースのしっかりした本来の右コースを下った。
姫次で一緒になった方に見せてもらった吉備人出版の地図だと林道まで1時間50分と書いてあったが、膝と腰が痛くなるようなきつい下りだった。私が持っているトレイラン用の靴だったらつま先を痛めそうだ。今日はバーグハウスの靴を履いてきてよかった。
本間橋に戻ったのがちょうど午後3時。朝とまっていた渓流釣りの車はほとんど帰ってしまったようで、私の車だけが路肩にポツンととまっていた。
足も腰もバリバリに張っている。正味10時間。日帰りにしては久しぶりのロングコースでした。
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