裏妙義最高峰 谷急山への失われた道 並木沢左岸稜線
- GPS
- 04:55
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 837m
- 下り
- 760m
コースタイム
天候 | 薄曇(太陽は見える) |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
松井田妙義IC ↓(R18) 入牧橋 ↓(県道92・松井田軽井沢線) 入山川と裏谷急沢出合付近(車デポ) ↓(チャリ) 並木沢登山口(チャリデポ) 【登山ポスト】 横川駅近くの丁須への登山口(鍵沢コース)と、 すぐ近くの麻苧の吊橋にある御岳への登山口(御岳コース)にあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※登路も下降路も、地形図、エアリアに掲載されていません。 【並木沢左岸稜線】 ・テープ等の目印は皆無です。 稜線に乗り上げた後は、獣道っぽいのがちらほらあります。 ルートについては、写真で解説します。 ・難度の印象は、谷急山北稜の登りと風穴尾根の登りの中間くらいと感じました。 妙義のバリエーションとしてはごく平均的。 ・妙義のどの稜線の例に漏れず、藪が多し。 切り立った場所は少ないですが、藪で足元が見づらいので要注意です。 ・小虫(ハエ、蚊、蛾、蜂、その他)多し。蛭には襲われませんでした。 ・ルートを誤らなければ、ロープを使う場面はありません。 メットは藪避け用として重要な役割を果たしてくれました。 【谷急山北稜】 ・割とよく歩かれています。下山までの最短ルートですが、 下部は尾根が拡がり、踏み跡もあちこちまばらになるのでやや迷いやすいです。 【おまけ】 ・谷急山登頂後、三方境への少し下ったところから分岐している、 大烏帽子方面への稜線を偵察しました。 最初は平坦で穏やかですが、ほどなく極端に痩せた藪岩尾根となります。 トラバースも泥壁でスタンスが少なく困難なので、フリーは際どいです。 往復に非常に時間がかかりそうなので、30分ほど偵察の後に引き返しました。 |
その他周辺情報 | 食事:横川駅前のおぎのや、峠の釜めし、1000円。 風呂:道の駅みょうぎ至近のもみじの湯。この時期は20時まで。3時間510円。 |
写真
装備
個人装備 |
ロープ8mm×20m×2本
スワミ
ATC
ビナ3
シュリンゲ3
メット
行動食2
水3L
雨具
ヘッドライト
靴紐予備
スパッツ
コンパス
ナイフ
鈴
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感想
裏妙義最西部の谷急山(標高1,162m)は、
有名無名数多連なる妙義連峰の最高峰で、
其処へのアプローチは「山と高原地図」でも、25000分の1の地形図でも、
三方境から西への突き当たり部になっていますが、
実際にはほかにもいくつかアプローチ方法があります。
今回下山路で使用した谷急山北稜は、その中でもメジャーな部類に入るでしょう。
かつて、今から40年くらい前の「山と高原地図」に
掲載されていたというルートがあります。
それが、今回の登路として選択した、並木沢左岸稜線です。
その稜線の正式名称、通称は不明なので、
並木沢の左岸にある稜線、ということで、便宜上仮称しました。
現在の「山と高原地図」にも破線ルートとして記載されている、並木沢ルート。
登山口から10数分ほどの場所で分岐している作業道が、
並木沢左岸稜線への取付点です。
この旧道の盛衰は、よく分かっていません。
裏妙義の山腹下部のあちこちに植林帯がありますが、
今回もその例に漏れず、ありました。
しかし、作業道は現在使われていないようで、
藪が生え放題、重機が打ち棄てられているなど、荒れています。
木材の需要過多のため、国の施策によって
杉の植林が積極的に進められていた1950〜60年代に
このような作業道があちこちに拓かれ、
そのついでのように登山道もつけられたけれども、
需要が落ち着くごとに放置された植林帯が増えていき、
作業道が荒れるとともに、登山道も廃道になったと推測しています。
杉の植林帯はあくまで下部のみで、
左岸稜線に乗ると、密な藪の原生林に覆われ、
時折藪が切れたところでは峻嶮な岩峰に囲まれる、
実に妙義らしい光景が広がります。
藪をかき分けかき分け、谷急山に向かって稜線を詰めていきますが、
マーキングは一切ないし、もちろん誰とも会いません。
獣の踏み跡と岩と地形と地形図を見ながら、適当に歩きます。
入山から2時間半ほどで北稜の山頂直下に合流しました。
藪、泥岩、急登、岩稜という妙義の良さが凝縮されたこの稜線。
人間の生活需要のために拓かれるも、需要が失われたことで、
地図から抹消されていきました。
この手の歩きを好む人間以外はこれまでも、これからも近寄らないでしょうし、
獣たちの楽園として、密なる藪の中に立ち続けることでしょう。
とてもいい藪尾根でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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motch さん、こんにちは。
ここもかつてはコースでしたか。今は、忘れられている分、藪岩好きには素敵なルートとなっているようですね。
大小烏帽子の稜線ですが、随分古い山渓に、打田さんの表から裏妙義まで尾根沿いに周回している記事がありましたので、それなりに行けるのだと思います。
探索レコ、期待しています 。
お疲れ様でした。
こんばんは。
コメントありがとうございます。
特に裏はいろいろ隠れルートはあるみたいでして、
あるいは行けそうな場所もあるみたいでして、
すこーしずつ歩いて行ってみたいところです。
藪岩好きとしては、両神と妙義は、
地形図を見るだけで楽しいですね。
大烏帽子〜谷急山は、もっと藪や虫が少ない晩秋〜初冬のほうが適期でしょうね。。。
ちょっと偵察しただけですが、本当に半端ではない藪でした。
メリハリなく常に痩せた藪尾根、という印象です。
というわけで、半年後くらいに行ってみます。
確かにこれは誰にも人に会いそうにないルートですね
逆に急に誰かが居たりしたら、私なら軽い悲鳴をあげそうです・・
その前に私にはとても入れませんが(笑)
家も人が住まなくなるとすぐに痛んできますが、人の手の入らない登山道なども自然の力ですぐに戻されてしまうんですね。
ヒルの被害もなさそうで
最後は「峠の釜飯」の画像をみてホッとしましたね
お疲れ様でした!
というよりも、ルートとしてほとんど認識されていない場所みたいです。
裏妙義というと、多くの人々はドン突きの谷急山ではなく、
丁須に行きますしね。
今回は峠の釜めしを食うために、おぎのやの食堂に入って
初めてほかの登山者を見たくらいです(笑)。
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