エサオマントッタベツ岳
- GPS
- 30:21
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 1,642m
- 下り
- 1,627m
コースタイム
- 山行
- 9:46
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 11:29
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:52
核心部は1300m付近の滝から北東カールまでのナメだと思っていましたが,自分にとってはカールから札内JPまでのルートが核心部でした
北東カールは水量豊富な小沢が近くを流れ,テン場もきれいに整地されており,ヒグマの心配さえなければ最高のテン場だと思います
天候 | 1日目 晴れ,2日目 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ここから分かれるエサオマン戸蔦別林道入り口が登山口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
エサオマン戸蔦別林道は廃道となっており,背丈ほどの笹被りの踏み分け道を進みます ガケノ沢出会いの手前から入渓します(ピンクテープあり) |
写真
感想
北東カールに泊まってエサマンに登頂したいと思い,先週は偵察山行として1245m地点まで往復してきた。
この週末は天気が良く,すぐにエサマン登頂のチャンスがやってきた。
1日目 9月5日(土) 天気 晴れ
登山口には5時半頃到着。誰も来ていない。
5:40 朝露に備えレインウエアのズボンをはいて登山口を出発。気温10℃。無風。
6:20 ガケノ沢出会い直前の入渓地点。渡渉して対岸の巻き道を歩く。ガケノ沢を過ぎたあたりから沢に入る。
7:40 820地点,左から沢が合流。流木がたくさん堆積している地帯に来ると,次第にエサマン山頂や北東カールが見えてくる。
9:25 997地点(山スキー沢出会い)。疲れてきたが先は長い。
その後,1245に向かって歩いている途中,後ろから若い単独女性が追い付いてきた。今日はエサマンに登るがカールでは泊まらず,もっと降りてから魚のいるあたりで釣りをして泊まるつもりだという。速い足取りでサッサと追い越して行った。(その後は出会わなかったので,恐らく自分がカールからエサマンに登っている時に,別の正しいルートから下山していたのだろう。今回,山中で人に会ったのはこの一回だけ)
10:30 1245地点。前方に見える札内JPは,すでに紅葉が始まっている。少し行くと滝が出てきて左岸の巻き道を上がる。いよいよ核心部となる長いナメである。左岸沿いに慎重に登る。やがて前方の視界が開けて北東カールに入った。
11:45 北東カールのテン場に到着。きれいに整地されたテン場が数か所あり,近くには水量豊富な小沢が流れ,絶好の立地条件だ。ヒグマの姿は見当たらない。さっそく冷たい水が流れる沢にビールを冷やして,テントを設営した。気温18℃,無風。
12:50 ヒップパックだけの軽装で,エサマン山頂へ向かって出発。札内JPの少し東側へ伸びると思われる涸れ沢を登っていった。だんだん傾斜が急になり登高が厳しくなってきたが,急すぎて降りることも不可能である。上がるしかない。3点確保で慎重に登り,ようやく危険地帯を突破したが,前方には藪が待ち受けていた。ヤブ漕ぎをして何とか稜線上の踏み跡に出たが,札内JPよりも若干西側である。どうも選択したルートは間違っていたようだ。ここからエサマン山頂までは,明瞭な踏み跡が続いていた。日高側からガスが流れてきて,風も強くなってきた。ハイマツをかき分けて登り
14:45 エサマン山頂に到着。残念ながら雲が出てきてカムエク方面,幌尻〜伏美岳方面も良く見えない。
14:55 下山開始。帰りは正しいルートから帰ろう(登りのルートを降るのは無理だし)。踏み跡を辿って
15:40 札内JPを超え,風を避けられる地点まで来て小休止。その後,踏み跡を辿って降りていくと,途中から左右に分かれていた。右は札内岳へ行くルートと判断して,左へと進んだ(どうも右へ進むのが正解だったようだ)。途中から道がはっきりしなくなり,涸れ沢を降って行った。カールの我が家も見えるようになり,もう少しだと思ったら,何と!!崖(滝)に出てしまった。落差10mくらいか。完全に進退窮まってしまった。見れば古い捨て縄が3本ほどある。しかし,私はロープを持っていない。時刻は16時20分,日没まで1時間以上はある。冷静になって考え,かなり急斜面だがヤブをトラバースして,降りられそうなところを探してみることにした。アドレナリン出まくりでヤブに取り付き,落ちないように木や岩,草などをつかみつつ少しずつ移動して行ったら,何とか降りられそうな所に出た。そこを降りて回り込むと,さっきの崖(滝)の下だ。もうこの先は大丈夫だろう。安堵感に浸りつつ涸れ沢を降りていったら,途中にピンクテープがある。崖より東の方に正しいルートがあったようだ。
17:15 無事,テントに到着。沢で冷やしたビールが心と身体に染み渡った。今日は他にテン泊者なし。カールを独占である。暗くなってきたのでテントに入り,ヒグマが出ないように祈りながら,夕食をとって眠りに就いた。
2日目 9月6日(日) 天気 晴れ〜くもり
4時起床。暗い中,ゆっくりと起きだして朝食を取る。だんだん明るくなってきた。空は晴れている。テントをたたんで帰りの準備。カールに別れを告げる。
6:05 テン場を出発。ナメは慎重に降り
6:55 1245地点
8:00 997地点(山スキー沢出会い)
9:45 820地点
11:10 ようやく入渓地点
11:55 駐車地点に到着
肝を冷やす場面もあったが,静かなカールで一夜を過せて満足の山行だった。
コメント
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hidekinさま
紅葉が間近の興味溢れる記録を拝見させていただきました。
もし私が北海道に住んでいたら、年に数回は登ってしまいそうな大好きなエサオマントッタベツ岳です。これほど野趣に溢れ、心をくすぐる山はどこにもないのではないかと思っています。
この山に登るときに注意するのはやはり北東カールから札内JPへ上がるときのルート取りだということは、hidekinさんに同感です。初めて登った時には私も札内JP寄りにコースを採ってしまったのでした。33番目の写真の黄色い線で表したルート(予想)は、上部で札内JPに寄り過ぎているようですがスタート地点が合っていれば、踏み跡を丁寧に見つけていけばいいのかと思います。
次なる日高の記録のアップを楽しみにお待ちしています。
余分なこととは思いますが、北東カールからの登路の画像がありますのでご覧ください。
http://yamatabi-hanatabi.com/kamueku2010-2.html
GPSログは、ヤマレコにアップしております。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-492449.html
もう気力も体力も減衰気味なのでふたたびこの稜線を歩くことができないのかもしれませんが、本当にいいところですね。
chiroro_ さま
コメントありがとうございます。
「やま旅・はな旅・北海道」は以前から拝見しており,参考にさせていただいたり,きれいな写真に唸ったりしておりました。
ちゃんと北東カールから札内JPへの登路も説明されていたんですね。
今回の山行前に見ておくべきでした。
私は十勝に住んでおりますので,登山口まで車で2時間以内で行ける環境にありますが,長い沢歩きのアプローチがネックになり,今まではなかなかこちらに足が向きませんでした。
しかし,あのカールでの一夜は実にすばらしいものでした。
これから少しずつ,日高の奥深い所にも挑戦していきたいと思います。
今後も「やま旅・はな旅・北海道」の更新を楽しみにしております。
登頂おめでとうございます。
私もこの山が 気になっていたのでレコを熱心に読ませていただきました。大変参考になるところばかりです ただ一つ私が 気になるとこなんですが 靴のことなんです 何を履かれて行かれましたか? やはり沢靴でしょうか? 沢靴を履いて行くと沢の巻き道など歩くときに不安は ないでしょいか? 300mのナメの岩の滑りぐわいは どんなかんじなのでしょうか? カールから頂上までは 登山靴のほうが適しているようにも思うのですが できましたら その辺の 足回りの
感想をお聞かせ願えるとうれしいです。 勝手な質問ばかりで もうしわけありません。
yamaba-san さま
コメントありがとうございます
靴の件ですが,スタートからカールまではラバーソールの沢靴(モンベル・サワートレッカーRS)を使いました。たまにあるヌメッた石以外は,割とグリップは良好でした。巻き道などは問題ありませんでした。300mのナメは左岸の木や草をつかみつつ,そろそろと行きましたが,なんとかなりました(下りの方が滑りそうで緊張しましたが,重心を落として要所では岩に手をついて降りました)。
また,沢には全体的にあまり巻き道はありません。時々,ピンクテープに導かれて巻き道に入りましたが,短い距離の巻き道が多かったです。
カールから山頂までは持参したローカットの靴に履き替えましたが,沢靴のままでも問題はないと思います。
カールから札内JPまでのルートは,chiroro_ さんのページなど参考にしてください。
このルートはカール側の取り付きに目印がなく,細い踏み跡を進んでいくとやっとピンクテープが現れます。向かって一番左側(東側)の涸れ沢あたりに出ると思います。
札内JPからエサマン山頂までは踏み跡が明瞭でした。
私が行ったときはしばらく大雨などなかったので,沢の水量は少なかったのですが,chiroro_ さんのページにあるように,雨が降ると増水してえらいことになるようです。
天候の状況をつかんで,楽しく登ってください。
hidekin様
コメントありがとうございました とても役に立ました。 14・15日よエサオに行ってきました。 カールで雨に会い 頂上には行けませんでしたが 錦秋のエサオを十分に味わってきました。 また来年にでも チャレンジしたいと思います。
雨の後だったこともあり 水量が多かったようにも思いますが(hidekin様の行かれた時より)下山時 ナメ滝を下りるとき いただいたコメントを思い出してとても心強くなれました。巻き道も探さず出来るだけ 川の浅いところを歩きました その方が ウロウロしなくてストレスがなかったように思います。
頂上は踏めませんでしたが とても 実りある山行だったと思っています。
ありがとうございました レコをUPされたことにも感謝します。
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