初めての富士山へ富士宮口から登る
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 1,389m
- 下り
- 1,389m
コースタイム
- 山行
- 7:17
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 7:50
天候 | 晴れ(風強し) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に問題はありません |
予約できる山小屋 |
八合目池田館
|
写真
感想
前の日に1泊2日の山行で北アルプスの霞沢岳登頂を果たしたのだが、この夏の不順な天候が嘘のように明日も全国的に晴れるという。またとない好天を目の前にしてこのまま帰るのはいささか心残りである。
毎日サンデーの自由な身分なので、行きがけの駄賃ならぬ帰りがけの駄賃でどこかの山に登ることにした。
一応、予定では軽い気持ちで富士山でもいいかな、などと思っていたが、まさか本当に日本一の山についでに登ることになるとは自分でも思っていなかった。
思っていた以上に早く霞沢岳から下山できたので、途中、島々のせせらぎの湯で汗を流し、富士山の富士宮口新五合目へと向かった。
全国的に快晴の予報が出ているのに新五合目へ向かう登山道路には深い霧が立ちこめていた。そろりそろりと走りながらたどり着いた新五合目には明日の登山を控えた登山者のものと思われる車が数台とまっていた。
すでに午後10時近くなっていた。こうゆう場合の礼儀として、すでにとまっている車から数台分離れて車をとめる。標高2400メートルの駐車場だが常夜灯が点いているのでなぜかほっとする。
今日のニュースや天気予報などを見ながら睡眠薬代わりのお酒をちびちび飲んでから寝床に入った。思っていたより気温がは下がらずぐっすり眠れることができた。
ゴーゴーという、雷とも思えるような山鳴りの音で目が覚めた。時折車が揺れるほどの風が吹いている。15から20メートルはありそうだ。遮るものがある稜線なら歩くことは出来るだろうが、草木のない富士山ではこの風をまともに受けてしまう。
出発をためらっていたが、ここ二、三日の天気は、朝夕は雲が出ていても日が昇るに従って好転していくパターなので、とあえず、登れるところまで登ることにして車を出た。
昨夜は3台ほどだった車も出発時には10台ほどに増えていた。
登り始めてまもなく東の稜線横から日の出となった。富士山初挑戦でご来光が拝めた。私が住む三浦半島が相模湾が赤く染まっている。すでに箱根山や愛鷹山は眼下にある。
時々ゴツゴツした岩場のような箇所があるものの、ほとんどが峠道のような勾配の緩いジグザグ道なので思ったより歩きやすい。マイペースで歩けるのがいい。
朝吹いていた風は徐々に弱まっていくようだ。北寄りの風なので途中にある山小屋が具合良く風よけになっている。すでに営業は終わっているので冬に備えて堅く閉ざさせているが、軒下の日だまりは休憩するのにちょうど良い。
天気が良いのを見計らって家を出てきたのだろうか。ぞくぞくと登山者が登っているのが見える。みんな歩くのが早い。中には半袖、短パン姿の外人さんも登って来た。
9合5勺の小屋の前で風を除けながら石壁に寄りかかっていたらぽかぽかとして気持ちが良かった。連日の寝不足と連チャンの山登りの疲れからか思わず居眠りをしそうだった。
この9合5勺からの最後の登りがきつかった。山頂の鳥居が見えているのになかなかたどり着かない。這々の体で登り着いた富士宮口山頂では治まりかけていた風が息を吹き返したように吹きまくっていた。登山者は強風を避けて閉ざされた奥宮の軒下に身を寄せていた。
北から吹き付ける風は半端ではなく帽子などはしっかり押さえていないと吹き飛ばそれそうだし、うっかりしたら体ごと飛ばされてしまいそうだ。富士山の最高峰である剣ヶ峰は目の前だがこの風に逆らって行けるのだろうか。
しばし休憩をしながら剣ヶ峰登頂を検討したが、どうやらこの奥宮付近は風の通り道になっているようだ。奥宮を離れると何とか歩けそうなので意を決して剣ヶ峰に向かった。滑りやすい砂礫の急坂の上に日本の最高峰はあった。
20代のころから山登りをしていたのにいままで富士山に登らなかったのは、富士山が見える山のすべてに登ったら、最後に富士山からいままで登った山を見返してやろうと思っていたからである。
いまその時が訪れたのに、山頂はすでに撤去されたレーダードームの建物に占拠されているため360度の展望とは行かなかった。富士山山頂はとてつもなく大きいのでお鉢巡りをしなければ周囲の山々を指呼するわけにはいかないようだ。
それよりこの山頂は寒い。北風がまともに吹き付けているのでじっとしていると、冬山用の手袋をしている指先が凍えてくる。せっかくの登頂だがゆっくりしている余裕は全くない。記念写真を撮り終えると早々に山頂をあとにした。
下山は御殿場ルートから宝永山を経由して新五合目まで戻る予定だったが、今日の強風は北から東寄りの風なので、東側の御殿場ルートはまともに風を受けていそうなので、宝永山はまたの機会にすることにして、登ってきた道を戻ることにした。
富士山の下山は誰が下っても早い。歩きやすい道なので登りの約半分の時間で下山できる。草木の少ない富士山だが6合目あたりまで下って山頂を振り返ると色づいたタデが青空に映えて鮮やかだった。
次に富士山に登るのはいつのことになるのかわからないが、もう一度、ゆとりを持って今まで登った富士山を取り囲む山々をじっくりと見返してみたい。
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