緊張の連続だった残雪の石鎚山


- GPS
- 07:19
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,179m
- 下り
- 1,174m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 7:17
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
石鎚山ロープウェイに乗車(往復) |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース中の8割は雪が残っていた。 二の鎖元小屋から弥山山頂までは斜面の直登・トラバースに先爪付アイゼンとピッケルが必要でした。 |
その他周辺情報 | この日の駐車場料金は¥500、駐車した京屋旅館さんの温泉にこの駐車料金で1人まで入浴できます。あとは多分¥500/人で入れると思います。当然入って帰りました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
ピッケル
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|---|
備考 | アイゼンは10本爪(先爪有)を持って行ったが、できれば12本爪が良かった |
感想
弥山に着いた時、足上げ不完全により石段にアイゼンの爪をひっかけて「オットット」でした。
それほどまでに二の鎖元小屋から上は緊張の連続でした。二の鎖元小屋までの登りで脚の筋肉もかなり疲労気味だったし、安全登山の面から考えると二の鎖で引き返すべきだったのかもしれません。
この冬に冬用登山靴を調達して、雪山を始めてみました。
2月は仕事で山をお休みしたので4回目の雪山が今シーズンの雪山納めとなりました。
[ 天候、気温 ]
朝9時頃、ロープウエイ成就頂上駅で晴れ・10℃・風穏やか
昼12時過ぎ、弥山で晴れ(春霞)・3℃・まあまあの風+時折強風
午後5時前、京屋旅館さん駐車場で晴れ・体感20℃・無風で蒸し暑さ感じるくらい
[ 登り ]
ロープウエイ頂上駅の気温が高く、上はアクティブインサレーション・下のみハードシェル、バラクラバはネックゲイター状態でスタート。
成就社まで、アイゼン着けずダブルスストック歩行。凍結部分ほぼ無しでした。
成就社で安全祈願して遥拝殿にまわると麗しいお山の姿がしずかにありました。
神門前でアイゼン装着し出発。
八丁までは順調、アイゼンはまだ早かったかもと思ったくらい。
八丁からあめ湯小屋まで辛抱の登り、この日は修理から帰ってきたカメラを持ってきたし、1月の強風の記憶があってシェルも2種類など荷物が増えたことと、2月のまるまるひと月分のブランクが効いてなかなか脚にくる。あめ湯小屋までの間に立ったまま水分補給2回。
階段を覆っていた雪が融けて一部露出している部分でアイゼンを引っ掛けないよう慎重に歩いて「なんかこれまでより時間かかってるな〜」感のなか、夜明し峠が見えて一度疲労感を忘れた。
夜明し峠付近から見る石鎚山がなんとまあ美しカッコイイ!
写真を撮らねばとイイワケして、しばし休憩〜。
一の鎖〜二の鎖間は、とにかく歩を進めることに集中して見ていたのは先のトレースと足元のみ。途中一か所急坂でピッケル出したかった場所があったが気力でクリア。
二の鳥居の雪は1月初旬に来た時より少しだけ下がっていました。
二の鎖元小屋でストックからピッケルへ持ち替え、菓子パン行動食で補給、かなり脚に来ていたので腰を下ろして休憩。
「前に来た時真っ白で途中撤退したので今日リベンジです」という同年代くらいの男性と同じタイミングで上へ。小屋の上を過ぎ階段に掛かるところで降りてきた方が「この先トレースないですよ」と教えてくれた。先に数名は登っているはずなのでトレースはあるはずなんだけどなあと思いながら進んでいくと、確かに階段の終わりから斜面トラバースまでの直登区間にはアイゼンの爪痕が少しだけ。
「引き返そうかな〜」と頭によぎるが「ほぼトレースのないのはカラダ3つ分くらい、伊予富士は新雪の下の蒼氷に先爪立てて登り降りできたからいけるかも」と挑戦。怖かったのは雪の締まり具合、ピッケルのピックを雪面に立てて引っ張ってみる...なんとか行けそう「帰りまでにあんまり融けないでね〜」とお願いしつつ体ずり上げに成功。はあ、怖かった。
雪面トラバースもトレースの幅が狭く、雪面に向いて「横這い」状態で通過、ジグザクトラバースを繰り返し、三の鎖小屋。熟達者が追い付いてきたので「どうぞ」と先に行ってもらって足さばきを見せてもらった。斜面にピッケルを打ち込みながらバランスよくすいすいと進んでいく、「さっすが、なるほど」と思って真似してみる...が、そんな簡単ではない。
やがて核心部中の核心部、山頂直下の階段のはじまり。先を行く熟達者は雪の斜面となっている「お上りさん」側をごく普通に歩いていくが、真似せずに階段手すりに「一時的四点確保」でじわじわと超低速度で進みました。「リベンジ」の男性が後ろから来ていたのできっと私のへっぴり腰を見られていたに違いない。これで精一杯だから恥ずかしいがしかたないのだ。
階段から階段への「渡り」がまたしてもアイゼン先爪頼りの「横這い」で超絶緊張の連続。
弥山山頂への石段が見えた時は泣きそうだった。
[ 山頂 ]
山頂からは春霞があるものの見事な展望。強めの風が吹いていました、そして時折体が傾くくらいの強風。もとより、脚はガックガクになっていたので、天狗岳はパス。
頂上社にお参りして、天狗岳へ向かう方々にエールを送りつつ写真を数枚。
高知から来られていた女性お二人と少しお話して、体力あるうちにと下山開始しました。
後でロープウエイで一緒になり「あのあとすっごい風で私たちも天狗岳行きませんでした」とのことでした。
[ 下山(二の鎖元小屋まで) ]
石段を下りたところからまたしても緊張の連続で、ひたすらピッケルのピックとアイゼン先爪で「横這い」「一時的四点確保」、急坂直降下部ではクライムダウン、、ヘルメットからは冷や汗が滴り落ちてなんとか二の鎖元小屋へ無事到着。
[ 出会いと語らい ]
弥山山頂でカップ麺食べるつもりだったけど、のちに控える核心部下降を考えると喉を通りそうになく、二の鎖元小屋で食べようと頑張って降りてきた。二の鎖元小屋が見えたとたん急激な空腹感!陽の当たる雪面で休憩していた若者二人組に「おじゃまします」と声かけてやっとランチタイム。
すると「今日はここを山頂にしました」と笑う彼らは、いろいろと話しかけてくれて、カップ麺の汁を飛ばしながら歓談、こんなじいさんを相手に色々話してくれると嬉しくっておしゃべりスイッチが入るじゃないの(笑)。
[ 下山 (駐車場まで) ]
先に降りて行った彼らの後を、すでに筋肉痛が始まった脚でそろりそろりと下山、一の鎖小屋あたりで笑顔の彼らに再会、そのあと神門まで先に歩かせてもらった。
八丁でピッケルからストックに持ち替えながらスポドリ補給。なんといっても、ここからの登り返しはいつも思うけどほんとに神様に試されているかのよう。八丁にたどり着いた時点で腿の筋肉は伸縮不能かと思うくらい疲れており、バランス取り用のストックに体重をあずけて這うように神門をくぐってお辞儀をした。
頭を垂れて今日一日の出来事を振り返ると、感謝で涙が出そうになった。
そして、若者二人組が追い付いてきた(^^)
成就社でアイゼンを外しおしゃべりしながらロープウエイ駅へ。
最終の1本前の便にゆっくり間に合って、パッキングをし直して腰を下ろすと心地よい疲労感に自然と腑抜けた笑顔になっているのがわかる。
下に着くと蒸し暑いくらいの陽気、「もう春ですから」と彼ら。
偶然にも車は隣どうしだった。温泉は入らず帰るという彼らと「また会いましょう」と握手して別れた。
温泉では、ほぼ同年代で神奈川から百名山挑戦中の方と一緒になって、またまたおしゃべり(笑)
良き山と良き出会いの心に残る山行でした。
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長い長いレポ最後までお付き合いありがとうございましたm(_ _)m
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