ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 8074121
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

笠ヶ岳(笠新道→大ノマ乗越→小池新道)

2025年04月27日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
17:16
距離
26.4km
登り
2,388m
下り
2,386m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
16:01
休憩
1:15
合計
17:16
距離 26.4km 登り 2,388m 下り 2,386m
6:44
23
7:07
15
7:22
7:32
89
9:01
9:09
29
10:03
10:16
80
11:36
11:37
148
14:06
14:07
46
14:53
14:54
35
15:29
17
15:46
23
16:09
16:23
9
16:32
4
16:36
16
16:52
16:53
53
17:46
3
17:49
17:50
5
17:55
48
18:43
12
18:55
18:56
36
19:32
19:33
10
19:43
27
20:10
20:15
25
20:40
20:41
9
20:50
20:57
15
21:12
28
21:40
21:41
20
22:01
13
22:14
16
22:30
19
22:49
22:50
15
23:18
23:19
5
天候 晴れ時々曇り/風あり
過去天気図(気象庁) 2025年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新穂高温泉登山者用無料駐車場を利用
コース状況/
危険箇所等
【全般】
雪は基本的に緩んでいて、クラックや踏み抜きも多い。
夜19:30頃から標高2662m付近の大ノマ岳山頂付近で雪は締まり始めたが、標高を下げていくと夜でも緩んだままで、2300m付近では21:00頃になっても緩んだままだった。

【区間ごと】
<左俣林道>
新穂高温泉-中崎橋:川の左岸を歩く。舗装路だが、途中から断続的に積雪やアイスバーンとなる。土砂崩れで非常に歩きにくい区間があるので注意。

中崎橋-笠新道:右岸に渡り、平坦に近い雪道を行く。大規模雪崩の跡で盛り上がった箇所が複数ある。

<笠新道>
笠新道入口-杓子平:夏道の露出した区間と雪道が断続的に続く。標高1550mあたりでかなりまとまった雪道になった印象。1900m-2000m付近でかなり急な雪道を上がるようになった。緩んだ雪質の急傾斜にクラックが時々現れる一方、稀に平坦地があって休憩することができた。

杓子平-笠ヶ岳稜線(笠新道抜戸岳分岐):目の前の展望が開け、笠ヶ岳の山頂と稜線が現れる。なるべく標高を下げずに進むのが正解。

<笠ヶ岳稜線>
笠ヶ岳-秩父平下降点:ほぼ稜線の一番上を歩く。ハイマツに近いところでは踏み抜きやすい。左俣側は雪庇となっているので端を歩くのは避けたい。

秩父平下降点-秩父平:完全な雪道の下りのうち、最も傾斜の緩いところを進む。シリセードの跡があった。稜線を双六谷側へ移る際、滑ったら左俣谷の底へ落ちそうなトラバースがあるので注意したい。

秩父平-大ノマ岳:夏道は稜線伝いだが先行者の踏み跡に従い、やや双六谷側をトラバースした。傾斜は強くないが、日没後も雪はまだ緩く緊張した。19:30頃、2662mの大ノマ岳山頂付近で雪が硬く締り始めた。

大ノマ岳-大ノマ乗越-:急傾斜を一気に下る。下り始めると雪はまだ緩んでいた。雪質を考慮して念のためバックステップを使う箇所もあった。

<大ノマ乗越のカール>
大ノマ乗越-秩父沢出合:大ノマ乗越の直下こそ急傾斜だが、徐々に十分歩ける斜度に落ち着いていく。どこでも歩けてしまいそうだが、下山を考えるとやや右(西)よりを歩いた方がよい。

<小池新道>
秩父沢出合-小池新道入口:左俣谷右岸まで下りながら進む。秩父沢自体はまだ見えなかった。川に合流してしばらく歩くと左俣林道に合流する。

<左俣林道>
小池新道入口-笠新道入口:左俣谷右岸のなだらかな道を進む。全面雪に覆われている。
※笠新道-新穂高温泉は往路と同じ。
その他周辺情報 日帰り入浴:中崎山荘、ホテル穂高、ひがくの湯など
仮眠:道の駅 風穴の里など
新穂高温泉からスタートです。
2025年04月27日 06:14撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2
4/27 6:14
新穂高温泉からスタートです。
左俣林道は初めて歩きます。
2025年04月27日 06:23撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 6:23
左俣林道は初めて歩きます。
看板通りに進みます。
2025年04月27日 06:24撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 6:24
看板通りに進みます。
正規ルートはヘアピンカーブですが、ここを歩こうと思えば歩けるんではないかと思いながらヘアピンカーブを行きました。
2025年04月27日 06:25撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 6:25
正規ルートはヘアピンカーブですが、ここを歩こうと思えば歩けるんではないかと思いながらヘアピンカーブを行きました。
蕗の薹
2025年04月27日 06:32撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2
4/27 6:32
蕗の薹
アイスバーンに注意。
2025年04月27日 06:33撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 6:33
アイスバーンに注意。
すっかり雪道になりました。
2025年04月27日 06:38撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 6:38
すっかり雪道になりました。
雪崩か土砂崩れの跡なのか、道をすっかり塞いでしまっています。
2025年04月27日 06:42撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 6:42
雪崩か土砂崩れの跡なのか、道をすっかり塞いでしまっています。
道に戻ります。
2025年04月27日 06:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 6:47
道に戻ります。
橋は渡りません。
2025年04月27日 06:49撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 6:49
橋は渡りません。
ここも崩落。
2025年04月27日 07:03撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 7:03
ここも崩落。
中崎橋を渡ります。
2025年04月27日 07:07撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 7:07
中崎橋を渡ります。
大規模雪崩の跡
2025年04月27日 07:14撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 7:14
大規模雪崩の跡
笠新道入口
2025年04月27日 07:20撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 7:20
笠新道入口
夏道が出ているとこともあります。
2025年04月27日 07:30撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 7:30
夏道が出ているとこともあります。
枝などの障害物が多いです。
2025年04月27日 07:57撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 7:57
枝などの障害物が多いです。
なるべく夏道を行きます。
2025年04月27日 08:19撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 8:19
なるべく夏道を行きます。
振り返れば穂高連峰が見えます。
2025年04月27日 08:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 8:47
振り返れば穂高連峰が見えます。
焼岳と乗鞍岳も見えました。
2025年04月27日 08:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 8:47
焼岳と乗鞍岳も見えました。
ほぼ雪道になりました。
2025年04月27日 08:59撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/27 8:59
ほぼ雪道になりました。
まだ踏み抜きはあまりありません。
2025年04月27日 09:19撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 9:19
まだ踏み抜きはあまりありません。
雪質は緩んでます。
2025年04月27日 09:25撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 9:25
雪質は緩んでます。
下りたくない傾斜です。
2025年04月27日 09:28撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 9:28
下りたくない傾斜です。
まだ夏道が出ている。
目の前は槍ヶ岳から涸沢岳まで。
2025年04月27日 09:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2
4/27 9:34
まだ夏道が出ている。
目の前は槍ヶ岳から涸沢岳まで。
大キレットから西穂山荘あたりまで。
2025年04月27日 09:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2
4/27 9:34
大キレットから西穂山荘あたりまで。
焼岳と乗鞍岳
2025年04月27日 09:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 9:34
焼岳と乗鞍岳
まだ標高的は2000m前後で山頂には遠い。先が見えない。
2025年04月27日 09:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 9:39
まだ標高的は2000m前後で山頂には遠い。先が見えない。
最後の夏道露出区間を行きます。
2025年04月27日 09:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 9:47
最後の夏道露出区間を行きます。
昨日の雨飾山もなかなか急だったが、こちらは長さが違う。
2025年04月27日 10:03撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 10:03
昨日の雨飾山もなかなか急だったが、こちらは長さが違う。
夏ならくねくね、今日はなるべく真っすぐ。
2025年04月27日 10:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 10:50
夏ならくねくね、今日はなるべく真っすぐ。
眺めは最高だけれど、この傾斜を下りたくない。
2025年04月27日 10:51撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 10:51
眺めは最高だけれど、この傾斜を下りたくない。
雪庇が見えるあたり、あそこを登り切ったら景色が変わりそう。
2025年04月27日 11:18撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 11:18
雪庇が見えるあたり、あそこを登り切ったら景色が変わりそう。
平坦地でちょっとだけ休憩。振り返るとやはり恐ろしい。
2025年04月27日 11:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 11:39
平坦地でちょっとだけ休憩。振り返るとやはり恐ろしい。
登り切った杓子平はこの景色。
徐々に写真中央のピークを目指すのが正解らしい。
2025年04月27日 11:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 11:43
登り切った杓子平はこの景色。
徐々に写真中央のピークを目指すのが正解らしい。
笠ヶ岳の山頂も見えました。
2025年04月27日 11:44撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
3
4/27 11:44
笠ヶ岳の山頂も見えました。
足跡機能を見る限り左側のピークを目指す人もいたようですが、今日左側を目指す選択は失敗でした。
2025年04月27日 12:09撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 12:09
足跡機能を見る限り左側のピークを目指す人もいたようですが、今日左側を目指す選択は失敗でした。
岩の直下に人間がすっぽり岩の直下に人間がすっぽり入る穴がありました。
これがシュルントか。
2025年04月27日 12:17撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 12:17
岩の直下に人間がすっぽり岩の直下に人間がすっぽり入る穴がありました。
これがシュルントか。
ルートミスに加え体力不足で息切れし、かなり時間がかかってしまいました。
あのピークまで出れば稜線です。
2025年04月27日 13:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 13:39
ルートミスに加え体力不足で息切れし、かなり時間がかかってしまいました。
あのピークまで出れば稜線です。
ようやく稜線へ。
2025年04月27日 14:05撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4
4/27 14:05
ようやく稜線へ。
北ノ俣岳・黒部五郎岳・薬師岳
2025年04月27日 14:07撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 14:07
北ノ俣岳・黒部五郎岳・薬師岳
ハイマツ近くの踏み抜きを除けば、概ね稜線は歩きやすいです。
2025年04月27日 14:52撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2
4/27 14:52
ハイマツ近くの踏み抜きを除けば、概ね稜線は歩きやすいです。
笠ヶ岳山荘を過ぎ、まもなく山頂です。
2025年04月27日 15:46撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 15:46
笠ヶ岳山荘を過ぎ、まもなく山頂です。
笠ヶ岳山荘に冬季避難小屋はありません…と思っていました。
向かって左側の物置に避難できるようです。
2025年04月27日 15:48撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 15:48
笠ヶ岳山荘に冬季避難小屋はありません…と思っていました。
向かって左側の物置に避難できるようです。
登り切ったところに標柱はありません。
2025年04月27日 16:07撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 16:07
登り切ったところに標柱はありません。
西銀座方面
2025年04月27日 16:08撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 16:08
西銀座方面
計画より大幅に時間がかかってしまった。
2025年04月27日 16:09撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
3
4/27 16:09
計画より大幅に時間がかかってしまった。
雪洞を掘るか、双六小屋の冬季避難小屋を目指すか、下山するか悩んだものの、翌日を考えると下山という判断になりました。
2025年04月27日 16:28撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 16:28
雪洞を掘るか、双六小屋の冬季避難小屋を目指すか、下山するか悩んだものの、翌日を考えると下山という判断になりました。
抜戸岳山頂付近。ハイマツ近くのクラックが顕著です。
2025年04月27日 17:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 17:56
抜戸岳山頂付近。ハイマツ近くのクラックが顕著です。
左により過ぎれば踏み抜き、右により過ぎれば雪庇。
真ん中を歩くかハイマツ漕ぎを選ぶか。
2025年04月27日 17:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 17:56
左により過ぎれば踏み抜き、右により過ぎれば雪庇。
真ん中を歩くかハイマツ漕ぎを選ぶか。
稜線で雪の無かった箇所もこのあたりでおしまい。
2025年04月27日 18:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 18:43
稜線で雪の無かった箇所もこのあたりでおしまい。
結構な下りです。踏み跡がありがたいです。
2025年04月27日 18:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 18:43
結構な下りです。踏み跡がありがたいです。
秩父平から大ノマ岳へ向け、稜線左側をトラバースします。
2025年04月27日 18:54撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 18:54
秩父平から大ノマ岳へ向け、稜線左側をトラバースします。
小池新道入口まで戻りました。
2025年04月27日 21:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
4/27 21:41
小池新道入口まで戻りました。
下山後、車を移動させるも道の駅で力尽きました。
早朝営業の浅間温泉「仙気の湯」で入浴します。
2025年04月28日 08:01撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/28 8:01
下山後、車を移動させるも道の駅で力尽きました。
早朝営業の浅間温泉「仙気の湯」で入浴します。
体はバキバキだし、翌日の北アルプスは吹雪予報なのでこのまま帰ります。
その前に山賊焼きとビールをいただきます。
2025年04月28日 11:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
2
4/28 11:12
体はバキバキだし、翌日の北アルプスは吹雪予報なのでこのまま帰ります。
その前に山賊焼きとビールをいただきます。

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 ゲイター バラクラバ ヘッドバンド ザック アイゼン ピッケル2本 ストック スノーバスケット 行動食 飲料 日焼け止め 保険証 携帯 時計 サングラス
備考 防寒着、バラクラバ、輪カンジキは使わなかった。

感想

今回は失敗記録です。
恥さらしだと思いつつ、書ける限りのことを公開します。

槍穂高連峰の稜線から飛騨側を眺めるとすぐ近くにありそうな笠ヶ岳。
槍穂や西銀座は歩いたことがあるものの結局ずっと後回しにしてしまっていました。

当初は月曜を休みにして四連休で裏銀座を考えていたのですが、予報は強風や霧、吹雪となってしまったので行き先変更です。
土曜は雨飾山、日曜は笠ヶ岳にすることにしました。

【計画】
<コース>
まず、この時期は冬季バリエーションルートの記録が多いものの、現在の自分のレベルでは不安が多いので避けておきたい。

⇒笠新道の往復を選択した。

<時間>
行程が長く、一泊が確実ではある。
順調に進めば日帰りできなくはないが、それでも12時間以上はかかる。

⇒翌日の天候と荷物の重量を考慮し、日帰りを選択した。常念岳東尾根の経験を踏まえれば無理ではないという判断だったが、これが甘かった。

【実際】
<左俣林道>
新穂高温泉-笠新道:アイスバーンや雪崩跡など歩きにくい区間もあったが、概ね順調に進めた。

<笠新道>
笠新道入口-杓子平:夏道の露出した区間と雪道が断続的に続き進路がわかりにくくなった。1900m-2000m付近でかなり急な雪道を上がるようになり、ペースが上がらなかった。当初の計画では下りも笠新道のつもりだったが、緩んだ雪の急傾斜を考えると遠回りでも大ノマ乗越へ向かった方がよいのではないかと思った。

杓子平-笠ヶ岳稜線(笠新道抜戸岳分岐):ルートミスにより時間も体力もロスした。特に、すぐ近くにシュルントを見つけた時には心が折れた。稜線に出た時には14:00を過ぎてしまっていた。

<笠ヶ岳稜線>
笠新道抜戸岳分岐-笠ヶ岳山頂:ハイマツに近いところでは踏み抜きやすかったが、概ね歩きやすかった。しかしペースが上がらず山頂到着時点で16:00を過ぎてしまった。
笠ヶ岳山荘に冬季避難小屋は無いと思っていたため雪洞を掘るか、双六小屋冬季避難小屋へ向かうか、大ノマ乗越経由で下山してしまうか悩んだ。
昨年同時期の北穂高岳ではアイスバーンによる痛ましい事故が起きているし、こちらも日没後のアイスバーン化が心配だったが、結局下山を選択することにした。

笠ヶ岳山荘-秩父平下降点:ハイマツ近くの踏み抜きと雪庇とで歩く場所がやや難しく、ハイマツ漕ぎを選ぶ区間もあった。

秩父平下降点-大ノマ岳:夏道は稜線伝いだが先行者の踏み跡に従い、やや双六谷側をトラバースした。傾斜は強くないが、日没後も雪はまだ緩く緊張した。19:30頃、2662mの大ノマ岳山頂付近で雪が締り始めた。

大ノマ岳-大ノマ乗越-:急傾斜を一気に下る。下り始めると雪はまだ緩んでいて、雪質を考慮して念のためバックステップを使う箇所もあった。

<大ノマ乗越のカールと小池新道以降>
大ノマ乗越-秩父沢出合:大ノマ乗越の直下こそ急傾斜だが、徐々に十分歩ける斜度に落ち着いていった。2300m付近では21:00頃になっても雪は緩んだままだった。危険箇所も無くなり、安心感が出てきた。

川に合流してしばらく歩くと左俣林道に合流する。傾斜もほとんど無くなっていくが、雪崩跡などは歩きにくかった。

新穂高温泉の無料駐車場に着いた頃には23時半近く、当然それなりに疲労もあったが、それよりも安心感が遥かに勝っていた。

【失敗】
_爾蠅盂淇憩擦鮖箸Ψ弉
…笠新道を登ることはできたが、登ってみて下りたくないと思った。下れたとしても滑った場合に助からない気がしたので、おそらく長時間かけてバックステップすることになっていたと考えられる。
ここで遠回りになっても大ノマ乗越からの下山に計画変更した。

⊆飮卻燭ら稜線までの間のルートミス
…向かって左側を行こうとして、時間・標高・体力をロスしてしまった。また、すぐ近くにシュルントを発見し精神衛生上もよろしくなかった。

テントを車に置いてきてしまった。
…当初はテント泊縦走を考えていたが、機動力を考えて置いてきてしまった。雪洞を掘る、遠いが双六小屋冬季避難小屋を目指す、遅くなってでも下山するなど考えたが、いずれも不安しかなかった。
(実は笠ヶ岳山荘の物置に避難することができたようで、これを認識していたら双六小屋は選択肢に無かった。)

ぅ好檗璽張疋螢鵐粉末・アミノ酸粉末を車に置いてきてしまった。
…完全に忘れた。塩分摂取の手段に不安が出てきてしまったのは不安だった。摂れるとしたら豆腐バーのみ。結果的に足が攣るようなことは無く済んだ。

ゥ譽鵐織ーの返却時間を翌日昼にしてしまい、延長できなかった。
…笠ヶ岳山頂は電波があったので延長を試みたが、次の方の利用予定に影響してしまうらしく叶わなかった。
はじめからもう半日余裕を見て借りられていたら、アイスバーン化を心配しながら下山を強行しなかったかもしれない。


一方で、稜線で風が吹いてもずっとではなかったこと、冷たい風ではあったが凍えるような寒さではなかったこと、緩んだ雪ではあったが結局アイスバーンにはならなかったことなど気象条件は有利に作用した。
ダウンジャケットを着ることもなかったし、水と行動食が豊富にあったことも安心材料ではあった。

【感想】
完全にやらかしました。計画に無理がありました。
時間超過で暗くなってしまったのは1月の光岳以来です。
日帰り登山としてはこれまでで最も長い行動時間になってしまいました。

夏は体力的に辛いと有名な笠新道ですが、とにかく恐ろしいです。
部分的には45度は越えているであろう急傾斜に緩んだ雪が恐ろしく、しかも滑ったらおそらく谷底で助かる気がしません。
途中で考え直すにしても下るのも地獄です。


それでも杓子平から見上げる稜線の開放感は素晴らしいし、背後の槍穂高連峰に焼岳、乗鞍岳は圧巻です。
信州側の蝶ヶ岳と対をなすような飛騨側の展望台です。
稜線に上がれば北ノ俣岳や黒部五郎岳、薬師岳、双六岳など北アルプス最深部の景色も見事です。
近いようで遠い山なので、登頂の達成感もひとしおではあります。
(ただし、時刻が時刻だったので下山の不安の方が遥かに強かったです。)

事故や怪我無く帰って来られたのは気象条件など運がよかったからに他なりません。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:510人

コメント

途中でお話しさせてもらった者です。無事に下山できたようで何よりです🙇笠新道の急登にはやられましたね(笑)それにしても日帰りでこのルートを歩ける体力と気力すごいです!おつかれさまでした😊
2025/4/30 7:54
いいねいいね
1
yama-sanpoさん
ありがとうございます!
運よくアイスバーン化しなかったことも大きく、おかげさまで事故や怪我無く下山することができました!
あの笠新道の急登は恐ろしかったです…
長時間行動はきつかったですが、帰りたい一心でどうにか歩けました。
お疲れ様でした!
2025/4/30 10:58
いいねいいね
1
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
新穂高を起点に奥飛騨を一回り
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [日帰り]
笠ヶ岳(中尾温泉口〜笠新道〜クリア谷周回)
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
4/5
体力レベル
5/5
ハイキング 甲信越 [2日]
双六岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
1/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [5日]
笠ヶ岳・水晶岳
利用交通機関:
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [日帰り]
技術レベル
2/5
体力レベル
5/5
未入力 槍・穂高・乗鞍 [2日]
鏡平往復
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
1/5
体力レベル
3/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら