黒部源流スキー漂泊行6日間

- GPS
- 54:14
- 距離
- 106km
- 登り
- 9,664m
- 下り
- 9,741m
コースタイム
- 山行
- 8:26
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 8:52
- 山行
- 8:39
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 9:01
- 山行
- 7:51
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 9:38
- 山行
- 4:34
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 4:47
- 山行
- 9:08
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 10:12
- 山行
- 9:40
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 11:02
| 天候 | 4/29のみ雪時々曇り 4/26,27,28,30,5/1は快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
・和佐府〜飛越トンネルは雪崩のデブリが出ていて早期開通はなさそうな気配。 ・秩父沢〜新穂高の林道もデブリ多い。1ヶ所は特にひどい状況。 |
| その他周辺情報 | 【温泉】ひがくの湯 950円(インスタフォロー割850円) 【食事】ひがくの湯併設のの登山者食堂 |
写真
感想
◆プロローグ
去年のGWはあずちゃんと北海道旅10日間。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6728698.html
今年は祝日の並びがイマイチであずちゃんとの長期旅は難しい。百名山ラスト幌尻岳メインでソロで北海道スキー三昧はなんだか気が引けるしと、予定決めずにいたら、タクさんから黒部源流スキーのお誘いが。迷いなくプランに乗っからせてもらいありがたや〜。スキーでは1泊山行がMAX、無雪期長期縦走経験を活かして荷物を軽量化。45Lザックに水抜き15kgで準備OK。直前のヤマテン予報で土日に北アルプスに大荒れ予報…GW後半の天気も芳しくないので予定通りの決行とする。
◆1日目(飛越TN〜北ノ俣岳〜薬師沢中俣2050)
出発前日の4/25金は、あずちゃん通うの小学校の開校記念日で休校日。AM6時に自宅でて、平日ディズニー満喫のちPM9時帰宅からの新穂出発。長期山行を前に興奮したためか運転中は眠気感じず、AM1:30新穂高駐車場。混んでいるかと思いきやガラガラで最上段に駐め1.5時間睡眠。
タクさんと合流し新穂に車1台デポして和佐府へ、有峰林道入り3kmほど進んだ地点で土砂崩れにより通行不可。そこがスタート地点となった。シートラで40分ほど歩き雪繋がりシール。林道途中に雪デブリや土砂崩れ跡があり。石混じりの雪面もシール歩行で通したら、シールの末端あたりが2箇所破れた…今シーズンおNEWのシールだったのに…スキー脱ぎたくない病を脱したい。
門の閉まった飛越TN入口を横目に傍の登山道に入る。いきなりの急登でかなり藪い…ルート取りミスって藪に突っ込み薮の幹でエッジがツルツル滑り危うい登行。重荷もあっていきなりの体力消耗。トンネル上でて尾根に乗ればルート安定。今夜からの大荒れ予報が嘘のような快晴&微風な登山日和。寺地山のピークを踏んでから北ノ俣の大斜面に入る。いつもより重い荷物に喘ぎながら稜線まで雪繋がり、北ノ俣岳の山頂までスキーで登れた。
計画では太郎平小屋泊を予定していたが、大荒れ予報&冬季小屋利用不可情報により、薬師沢に標高落として風避けてテント張る計画に調整。太郎山手前から谷に入り途中で沢割れ、際どく横を通過したが、2回目の沢割れ箇所見て、出合いまでの谷行きは困難と思い尾根に登り上げる。尾根から出合いに滑り込むと、良さげな平坦ポイントありテント設営で本日の行動終了。すぐ横の沢割れ箇所で水とれて幸せ。明るいうちに夕食、夕食はカレーメシ1本勝負な今回の食糧計画(朝食はトムヤムクンヌードル1本)1.5人前を完食し、今日分で残った行動食も食べ胃腸快調、明るいうちに就寝。
◆2日目(薬師岳@金作谷、中央カール、薬師沢右俣〜薬師沢中俣2050)
前日のディズニー疲れの影響もあり爆睡。寒気入りかなり冷え込んだが、快適温度マイナス10℃の厳冬期用シュラフを持ち込んだのでぬくぬく11時間睡眠でAM5時起床。お天気大荒れの気配なく快晴、谷は無風。ベースキャンプ方式でテント泊装備をデポし、軽量装備で薬師岳に向け出発。夏道辿り太郎平、太郎平小屋は前情報通り入れず。稜線の風も穏やかで快調に稜線を詰める。薬師岳山荘すぎると右に薬師沢/右俣源頭部の大斜面。ニセピークの石室避難小屋まで登り切れば山頂は目の前。山頂直下で先行者に追いつく、薬師岳のピーク踏まずに中央カールにドロップする二人組。行き先を聞いてみると、黒部川&赤牛越えて高瀬ダムまで行く計画とのこと。強強の二人の滑りを見送って薬師岳山頂。北薬師との間に広がる金作谷の大カール、1本味見で滑った後、登りかえして2本目はノド過ぎて2400m付近まで滑走を楽しんだ。急斜面でシートラアイゼンで登り返し、使う筋肉違うのでサクサク直登で登って薬師岳に戻る。中央カールの美味しい所滑って、東南尾根への登り返しもエグい斜度。薬師沢右俣の大斜面を標高差600m滑って薬師平に登り返し。タクさんの的確なルーファイによりドンピシャで幕営地に帰還。
◆3日目(薬師沢左俣〜黒部五郎岳〜三俣蓮華岳〜黒部川〜五郎沢〜黒部五郎小屋)
4時起床でテント撤収し重荷を背負ってのスタート。薬師沢を下降して左俣に入る。谷は綺麗に埋まっており距離を伸ばす。稜線近くまでくると先行者2人組が赤木岳ピークの50m下から滑走するところだった。2人は中俣乗越に向けてトラバースで滑走し、ちょうど雪庇の切れた部分からピンポイントで中俣乗越に見事着地はお見事!タクさんはシール歩行でトラバースしていくと言うが、自分はザックの重荷で肩が限界…休憩したかったので、先行者に倣ってシールオフ休憩。目標とする完璧な滑走ラインが引かれているので、楽々辿って中俣乗越着地でタクさんと合流。シールも滑走も時間的には大差はない。
稜線を辿り壁のように見えていた黒部五郎岳に取り付く。夏道が完全露出しているが、取り付くとシールで登れそうな斜度に見えたため夏道横をスキーで。北面のため登るにつれ雪面の固さが増し、緊張感もマシマシ。キックターンの怖さが勝ってハイマツ側に逃げ込みクトー装着。固い雪面にしっかり刺さり安定。肩まで登り切ると北面カチカチから解放され緊張からも解放。遠くから見ると肩からピークにかけての尖りが厳しそうに見えたが、問題なくシールで登れて黒部五郎岳。山頂ピークからダイレクトにカールへ滑走する記録があったので覗いてみるが相当な急斜面。クラックも入っていて覗き込むだけでもヒヤヒヤ。
途中ですれ違った登山者の方から明日は大荒れ…と天気を教えてもらったので、黒部五郎稜線でスマホ天気チェックしてみると、話の通り今夜から明日のAMにかけて風雪強い予報。今日は高天原温泉泊の予定であったが、明日の停滞想定して黒部五郎小屋泊に修正する。
黒部五郎のピークから定石通り肩まで滑って、雪庇の切れ間からカールエントリー。荒れ気味で難しい斜面であったが、下から見上げるシュプールは満足の1本。小屋に向けてトラバースで滑りあっという間の黒部五郎小屋。
小屋に泊まり荷物を置いて三俣蓮華岳への第2ラウンド開始。明日は停滞の可能性高いため、今日のうちにエネルギーを使い切る。稜線に乗ると小雪が舞うようになり、風が冷たく寒気が入っているのが肌で感じられる。だんだんと視界も悪くなり、三俣蓮華岳に着く頃にはそれなりの風雪だが、滑走には十分な視界あり。夏の薮い感じからは想像できない大雪原な三俣蓮華岳周辺、緩んだ斜面を快調に飛ばして三俣山荘、から黒部源流に滑りこむ。
黒部源流からは夏に沢登りで下降したことがあり、とても穏やかな沢というイメージ。沢は埋まっている想定だったが、源流からいきなり沢割れ…滝の落口のような際どいトラバースにビビり慎重に進んでいたら、エッジ外れて3〜4mずりおちた…が沢ポチャは無くセーフ。シートラ&ダブルウィペットで壁をよじ登り黒部川の滑走ラインに復帰。その後も1mくらい口の開いた巨大クラック上を通過したりと気の抜けない黒部川滑走。黒部川は沢割れでブリッジ無く容易に対岸に渡れない、五郎沢が近づくにつれ左岸に渡りたくブリッジが気になる。五郎沢出合いの400mほど上流で1箇所だけブリッジが繋がっており左岸への移動成功。五郎沢に入る前に黒部川で水を満タン補給し水作りからも解放。だんだん雪強まり、みぞれ気味の雪でシールが濡れ、シールが団子になり足取り重い。風雪強まり視界もなくなりかける頃黒部五郎小屋に帰還。荒れ天気だが他パーティーの到着なく小屋は貸切だった。
◆4日目(AM停滞〜祖父沢〜祖父岳〜高天原温泉)
停滞前提で目覚ましかけずに就寝し、AM6時近くに窓が明るくなっていて起床。トイレで外に出ると予報通りの風雪、予定通りの停滞一安心で再度寝袋に入り込む。ipodで音楽聴きながら、寝袋の中でぬくぬく…うとうとしてAM9時。外みると雪は落ち着き、稜線には厚い雲だが少しの青空が出ている。
停滞気分でいたが、タクさんは行きたそうな雰囲気だったので朝食からの出発準備。AM11時前に小屋を出発。ピークを踏まない1日は物足りないので今日は祖父岳がターゲット。黒部川まで滑走して祖父沢に入る。特に悪い場所なく源頭部の雲の平キャンプ場、その上いくとガスに巻かれて風強い。夏道ラインは雪無く左回りで雪を繋いでシールでピークに乗り上げる。祖父岳からは視界なくGPSで下降方向を定めて慎重に安全地帯までツボ足で下降。雲が流れる感じあり、ドロップポイントで晴れ待ち、のち数分で晴れ間来てドロップ。ガリパウ斜面を楽しんでいると目の前に荒々しい水晶岳の岩峰が現れ圧倒される。この旅の到達地点として絶対不可欠なピークと思った。
タクさんのガイドで岩苔小谷の夏道トラバースラインに乗り高天原へ。山荘過ぎて複数の沢が入り組む温泉沢付近。夏道の簡易丸太橋から温泉沢へ入る。少し登れば沢横に湯船でコバルトブルー色の温泉満タン、湯加減見ると39〜40℃といったところ。GW時期は温泉が出ていないこともあるようで、正直なところ温泉には期待していなかった。しかし、いざ目の前にすると入らずにはいられない。最速で衣服を脱ぎ捨てタクさんお先に湯船に飛び込むとぬるめ適温、気持ち良過ぎて(外が寒すぎて)出られないw
温泉沢の雪無し砂地を整地してテントを張る。温泉沢周辺の水は飲用不適だろうと雪から水作り。温泉で雪を溶かす作戦は袋から水を回収するパートでロス多くイマイチ、結局バーナーで雪を溶かして水作り。温泉沢の轟音を聞きながら増水しないことを祈って、硫黄臭をアロマに就寝。
◆5日目(岩苔小谷〜水晶岳@東面中央ルンゼ〜水晶小屋〜岩苔乗越〜黒部源流)
予報通りの快晴天気。温泉沢は回避して昨日滑ってきた岩苔小谷の夏道を岩苔乗越に向けて登り返す。パウダーにカチカチ斜面と変化に富んだトラバース。水晶岳を見上げると雪煙舞う稜線。パウダー詰まった水晶西面トラバース中に、タクさんが1本滑りたいというがスルーして乗越目指す。岩苔乗越を見上げると雪庇が出ており乗り上げ厳しそうと判断し、水晶小屋側の緩そうな谷を詰めて稜線へ。稜線は雪飛ばされ夏道露出。板おいていく案もあったが、時間的に水晶岳東面行けそうなのでシートラで全荷物担いで水晶小屋。ここで泊まり用荷物はデポして身軽装備で水晶岳アタック。水晶稜線は概ね夏道を辿れるが一部埋まった箇所あり。1箇所、夏道消失し雪壁急登。壁の雪が緩んでおり2〜3度蹴り込んで足元の効きを確認しながらダブルウィペットで慎重に登り上げた。あそこを降りたくないので、東面を落とすしかなく退路が絶たれた。その後は夏道稜線辿って水晶岳ピークに無事到着。
手前のカールを滑るのか、奥のルンゼを行くのか。タクさんは奥のルンゼだというので、山頂から1段下がってルンゼを偵察、最狭部までは見えずドキドキ。タクさんは水晶岳ピークからカチカチ北面滑走のちルンゼINで流石の山スキーヤー。ストップ雪のデロデロルンゼで緊張感は少ないが足の消耗激しい。上から見えなかった最狭部も穏やか一安心、ルンゼ滑り切って達成感半端ない。
登り返しの谷に取り付きシールチェンジしていると、足元に巨大ネジ&バネが2つ落ちている…こんな所になぜ?と思っていたら見覚えある形状&色…自分のビンディング(ヒールピース)の部品だった。G3ionの良くない話の通り破損したかと思ったが、単純にネジ外れてバネが飛んだだけだった。幸運にも部品は全て回収できて、所持していたドライバーで装着できて難を逃れる。
水晶小屋下の稜線は夏に行っても難所のため、水晶小屋に直接登りあげたい。ストップ雪にシールのフリクションバッチリで急斜面をシールでハイクアップ。稜線まで残り50mのところで稜線が立った感じになりアイゼンに換装、水晶小屋300m手前の稜線に登りあげたので、難儀な稜線を少し進んで小屋着一安心。
デポした荷物回収後、ツボ足で岩苔乗越へ。乗越の150m手前で夏道消失、ツボ足ではトラバース不可のため、スキー滑走で乗越に着地する作戦。先にタクさんに行ってもらいトレース付けてもらう、自分も行こうとしたら今度はビンディングのトゥーピース側がグラグラ。しっかし締め直して無事岩苔乗越に着地。岩苔乗越からは南面フィルムクラスト全開でシャリシャリ雪をかっ飛ばしあっという間の黒部源流。台地状の平坦地にテント、無風日差したっぷりで濡れものを乾かす洗濯日和。少し降れば源流沢割れ地より水も取れて最高な源流キャンプな最後の夜。
昨夜タクさんが、最終日はナイトハイクで三俣蓮華岳ピークでご来光鑑賞するプランを提案してきた…流石の山スキープランナー、攻めてるぜ。まだまだ元気いっぱい、受けて立つしかないだろう。
◆6日目(三俣蓮華岳@御来光〜弥助沢↘︎〜樅沢↗︎〜双六岳〜大ノマ乗越〜新穂高)
2:45起床で、まずはご来光スキーの出発準備。三俣蓮華岳まで標高差500m弱、1.5時間で登り切れるだろうという読みでAM3:30出発。昨日のフィルムクラスト斜面は全面カチカチでスタートからクトー。30分登って三俣山荘、山荘周辺にテン泊者の灯りが複数あるが、三俣蓮華岳に登る灯りはゼロ。山頂までシールは無理だろうと思いつつ、時間に迫られていることもありシールのままジリジリ前進。結局、山頂80m下の良く無い斜面でアイゼンに換装、ダッシュで登って4:58山頂到着でギリギリセーフ。
シールオフして山頂から滑走、カチカチ斜面だが問題なし。あっという間にテント場帰還。源流キャンプ地は鷲羽岳の影になり陽が差さず寒い。帰還後に湯を沸かして朝食をとりテント撤収。3度目の三俣山荘からは弥助沢にドロップ。2100mまで滑って樅沢を登り返し。夏道トラバース道を横切り中道台地に直登して双六岳。双六ピークは景色抜群。辿った峰々、稜線を振り返ってご満悦のち双六谷へドロップ。南面しゃりしゃり雪を楽しんで2400mの二俣出合い、少しの沢割れで通過は支障なし。沢割れ箇所で水汲んで、ラスト大ノマに向けて沢水ガブ飲みで補給を済ませておく。大ノマの取り付き点まで滑ってシートラで登り返し。相当な急斜面だが、シールで登ったトレースもあってびっくり。乗越到着でラストドロップ。大ノマから下る登山者を次々とぶち抜いてスキーの優越感。左俣林道乗ってワサビ平、いくつかのデブリ帯を通過してまだまだスキー。穴毛谷出合いの少し手前で、笠ヶ岳側から地滑りのような大崩落で対岸の左俣林道まで土砂デブリで埋まっていた。デブリ上になんとなく踏み跡ついているので通過に支障はなかった。デブリ帯抜けて30分ほど歩いて新穂高に無事ゴール。
天気とパートナーに恵まれて最高の山スキーができた。今シーズンどころか今ままでの山スキー経験の集大成と行っても過言ではないだろう。スキーの機動力を活かし、登りと滑走を効率良く組み合わせて距離を伸ばして進むスキー漂泊行。稜線通しで進む縦走旅では得られない成分がこの旅にはあった。こんなに長期間で漂泊行できるスキー山域は黒部源流域くらいだろう。計画時は室堂〜薬師間(+槍ヶ岳)を省略することに残念な気持ちもあったが、それはスキー向きではない稜線だし、今は別にスキーで行かなくてもいいか、という気持ちになっている。
余談…
新穂高下山後、有峰林道途中にデポした車回収へ。和佐府へ着くと有峰林道入り口にチェーンが張られて通行止めになっている。6日前はチェーンは無く、車で中まで入ってしまったが…。完全勝利な6日間かと思いきや最後の最後に、帰宅できないレベルのやらかしか…と思いきや、なんとかなって無事帰宅。通行止め林道の進入は要注意/自己責任ということで。
多雪シーズンのGW。チャレンジするには持って来いだろうと思い、山スキーの聖地とも言うべき黒部源流域周遊案を立案。まこちゃんに提案してみたら乗るとの返事が返ってきたので、決行する踏ん切りが付いた。
元々は立山in/新穂高outを考えていたが、スキーのメリットを最大に発揮できるのは、軽装で大きく登って大きく落とすルート。立山〜薬師岳を切り落として、最終案とした。
〈1日目〉和佐府〜北ノ俣岳〜薬師沢中俣2050
軽装でと言っておきながら、今回の荷物は70L/20kg。大分削ったつもりだが、もっと削れたと思う。太郎平小屋は冬期開放していないことが判明しており、テン泊。夜に風が強まるということで、太郎平を避け薬師沢の中でテントを張った。すぐ近くで水も汲めて快適に過ごせる場所だったと思う。
〈2日目〉薬師沢中俣2050〜薬師岳〜金作谷〜薬師沢右俣〜薬師沢中俣2050
前半のハイライトである薬師岳。金作谷は傾斜が強く、登り返しはシートラ。ここはかなりキツかった。薬師沢右俣は遠くからでも目立つ圧倒的なスケールで、滑り応え満点。またいつか滑ってみたいと思った。
〈3日目〉薬師沢中俣2050〜薬師沢左俣登り〜黒部五郎岳〜三俣蓮華岳〜黒部川〜五郎沢登り〜黒部五郎小屋
薬師沢左俣はほとんど割れておらず、斜度も緩い癒しの沢。次の機会にはぜひクルージングしてみたい。きっつい斜面を登って黒部五郎岳登頂。カールには幾筋もシュプールが付いていた。この日の夜から荒れる見込みとのことで、高天ヶ原温泉泊は止めて黒部五郎小屋泊に変更。午後、天気は下り坂に見えたが時間があったので、ちょっくら三俣蓮華岳までお散歩。三俣蓮華岳から黒部川を滑って五郎沢を登り返しという行程だったが、黒部源流はばっくり割れていてヒヤヒヤ。まこちゃんがトラバースに失敗して川に落ちそうになるハプニングや黒部川が完全に割れていて渡渉覚悟していたのに奇跡のスノーブリッジで助かるなど、スリル満点の散歩になった。
〈4日目〉黒部五郎小屋朝停滞〜五郎沢〜祖父岳〜高天ヶ原温泉
朝は風、ガス、雪の三拍子揃っており、しばらく停滞。お昼前から動き出す。五郎沢出合から黒部川を遡る計画だったが、昨日滑ってしまっているので、祖父岳経由に変更。山頂はなかなかに悪天候だったが、滑るときには視界は回復。今回はすべてが良い方に転ぶ。ここの斜面も非常に良い斜面でリピートしたい斜面。念願の高天ヶ原温泉はぬるいのが悲しかったけど、フットプリントを記せたことに大満足。
〈5日目〉高天ヶ原温泉〜水晶岳〜東沢谷登り〜黒部源流
夜に降った雪がいい感じに吹き溜まっていた。一方で水晶岳の稜線は飛雪。パウダー行っちゃおうと提案してみたもののスルー(笑)。結果的には風はどんどん弱くなり、水晶小屋に着いたときには普通の風に。すべて俺たち中心に回っているようだった。水晶岳への稜線は際どい箇所もあって、結構リスキーだったし時間もかかった。まこちゃんがいなかったら途中で止めてただろう。テン場に取った黒部源流は鷲羽岳の麓の素晴らしいロケーションで、夕日を浴びながら水晶岳の達成感を噛み締めた。
〈6日目〉黒部源流〜三俣蓮華岳〜黒部源流〜三俣蓮華小屋〜弥助沢〜樅沢登り〜双六岳〜双六谷〜大ノマ乗越〜秩父沢〜新穂高温泉
最終日。三俣蓮華岳での日の出からスタート。弥助沢を滑って樅沢を登ったが、次回はぜひ双六岳から樅沢へ滑り込んでみたい。大ノマ乗越への登り返しはこれまでの鍛錬の成果(と多分標高が下がって酸素が濃くなった)で比較的楽に感じた。秩父沢はフィナーレにふさわしいスケールで感動した。
5泊6日は自己最長だったにもかかわらず、大きなトラブルがなかったばかりか目的としていた場所にもほとんど行けて、大満足の山行だった。まこちゃんに過去イチと言ってもらえたのが何より嬉しかった。また充実感のある山行を考えて一緒に行きましょう!
ひのぱう



















私にはもうテント泊の旅ができる気力がなく、羨ましく報告を、見させていただきました。
こんにちは。とにかく天気に恵まれまくりで、テント泊が苦にならなかったという感じでした。消耗しきるという感じになるかと思っていたのですが、まだもう少し行けそうでした笑
ところどころきつい登り返しがありましたが、総じて厳しさよりも楽しさが勝る6日間になりました。滑ってみたい斜面もいくつか見つけて来たのでまた行けるといいなぁと思っています。
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