白馬から日本海へ 残雪の栂海新道

- GPS
- 31:03
- 距離
- 48.0km
- 登り
- 3,419m
- 下り
- 5,247m
コースタイム
- 山行
- 5:59
- 休憩
- 3:45
- 合計
- 9:44
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 10:59
- 山行
- 10:11
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 11:56
| 天候 | 1日目 快晴、稜線は強風 2日目 快晴、微風 3日目 曇りのち雨、微風 4日目 快晴のち曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
.丱好真圭〜栂池ロープウェイ アルピコ交通:7500円 栂池ロープウェイ〜自然園 片道:2970円 ■復路 /読埣〜親不知駅 糸魚川タクシー:2100円 ⊃読埣留〜高岡駅 あいの風とやま鉄道:1870円 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
◯三国境〜栂海山荘〜坂田峠 残雪が中途半端に夏道に被さり、何回もアイゼンを着脱しました。夏道→冬道→夏道と何回も行き来して大幅にタイムロス。特に黒岩岳以降は雪がズタズタになっていたり、夏道でなければ怖い急斜面もあったりと嫌らしかったです。 |
| その他周辺情報 | ■後泊 スマイルホテル高岡駅前 1泊18600円 |
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
|
|---|
感想
GWは3泊4日で栂海新道へ。
残雪の影響で嫌らしい箇所も多かったですが、日本海を目指して進むロマンを存分に味わい、親不知で海にタッチした時の達成感はひとしおでした。
今シーズンはこれで雪山納めです。
来シーズンは北岳を筆頭に、西穂高や槍ヶ岳、上越国境(朝日〜巻機)などに行ってみたいですね。
■4/30(水) 栂池自然園〜三国境〜白馬岳往復
新宿発の夜行バスを降り、窓口で栂池ロープウェイのチケットを買う。さすがに4月末の白馬はまだひんやりとする。登山者は2割程度でスキーヤーが多い。待機列で前に並んでいたお姉さんと話をした。彼女は白馬山荘で1泊し、明日は大雪渓から猿倉に下るらしい。
紺に近い青空に、白馬三山や唐松、五竜の白がよく映える。天狗原から白馬乗鞍岳は広い尾根の急斜面できつい。視界不良時は迷いやすそうだ。
大池山荘は屋根まで雪で埋まっていた。風を避けるには最適だけど、目的は栂海新道なのでさらに登る。船越の頭から眺める小蓮華山は見事な稜線美。夏道が出ている箇所も多く、脇に積もった雪上を繋ぐように歩いた。
風は午後から落ち着くという予報に反し収まらない。眺めのいい頂上宿舎のテン場まで行くつもりだったが、三国境の風を防げる二重山稜に幕営する。雪が硬くてスノーブロックが作れず、しゃもじペグを浅く刺したり、雪を詰めたゴミ袋をアンカーにして対応した。
設営後は軽荷で白馬にピストンした。杓子、白馬鑓に続く稜線の美しさに息を呑んだ。雪倉、朝日方面も残雪が輝いて美しいが、明日からの長い行程を思うと、大人しく白馬ピストンにしたい気もする。
三国境は狙い通り良い風よけになってくれた。厳冬期用のシュラフでは少し暑かったけど、次第に心地よい眠りが訪れた。
■5/1(木) 三国境〜1612mp付近幕営
3時半起床。5時ごろ出発。
進む先の稜線はほぼ夏道が出ているので、ツボ足で歩き出す。が、すぐに残雪のトラバースが現れたのでアイゼンを履く。トラバースを通過すると再び夏道になり、距離も長いのでツボ足に戻した。これ以降、こんな場面が連続し大幅にタイムロスをする。
鉢ヶ岳は東側斜面をトラバースした。斜度は緩いが、重荷なので念のためアイゼンを再装備する。
7時半、雪倉岳に登頂。みるみる気温が上がり、東側斜面の雪はもう緩み始めた。水の消費も早い。1.5Lしか持たなかったことを悔やんだ。保温ボトルに雪を入れてみたが、期待したように溶けてはくれなかった。
赤男山のトラバースは警戒していたが、傾斜の緩いところを繋いで歩いたので難しくなかった。トラバースが終わると眼前に朝日岳が迫ってきた。のっぺりとした山容のわりに急登が立ちはだかり、木陰で休みながら「まじかあ嫌だなあ」と呟いてしまう。
急登をつづら折りに歩き、何度も休憩を挟みながら雪倉岳に登頂。とにかくきつくて暑かったけど、360度の大展望に慰められる。
長栂山から黒岩平までは広い雪原を進んだ。誰にも会わず、一面を雪に囲まれた贅沢な時間だった。水場があるらしいので探していると、雪解け水の小さな池を見つけた。下流に向けて勢いよく流れている。
大喜びでウォーターキャリ−を手に池の縁に近づくと、雪が割れて両足から落ちてしまった。幸い膝までの水没で済んだけど、靴下まで完全に濡れてしまった。なんて馬鹿なんだろうと思った。こうなることは簡単に予想できたのに。
靴を脱いで靴下を絞り、再び靴を履いた。ずぶ濡れになった靴は鉛のように重く、緩い登りでもぜえぜえと息が乱れた。今日中に栂海山荘に着くのは無理かもしれない。暑い中を重荷で長時間歩いた疲労も加わり、もう満身創痍だった。
1612mpの手前付近で限界を感じ幕営する。明日は悪天候の予報なので停滞してもいい。標高も低いし、スノーブロックを作れば凌げるだろうと考えた。
水づくりと夕飯を済ませたらすぐ横になった。くたくたに疲れていたせいか、ヘッドライトも外さないまま眠り込んでしまった。
■5/2(金) 停滞
6時ごろ起床。高曇りで風も強くない。
午前中のうちなら行動できそうだけど、濡れた靴で歩くのも嫌なので停滞日とする。
シュラフにくるまり、弱い電波でラジオを聞き、スマホで電子書籍を読んだ。
午後からは弱い雨が降り始めた。
食事は袋ラーメンとカレー飯を食べた。下界の飯が恋しい。
■5/3(土) 1612mp〜栂海山荘〜親不知
3時頃起床。4時半頃出発。
靴は昨日よりは乾いていた。出発時は視界が悪かったけど、サワガニ山の辺りで晴れてきた。
雪が中途半端に夏道に被さり、またもやアイゼンを頻繁に着脱する羽目になる。
ずっと雪道ならアイゼンで歩きやすいけど、雪が割れてズタズタになっていたり、夏道でなければ怖い急斜面もあったりと嫌らしい。特に冬道から夏道に戻る時はきつい藪漕ぎを強いられ「あ〜もう最悪だ〜!」と一人叫んだ。
黄連の水場の手前にて、緩み始めた雪でアイゼンを滑らせ5mほど滑落した。滑った先が緩やかな鞍部だったので怪我はなかったが、場所が悪ければ重大な事態になっていた。
藪と雪のアップダウンを経て白鳥小屋に到着。日本海が眼前に迫ってきた。小屋で休憩をしていると女性二人組がやって来た。白馬以降、初めて人に会ったので安堵する。彼女らは坂田峠から白鳥山のピストンらしい。
久しぶりに人と話して元気が出てきた。再び冬道と夏道を繋いで坂田峠まで下り、親不知まで最後の尾根歩きが始まる。もう完全に夏道が出ていてツボ足でいけた。尻高山の手前くらいでシャリバテになりかけたので、クッキーをぼりぼり食べた。とにかく一刻も早く風呂に入り、炊き立てのご飯が食べたい。
標高を下げるにつれ車の音が近くなり、嬉しさと安堵が込み上げてくる。眼前に親不知観光ホテルが見え、ついに国道8号と合流する。駐車場のトイレ前にザックをデポして階段を下り、日本海にタッチして登山終了。過去一くらいにきつかったけど、最高の山旅だった。
その後はタクシーで親不知駅まで行き、ホテルを予約した高岡駅へ向かった。
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