祖母山・傾山《日本百・三百名山》

- GPS
- --:--
- 距離
- 35.3km
- 登り
- 3,178m
- 下り
- 3,317m
コースタイム
- 山行
- 4:22
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 4:38
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 2:41
- 合計
- 9:31
| 天候 | 1日目(6/18):晴れのち曇り 2日目(7/17):晴れ後一時曇り 3日目(7/18):晴れのち一時曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2005年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
下山口:上畑バス停からタクシーでJR久大線緒方駅 |
写真
感想
1日目(6/18)
前夜仕事の後、大急ぎで家に帰り京都駅を20:20発の寝台特急“彗星”に飛び乗った。久しぶりの寝台特急で前日に指定券を取ったにも係わらず一人個室が取れ狭いながらも安心して夜を過ごせた。21時過ぎには寝たので日頃の睡眠不足が解消できた。6:53大分駅に着くと豊肥本線に乗換え豊後竹田駅で降りた。バスは当分ないので、タクシーに乗り、それならとバスの入らない登山口緩木神社へと向かった。タクシー運転士も一般的な神原(こうばる)以外は登山口を知らず怪訝な顔をされたが、登山地図を見せてなんとか行ってもらった。
誰も登る人がいないのかと思っていたが、林道の途中に車が1台停まっていた。九州南部は昨日梅雨があけ晴れていた。気温はどんどん上がり歩き出すとたちまち汗まみれとなった。砂防ダム用の作業道が途切れ、登山道が始まり谷筋の急登路となった。前方から賑やかな声が聞こえてくると、先ほどの車の主6人の女性グループだ。もう緩木山をピストンしてきたそうだ。軈て尾根に出て山頂への分岐を少し入ると緩木山(1,046m)に達した。木立で展望はないが3等三角点「高城」の設置された山頂は広場になっており地元の人たちのハイキング登山に最適なようだ。
分岐に戻り南に進みピークを幾つか越えると高城(1,060m)のピークに達したが樹林帯で展望は得られなかった。100m程登り返して三ッ尾に到ると大分・熊本県境尾根に乗り左に進むが右に行くと越敷山(こしきやま)に繋がっている。南東方向に転じ県境尾根を行くと見晴らしのいいポイントがあったので昼食タイムにした。暑さには至って自信がない。少しバテ気味で以前越後三山で熱を出した悪夢が甦り、水を沢山飲み無理をしないようにペースダウンして進むことにした。
県境尾根を進み登山道からほんの数メートル入ると見晴らしのよい烏帽子山(1,296m)山頂に出た。4等三角点「鹿子原」があった。基本的には晴れているのだが、雲が多めでもう一つはっきりしなくなってきた。祖母山は眼前だが山頂域は雲に覆われ見ることができなかった。烏帽子山は山名そのままに烏帽子を立てた姿が南側から見るとよく分かった。
茶屋場では北谷登山口からのルートが合流し、大分・熊本県境に宮崎県が加わり三県境の分岐点だ。この後は傾山まで大分・宮崎県境の尾根を延々と歩くことになる。一旦下って登り返すと国観峠で、神原からの登山道“神原本山コース”が合流し救難用へリポートのため広く切り払われた草原で休憩には持ってこいの場所だった。神原へ下山する日帰り登山者数組とこの後行き合うが、祖母山核心部分に近づき登りが本格化する頃にはまた静かになってしまった。登り出しの暑さと、予定外の緩木山経由にしたこともあり、登山時間がかなり掛かってしまった。当初の計画では祖母を越えずっと先のブナ広場まで行けたらと目論んでいたが、タイムアウト確実で、時間は早いが確かな水場のある祖母山九合目小屋で泊まることにした。しかも山頂は雲の中だし・・・・
祖母山まで標高100m程の地点で巻道に入り障子岩尾根の上畑コースとの合流点に達すると祖母山九合目小屋で数年前に建て替わった綺麗な小屋で誰もいない。一人広々と使えるかと思っていたが、1時間ほどすると小屋番が上がってきて、2,000円徴収された。三々五々宿泊者も到着し結局私を入れて5人の宿泊者となった。小屋番の加藤さんは祖母山の主みたいな人でこのエリアの登山道の整備や指導標の設置などを行ってるようだ。
2日目(7/17)
5:20小屋を出発し10分程の登りで祖母山(1,756m)山頂に到着した。早朝で標高もあり暑さはまだましだ。ご来光は小屋の前から見たがもう少し早出して山頂で見たらよかったと後悔しながらも360°の眺めは十分満足させてくれた。昨日進まずに小屋泊まりとしたのは正解だったようだ。阿蘇、九重、傾山、大崩山など主要な山は全部見えた。山頂には同宿のご夫妻が空身で先着していた。
傾山への縦走路は南へ進む。小屋からの登りに較べて南斜面は険しい道、岩場が随所に現れ油断できない。アップダウンを繰り返し、尾平からの黒金山尾根コースと合流すると間もなく天狗岩(1,640m’)の岩峰に出る。東側に鋭く切れ込んだ断崖で分岐から50mほど入るとピークに達した。勿論展望は360°、祖母山が雄大に構えていた。ミヤマ公園(1,630m)と名の付いた小高い丘を越えるとまたまた岩峰の烏帽子岩(1,650m’)で、分岐から100mほど入るがここも展望は360°あった。この他にも途中展望台が何箇所もありそのすべてに指導標で案内されている親切さがあった。(これも加藤さんの仕事なのだろう)
ぐっと登り標高が再び1,700mを超えると障子岳(1,709m)のピーク、今まで快晴だったのに急にガスが上がってきて視界が覆われがちになった。祖母山の展望を見たかったのに残念だ。7時半になり暑さが加わってきたが快調に進んだ。150m下り100m登り返しすと3等三角点「古祖母山」のある古祖母山(ふるそぼさん1,633m)に到った。雲で見通しは今一だったがここで小休止を取った。
スズタケの尾根をどんどん下り500m近くも下降すると尾平越トンネルの両側に下る登山道が分岐した。一つピークを超えると縦走路の最低鞍部尾平越(約1,161m)に達した。再び登りに転じ丸山の懐深くにブナ平と呼ばれるテン場があり、15mほど下には水場もある。当初の計画では1日目にここまで来ることになっていたが、気候の良いときでも20キロの荷物を背負っては一寸きつかっただろう。丸山(1,334m)のピークは登山道から少し逸れた右側の林の中、枯れ枝を踏み頂部に達すると3等三角点「尾平越」がひっそりと埋まっていた。指導標は一切ないので地図を見て注意深く行く必要がある。
丸山からは長い登り返しで本谷山(1,643m)に達した。3等三角点「本谷山」があり古祖母山を上回る標高まで戻ったが展望のない山頂だった。ここで昼食の大休止を取り元気回復して笠松山(1,522m)を目指した。この下りで九州東海大学の学生グループとすれ違った。昨日九折越避難小屋に泊まり傾山をピストンし、今日はブナ広場で幕営すると云う。
この笠松山は地形図と現地の表示が異なり大変なロスを生じてしまった。と言うのも地形図では3等三角点「黒仁田」の位置が笠松山となっているが、現地では前笠松、では笠松山はというと三角点峰の北のピークに“笠松山1,522m”の山頂標識があった。三角点のないのを不思議に思いながらも地図に従い北に進むと踏み跡がだんだん怪しくなりやがて途切れてしまった。これはおかしいと山頂に戻り、右に分岐していた道を辿ってみるがこちらはすぐに断崖で途切れ山頂で再び地図とコンパスでルート検討やはり最初の道が方角正しいと再び行ってみたがどこにも道なく、最後の頼みのGPSを取り出して見るとなんと県境尾根をずいぶん外れていた。山頂から手前に戻ると分岐点を発見やっと正常な道を見つけた。分岐点にはなにやら書いてあった跡があったが判読不能だった。山頂の北にあった比較的明瞭な踏み跡はみんな彷徨った人達のものだったのだろう。そんな訳で1時間ものロスをして、うんざりしてしまった。
気を取り直して九折越(つづらおりごえ、1,260m’)へと下り、その手前50m程のところにある九折越避難小屋に14:53到着。昭和60年に610万円で大分県や緒方町などの地元の資金で建てたという銘があった。水場は九折越の広場から南へ九折越コースの登山道を15分程下ったところで少々遠い。本日の宿泊者は私ひとり、密かに目論んでいた大崩山への縦走は時間的に無理で明日は傾山三ツ尾コースで上畑へ下山することにした。
3日目(7/18): 晴れのち時曇り
小屋を5:55出発と一寸出遅れてしまった。今日も晴れ、昨日夕方から雷がゴロゴロ鳴っていたが雨は降らずに済んだ。九折越は救難用のヘリポートになっており広い草原、休憩には持って来いだが歩き始めて50mでは休憩の必要もなくそのまま進んだ。千間山(1,378m)までは緩やかな登りで山頂域の平坦路を進んだ後はいよいよ傾山への急登路となった。山頂直下で大崩山への縦走路を分岐しいよいよ核心部へと入った。傾山は西面が切り立った岩峰で後傾と対をなす双耳峰だ。まずは梯子やロープに助けられて後傾(1,595m’)に登頂。山頂からは九折越小屋とその後には昨日登った笠松山、本谷山の雄姿があったが祖母山は頂にガスを纏っていた。
一旦鞍部に下り登り返すと傾山(1,605m’)の本峰に到った。1,602m の2等三角点「傾山」があるが傍の岩の上が最高所で3m程高い。360°展望が利き、登って来た後傾の後方には大崩山が横たわっていた。霞みがちで九重が見通せないのが残念だった。指導標に従い大白川方面へと下る。五葉塚の岩場を過ぎれば水場を経由して三ツ尾に下るコースと三ツ坊主の岩稜コースの分岐があり、水場コースのコースタイムは1:20、三ツ坊主コースが2:20となっていた。勿論岩稜ルートの三ツ坊主コースを取ったが恐ろしく急な斜面をロープに掴まり梯子を下り慎重に進んだ。その名のとおり顕著なピークが三つありアップダウンが連続した。嘗て登った甲斐駒から鋸岳に繋がる尾根に似ている山域だ。第3ピークあたりまで来るとガスが低く垂れこめ傾山が雲に没してしまった。
岩峰群と分かれ水場コースと合流し小さなピークを2つほど越えると大白谷コースとの分岐点三ツ尾に達した。ここからは三ツ尾コースに入り尾根を延々と下った。600m近くも下ると林道と交差点に達した。登山届けのBOXがあり、一応登山口になっているようだ。しかし登山道は再び林の中に入りとうかい谷に下り、観音滝の上部に達した。落差75mの優美な滝で「滝口の上部から覗き込まないように、事故頻発」との看板がある。本当に落ちた人がいるのだろうか?
渡渉し対岸に渡り再び急斜面を登り木立の中、右手に滝を見下し尾根の張り出しを巻いて、サカオケ滝上部に回りこんだ。立派な鉄橋が架かり対岸に渡ると人工水路が現れ軈て砂防ダム横の林道終点に至った。登山者用の駐車場があるが真夏の連休最終日とあって駐車している車はなかった。林道歩き4劼脳緘(あげはた)のバス停まで歩くが直前の1厖召蠅予想外の上り坂で100m以上の登り返しとなった。暑さは暑し汗みどろになり登山道以上に疲れてしまった。
バス停に着くとなんと7分前に行ったばっかりで、夕方までバスはなく、近くの民家で番号を聞きタクシーを呼んだ。緒方駅まで4,240円、“九州横断特急”と“有明号”で博多に出て寝台特急“あかつき”号で帰京した。
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