涸沢☆テントデビュー
- GPS
- 54:30
- 距離
- 27.9km
- 登り
- 790m
- 下り
- 790m
コースタイム
10/10(日)8:40涸沢→11:30本谷橋→13:00横尾→14:45徳沢
10/11(月・祝)8:20徳沢→9:10明神→11:00河童橋→11:20帝国ホテル→13:30上高地バスターミナル→22:00新宿
天候 | 10/9雨 10/10朝のうち雨、のち晴れ 10/11晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
10/9
あいにくの雨模様。10キロ超あろうかというザックをかつぎ、延々6時間歩くというのに。上高地バスターミナルで友達と落ち合い、上高地食堂で朝食をすませて7:00出発。
歩き始めて1時間ほどで荷物の重さが段々辛くなってきた。レインウエアの袖口から雨が入るので長袖Tシャツが湿っている。涸沢に着くころには消耗しきっていることだろう。テント泊にも不安がよぎる。徳沢園のソフトクリームで栄養補給。横尾山荘ではラーメンで早めの昼食。
本谷橋へ向かう道、左手に大きくそびえる屏風岩がガスにつつまれて幽玄な雰囲気。岩のあちこちから滝が流れている。本谷橋から先は登りがきつくなるが、あちこちナナカマドがきれいに紅葉しているのが励み。こんな雨にもかかわらず、大勢の人が押し寄せてきているのも納得。
涸沢が見えてくると、赤、黄、緑のまだら模様が錦絵のように美しい。雨でも何度も立ち止まり写真を撮った。
涸沢ヒュッテ到着後も雨がやむ気配はない。友達は予約していた涸沢ヒュッテへ。私は一人テント場へ。すでにたくさんテントが張られ、いい場所は残っていないが仕方ない。ともかく早くテントを張って、体を休ませたい。
購入時以来のテント設営作業。今のテントはおそろしく簡単だ。テント地に2本のポールを交差させて通すだけで、ポールが湾曲してテントが自立するしくみ。その上に雨よけのフライシートを張るのでダブルウォールとなり、その隙間(前室)に靴やちょっとした荷物を置くことができる。
しかし、雨天のなかの設営は難航した。ポールの2本目がうまく入らずもたもたしている間にも、無情に降りしきる雨。ようやく自立したテントの床には、すでに小さな水たまり・・・。あわててタオルで水分をぬぐう。
フライシートの張網を石にしばりつけて地面に固定してみたが、思ったようにピンと張らず、前室がうまく作れない。何度もやり直すうち、爪がぼろぼろになり、つけ替えたばかりのジェルネイルもところどころ剥げてしまった。20分くらいかけてようやく設営完了。
寒さと空腹が押し寄せるなか、やるべきことが頭をぐるぐるしたが、まず濡れたザックの中身をテント内に避難させることにした。着替え(絶対に濡らしたくない)、食料、シュラフ、マットなど。これらがテント内に散らばって、狭いソロテント内はさらに狭くなった。前室には靴、ザック、ザックカバー、傘、ずぶぬれの帽子を置いた。
乾いたTシャツに着替えると少しほっとした。晴れていればヒュッテのテラスでビールとおでん、といきたいところだが、今日はそんな状況ではないので、濡れた衣類と髪の毛をヒュッテに行って乾かすことにした。暗くならないうちに夕食を、という計画はあきらめた。
ヒュッテのストーブに30分くらいへばり付いて、レインウェアはかろうじて乾いた。テレビの天気予報では、明日も1日雨とのこと。非常に落胆する。夕食を終えた友達とばったり。テントを見たいというので案内する。
テントに戻ってみるとテント内に紐を張ってつるしておいたTシャツや靴下、タオルは全く乾いていなかった。髪の毛もまだ生乾き。風邪をひかないようにダウンを着込み、前室にガスストーブを置いてお湯を沸かした。
ガスを付けた瞬間、フライシートに火が移りそうになり、慌ててコッヘルをストーブにおいた。一酸化炭素中毒を警戒して通気性を確保。今日の夕食はドライカレーとたまごスープ。焦ってお湯を注いだためドライカレーがカレーリゾットになったが、美味しくいただけた。食後にみかんと紅茶。時計をみるとまだ18:10。外は相変わらずの強い雨。
荷物を整理してスペースを作り、シュラフマットを広げ、シュラフにもぐりこんだ。足が冷えるので、ザックに足をつっこんだ。身動きがとりにくい。それでもi-podを聴いているうち、うとうと。目が覚めると19:00。まだこれしか時間がたっていないのか!と驚くやらがっかりするやら。
頭や顔が寒くなってきたので目出帽をかぶった(万一のために持ってきたのだが必需品だった)。肩と首にカイロを貼った。再びi-podを聴きながらうとうと。
21:00頃、小雨になったので外に出る決心をしてヒュッテへ。トイレと歯磨きをすませ、水をペットボトルにつめた。靴はヒュッテの靴置き場に置き、代わりにヒュッテのサンダルでテントに戻った(おかげで翌日、乾いた靴で下山することができた)。
ヒュッテの玄関の板の間に、シュラフで寝ている人がいた。咳をしていたので風邪をひいてテント泊をやめたのかもしれない。いざというときは私もそうしよう。
断続的に雨が激しくなる。テントの中にいると風や雨の強弱がとてもよくわかる。テントの床や壁はすでに湿っている。シュラフまで濡れないことを祈りつつ、いよいよヘッドランプを消して寝ることにした。が、なかなか寝付けない。隣の学生グループのテントから、他愛のない会話が聞こえてくる。こういう状況だと人の気配があると安心するものだ。
いつしか眠っていたのだが、真夜中にふと目が覚めるとテントが大きくぐらりと傾いた。倒れる!と思い、テントの中から四隅のポールスリーブを押した。足を踏ん張るようなイメージだ。怖いのでヘッドランプをつけたまましばらくテントの天井を見つめていた。今度は反対方向から風が吹いて、テントの傾きが元に戻った。
2時間おきに目を覚ましながら色々なことを考えた。こんな天気のなか、なぜ自分はテント泊しているのだろう。雨の場合は無理せず徳沢や横尾でテント泊、と考えていたのに、つい涸沢まで来てしまった。でも涸沢の紅葉は期待以上に素晴らしい。やっぱり来てよかったんだ。こんな薄い布地でもこれだけの風雨を凌げるものなんだな、などなど。
10/10
長い夜が終わった。4:30すぎ、起き出す人々の声が聞こえてきた。北穂に向けて出発するらしきグループも。雨はやんだかと思うとまた降りだす。なかなかしぶとい。
朝食をすませたという友達がテントを訪ねてきた。魔法瓶に入れたお湯でカフェオレを入れてくれた。心まであたたかくなり、ようやく行動開始する気力がでた。友達はヒュッテで雨漏りがして湿ったふとんで寝付けなかったそう。
カロリーメイトとみかんでさっと朝食をすませ、小雨のうちにテント撤収。濡れものが多く、ザックがさらに重くなった。
ひとまずヒュッテへ移動。暖かい場所に久しぶりにきたのでほっとひといき。洗顔、トイレをすませ、気持ちが落ち着いてくるにつれ、ゆとりがでてきた。外の売店前にある屋根付きのスペースで、紅茶を入れて、ふたたびカロリーメイトで朝食。フリーズドライの炊き込みおこわにもお湯をそそぎ、こちらは行動食に。
そうしているうち、どんどん天気が回復し、ガスが流れ、晴れ間が見えてきた。写真を撮る人たちが続々とヒュッテのテラスに集まってきた。夏に登った奥穂高も見えている。予報ははずれ、天気がすっかり回復した。嬉しい。
9:40涸沢出発。陽の光に照らされると赤や黄色の葉っぱはきらきらと鮮やかさを増し、白い砂や青空とのコントラストがまぶしい。
行きと同じコース(涸沢〜本谷橋〜横尾経由)で徳沢まで下りた。ザックが肩を圧迫し吐き気まで感じるほどだったので、何度もザックを下ろして休憩しながら、ゆっくりゆっくり歩いた。
途中、本谷橋で大休憩。わかめスープを作り、おこわとともに昼食。横尾でもお湯を沸かして紅茶を飲み、チョコレートで栄養補給。ぽかぽかの日差しで暑いほど。
14:45徳沢園到着。濡れものすべてを強力な乾燥機のある乾燥室に干したあと、ソフトクリームを食べながらテント場を観察してまわった。徳沢園の貸出用テントは、私のテントと同じくエスパースだった。
入浴をすませた頃、パノラマコースで下山してきた友達が到着。夕食後に外に出てみると満天の星。涸沢はもっとすごい星空だろうな。21:30就寝。
10/11
6:00起床、8:20徳沢園を出発。明神池を見てからバスターミナルへ。荷物を置いて帝国ホテルでランチ(オムライスとハッシュドビーフ)&お茶(チーズケーキとコーヒー)。
13:30上高地バスターミナル発。連休最終日のため上高地からすでに交通渋滞が発生。高速に入ってからも渋滞が続いた。予定より3時間オーバーの22:00新宿到着。
初のテント泊は雨でさんざんだったけど、教訓もたくさん得たので次回以降にいかしたい。
1人用テントは狭い、と言われて続けてなお、1人用テントを購入したのだが、たしかに狭かった。今回のように荷物を外に置けない雨天時はなおさら。
しかし、2人用テントとの重量差は200g。長い行程になればなるほど、荷物は少しでも軽いほうがいい。多少の窮屈さと、背負う荷物の重さのどちらをとるかは人それぞれ。山小屋の窮屈さに慣れている私には、断然、前者のほうがまし。経験して実感したのだった。
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