沢口山・高塚山・黒帽子山《寸又三山》

- GPS
- --:--
- 距離
- 45.2km
- 登り
- 4,280m
- 下り
- 4,271m
コースタイム
- 山行
- 8:47
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 10:21
- 山行
- 9:29
- 休憩
- 2:44
- 合計
- 12:13
| 天候 | 1日目(4/29):晴れ後曇り 2日目(4/30):晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2005年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| その他周辺情報 | 町営露天風呂 美女づくりの湯¥400 |
写真
感想
1日目(4/29)
0:30京都を出発し、名神・東名高速道路を走った。ゴールデンウィーク初日だがまだ未明とあって流れはスムーズ、相良牧之原ICで降り国道473号線で大井川を遡った。結構アップダウンがあり曲がりくねった道が続いた。5:25寸又温泉の駐車場に到着した。水洗トイレも完備し、しかも紙付きで申し分なし。駐車場の端には昭和43年まで走っていたという千頭森林軌道の機関車と客車が展示され、山間部の集落を感じることができた。
登山口を探しうろうろしていると犬の散歩をさせる地元の小父さんが現れ、温泉街の外れの橋を渡ると沢口山登山口だと教えてもらった。登山者ノートに記帳していよいよ南ア深南部寸又の山に突入する。暫くは樹林帯の中を淡々と続く登り道だった。TVの共同アンテナが現れ少々展望が開けたが好天続きで霞がちで遠望を遮っていた。そして稜線の僅かなピークは、木馬(きんま)の段(1,160m’)のはずだが山頂を示すものは何もなかった。
東尾根を登ってきた別ルートと合流すると富士見台(1,276m)で東側の展望がよくホッと一息つけた。この先は広い尾根、二重山稜帯で赤ペンキとテープを追って行かないと道を外してしまいそうだ。“鹿のぬた場”と表示された泥水帯を過ぎると沢口山(1,425m)に達した。ここは寸又三山の三番目で3等三角点「沢口山」が設置されていた。反射板があり、東屋も建ち、方向指示版が周りの山の名前を教えてくれた。北から東に掛けての展望がよく寸又三山二番目の朝日岳や大無限山を見ることができた。
沢口山を西に下ると鞍部に「横沢ノ頭」の標識が現れるが“頭”と言うのはピークではなく、ここでは谷の源頭の鞍部のようなのでその先のピークを横沢ノ頭(1,321m)と見なした。山頂には「横沢山」の小さな標識が一つ木に架かるが展望は得られない。広い山稜を進み勾配途中に突如「ウツナシ峠」の標識が現れた。分岐する道も見当たらないが地形図にはこの先天水の東を巻きイチイ沢の頭へ向かう登山道が分岐しているようだが廃道と化しているのだろうか。100m余りの標高差を登り詰めると天水(てんすい1,521m)に達した。東西に伸びた山頂からは北側の展望が良く、朝日岳や寸又三山の一番目前には黒法師岳も良く見えた。光岳、聖岳など南アルプスの山も見える筈だが霞んでしまってはっきりしなかった。
小さなピークの連続する稜線を進むと板取山(1,513m)に到った。3等三角点「板取山」があり北側の展望が開けた。西南西に伸びる尾根を下り広河原峠(1,387m)がコルとなる。180m余りの登り返しで八丁段(1,562m)に到った。途中から巻き道があるが山頂に行かない手は無い。山頂は樹林帯だがすぐ西に展望所があり西から南が開け、山犬段の小屋や円錐形で姿の良い蕎麦粒山も望めた。ベンチが設置され休憩には丁度よい。静岡大学の小屋の裏辺りが山犬段のピークで標高は1,420m位だ。ここにもテーブルと椅子が備えられ昼食にした。すぐ下には広い駐車場があり中川根町田野口を発する南赤石林道でここまで上がって来ることもできる。20台近い車が停められ私のルートと逆に板取山、沢口山を目指す人、或いは反対側の蕎麦粒山、高塚山などに行く人が結構いるようだ。ここへ来るまでに4パーティーとすれ違い沢口山あたりで咲いていたアカヤシオが目的の人が多かった。
山犬段の駐車場を通り抜けて蕎麦粒山(1,627m)への尾根にかかり、200m余りの標高差を登った。3等三角点「川東」があり展望も良い。左に大札山への登山路を分岐しさらに西に進んだ。折角登ったのにまた200mも下り五樽沢のコルから登り返しとなった。北縦走路の分岐点三ツ合山(1,602m)に達し、北縦走路に入る前に荷物をデポし日本三百名山・高塚山(1,621m)へピストンした。一旦下った後ダラダラとした登りで25分ほど歩くと高塚山だが展望は得られなかった。2等三角点「京丸山」があり、山頂付近の樹林の途切れ目の薮を掻き分けると八丁段が辛うじて望める場所があった。山頂までに3パーティーと出合ったが、山犬の段の駐車台数からするとあとの人達はどこへ行ったのだろう?
三ツ合山(1,602m)に引き返し、いよいよ北縦走路に入った。馬の背の痩せ尾根が暫く続き険しいアップダウンが続いた。この山域に入る人はほとんど無く踏み跡が怪しくなった。幾つかのピークを越え仙石平(1,674m)に達する頃には笹原となった。90°左に折れると鋸山(1,668m)だが名前ほど厳しい山ではなかった。展望も無いので通過すると広い稜線は二重山稜帯となり獣道が縦横に走り、古びた赤ペンキとテープだけが道標となった。地形図を読みながらの行軍となるが時々ルートを見失いそうになった。15時を回り、水場までは達しそうになく、天場を探しながら進むと房小山手前の二重山稜帯の中央の窪みに風の防げそうな平らな所があり幕営地に決定16:11行動休止した。今日は0時に起きて運転してきた疲れからまだ明るいが18:30には就寝した。
2日目(4/30)
昨日の夕方少々雲が出て風が強かったが、今日は晴れて風もだんだん収まり暑くなりそうだ。3:30目を覚ますとテントの中が明るい外を覗くと月と星が照らしていた。早く起きたのにゆっくりし過ぎて出発は5:17になってしまった。まずは目前の房小山(1,868m)を目指した。鹿の群れが山頂に登って行くのが見えた。この山域は笹原で鹿が多く鹿糞が目に付いていたが、姿を見たのは始めてだ。標高1,800mを超えると雪田が現れるが歩行に支障は無い。
房小山は3等三角点「都沢」があり展望も良いのだが、霞は相変わらずで遠望は利かない。房小山の北も笹原の稜線でルートファインディングに神経を使った。3卍笹の稜線を進むと「日本最南端標高2,000m地点」の標識が現れた。そう言えば西日本の山は高くても1,900m台、レベルが違うな。今年はじめての2,000m台ということになる。もう少し進み北の端に達するとバラ谷ノ頭(2,010m)、北面展望が良く、黒法師が眼前、丸盆山など南アルプスに連なる山々が見えた。
バラ谷ノ頭の北面は大きく崩壊しており東の縁を巻くように下った。鞍部が水場のコルで東側の谷に50m程下りると雪解けの湧水が得られた。長い急登の登り返しで黒法師岳に向かうが山頂直前で丸盆山分岐となった。ここに荷物をデポし先ずは丸盆山へ往復4.2劼離▲襯丱ぅ箸鬚垢襪海箸砲靴拭次のピークで水窪町を登山口とする等高尾根を分岐し木の疎らになった笹原を快調に歩くと丸盆山(2,066m)山頂に達した。霞みがちだが南アルプスの主稜に最も近づき光岳、茶臼岳など確認できた。このまま北上すれば池口・光へと続くが、鎌崩の崩壊地の難所があり登山道もかなり不明瞭なようだ。
展望を満喫し黒法師に引き返すが等高尾根分岐から新しい足跡が付いていた。恐らくピストンだろうと出合を楽しみに進むと、荷物デポ点の手前で男性の単独行に出合った。高塚山以来久し振りの人で嬉しい。まだ9:30なのにもう下山すると言うので、是非丸盆山へ行くように勧めた。
黒法師岳(2,067m)は1等三角点「黒法師岳」がある。この標石は一寸変則な三角点標で有名だ。通常は上部に+型の切り込みが東西南北を向いているが、黒法師のものは×になっているそうだ。この三角点を見ようと探したが雪に覆われ発見できず心残りとなった。黒法師岳から前黒法師までの道は赤点線道でやはりルートが分かり辛い。古びたテープを頼りに下ると水場のコルだが残量は十分でパス。笹原の稜線が続きアップダウンが続いた。倒木帯で増々歩き難くなったが急登の末、双子山(西峰・1,800m’)に達した。山頂標識もなく先の東峰(1,810m)との間はかなり急な斜面だ。山頂は倒木が目立つが明るく広さは十分ありここで昼食タイムにした。
東へ尾根を下り1,680m地点で南赤石林道と出合った。俗に“ヘリポート”と呼ばれる所だ。この林道は山犬段から延々と山腹を巻いてきたもので崩壊が激しく今では通行することはできない。現に交差のすぐ先でも大きく崩れており車はおろか人も歩けない状態だった。出合から分岐した林道を東へ進み林道終点から再び登山道となり標高差250mの厳しい登りとなった。
寸又三山の最高峰、前黒法師岳(1,943m)は3等三角点「前黒法師岳」が置かれている。展望は南が僅かに開けている程度で今一。この先は登山道が確りして寸又温泉からの登山者が訪れるようだ。一寸したピークの白ガレノ頭(1,665m)は南の展望が良好だった。標高1,400m位まで下るとアカヤシオが所々に咲いており美しい。写真を撮ろうと近づくと登山者が木の下で休憩している。挨拶すると返事が無く「静かにしてください」と一言、ムカッとしてそのまま退散! 長く険しい下山路が続き栗ノ木段を過ぎると東側の谷を見下ろす格好で朝日岳が目前に迫ってきた。
断崖の縁をジグザグに下り、これも廃道らしき林道と交差し下り切ると大間川の奥へ入る林道に飛び出した。ここからは林道歩きで、飛竜橋まで来ると寸又峡散策の観光客が入り込んでくるようだ。谷の下に夢の吊橋や大間ダムが見え、満開の山桜もありだんだん観光客が増えてくると温泉街に近づき駐車場に戻ってきた。寸又温泉には町営の露天風呂があり400円で入浴することができる。温泉街外れの駐車場から露天風呂に行くついでに「アカヤシオの群落、外森山ハイキングコース一周40分」の看板を見つけ山名稼ぎにサンダル履きで登ってきた。標高が低くアカヤシオの花期は過ぎてしまっていた。町営露天風呂は本当に露天風呂だけで、シャンプーはおろか石鹸もなく、登山の後汗を流すには石鹸の持参が必要だった。風呂上りに昨日の朝、道を教えてくれた小父さんの経営する蕎麦屋さん“紅竹”に寄り下山の挨拶がてら食事をした。小父さんもすぐに分ってくれて楽しいひと時を過ごすことができた。この日は駐車場で一夜を過ごした。
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山キチどん















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