南真砂岳、野口五郎岳、三ツ岳、烏帽子岳(湯俣山荘〜竹村新道〜ブナ立尾根〜高瀬ダム)【長野県、富山県】

- GPS
- 15:50
- 距離
- 31.3km
- 登り
- 2,481m
- 下り
- 2,488m
コースタイム
- 山行
- 2:42
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 2:54
- 山行
- 11:47
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 13:00
< 7/19 >
.織シー
信濃大町駅1212=<タクシー>=高瀬ダム天端1253
高瀬ダム〜湯俣山荘
高瀬ダム天端 1259 ― トンネル出口 1310 ― 二つ目のトンネル出口 1314 ― 湯俣温泉登山口 1345 ― 名無避難小屋 1404/1408 ― 湯俣山荘 1451
E鯔鷸柿饉辺散策
湯俣山荘 1523 ― ジップライン 1526 ― 第0吊橋 1536 ― 祠 1539/1541 ― ジップライン 1549 ― 湯俣山荘 1551
< 7/20 >
づ鯔鷸柿顱礎歛漆憩察⇔銀座縦走路、ブナ立尾根〜高瀬ダム
湯俣山荘 323 ― ジップライン乗り場 325 ― 晴嵐荘 334 ― 展望地点 400 ― 1644ピーク付近で道捜索 404/412 ― 黒の標示板 501 ― 湯俣岳 600/602 ― 展望地点 607/608 ― 2409m標高点手前の展望地点 635/637 ― 最後の登り手前の展望地点 722/727 ― 頂上分岐点 741 ― 南真砂岳 742/753 ― 頂上分岐点 754 ― 崩壊地へつり 828 ― 真砂岳分岐 851/854 ― 野口五郎岳南の分岐点 919 ― 野口五郎岳 929/939 ― 野口五郎小屋 949/1009 ― 三ツ岳西麓 1105/1111 ― 三ツ岳 1118/1122 ― 標高点、登山道の屈曲点 1135 ― 烏帽子小屋キャンプ場 1213 ― 烏帽子小屋 1221/昼食/1237 ― 前烏帽子岳 1249 ― 烏帽子岳分岐点 1256 ― 烏帽子岳 1309/1313 ― 烏帽子岳分岐点 1324 ― 前烏帽子岳 1334 ― 烏帽子小屋 1344/1356 ― No.2 1411 ― No.3 1419 ― No.4、2208m標高点 1433/1436 ― No.5 1447 ― No.6 1459/携帯電話/1503 ― No.7 1514 ― No.8 1520 ― No.9 1526 ― No.10 1534 ― No.11 1546 ― No.12、ブナ立尾根登山口 1557 ― 吊橋(西口) 1606 ―吊橋(東口) 1609/1615 ― 高瀬ダム天端 1623
ゥ織シー
高瀬ダム天端 1625=<タクシー>=信濃大町のスーパーマーケット 1707
●行動時間
01:52+00:28+13:00=15:20
| 天候 | 快晴、晴れ、曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
7/19(広島の家=名古屋=松本=信濃大町=高瀬ダム) 高瀬ダム―湯俣山荘(泊) 7/20 湯俣山荘―南真砂岳―野口五郎岳―三ツ岳―烏帽子岳―烏帽子小屋―高瀬ダム (高瀬ダム=信濃大町=松本=名古屋=広島の家) ●登山口へのアクセス ○七倉山荘或いは高瀬ダム ・2023年度より運行を開始した「裏銀座登山バス」がある。信濃大町駅や大町温泉郷と七倉を結ぶ。1日4往復。朝夕各2往復。土日や夏を中心に運行。信濃大町〜七倉は1,500円。所要約45分 ・七倉は駐車場が100台規模のものがあるが、溢れると七倉ダムに誘導されることも。その場合にはシャトルバスを利用する ・七倉〜高瀬ダムには特定タクシーが運行。2台がピストン運行しているようだ。乗合い可 ・七倉〜高瀬ダム間は歩けば1.5h〜2hとのことだが、長いトンネルを複数抜けることになるため気持ちのいいものではなかろう ・行程上の都合から、今回は信濃大町駅〜高瀬ダム間でタクシーを利用した。定額9,500円とのこと (いずれの記述も2025.07現在) |
| コース状況/ 危険箇所等 |
○高瀬ダム〜湯俣山荘 ・高瀬ダムから湯俣温泉登山口までは作業道。途中までは舗装路。長いトンネルもある ・湯俣温泉登山口から湯俣までは山道。ただし、あまり大きなアップダウンはない。わずかながらの昇降を繰り返して湯俣へと至る ○竹村新道(湯俣〜真砂岳南の分岐点) ・途中の1644mピーク付近では巻き道を行く。湯俣から来ると巻き道への分岐に気がつきにくい。そのほかは不明点はあまりない ・南真砂岳から真砂岳にかけての中央部では悪い岩峰を巻くが、ザレた斜面のへつり道は歩きにくく、崩もあるため注意を要する ○裏銀座縦走路(真砂岳分岐〜野口五郎岳〜野口五郎小屋〜三ツ岳〜烏帽子小屋) ・三ツ岳までは緩い頂稜の道。野口五郎小屋による整備の範囲では標示は岩にペイントされており、荒天時にはよく見る必要があるかもしれない ・烏帽子岳手前以外は森林限界を超えており、見晴らしが利く。主稜線歩きなので、晴天時にはよほどのことがなければ道迷いの心配はない ・今回の向きは下り向きで楽しく歩いたが、逆では三ツ岳付近が長い長い上りになる ・三ツ岳山頂や真砂岳山頂には登山道はないようだが、いずれも踏み跡は明瞭にあるようだ ○烏帽子小屋〜前烏帽子岳〜烏帽子岳 ・裏銀座ルート通りに分岐点まで進む。分岐点からは尖峰の北側へと回り込み、急な段付け、鎖と続く急崖登りを続け、最後は幾分トラバース気味に進んで最後の鎖へ。鎖の上が狭い山頂部 (いずれの記述も2025.07現在) |
| その他周辺情報 | ●買う、食べる ○七倉 ・いずれも、現地に行ってからではコンビニエンスストアに相当する買い物先はない ・七倉山荘にはレストランがある ●日帰り温泉 ○七倉、葛 ・七倉のバス停はそもそも七倉山荘前にあたる。七倉山荘は温泉宿であり、登山者向けの山荘でもある。日帰り入浴は18時まで ・その他にも葛温泉の高瀬館や温宿かじかなども日帰り入浴できる。高瀬館は20時まで日帰りも受け付けているようだ (いずれの記述も2025.07現在) |
写真
感想
富山県境稜線を巡る山行きの続きへと出かけた。選んだのは、2年前の烏帽子小屋から南への続き区間。富山県としてみれば一番遠い稜線部分だ。
あまりにも間際に計画したため、山小屋の確保が限られ、まあまあ無理な行程を引くことになった。2日目はある意味出たとこ勝負だ。
々眄ゥ瀬爐
広島に仮住まいしている身としては北アルプスは遠い。せめて前夜出発としたいところだが、金曜日夜のご用もあって土曜日の早朝に出発することとなった。新幹線と特急しなのを乗り継ぎ信濃大町駅へ。三連休とあって名古屋からの特急しなのは満席。どうにか確保した通路側席では"寝覚の床"なども十分に鑑賞できないまま松本へ。
大糸線も立つ人もある中、なんとか席を確保。島内を出ると次第に常念岳が近づき、やがてそれが燕、有明山と移ろっていく。ボックス席向かい側には母子のお二人。お母様がかつて燕岳に登られたとのことで、懐かしさをも通り越した涙目で山を見やる姿に、こちらも山への郷愁を改めさせられる。
信濃大町駅からは裏銀座登山バスにするかを悩んでいたが、山荘からは16時には到着をという一言に従い、タクシー利用で高瀬ダムへ。アルピコ交通のクルマは乗り換えなくダムサイトに運んでくれた。結果、バスよりも45分は早く高瀬ダムを出発することができた。
高瀬ダム〜湯俣山荘
ダムサイトを離れるとすぐに長いトンネルへ。周期的に照明があるものの、気味のいいものではない。中央付近で対向者とすれ違う。相手の鈴の音が遠ざかって行くが出口にはなかなか着かない。
二つのトンネルを抜けるとしばらくは作業道歩き。アップダウンも少ない道をじっと歩く。
やがて駐車場のある広場が現れ、車道は終わり。広場には山荘のものであろうか、4台駐まっていた。
山道になっても大きな登りは現れない。ただ連れ添う高瀬川はいよいよ上流の風情を醸し出し、水は何とも言えないエメラルドグリーンを呈している。
やがて避難小屋。看板に「名無避難小屋」とある。名無しの小屋という意味かと思っていたが、名前として名無というのも不思議なことだ。その前で一息つき、山荘を目指す。
途中には再び作業道が現れる不思議な区間もあったが、大きな昇降もなく、湯俣へと至った。
少し開けたと思ったら晴嵐荘が見え始め、近づくと左上に湯俣山荘が現れた。ダムサイトからは2時間要しなかった。これならば、バス利用でもよかった計算だ。
E鯔鷸柿顱訴湯丘手前の神社
早く着いたので、噴湯丘を見に行ってみる。整備の進む伊藤新道の導入部を進み、0番吊橋の先へ。神社にお詣りをして先を見ると、噴湯丘と球状石灰石は見えるが、山荘の指導標にあった通り、渡渉しないことには近づけないようだ。見合う装備はないので、そこで退散し山荘に引き返す。
山荘は近年再整備されたものとあって、全体的にきれいだ。寝床はカプセルホテルのように仕切られており、枕元にはコンセントも準備されている。食事も山とは思えないほどに調理されたものが出た。加えてご飯もおいしく炊かれており、おいしい。大いに満足して休息へ。
づ鯔鷸柿顱遡邯五郎岳〜烏帽子小屋
“出たとこ勝負”のこの朝、昨晩早くに就寝できたこともあって2時台に自然に目が覚めた。身支度を調え、階下の食堂で朝食。2ついただいたお弁当は鮭と羊肉。ちゃんと二種類準備してくれていることもありがたい。朝食には鮭をいただき、真っ暗な中を出発。
真っ暗な中、ジップラインで高瀬川を渡る。見えないことがいいのか悪いのか。怖さは感じなかった。晴嵐荘前はテントが多数。竹村新道の入口が分からず何度も行き戻り。宿の前には案内があろうと一旦晴嵐荘前へ。そこにある標示に従い、ようやく竹村新道へ。
最初のうちは急斜面をよじ登るように進む。次第に高度を上げ、1644m標高点手前の展望台へ。絶景なのであろうが、夜明け前では残念ながら薄ぼんやりと見えるだけだ。やがて、切れ落ちた難路を過ぎて1644m標高点に至るが道はそこで行き止まり。手前に引き返すと巻き道があったが、分岐に特段の標示はない。
巻き道経由で先へと進み、再び急斜面の登りへ。笹の斜面、大木の並ぶ樹林帯が交互に現れ、飽きるほどに登ると湯俣岳。樹間にはこれから進む南真砂岳、振り返った正面には槍ヶ岳が見えている。
少し進むと展望台。そこからは大天井岳から双六岳にかけての大パノラマが展開している。
この道の最大の特徴は、道そのものが北アルプス最奥部の山々の展望台になっていることかもしれない。
そうはいえども飽きることない登りが続く。ブナ立尾根に比べると斜度は緩いし段付け道ではないだけ歩き易いのだが、登り返しが複数ある分、高度差はこちらの方が厳しい。
南真砂岳への登りの途中、先ほどの湯俣岳の高度を超えるとその背後に燕岳が見えてくる。燕岳から大天井岳にかけての稜線はほとんど一直線に思える。燕岳が見えたことで、パノラマはさらに広がった。燕岳の左手には唐沢岳から餓鬼岳にかけての山並み、さらにその左手には高妻山、火打山から妙高山にかけての山々も見えている。
南真砂岳直下に来ると森林限界を過ぎ、いよいよ360度のパノラマが目に飛び込んでくる。槍から双六にかけての稜線の背後からは乗鞍岳や笠ヶ岳も姿を見せ始める。火打妙高のさらに左には針ノ木岳蓮華岳も現れる。その左側の近いところには後ほど行く三ツ岳も見えている。
南真砂岳の山頂はコースをやや外れている。その手前の分岐点まで来ると、いきなり正面には鷲羽岳から水晶岳にかけての稜線が現れる。いずれは真砂岳から赤岳までの区間も歩きたいものだ。
南真砂岳の山頂からは見事な360度パノラマが得られる。いつまでも見ていたい眺めだが、まだ先がある。
南真砂岳から真砂岳分岐にかけては、道が悪い。見るからに険しい赤茶けた岩峰の北側を巻くが、巻き道もザレた斜面を歩くだけ。そんな区間は気をつけて歩く。そんな気の張る区間とは対照的に、前後にはお花畑が広がる。絶景といい花畑といい、まさにアルプスを満喫できる道だ。
真砂岳への直線的な稜線を途中で離れ、山腹を巻くように進むと真砂岳分岐。いよいよ裏銀座ルートに合流だ。真砂岳の西面を進み、本日の最高峰野口五郎岳に取り付く。あまり離隔はないが、巻き道と山頂経由の道が並行している。山頂経由の道は緩斜面ながらジグザグを切って進む。意外に遠いなと思っていたらあっさりと山頂の一角に到着。
野口五郎岳は付近の最高峰だけあって、こここそ360度の絶景だ。見慣れた周囲の名山だけではない。遠くには八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽、大日ヶ岳、白根山といった山々も見えている。これだけ絶景の日にここに登ることができてよかった。
名残惜しくも先へ。小屋に立ち寄って休憩。野口五郎小屋では冷えたペットボトルと小屋手製のゼリーを補給。快晴の空の下を歩いてきた身にとってはヒンヤリとしたゼリーはありがたい。
今回の水分持ち込み量は2リットル。すでに湯俣山荘で空いた1リットルを補給した。その1リットルもここまでに消費し、ここでさらに500ミリリットルを購入。湯俣山荘ではお茶を十分すぎるほどに飲んだから、すでに2.5リットルは飲んでいることになる。毎度の反省を踏まえ、過分なほどに水分補給に努めているが、それでもこの暑さは堪える。
十分に休んで先へ。すでに本日の予定の半分を過ぎたことにはなるのだが、逆に言えばまだ半分あるということになる。
次の三ツ岳は登山道が通っていないが、百高山に選定されている山でもあり山頂へ。確かに踏み跡は山頂まで続いており、山頂には山名標もあった。
縦走路に戻り先へ進む。標高点のあるところで稜線が二手に分かれており、主稜線のほうが分岐側のようになっている。標示に従い下降する稜線側へ。今日一番の大下りを過ぎるとあとは緩やかに下降しながら進む。この辺りは森林限界が低いようで、標高が2600mに近づいてもまだ路岩帯の道だ。
やがて烏帽子小屋のテント場が近くに見えるようになり、登り返すと見覚えのある小屋に到着した。
小屋前で昼食を摂り、烏帽子岳への往復へ。前回残したツケを払いに来たようなものだ。今回が前回よりもバテていないとも思わないが、前回よりも烏帽子岳に行こうという気になっている。
お昼を食べたこととリュックを置いた身軽さが効いたか、足取りも軽く烏帽子岳へ。ところがちょうどガスが上がってきて烏帽子岳を隠してしまう。2年前もそうだが、せっかくの鋭峰に登るのにガスの中では盛り上がりに欠ける。
分岐まで来るとガスが上がり、烏帽子岳の尖峰が正面に現れる。取り付くと15分もなく山頂に到着。最後は鎖の連続で、最後の鎖の上が狭い山頂であった。山頂標示は大岩2つに挟まれており、標高だけならば西側の尖った岩のほうが高いのであろうが、手軽に登れそうな代物ではない。山名標の南側には大きめの岩組みがあり、何人かはそこで休んでいるが、所詮狭い。
長居は無用と早々に下降へ。残念ながらガスに阻まれ眺望を得ることはできなかった。
戻る途中で先方を見ると、三ツ岳の大きな山容が目に映る。今回とは逆に烏帽子から野口五郎へと向かうと、なかなかたいへんな登りコースになるようだ。
小屋に戻って一息つき、いよいよブナ立尾根の下降へ。コースの様子をうかがいながら下降するが、このコースははじめから終わりまで急登であり、休む適地もなかなか現れない。
途中の6番標示のあたりでAu電波が掴まえられたので、タクシーを呼ぶ。前回記録を参考にして1時間半後の設定とした。前回並みであれば十分間に合うのだが、あまり休憩をとる時間的な余裕もない。そこからは途中休憩も殆どなく最後のトンネル口まで進んだ。結果的には早すぎた。トンネルを抜けるともうタクシーが居るはずなので、西の入口で最後の休憩。
トンネルを抜けると、思っていた通り、タクシーはすでに複数台が待機しており、名前を告げるとそのうちの一台が名乗りを挙げ、乗り込むとすぐに出発。下山後の余韻も噛み締めないうちに、北アルプスは遠ざかっていった。
ほとんど一日だけの北アルプス。澄んだ空の下、夕方の雨にも遭わず下山することができた。天候に恵まれたことは、その幸運に感謝しかないが、宿の手配などしっかりと計画的にやっておけば、もっと良かったかもしれない。
次は計画的に臨みたい。

















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