信越トレイルスルーハイク3泊4日EastBound

- GPS
- 40:12
- 距離
- 112km
- 登り
- 6,317m
- 下り
- 6,501m
コースタイム
- 山行
- 8:16
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 8:52
- 山行
- 9:37
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 10:33
- 山行
- 8:52
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 9:05
- 山行
- 10:43
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 12:02
| 天候 | 9/22 晴れ 飯山23.5℃(アメダスより) 桂池夜 8℃ 9/23 晴れ/曇り 飯山23.9℃ 野々宮高原キャンプ場 夜5℃ 9/24 晴れ 飯山27.7℃ かたくりの宿 夜 12〜3℃ 強風 9/25 早朝より小雨 昼前にかけ快晴 12時過ぎより雨 飯山25.9℃ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
飯山よりタクシーで登山口まで。\5,300 下山(小赤沢集落)後、デマンドタクシーにて津南まで(\600/人、前日までに要予約の為宿の人に手配してもらった)。津南よりバスで越後湯沢、湯沢より上越新幹線 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所ほぼ無し。 信越トレイルクラブによる整備が行き届いており、道幅広くハイステップが必要な箇所もsection9まではほぼなくスムーズに歩行可能。 ヘビ、特にヤマカガシ多く足元注意。 |
| その他周辺情報 | 下山後宿泊:光栄荘 下山後温泉:小赤沢温泉 楽養舘 鉄系の赤い温泉 |
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
行動食
非常食
飲料
アルコールストーブ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
手ぬぐい
タープ
ポール
シュラフ
エスケープビビィ
|
|---|---|
| 備考 | 森宮野原での補給を前提として食料計画を立てるべき。また、この日程であればもう少し軽量化(タイツ省く等)にトライできると身体への負担が減るのではないか。 スポーツ手ぬぐいは持っていって本当によかった。 |
感想
お互いに転職の空白期間で日程が合った為、かねてより行きたいと思っていた信越トレイルへ2人でGO。
以前、斑尾山から野尻湖・笹ヶ峰・戸隠を繋いでいるあまとみトレイルを歩いた際、斑尾山山頂に着いている2つのロングトレイルのステッカーを目にした。これから自分はあまとみトレイルへ入っていくけれども、反対側へ行けば信越トレイルへ入れる。いつかはそっちへ、と思っていた道へのチャレンジが思ったよりも早く実現した。
1日目は始発で飯山へ赴き、飯山駅からはタクシーで斑尾高原のチロル登山口まで乗せてもらった。電話予約をしておいた方がスムーズだと思う。チロル登山口からは一旦信越トレイルの起点へ向かう為、かえでの木トレイルというローカルトレイルで山頂へ。
Section1の赤池まではスキー場のコースを交えながら袴岳を経由しての広々としたトレイルが続く。スキー場の斜度と粘土質のサーフェスで足を取られながらもサクサク進んだ。すでにこの区間で多くのキノコを見かける。赤池のテントサイトをチラ見し、先を急いだ。
Section2は赤池から涌井集落までとなっている。途中、沼ノ原湿原や希望湖など水が豊富な区間を通過しながら、緩やかに毛無山を越えて涌井に降りていく。ここも道が広く、ダブルトラックは優に超えているトレイルが続いた。沼ノ原湿原で2人ともぬかるみを踏み抜き靴が浸水したものの、自然乾燥を期待して気にせず歩く。信越トレイルは全体的に湿潤な道が多く、粘土質の土壌と合わさって滑りやすい部分がある。防水性の高い重登山靴で歩くか、プロテクトJ1やガーニーグーなどで足をケアした上で通気の良いトレイルランシューズで水没前提で歩くか悩ましいところ。
1日目の泊地に設定した桂池キャンプ場を含めた、仏ヶ峰登山口までがSection3に該当する。キノコがとにかく多く、アカヤマドリタケ、タケリタケやタマゴタケ、ムラサキアブラシメジモドキ(たぶん)などを見かけた。結構食用できるものが多かったのだなと後から知る。17:40頃にようやく桂池に到着し、幕。太郎清水は桂池から車道を歩いて5分くらいなので、キャンプ場に行く時に水を汲んで朝も水を汲んだ。蚊が多くバグネットが役に立った。翌日は05:30頃撤収完了し行動開始。ふかふかの土が続くトレイルを進み、仏ヶ峰登山口(戸狩温泉スキー場)に06:47頃到着。飯山側が一望でき清々しい。
Section4からは大きなアップダウンが連続していく区間となり、信越トレイルの前半部分の核心部の様相を呈してくる。冬には里山バックカントリースキーで賑わいを見せる鍋倉山も、無雪期には展望のないがっかり山頂に。ただ、ようやくはっきりと稜線上を進んでいくことになる為、飯山盆地や上越側の日本海を望むポイントも少しずつ出てくることになり、信越の界を歩いているのだなと実感できる区間でもある。
関田峠に降りてきてまたすぐSection5が始まり、トレイルには雪の重みで湾曲した木々がゆく手に幾度となく覆い被さる。梨平峠、牧峠、宇津ノ俣峠、伏野峠と文字を見ただけでもアップダウンの連続とわかる。暑さも相まって疲労が蓄積し、伏野峠のトレイルマジックでたまらず水を一本頂戴した。
須川峠をまた越えて野々海峠に到着。Section6はこの先天水山までとなる。テントサイトへ向かい幕営しようとしていると、ようやくスルーハイカーに出会った。同じくEastBoundで僕たちが追いついた形のようだった。日程が許すのであれば、この辺りの区間なども区切って歩く方が負荷も少なくよりトレイルに入り込める気はしたが、結局アップダウンはこなさなければならないので、ここもハイカーによって色が出る。2日目は放射冷却が進み、夜には天の川が肉眼で見えるほど綺麗な夜だった。タープ泊は寝転びながら夜空が見えるところも魅力的で、テントやツェルトに頼ってきた自分としてはまた一つ世界が広がったと思えるスタイルだった。
翌日は朝日に照らされキラキラと輝く野々海湿原を最初に通過し、天水山を経て森宮野原へ降りていく。Section1の頃は600人以上のカウンターだったはずが、この頃には220人とスルーハイカーの数が徐々にわかってくるような感じで減っていった。終始森は綺麗で、関田山脈の動植物の豊富さに心を打たれながら里に降って行く。
Section7に入り森宮野原に降りてゆく途中、信越トレイルのハイライトと言っても良い黄金色に染まった田んぼ越しに苗場山がその姿を見せる。歩いた時期が絶妙で、稲刈り直前というのもあり最高の景色の中森宮野原駅に到達した。
Section8からすぐのファミリーマートに途中寄り道をして補給をし、中子方面へ進んでゆく。信濃川の侵食によってできた河岸段丘に一度乗り上げると、またも広大な田んぼが広がり、苗場山方面へとひたすら農道を歩いていく。まるで北海道のような景色が広がっており、步けど歩けど田んぼである。弘法山を巻きながら林道を上り、妙法牧場で放牧中の牛を眺めながら河岸段丘を降りてかたくりの宿がある結東に到着した。廃校を利用した宿泊施設になっているかたくりの宿はグラウンドがテントサイトになっており、予約することで幕営可能となる。休館日だったにもかかわらず幕営させて頂けることになり、お仕事で結局職員さんはいらっしゃった為夜まで室内トイレなどを使わせて頂いた。
最終日、3時起床で雨がぱらつき始めて急いで宿の軒先に荷物を撤収した。Section9が始まる今日は苗場山が控えている為早出をし、朝食は食べずに出発して歩きながら行動食を摂取する。ぐらぐら揺れる見倉橋をヘッデンつけながらわたり、小赤沢へ。ロードとトレイルを織り交ぜながら集落へ向かう。集落と集落を繋ぐ歩きをでき、暮らしを想像しながら歩を進めることができた。大赤沢の蛇淵の滝休憩所で軽くパンを食べ、さっとアルストでコーヒーを淹れて朝食。ロードが多いとはいえ、できる限りトレイルを歩けるようになっている為、足裏にはありがたい。
小赤沢に到着し、ラストのSection10に入る。言ってしまえば0合目から苗場山日帰り登山がラストのラストに待っているというところで、今までの所謂トレイル歩きとは異なりきちんと足上げが必要な登山道が始まった。特に6~8合目あたりはかなりの急登で、90キロ以上歩いてきたふくらはぎに堪える。それでも頑張って登り、草紅葉真っ最中の苗場山山頂の湿原へ飛び出した。午後から雨予報だったこの日もギリギリ山頂にまでは雨が降らないでいてくれて、天気的にも最高の4日間となった。山頂ヒュッテで信越トレイルのお話をさせてもらったり、ギア談義に花が咲いたりととても良い時間を過ごして、雨の降る中えっちらおっちら小赤沢へ下山し民宿になだれ込んだ。
総じて歩きやすい道が続いていて、コンセプトとしてもある「歩くこと」そのものを楽しむトレイルというのは本当にそうだったなと思う。それと同時に整備がかなり行き届いていて、刈り払いを始め維持管理をして頂いている信越トレイルクラブの方々、ボランティアの方々には頭が上がらないと感じた。自分も何かこのトレイルに還元したいという気持ちも生まれる、それくらい良いトレイルだった。沢山の人に歩いてほしいし、魅力を色んな人に伝えていきたいと心から思った山行だった。
転職前の有給消化期間を有効活用すべく、以前から気になっていた信越トレイルへ。こちらもお休みだった和泉さんからお誘い頂き、渡りに船ではないが「2人パーティではなく、ソロ2人のイメージで」3泊4日のEastBound行程がスタート。
section1〜3(斑尾〜桂池)
前泊や自家用車でのアプローチも検討したが、始発の新幹線で行ってしまった方が日程としても身体的負担としても楽だろうという判断の下に8:16着はくたかで飯山駅へ。飯山からはタクシーでチロル前の登山口まで、運ちゃんと信越トレイルについてちょろちょろ会話しながら向かう。
section1は斑尾山起点となるため、スキー場斜面を登っていくがこの日はこれが一番しんどかった様に思う。山頂から少し戻りつつ信越トレイルがスタート。
1週間前に行われた信越五岳トレイルランニングレースのコースがsection1の赤池までと一部被っていたため、影響を心配していたものの斑尾高原スキー場とタングラムの間がすこし滑りやすくなっていた以外はほぼ問題無し。トレイル整備ありがとうございます。
初日の桂池までの道程は驚くほどスムーズで、予定より1時間ほど前倒しで到着。途中赤池テントサイトでトイレを済ませた。外の水道は飲用水ではない、と記載あったものの浄水器使用すれば問題ないのではなかろうか(自己責任でお願いします)。大凡の道が柔らかい土で、事前に妻から聞かされていた「フカフカで走りたくなるトレイル」という印象と一致した。数日前から少し雨がちだったことも手伝い、道中には様々なキノコが生えていた。食べられそうなのはタマゴタケと少し古いハナビラタケ(くらいしか同定出来ないのだが)、しかし今回は軽量化に挑戦したためお互いバーナーではなくアルコールストーブ装備、しかも一切調味料を持っていなかったため泣く泣くスルー。信越トレイル内での動植物/キノコ採集は天然記念物指定地域や国有林エリアもあるのでその辺りの下調べもしておらず次の機会に。月曜休めば4連休、の月曜だったのでハイカーとすれ違うことやテントサイトでのコミュニケーションを期待していたものの桂池テントサイトは貸切状態、道中もWBで歩いてきたであろう方と1人だけすれ違ったのみだった。沼ノ原湿原で靴を濡らしたことが唯一の△ポイントか。
サイト着後はサクッとタープ設営して食事、取り留めのないが普段できない会話をして就寝。クーラーには太郎清水が枯れていた場合に備えて大量のペットボトルが残置されており安心だったが、今回は雨もあり太郎清水が非常に豊富だったため使わず。そういえば涌井近くの湧水も豊富だった。農道から1段下がったところにあるとのことで完全に忘れていたが見つけられて良かった。サイトはトイレもしっかり整備されていた。ちなみに、4連休ハイカーのためにコーラがいくつか用意されていた様だが自分達が到着した際には全てなくなっていた。明らかに行動食を持参しすぎたためtimtamをドロップ、誰かが楽しんでくれれば嬉しい。また、池の側ということもあり蚊が多く、気温が下がり切るまでは辟易した。おそらく8℃程度まで下がったので、最初はビビィのみで寝ていたが途中で起きてシュラフを突っ込んだ。
この日歩いたセクションは、言うなればピークに拘らないトレイル歩きの楽しみを教えてくれる贅沢なパートであると感じた。繰り返しになるがトレイル整備に感謝。
section3〜6(桂池〜野々海高原キャンプ場)
翌朝は4時起床、6時発。2回目で既にアルスト湯沸かしの余裕は出てきて、公称300ml沸騰/燃料15mlのブルーノートストーブで400ml近く沸かしてみたりする。ややぬるいが問題なし。
仏ヶ峰からすぐ関田山脈に上がって稜線上を駆け抜ける言わば信越トレイルのメイン区間である。稜線上に上がると進行方向に向かって左手に上越市、右手に飯田市方面が見えて自分が今まさに信越国境を歩いているということを実感させてくれる。天気が良かったため上越市の向こう側には日本海も見え、しばらくは気持ちのいい稜線歩き(と言っても樹林帯、やせ尾根気味なので展望はそこまで望めないが)が続き鍋倉山頂へ。
積雪期の鍋倉山はBCスノーヤーのメッカで、フルハイクでパウダーが楽しめるお手軽ポイントである。山頂は全方位見渡せる記憶だったが、無雪期はほぼ展望がなく驚いた。木の高さを鑑みるにやはり4m近くは積雪していそうである。祝日なので、冬のノリであれば鍋倉単体で登山している方がいるかなあと想像していたがハイカーは1人もいなかった。鍋倉山頂でしばらく過ごした後、黒倉を経て関田峠へ。この辺りから峠に降りては尾根を上るアップダウンの繰り返しが始まり、「次の峠まで○km」の呪縛に苛まれる。日程における獲得標高自体は1日目と変わらないものの、登り降りで徐々に疲弊していく脚。この辺りは上杉謙信が川中島の戦いの際に進軍した道で…という周辺情報の消化もそこそこに暑さで疲れた頭は「次はどこだ」しか考えられなくなっていた。野伏峠に着き、section5が終わった時点で予定+10min。もう遅れてもいいのでとりあえずこれ以上消耗せずに到着しよう、の一心で一旦大休止。あとから牧峠を15分ほど下ったところに水場があったことを知るものの、この時点ではトレイルを外れて往復30分の道のりを選択する気にはなっておらず、かつこの先野々海峠までの間に水場がないことも相まってトレイルマジックから500mlペットを一本いただくことに。結果的にこれがなければ相当消耗していたので、有志の方々には感謝したい。
Section6に入り、須川峠までたどり着くとアップダウン自体は少し緩やかになった。野々海峠から野々海高原キャンプ場へ下る道は舗装路で、2日目の疲労をそのまま足裏が受け止める状態だったので一番辛かったのではないだろうかと振り返る。テントサイトには1名先客。我々より2日前に出発し、各サイトを刻んできたとのこと。同世代だったこともあり少し話し込んで、翌日以降の行程もシェアしつつig交換等、初めてハイカーとコミュニケーションしている感があった。
夜は前日より放射冷却で冷え込み、また雲がなかったことで天の川を覗きながらのタープ泊となった。
単体で見ると、体力的に最も厳しいセクション。
Section6〜8(野々海高原キャンプ場〜かたくりの宿)
少し眠りが浅かったこともあり、また市街地へ降りるということもあり4時に目覚めてから30分追加で仮眠し6時半ごろ出発。
天水山のブナ林を越えて、緩やかな下りを歩いていくと眼下に森宮野原の集落や津南方面が見えてくる信越トレイルのハイライト部分。これからあの先の苗場まで歩くのか、と想像しつつ森宮野原で何を補給するかも同時に考える。樹林帯を抜け里に出ると、遊水池に。少し下るとちょうど色づき稲刈り前の田んぼが出迎えてくれた。この季節にして良かった、と思う景色とそれに水を差すような動物よけの自動音声を消化しながら歩き続けると、次第に豪雪地域に特有の屋根の形をした建物が多数見えてくる。森宮野原。
駅の中が一応(?)正規コースのようだったので駅舎を通過。水曜日、かつ祝日の翌日だったこともあり尽く飲食店が休みのため、補給及び休憩は少しトレイルを外れたファミリーマートにて。特段怪訝な顔もされず、ありがたくイートインで500mlコーラとファミチキを流し込む。持ち運びに適してそうな日本酒パウチやビールを調達したのち、Section8開始。
体感としては8割方舗装路のこのセクション、先ほど下ったのと同じような色づき加減の田園地帯をひたすらまっすぐ進んでいく。日差しが暑い。新潟が米どころであるという事実を改めて感じながら、途中設置されていたハイカー向けの仮設トイレにピットイン。本当に助かった。その後、中子集落でまたしても自販機のスプライトを流し込み牧場へ上がっていく。牧場周辺も日射はあったものの、西側に木が並んでおり午後に歩く分にはいくらか楽だった。とはいえ最長の舗装路区間、足の裏は疲弊していく。妙法育成牧場を越えて振り返ると、これまで歩いてきた関田山脈が一望でき歩いてきた実感、そして里をこえてまた山に入りつつある実感が得られた。結東地域まで一気に下るとすぐに学校のプール跡が木々の間から見え、まさにそこがかたくりの宿であった。
かたくりの宿は休館日だったが、職員の方が偶然仕込みなどの業務でいらっしゃったのでお言葉に甘えてトイレを使わせていただいたりビールをいただいたり。テントサイトは校庭だったのでかなりオープンではあったものの、ここも貸切状態。芝生がしっかり手入れされていて、到着直後は裸足で3日間歩き通しの足を休めることができた。
補給したお酒があったこともあり、夕食後2時間近く話し込んで就寝。風が強く、15℃近い気温のおかげか結露にもの悩まされなかった。暑くてビビィの中でシュラフを脱ぐくらい。標高が下がっていることを実感する。翌日は昼から雨予報であることもあり、予定より出発を前倒しすることに。
Section9~10(かたくりの宿〜苗場山頂)
3時ごろ起床すると、雨粒の音。せっかく結露もなくタープが綺麗にしまえると思っていたので慌てて和泉さんを起こして軒先に避難する。結果、雨自体はすぐに止んだものの予報よりもどうやら雲行きが怪しそう。ということで朝食も摂らず行動食で進む選択をする。Section9は秋山郷を苗場山の入り口である小赤沢集落まで上がっていくパートで、舗装路があるもののいわゆるメイン道路ではなくサブの道路、そしてさらにその脇の旧道を通っていく。相変わらず気持ちいいトレイルで、少し初日を思い出すようなキノコたちをみながら大赤沢へ。ここでは東屋で足のケア、及びさっと湯を沸かしてコーヒー休憩。これが結構効いたみたいで、そこから小赤沢までの体感はすぐだった。小赤沢から始まるSection10は、やっと苗場の文字が見えたという安堵と共にどれだけ登るのかという心配も一緒に踏み入れる子になる。ひたすらまっすぐな林道を上がっていくと登山口があり、そこからは三合目駐車場まで沢沿いを進む。晴れてきた。
三合目駐車場でトイレなどの小休止を済ませると、本格的に「登山」のパートが始まる。登山道自体は泥濘、鎖場がありこれまでのトレイルとは様相が異なる。3日分の疲労を抱えていなければ何てことがなさそうな道ではあるものの、脚が言うことを聞かず九合目までは修行の色合いが濃かった。九合目に達すると途端に台地に乗り上げ、眼前には草紅葉の始まった湿地帯が広がる。曇りの雰囲気も相まって幻想的であり、ここまで100km歩いてきたご褒美のような感覚があった。ただ登山するだけでも良い景色なのは間違いないが、苦労の後に出会う光景として何倍も美しく見えたのではないだろうか。振り返ると斑尾山は見えないものの、関田山脈や昨日超えた牧場を眺めることができて改めて歩いてきた距離を感じる。山頂標識にタッチして110kmの信越トレイルの旅が終わるのだった。
途中すれ違った小屋番さんから小屋のスタッフに声かけてやってよと言われたので、中に入ってお話ししてみるとその方は以前あまとみ〜信越をスルーしており、テアラロアも歩いてきたロングトレイルハイカーだった。山頂、つまりEBのゴール地点でハイカーを迎えるのが何より嬉しそうで、こちらまで嬉しくなってつい話し込んでしまった。
下山は雨。麓の民宿光栄荘に宿泊し翌日は公共交通機関で帰宅。良い旅だった。
4日間を通して、常に歩きやすいトレイルが続いていることや要所要所で道標があること、デポしてある緊急用の水や里の方々の温かさなど信越トレイルクラブによる整備と啓蒙が息づいていることを実感し感謝の念しかありません。各Sectionも、つなげて歩くことでそれぞれの意図をしっかり感じられる、ストーリーのあるもので非常に体験として有意義でした。本当にありがとうございました。
Section10にあったハイカーのカウンターが、自分たちで大体75人目くらいだった。年間を通してもっと歩かれていい道だと思ったので、積極的に身の回りには宣伝していきたい。
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シガ

















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