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記録ID: 8768143
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関東

那須野が原から那珂川町・大田原市の遺跡と博物館めぐり(1)那須野が原博物館

2025年10月02日(木) ~ 2025年10月03日(金)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
79.5km
登り
177m
下り
1,449m

コースタイム

11:05峠茶屋駐車場出発ー12:15那須野が原博物館12:50ー14:23那須官衙跡
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2025年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
峠茶屋駐車場からレンタカーで移動、那須塩原駅まで様々な遺跡、資料館を巡る
那須野が原博物館のロビーに槻沢(つきのきざわ)遺跡出土の縄文中期の阿玉台式土器が展示され、詳しい解説パネルがついている。
2025年10月02日 12:16撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:16
那須野が原博物館のロビーに槻沢(つきのきざわ)遺跡出土の縄文中期の阿玉台式土器が展示され、詳しい解説パネルがついている。
明治時代に入るまで、ほとんど原野と思われる那須野が原に縄文中期の大集落があったようだ。
2025年10月02日 12:16撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:16
明治時代に入るまで、ほとんど原野と思われる那須野が原に縄文中期の大集落があったようだ。
この遺跡からは縄文中期の阿玉台式の他、加曾利E式、北陸系の火焔系土器など他地域の影響の深い土器も多く出土しているらしい
2025年10月02日 12:17撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:17
この遺跡からは縄文中期の阿玉台式の他、加曾利E式、北陸系の火焔系土器など他地域の影響の深い土器も多く出土しているらしい
阿玉台式の特徴〃垂文(加曾利E式にも影響か?)
2025年10月02日 12:18撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:18
阿玉台式の特徴〃垂文(加曾利E式にも影響か?)
隆帯に幅広爪形文および隆帯と沈線に組み合わせ=大木式の影響?
2025年10月02日 12:18撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:18
隆帯に幅広爪形文および隆帯と沈線に組み合わせ=大木式の影響?
口縁部の波状装飾、阿玉台啓宛澱奮までは縄文がなく、それ以降に縄文施文が現れるらしい
2025年10月02日 12:18撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:18
口縁部の波状装飾、阿玉台啓宛澱奮までは縄文がなく、それ以降に縄文施文が現れるらしい
粘土に雲母が含まれ、土器がきらきら光るようだ
2025年10月02日 12:18撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:18
粘土に雲母が含まれ、土器がきらきら光るようだ
トレードマークの波状口縁は次第に少なくなり、加曾利E式に似てくる?
2025年10月02日 12:19撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:19
トレードマークの波状口縁は次第に少なくなり、加曾利E式に似てくる?
2025年10月02日 12:20撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:20
阿玉台式土器の分布範囲−南関東中心で栃木にも多いようだ
2025年10月02日 12:20撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:20
阿玉台式土器の分布範囲−南関東中心で栃木にも多いようだ
展示の阿玉台式土器はすべて槻沢遺跡のモノ、この地域唯一の縄文大集落だった
2025年10月02日 12:20撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:20
展示の阿玉台式土器はすべて槻沢遺跡のモノ、この地域唯一の縄文大集落だった
隆帯に幅広爪形文の典型的な組み合わせ
2025年10月02日 12:21撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:21
隆帯に幅広爪形文の典型的な組み合わせ
那須野が原の地形の特徴‐扇状地と大田原火砕流堆積物(水を通しにくい)の上の水流
2025年10月02日 12:24撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:24
那須野が原の地形の特徴‐扇状地と大田原火砕流堆積物(水を通しにくい)の上の水流
那須野が原の台地の成り立ち
2025年10月02日 12:24撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:24
那須野が原の台地の成り立ち
地層と水
2025年10月02日 12:24撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:24
地層と水
那須火山、高原山火山と扇状地形成
2025年10月02日 12:24撮影 by  Pixel 8a, Google
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那須火山、高原山火山と扇状地形成
地下水流の調査ーこれを頼りに入植者たちは水を得る努力を惜しまなかった
2025年10月02日 12:26撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:26
地下水流の調査ーこれを頼りに入植者たちは水を得る努力を惜しまなかった
那須野が原の縄文遺跡
2025年10月02日 12:26撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:26
那須野が原の縄文遺跡
槻沢遺跡について
2025年10月02日 12:26撮影 by  Pixel 8a, Google
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槻沢遺跡について
槻沢遺跡からは阿玉台式以外の中期の土器も多数出ている
2025年10月02日 12:27撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:27
槻沢遺跡からは阿玉台式以外の中期の土器も多数出ている
土偶も出土
2025年10月02日 12:28撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:28
土偶も出土
154土坑からは大量の土器が出土
2025年10月02日 12:28撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:28
154土坑からは大量の土器が出土
それらの土器が並ぶ
2025年10月02日 12:29撮影 by  Pixel 8a, Google
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それらの土器が並ぶ
2025年10月02日 12:30撮影 by  Pixel 8a, Google
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2025年10月02日 12:30撮影 by  Pixel 8a, Google
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2025年10月02日 12:30撮影 by  Pixel 8a, Google
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2025年10月02日 12:30撮影 by  Pixel 8a, Google
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古塩原湖の植物化石群は有名らしいー数十万年前の高原山火山爆発により生まれた湖に堆積した塩原湖成層から化石が多数出るそうだ
2025年10月02日 12:33撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:33
古塩原湖の植物化石群は有名らしいー数十万年前の高原山火山爆発により生まれた湖に堆積した塩原湖成層から化石が多数出るそうだ
多数の木の葉化石
2025年10月02日 12:33撮影 by  Pixel 8a, Google
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多数の木の葉化石
塩原湖の成層
2025年10月02日 12:34撮影 by  Pixel 8a, Google
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塩原湖の成層
蛇尾川(さびかわーじゃびかわ)−何度か渡った記憶があるーその流れは折戸地内から伏流し、大田原市今泉地内で湧出するという部分的な水無川らしい。
2025年10月02日 12:35撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:35
蛇尾川(さびかわーじゃびかわ)−何度か渡った記憶があるーその流れは折戸地内から伏流し、大田原市今泉地内で湧出するという部分的な水無川らしい。
江戸時代の那須野が原開発
2025年10月02日 12:36撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:36
江戸時代の那須野が原開発
用水路の整備
2025年10月02日 12:38撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:38
用水路の整備
明治時代の上流階級の別荘ブーム‐写真は陸軍大将で考古学者大山柏の父、大山巌の別荘
2025年10月02日 12:44撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:44
明治時代の上流階級の別荘ブーム‐写真は陸軍大将で考古学者大山柏の父、大山巌の別荘
同−素晴らしい別荘で現存しているのかな?−大山記念館として県の有形文化財になっているようだ
2025年10月02日 12:44撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:44
同−素晴らしい別荘で現存しているのかな?−大山記念館として県の有形文化財になっているようだ
2025年10月02日 12:45撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 12:45
博物館を後にして次の那珂川町なす風土記の丘に向かう。その手前に那須官衙跡があったので立ち寄って撮影
2025年10月02日 14:23撮影 by  Pixel 8a, Google
10/2 14:23
博物館を後にして次の那珂川町なす風土記の丘に向かう。その手前に那須官衙跡があったので立ち寄って撮影
東西600m、南北200mの範囲に様々な役所の建物跡が発見され、古くは古代寺院跡と考えられたが、古代官衙であることが判明したようだ。那須郡衙の成立は7世紀末から8世紀初頭、で10世紀前半には終わりを迎えたらしい
2025年10月02日 14:25撮影 by  Pixel 8a, Google
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東西600m、南北200mの範囲に様々な役所の建物跡が発見され、古くは古代寺院跡と考えられたが、古代官衙であることが判明したようだ。那須郡衙の成立は7世紀末から8世紀初頭、で10世紀前半には終わりを迎えたらしい
撮影機器:

感想

両足が攣りそうな状態で休み休みレンタカーで那須野が原博物館に向かう。博物館には那須野が原地域の地形地質形成史のわかる展示があり、高原山と那須火山による噴出物ー降下火砕流物、火砕流、火山灰などの堆積とその後の浸食による扇状地などにより形成された土地で水はけがよいが水田には向かないので、縄文時代の遺跡(槻沢)もあるが、弥生時代以降の遺跡はあまり見られず、明治になってから当時の貴族が開拓事業に着手して別荘ブームが起こり。その後酪農事業が戦後の原野開拓者らにより、発展。今日の那須野が原の観光地化に貢献したらしい。
「那須塩原市歴史文化基本構想」によれば、このあたりは日本最大級の扇状地らしいー「那珂川と箒川に挟まれた複合扇状地である那須扇状地の面積は 40,300ha。日本の扇状地としては最
大級のもので、北西から南東に向かって緩やかな傾斜を持つ台地となっています。
 扇状地のほぼ中央には蛇さびがわ尾川と熊川が南東方向に流下していますが、厚い砂礫層の上を流れるため地下浸透が激しく、扇央部では水無川となります。また、扇央部は地下水も深いため、古くから水利に乏しい地域でした。
 扇央部付近から南東にかけては湧水点が見られ、周辺は縄文時代の遺跡が立地するのをはじめ、江戸時代より小規模な集落が営まれてきました。また、藤荷田山など比高 30 m前後の数条の細長い分離丘陵列が北西から南東方向に配列していて、平坦に続く原の中でランドマークとなっています。
 那須扇状地北西部の穴沢から関谷を結ぶ線の西側には山地が連なり、平坦な扇状地地形との境界には総延長は 38 ?にも及ぶ関谷断層が走っています。関谷断層の最新の活動は 14 世紀以後、17 世紀以前と推定されています。」

また高原山と那須火山との関係については
「7.那須岳と高原山
 市の北部の山間部は、那須岳と高原山に連なります。二つの火山は、歴史や生活の上でも深い関わりを持ってきました。
 那須火山は、関東平野北端の関谷断層に沿って南北に配列する成層火山群で、活火山としての茶臼岳(標高 1,915 m)はその一峰です。那須火山群は、北から南に向かって、甲かっし子旭岳火山(約 50 万年前)・三本槍火山(約 30 万年前)・朝日岳火山と南みなみがっさん月山火山(約 10 〜 20 万年前)と呼ばれ、それぞれ活動
した時期の異なる成層火山となっています。また、那須火山群では過去に数回の山体崩壊が起きて、20 万年前以前に黒磯岩屑なだれ、約 14 〜 17 万年前に那珂川岩屑なだれ、約 30,000 〜 40,000 年前に御おふじやま富士山岩屑なだれなどを発生させ、その堆積物は東側の山麓の広い範囲を覆っています。
 那須火山群で最も新しい茶臼岳は、約 1.6 万年前から活動を開始し、溶岩・火砕物は、大部分が東山麓に、一部は西側の那珂川上流部に堆積しています。
 現在まで1万年間も茶臼岳の活動が続いており、約 11,000 年前〜 6,000 年前までの 5,000 年間に、それぞれに降下火砕物・火砕流・厚い溶岩流を噴出する3回の大きな活動が知られています。約 6,000年前以降は、数百年に 1 回程度の水蒸気爆発が発生していましたが、約 2,600 年前に比較的規模の大きな活動があり、山頂の火砕丘が形成され、その後も水蒸気爆発が繰り返され、応永 15 年(1408)
から応永 17 年(1410)の活動によって、降下火砕物・火砕流が噴出し、さらに茶臼岳溶岩ドームが形成されました。この後、小規模な水蒸気爆発が繰り返されています。
 高原山(釈迦ヶ岳・標高 1,795 m、富士山・標高 1,184 m)は、塩原地区から矢板市域に位置する成層火山で、北部のカルデラ火山(塩原火山)とその中央火口丘(明神岳、前黒山)、及び南部の釈迦ヶ岳、西平岳、鶏頂山、剣が峰などからなる円錐火山(釈迦岳火山)からなっています。さらに、前黒山北側山麓には西北西一東南東の断裂帯(割目群)に伴う単成火山があります。活動は約 50 万年前に始まり、約 10万年前には主な活動を終止させたといわれています。この後に長い休止期がありましたが、約 6,500 年前には北側で割れ目噴火が発生し水蒸気爆発と降灰の活動があって、割れ目火口の上に富士山溶岩ドームが形成されました。
 高原山の火山活動に伴うものとして、黒曜石が産出されており、市内箒川沿川の縄文遺跡や槻沢遺跡などでは石材として使われた可能性があり、市内縄文文化・遺跡との関連性が指摘されています。」

同博物館による那須野が原と高原山・那須火山と那須野が原の成り立ちの解説はとても参考になった。また槻沢(つきのきざわ)遺跡という縄文中期の大集落出土土器がたくさん展示されており、見学価値が十分あった。原野が広がっていたと思われるこの縄文遺跡の当時(縄文中期から後期=4000~5000年前)の景観はどうなだったろうか?阿玉台式土器をスケッチして次の那珂川町なす風土記の丘に移動する。
 「なす風土記の丘」は那珂川町と大田原市の二か所に分かれており、やや紛らわしい。図録を見るとかつては県立の風土記の丘一つだったものが分かれて県立から町立、市立になったように思える。
那須官衙に関しては、那珂川町のHPに
「那須官衙遺跡(なすかんがいせき)
那須官衙遺跡 那珂川と箒川の合流地点、右岸段丘上にあります。昭和の初期から古瓦が散布することから「梅曽廃寺跡」と呼ばれていました。昭和15年に発見された銅印は現在、国の重要文化財に指定されています。昭和30年に寺院としての全容究明を目的とした発掘調査が行われ、さらに昭和42年から圃場整備のために行われた発掘調査によって、広範囲にわたり倉とみられる建物跡が確認されました。このことから当遺跡は寺院跡ではなく郡衙であることが明らかになり、昭和51年に国指定史跡となりました。遺跡の範囲はおよそ南北200m、東西600mほどで、溝により4ブロックに区画されていることが分かりました。中央ブロックは実務的な官衙、西ブロックに倉庫、東ブロックが郡庁だったと考えられます。南東ブロックは館もしくは館に関連する厨の可能性があります。郡衙の成立は7世紀末から8世紀初期、終焉は10世紀前半と考えられています。」と説明がある。

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