花の上越国境山めぐり 平標山〜仙ノ倉山〜三国山〜稲包山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 24.2km
- 登り
- 2,114m
- 下り
- 1,931m
コースタイム
- 山行
- 5:20
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:25
天候 | 1日目 霧時々小雨 強風 2日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
写真
感想
谷川岳の展望の山と知られている稲包山に登り、お気に入りの平標山ノ家に1泊して大源太山、三国山を経て三国峠から自転車で車に戻る構想はかなり以前から立てていた。梅雨入り間近なので6月上旬の二日続けて晴天が期待できそうな日に出かけることにした。
ヤマレコの投稿記事で稲包山の投稿記事を見ていたら下山口に決めていた三国峠から稲包山へ登る記事があった。地図を確認するとしっかりとしたコースになっている。山ノ家から縦走すると9時間30分ほどのロングコースにはなるものの陽の長いこの時期なら歩けない距離ではなさそうなので、旧三国スキー場跡からの往復をやめ、縦走コースにすることにした。
6月2日(木)霧時々小雨 強風
車へ戻る手段としてデポする自転車を三国トンネル湯沢口から旧三国スキー場跡に変更して平標山登山口へと向かった。関東地方は雲一つない快晴だったのに、平標登山口駐車場に着いた頃には雨がぱらつくあいにくの天気になっていた。
雨はほとんどやんではいるが、またいつ降ってくるのかわからないので雨衣上下を着てのスタートとなった。時々、山がゴーゴーと唸っている。気が重いスタートだ。唯一、雨に濡れて生き生きと咲いている満開のタニウツギが塞ぎがちな気持ちを慰めてくれた。
数年前に腰の手術をして以来上り坂のスピードがめっきり落ちてしまったが、なぜかこの日は調子がいい。コースタイムを切る時間で鉄塔、松手山へと登れた。体が軽いというか、足が快調に出るのだ。先月、丹沢の熊木沢をヘロヘロになって登り、体重が一気に60キロ代に落ちたのがよかったのかも知れない。
山頂方向は厚い雲に覆われているが下界の苗場スキー場付近には陽が差している。高山植物が豊富な今日のコースだが、すでに足元にはイワカガミやマイヅルソウが顔を出している。雨に濡れた花も趣があっていいかと思い、ちょっと格好よく咲いている花を見つけては写真を撮った。
平標の山頂近くになるとシャクナゲが満開だった。ただこの豪雪地帯のシャクナゲは背が低く熊笹の中で咲いているのでなかなか写真にはならない。
途中、下山してきた小父さんの話では、風と雨で大変だったと言っていたが、平標の山頂は、雨はやんでいるものの風が強かった。気温が8度くらいで10から15メートルくらいの風が吹いているので体感温度は氷点下になっていた。雨衣の下に寒さ対策に持ってきたフリースを着込んでも指先だけは冷たかった。いくらなんでも冬用の手袋は持ってきていない。
風を避けてちょっとお腹に食べ物を流し込んでから仙ノ倉山まで行くことにした。天気は悪いが平標から仙ノ倉の間は高山植物の宝庫なのでここまで来て行かない手はない。先週登った方の記事ではハクサンイチゲやハクサンコザクラも咲いているという。
階段状に整備された歩きずらい登山道を下り始めると確かにハクサンコザクラが咲いていた。咲き始めなので色が濃い。ピンクというよりか紫に近い。しかし、写真を撮りたくてもこのか弱い花は強風にあおられ常に激しく揺れていた。
シャクナゲも今が盛りとばかりに咲き誇っている。天気がよければ山をバックにいい写真が撮れそうだが周囲の山は厚い雲の中に隠れてしまっている。
仙ノ倉山に近づくにつれ風が一層強くなってきた。うっかりすると吹き飛ばされそうだ。階段に這いつくばるようにして強風が通り過ぎるのを待つこともしばしばあった。
いつ降ったのか、木道の脇にはザラメ状の雪が残っている。新潟側から吹き付ける湿けった風は木々に霧氷を作っていた。高山植物が咲くこの時期に霧氷を見るとは驚きだ。山をなめてかかると大変なことになるのを実感する天候だ。
谷川連峰最高峰の仙ノ倉山には誰もいなかった。この山頂は天気が良い日でもいつも風が強い。展望がいいのでゆっくりしたいのに長居を許さぬ山頂だ。今日も強風が吹き荒れている。時折雲が切れて平標への稜線が顔を出すもののカメラを構える間に再び雲の中に隠れてしまう。仕方ない。お決まりの登頂記念写真を撮ったら長居は無用だ。山ノ家に行くことにしよう。
今日の山ノ家の宿泊者は私を含めて4人。髭のお父さんは山を下りているようで若夫婦が守っていた。今朝の気温は1℃だったので朝からストーブを焚いているいう。最近ご主人は草木染めにはまっているそうで、ストーブの上には茶色く煮詰めた草木染料が入った鍋が乗っていた。
ここの食事は美味しい。特にご飯がとても美味しい。美味しいお米をふっくらと上手に炊きあげているのだ。おかずも大好きな山菜の天ぷらがたっぷり付くので食が進む。食事のあとは、山口さんが若いときに行った四国88カ所お遍路の旅の話で盛り上がった。
担ぎ上げた1リットルの日本酒も同宿者と分け合いながら飲んだらあっという間に終わってしまった。小屋に残っていた日本酒をご馳走になり、さらには菊水ふなくちを追加注文してすっかり気持ちよく酔いました。楽しい山小屋のひと時でした。
6月3日(金) 快晴 午前5時 1℃
今日は昨日と打って変わって雲一つない快晴。日の出を見ようと午前4時20分ころに起きたが、今の時期、山ノ小屋から見える日の出は仙ノ倉山の右肩付近から登るため、お日様を拝むのは地平線からすっかり離れた午前5時過ぎなので、真っ赤な日の出を見ることは出来なかった。山ノ小屋から見る日の出は秋がいいようだ。
朝ご飯も美味しい。家での朝食はお代わりなどしないが、ここのご飯は美味しいのでついついお代わりをしてしまう。朝ご飯をしっかり食べると行動食は軽くて済む。
ゆっくりと朝食を済ませ、再び訪れることを約束して山ノ小屋を出発する。今日は申し分ない天気なので足取りも軽い。
この稜線にはマイズルソウが沢山咲いている。平標の松手山コースではチョボチョボしか咲いていなかったのにここはびっしり咲いているのだ。イワカガミもいやっと言うほど咲いているからすごい。写真を撮っても撮ってもきりがない。
さほど大きなアップダウンもなく大源太山の山頂に立った。谷川連峰、特に平標から仙ノ倉山の眺めがとてもいい。南側は木々が大きく育っているため展望はないが、南側の展望はここへ来るまでにしっかり見てきたので文句はない。大源太山付近は綺麗に紅葉するナナカマドやダケカンバが多いので秋の山行も魅力的だ。
大源太山の次は三国山だ。三国山の展望も捨てがたい。特に南側の白砂山から浅間山、榛名山、妙義山、赤城山、武尊山、日光連山などがずらりと見えるのだ。この日は何と富士山までが顔を出してくれた。もう満足、満足な山行です。
今日は天気がいいせいかちらほらと登山者と出会う。その登山者も三国峠を過ぎて稲包山への稜線に入るとピタリといなくなった。展望はいいけど稲包山までの稜線が長いせいか意外と人気がないようだ。まあ、人がいないほうが静かでいいのだが・・・。
小さなアップダウンを繰り返しながらたどり着いた山頂は当然誰もいなかった。谷川連峰の展望台と言われるだけあって眺めはいい。昨日から今日まで歩いてきた山並みが一望できる。当然一日中見えていた上州の山々もずらりと見えている。これはいい。
のんびり展望を楽しみながら昼食といきたいところだが、天気がよくて風もないので、昨日いなかった虫、ハエのような小さな虫がわんさか寄ってきた。汗臭い体やザックに何十という虫がたかってくるのだ。6月の谷川岳は虫がすごいとは聞いたがこれは本当にすごい。のんびり食事などしていられない。
仕方がない。なごり惜しいが一通りの展望を楽しんだので山を下りることにしよう。温泉が待っているのだ。
三国山からの下りでつまずいて膝を打ったせいか左膝が痛い。最初は下りだけだったが登り道でも痛くなった。三国スキー場跡までの下りは大したことはないのにぐっとペースが落ちてしまった。それでも前半のペースがよかったので午後3時過ぎには自転車をデポしたスキー場跡までたどり着いた。
いつもは軽い折りたたみ自転車なのだが今回は苗場から火打峠までの長い上りがあるので電動自転車を持ってきた。苗場までは快適な下りの舗装道路だが、10時間近く歩いた足にはその後の上り坂はちょっときつかった。
この夏予定している北アルプスでは、扇沢から七倉ダムまでの20劼鬚海療兎絢転車で走る予定なのだが、2泊3日の縦走を終えたあとの20劼詫渉気合いを入れていかないとちょっときつそうだ。
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