三徳山投入堂;快晴、絶景、心洗われた山行き【鳥取県東伯郡三朝町】

- GPS
- 02:43
- 距離
- 2.2km
- 登り
- 264m
- 下り
- 264m
コースタイム
- 山行
- 2:23
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 2:44
三徳山第1駐車場 1114 ― 県道からの入口 1116 ― 参道階段に途中で合流 1118 ― 皆成院 1123 ― 輪光院 1125 ― 水琴窟 1129 ― 本堂 1131 ― 登山受付事務所 1133/1140 ― 野際稲荷 1143 ― “かずら坂”標示 1149 ― 丁石「四丁」 1157 ― くさり坂下 1204 ― くさり坂上、文殊堂 1218/1223 ― 地蔵堂 1230/1233 ― 袖摺岩 1236 ― 鐘楼堂 1237/1240 ― 観音堂 1244 ― 投入堂 1248/1255 ― 観音堂 1259 ― 鐘楼堂 1302 ― 地蔵堂 1303 ― 文殊堂 1307 ― 4つのくさり下 1314 ― 野際稲荷 1334 ― 登山受付事務所 1337/1340 ― 水琴窟 1345 ― 県道からの入口 1350 ― 三徳山第1駐車場 1353
●行動時間 02:39
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(神戸の家=三徳山第一駐車場) 駐車場―三佛寺(登山口)―三徳山―登山口―駐車場 (三徳山第一駐車場=神戸の家) ●登山口へのアクセス ○三徳山第一駐車場 ➢鳥取、大阪方面から ・山陰道「浜村鹿野温泉IC」から県道32号を南下、あるいは山陰道「瑞穂法木IC」から県道233号、21号経由で紳士鹿野大橋へ。河内川を渡ったところから県道21号を西へと進行、およそ17km行くと三徳山駐車場がある。東側からだと、まず第2駐車場が現れ、次に第1駐車場が現る ➢米子方面または南から ・国道179号、県道21号で三朝町へと向かい、中心部を過ぎてさらに進むと三徳山に着く ➢駐車場〜三徳山登山へ ・複数の道がある。参道通りに階段を上る、谷川天狗堂を目指して登る、「三徳山順路」に従って登る、そのいずれからでも「三徳山受付案内所」に至る。そこでは、三佛寺境内への拝観を手続きする ・三徳山投入堂まで行く場合には、そのまま境内を進み、本堂を回り込んだところにある「登山受付事務所」を通って行く ・現時点では、最初の拝観料が400円、次の入山料が800円だった ※三徳山の重要な注意事項 ・入山するには単独行は不可。また靴など装備をチェックされ、適していないものの場合には入山を断られることもあるとのこと。運動靴レベルであれば、荒縄を巻き付けていくことを義務づけられる ・輪袈裟を借りて身につけて登らなければならない。下山時には返却する ・入山料あり。800円。入山届、下山届の記入は必須。ゲートは有人 ・入山時間は8:00〜15:00 (2025.11現在) |
| コース状況/ 危険箇所等 |
○三佛寺奥登山受付事務所〜三徳山投入堂 ・急登が続く。かずら坂では、ジャングルジムのように木の根をよじ登る。くさり坂ではロープやくさりのある巨岩の一枚フェイスを登る。そのほかにもロープ等の設置箇所がある ・途中の文殊堂や地蔵堂にも立ち寄ると絶景が楽しめるのだが、靴を脱がないといけない (2025.11現在) |
| その他周辺情報 | ●買う、食べる ・浜村鹿野温泉ICから古仏谷登山口までの間にコンビニエンスストアは複数ある ・浜村鹿野温泉ICを降りたところには道の駅があり、そこにはレストランも併設されている。また、登山口手前の鹿野町鹿野町総合支所付近にはいくつか飲食店がある ●日帰り温泉 ・鹿野温泉、浜村温泉いずれにも日帰り入浴できるところがあるようだ (いずれの記述も2025.11現在) |
写真
感想
山だけではなく、紅葉も楽しむつもりで三徳山投入堂へと向かった。
三徳山投入堂は、複数名での入山が義務づけられており、同行の士がいないことには登ることができない。米子のメンバーも検討してくれていたのだが、元気有り余る彼らにはやや食い足りないようで、今回は誘いに乗ってくれた旧友Tさんを誘っていくこととした。
旧友は、旅行も山もよく行っており、行ったことがないところを探すこともたいへんなのだが、三徳山はちょうどポケットになっていたようだ。三朝温泉には泊まったが、三徳山には行っていないとのこと。こちらとしてもちょうど良いので、三徳山投入堂を目指すこととした。
神戸でTさんと合流し、一気に三朝へ。東側から現地へ接近したため、まず第二駐車場が現れたのだが、そこそこクルマが入っている。より三佛寺に近い第1駐車場も同様で、まぁまぁの人出があるようだ。やはり紅葉時期、登山目的だけではないのであろう。
第1駐車場にクルマを止めて出発。坂道を上り、茶屋の脇をすり抜けて参道へ。参道には石段途中からの合流となる。通ってきた茶屋脇の道は近道だったようだが、そのおかげで茶屋は潤っているようにも見える。
石段を登り、次の石段へ。そこでは苔むして痩せてしまった石段の一部が最近の堅牢な石段に改められている。そして参詣受付へ。参拝料を支払うが、入山料は別途さらに奥へ進んで支払うことになる。
受付の先では道の両側に子院が並ぶ。輪光院前には縄跳びのような大きさの数珠が吊されている。「百八煩悩転生大念珠」と呼ぶようだ。近づいて手に取ってみると、輪が回りはじめ、輪の回転に合わせて数珠玉が上部の滑車からストンと落ちる。数珠玉は煩悩の数だけあるようで、それを払うために輪を回すということらしい。玉が一つまた一つと落ちる都度、澄んだ破裂音が響く。硬木を磨きあげた玉がどうしがぶつかる音は木の精がこぼれ出てくるような音で、なんだか新たかな気持ちにさせてくれる。
次の段、宝物殿の前には水琴窟が造られている。不思議なことにも、仏様に水をかけると、別の場所で水琴窟の音が響く。電気仕掛けということではなく、水がどこかを伝って流れていくようだが、そう見えないような造り込みに感心してしまう。
そこから最後の石段を上がると本堂。その右脇に回り込むと、投入堂への入山受付がある。受付は有人で、届の記入や入山料の徴収をしている。靴裏をキチンと見られるだけではなく、輪袈裟の着用やラフな服装への指導も受ける。やはり修験の道だけあって、受付も取り扱いが厳格だ。
身支度を調え出発。宿入橋を渡るとすぐさま急登が始まる。野際稲荷で上り下りが分かれる。上りの道は木の根をよじ登る道になっている。“根を登る”と言ったが、本当に手足を使ってジャングルジムのように根を登ることなどあまりない。「かずら坂」と名付けられているようだが、葛を登るのではなく、根を登る道だ。
そんな急崖を過ぎ、やや斜度は緩むが厳しい登りを進んでいく。やがて殆ど頭上のような位置に建っているお堂が見えてくる。鎖場が続くようで、渋滞気味にもなっている。“くさり坂”のようで、ここも上り下りは別ルートになっている。渋滞しているな、と会話したが、関東地方のもっと混雑する山を経験しているTさんは、この程度は渋滞とは言わないよ、と達観していた。
見ていると登山慣れのない人が多いようで、なかなか停滞が解けない。結構待った後に上部へ。途中からも背後に紅葉の絶景が望めるのが慰めだ。
登り切ったところにある文殊堂に立ち寄ってみる。靴を脱ぐ必要があるが、お堂の回り縁からの絶景が期待できる。行ってみると予想通り、周囲特に西から北にかけての大展望が広がっている。遠くには大山もはっきりと見える。今年の大山は11月3日に初冠雪しており、三鈷峰よりも標高の高いところは真っ白になっている。
岩伝いの痩せ尾根も現れ、ワイルド感が高まる。一般登山道としても険しい部類になろう。次の地蔵堂でも建物を周回し、紅葉とのコントラストを楽しみ、鐘楼では感謝の意を込めながら鐘をつき、馬の背を越えていく。
テーマパークのようにお堂が現れ、飽きが来ない。観音堂の辺りからは、絶壁下を歩くようになり、いよいよ投入堂が近づいていることをうかがわせる。
そして、観音堂の胎内くぐりを過ぎ、絶壁を回り込むと、突然に投入堂が目に入ってくる。写真で何度も見てきた異形を今まさに目の前にしている。いったいどうやってこれを造ったのであろう。平安期の技術でこれを為し得たことに驚きを覚える。
じっくりと見るほどに、平安期の施工は法力によるものなんじゃないかと思えてきた。それくらいに奇跡的な建物だ。
投入堂鑑賞からは、来た道を戻る。ところどころで上り下りが別道になっており、それに従いながら進む。くさり坂では、上りと同様に混雑が発生しており、またしてもなかなか進まない。慌てるほどではないので、絶景感傷に浸りながら時を待つ。
受付所に戻り下山届を記入して終了。
投入堂を見ての感動、水琴窟の音、大念珠の硬木の音、一つひとつが心に刻まれ、潤いを残してくれた。
今年の秋はいい秋だった。
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