丸盆岳東尾根〜黒法師岳〜バラ谷山〜蕎麦粒山〜沢口山南東尾根

- GPS
- 56:00
- 距離
- 43.3km
- 登り
- 4,237m
- 下り
- 4,435m
コースタイム
| 天候 | 1日目 晴れのちガス 2日目 晴れ 3日目 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
下山 大井川鉄道井川線 土本駅から千頭駅(210円) 寸又峡から夢の吊り橋方面に行く場合、協力金500円が必要になりました(今年から?)。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
■千頭ダムの吊り橋まで 特に問題なし。林道の水場で水汲み忘れてしまい、吊り橋の真下で寸又川本流の水を汲みました。お腹壊したら嫌なので、生水はあまり飲みませんでした。 ■丸盆岳東尾根 吊り橋は自己責任だが、ワイヤーはしっかりしており、板は踏み抜いても体は下まで落ちることはないだろう。 吊り橋を渡り終えた後の尾根まで直登はほんと辛い。山頂まで難所は無いものの、1800mから上の笹漕ぎはほんと辛い。泣きそうになる。黒山や中又山に匹敵する繁茂ぶりだが、本当にシビアな区間は短いのが幸い。 ■丸盆岳〜バラ谷山 特に問題のない区間。しかし黒法師岳はどこから登っても、どこから降りても辛い。深南では有名な山にも関わらず、登山道がこれほど融通が利かない山もなかなか無い。黒バラ平の水場は秋でもドバドバ湧いていて素晴らしい! ■バラ谷山〜三ツ合 鋸岳前後は非常に時間が掛かるし、それなりに危険な区間が非常に長く続く。地図では分からないアップダウンのオンパレードで体力も奪われる。正直ナメてたが、この区間は深南部でもトータルでは結構な難易度だと思う。 ■三ツ合〜蕎麦粒山〜沢口山 登山道で特に問題なし。マークもしっかりしている。 ■沢口山南東尾根 全体を通して7割ほどルートははっきりしている。標高1100m近辺は笹薮漕ぎがあるが、全体的にヤブはそれほどうるさくない。 標高980m付近の尾根から西に外れたのを修正するトラバースが難しい。トラバースよりもそのまま下るほうが踏み跡は明瞭である。下りすぎてしまう危険大。ちなみに下に下っても下山は出来ないだけでなく状況は悪化するだけなので十分注意(林道なし。横沢に落ちます。遭難します)。私は修正が早かったのでラッキーでした。標高980のトラバース路は斜度の割に危険ではないが、ヤブが酷いのでバランスが微妙な箇所もあり難易度は高い。 全体的にトラバースぼ箇所以外はあまり問題は無いものの、バリエーションの魅力として特にお勧めする要素は無い。面白いのは1200mより上だけ。下部は杉林ばかり。 |
| その他周辺情報 | 千頭駅そばの民宿福住館で日帰り入浴可能。600円。 看板が出ている場合のみ。先着の入浴者がいる場合は待たされる(貸し切りのみ)。 |
写真
感想
3連休は太平洋側はずっと晴れ。これは南ア深南部に行くしかないと少し前から計画していた。行きも帰りもバリエーション尾根にしたい。完全に自己満足だが、丸盆岳東尾根から入り沢口山南東尾根へ抜ける計画とした。余談だが丸盆岳東尾根の情報を探していたらまたもやカエルさんの記録がヒットしてしまい、昨年のホヤホヤの状態だったため、とても参考にさせていただきました。
■1日目 寸又峡温泉〜千頭ダム〜丸盆岳
寸又峡まで車で入ってもよかったが、帰りは土本駅予定なので、千頭に車を置いて始発のバスで寸又峡温泉まで入った。2年前は乗客私一人だったが今日は他に2人も乗ってきた。さすが3連休。
千頭ダムまではいつもの林道歩き。途中パトロールの車のおじさんと立ち話。千頭ダムの手前で最近クマが出たらしいので注意とのこと。でも結果出ないのよね。今年は異常と言うけれど、結局街に出没しているだけだと思う。山の中は極めていつも通り。
千頭ダムから先は初めて行くルート。吊り橋まで特に危険な個所はなし。水を汲み忘れたことに気づき、吊り橋の下を寸又川本流まで汲みに行った。そのまま飲めそうなくらい綺麗だ(というかこのあと少し飲んだ)。吊り橋は渡し板がボロボロだがワイヤーはしっかりしている。夢の吊り橋よりもよっぽどスリリング😂。
橋を渡ったらそのまま直登。トラバース路はトラロープが切れていて危険だとのカエルさん情報。無事尾根に出たらしばらくは良い道が続く。昔は登山道だったのだろう。上部の笹薮を除けば全然使えるルートだと思う。
その笹薮。はっきり言って、黒山や黒沢山手前の中又山と同等のひどさでした。ここは北海道の日高か?と言いたくなるほどの繁茂っぷり。心が折れそうになりながらも、もうすぐ山頂、もうすぐ山頂と言い聞かせ。ヤブを抜けた時の爽快感は言い表せない。
丸盆山頂で気力切れ。ガスで何も見えないし。幸いにも丸盆岳の山頂部は安全な裸地が点在していて快適。夜は完全に晴れ渡り、流れ星も見えた。ものすごく冷え込んで、水筒の水が凍ったのにはビビった。
■2日目 丸盆岳〜黒法師岳〜バラ谷山〜鋸岳〜蕎麦粒山
今日は山犬段まで余裕で行けるだろうと思っていた。丸盆岳山頂部は深南ではかなり好きな場所。ご来光を見たり鎌薙の様子を伺ったりした。あまりにもダラダラしすぎて出発がすごく遅くなってしまった。
黒法師岳は2回目。たぶん前回2008年と同じ日だと思う。前回はうっすら雪の積もる中の登頂だったが今日はとても温かい日だ。おなじみの✖三角点も健在。展望はないが何となく去りがたい魅力的な山頂だ。
黒バラ平で水筒を満タンにしてバラ谷山に到着。最高の景色を満喫した。深南部のお手軽で良いところを聞かれたら、私は断然ここをお勧めする。いつまでもいたくなる素晴らしい場所だ。今日はここから南下。初めてのルートだ。
房小山を過ぎるまで順調だったが、鋸岳に差し掛かると足が重くなってきた。細かいアップダウンがすごく多い。時間はかかるが工程ははかどらず時間がどんどん過ぎてゆく。結局高塚山まで行けず、日没までに山犬段までもたどり着けず、蕎麦粒山で幕営になってしまった。
■3日目 蕎麦粒山〜沢口山〜土本駅
未知の沢口山南東尾根を下るので、早めに出発した。山犬段の小屋はとても立派。昨日はあと40分歩いたらここまでたどり着けたが、残念ながら無理だった。
沢口山までは整備の良いと登山道で、順調に到着。予定通り、バリエーションの南東尾根を下ることにする。軽く考えていたが、標高980mのトラバースがとても難しかった。杉の植林で作ったと思われる仕事道が、トラバース道よりよっぽどはっきりしている。どこまでも下れる仕事道だが、多分横沢川に下りた時点、もしくはその手前で急過ぎて進退窮まってゲームオーバー。川から下も道がないので下山は出来ないだろう。
標高500mほどで中電の鉄柱とまじわり、中電の方の作業道を下る。ゴールは近いが作業道は尾根から外れていまい、どこをどう間違ったのか、足元すぐ真下に車道が見える。車道に降りてしまえば、13時04分の電車に間にあうかも、と道路に向かって降りていったらトンネルの真上に出てしまった。三重の台高でやらかした失敗と全く同じことをもう一度やってしまった。しかしラッキーにも今回も抜け道があった。トンネルの脇に藪があり、ちょっと怪しかったがだましだまし下れた(ボルダリング様々)。道路に降りてホッとした。
大鐵井川線の列車時刻まであと8分。土本駅まで700mくらいか。ちょっと速足で何とか間に合った。それにしても土本駅。沢口山の南東尾根を使わなければ、こんな所から乗車することもなかっただろう。こういう事があるから深南部は楽しい。
無事に千頭駅まで戻ってきた。2年前に泊まった福住館で日帰り入浴をやっていた。3日間の汗をすぐに流せて良かった。
−−−
丸盆岳東尾根も沢口山南東尾根も、なかなかに難易度の高いバリエーションでした。こうやって考えた冒険を適度に受け入れてくれる度量のある南ア深南部を私はこよなく愛しております。長年歩き続けてアイデアのストックもなくなってきましたが、暇を見て地図を眺め、次のアイデアが湧くのを待ちたいと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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triglav
















今年の春の深南部山行の候補でしたが、去年のカエルさんのレコで、トラロープが切れて直登、と吊り橋が怖そうで萎えてしまいました。本当に数年したらもう渡れなくなりそうですね。後悔しないよういっておかなければならないかな。。
寸又からのいわゆるくるりではなく、丸盆東尾根にはじまり沢口山南東尾根から下りるのがしぶいー✨いいですね!
丸盆〜鋸の笹原尾根の写真とてもきれいです😍
体力次第ですが、丸盆岳東尾根はまだまだ大丈夫です。吊り橋は板は腐るでしょうが、ワイヤーは当面大丈夫。上部の藪漕ぎは単に疲れるだけ。一番の核心は吊り橋渡った後の急斜面ですね。滑落の危険がなくなるまで緊張します。
沢口山の南東尾根は情報が少なくて大変でした。980mで稜線から外れるところはかなり難しかったです。
大変な箇所が多かったですがやっぱり深南は楽しいです。満喫しました。
鎌崩はまだ健在です。最近も命がけで通過している人もいます。だいぶ前ですが滑落死亡事故がありましたね。丸盆岳から様子を見下ろして来ましたが稜線はボロボロ。おそらく巻くほうが危ないと思うので、一か八かで稜線をたどることになるのでしょうか。
鎌崩の区間を除き、寸又川周回の稜線は私は完歩していますが、将来も行くつもりは無いです。
私の方はこのところ急に仕事が立て込んでしまい、ほとんど山に行けない状態でストレスが溜まってます。深南部の写真を見ると、また行きたくなります。
私の拙い記録も役立ったようで、何よりです。
吊り橋を渡ったら脇目も振らず真っすぐ進んで直登しました😂 最後の激藪も心の準備が出来ていたので、心理的には余裕がありました。記録を上げていただいたお陰で随分スムーズに進めました。ありがとうございました!
山は逃げませんし、色々企画を練るにはいい時期なのかもしれません。また面白い記録を楽しみにしています。
房小山の南、独標1725〜1572の間辺りでお話させて頂いた
「男と女二人組です」
「丸盆岳東尾根」ですぐにわかりました!笑
現地では楽しいお話色々ありがとうございました。
足を引き留めてしまい申し訳ありませんでした。
そのおかげではないですが
東尾根や下降に使用された尾根の詳細も記録で拝見させていただき
「楽しく読まさせていただきました」
マイナー12名山も9座も歩かれていて
ああ言う所でお会いする方は凄い人が多いですね
やはり「障子岳」が肝になってくるのでしょうかね…
ボルダリングも体幹強くなって役に立ちますよね!
それでは、また見かけたらよろしくお願いいたします。
RaVie
コメントありがとうございました。
なかなか人に会わない所でお会いしましたね。バラ谷山で素敵なキャンプをされ、翌日無事寸又峡まで到達されたようで良かったです。私はへばって山犬段まで行けませんでした。スタートが遅かった上、黒バラ平でお茶したり、明らかにのんびりしすぎました。反省です。丸盆の東尾根はまだまだ行けると思いますので、ご興味あれば😂
マイナー名山はヤマレコに残してないですがネコブ山も登っているのであとは黒部別山と障子岳の2つです。10座単独で登りましたが、おっしゃるように障子岳は1人では絶対に無理なので、最難関です。屋久島は遠いですしね…
ボルダリング始めてから重いものも安定して担げるようになりました。今後も続けていきたいと思います。
またどこかの山でお会いしましょう!
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