重太郎新道で前穂高岳から奥穂高岳へ
- GPS
- 16:36
- 距離
- 28.7km
- 登り
- 2,260m
- 下り
- 2,324m
コースタイム
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:12
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 7:22
天候 | 1日目:曇りのち晴れ,2日目:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:上高地からバスと電車で松本へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な場所はなかったが,元々ヘルメット等の装備は必須であり,鎖場やハシゴが多くあるコース |
その他周辺情報 | 穂高岳山荘に宿泊。人は多かったが,一つの布団に一人ずつ寝れたので,問題はなかった。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
シェラフ
ヘルメット
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感想
2016年9月9日と10日の一泊二日で,北アルプスの奥穂高岳に行ってきた。ルートは上高地から岳沢,重太新道,吊尾根で奥穂高岳に向かい,穂高岳山荘に泊まった。途中,紀美子平から前穂高岳を往復した。二日目はザイテングラートで涸沢に下り,横尾,徳沢経由で上高地に戻った。
上高地へは夜行バスを使った。3列シートのバスだったし,乗り換えせずに行けたので少し楽に行けたように思う。上高地には午前5時半頃に着いた。上高地は霧雨がかっていて,少し肌寒かった。バスを降りてトイレに行き,バスターミナルの屋根のあるところでパンを食べてから出発した。
岳沢へは河童橋を渡り,梓川北側の自然探勝路を行く。途中木道を歩き,ちょっとだけ上高地の観光をしながら行く感じだった。自然探勝路を少し行くと標識があり,岳沢は左に登っていく。登り始めは苔むした樹林帯を行く。やがて徐々に高度を上げて行く。この辺りで,一度岳沢ルートはやめようか,と逡巡してしまった。天気予報では当日は天候が良くなるということだったが,樹林帯の中を歩いている時に少し雨が降っていて,重太郎新道で岩が濡れていると怖いなぁ,と思ったからだった。しかし,少し後から歩いてきた大阪から来たという女性が「晴れる予報だから大丈夫でしょう」という言葉に押されてそのまま岳沢を登ることにした。岳沢のルートは,高度を上げると一瞬ガレた斜面を登るが,すぐ普通の登山道に戻る。そして今度はガレた斜面を渡るとすぐに岳沢小屋にたどり着いた。岳沢小屋ではトイレに行き,水を補給した。水は1リットルで100円だった。トイレも当然チップトイレで,100円を入れておいた。
岳沢小屋を出るとガレ沢沿いにキャンプサイトがあり,その横を登っていく。ガレ沢から離れると比較的急な登りのつづら折りで高度を稼ぐ。そのうち岩をよじ登る箇所が出始める。それまで登山用のストックを使っていたが,岩場が増え始めた辺りでストックをしまっておいた。登山道は,ハシゴが登場する頃には結構な傾斜で登っていた。時々鎖場も出てきた。
そのうちカモシカの立場という場所に出た。眺めのいい場所のようだっだが,雲があって下界は見えなかった。そこは三合目と書いてあった。どうも前穂高岳までの標高を表しているみたいだった。その先も岩場をどんどん登っていった。五合目は通称岳沢パノラマというらしいが,そこも眺めが良さそうだった。しかしここでも見える下界は雲ばかりだった。
岳沢パノラマの先は森林限界を越えたようで,いかにも高山という感じになった。その辺りからやっと穂高の峰々が見えはじめた。後方遠くには乗鞍岳も見えた。登山道はガレ場も多くあった。ガレ場に木のハシゴが置いてある所はハシゴのおかげで歩きやすかった。
七合目には雷鳥広場と書いてあった。残念ながら雷鳥には会えなかった。その先少し急な斜面に鎖があった。鎖場の先にネットで見たことのある短い下り階段もあった。その先も岩場をよじ登り,鎖が続く急斜面を登って左に岩を超えると,その先に紀美子平があった。紀美子平は休憩に適した広場だったが,前穂高岳への往復の起点でもあり,多くの荷物がデポしてあった。そこで大きな荷物をデポし,アタックザックに貴重品を入れて前穂高岳に挑戦した。
前穂高岳までは,コースタイムが登り30分,下り20分ということになっている。しかし,思ったよりも急な登りだった。すぐにつけると思ったらなかなか遠かった。標高にして200mほど登った感じだった。その分山頂は気持ちよかった。さすがに頑張った甲斐があった。山頂からは穂高の山々や槍ヶ岳が見えた。しかし,槍ヶ岳はすぐに雲に隠れてしまった。常念岳か大天井岳付近も雲がかかっていた。少し低い所は雲があったので,我々が天上界にいるみたいだった。
前穂高岳から紀美子平への下りは比較的楽に下れた。紀美子平でおにぎりを食べてから次の奥穂高岳を目指した。紀美子平から奥穂高岳までは吊尾根と呼ばれるルートであり,紀美子平からはしばらくほぼ水平なトラバースルートだった。所々岩場を乗り越える場所もあったが…。左側は谷が広がっていて,道幅が狭かったので,ちょっとどきどきしながら歩いた。
そのうち分岐点と書かれた地点をすぎると,徐々に高度が上がり始めた。どうもその地点は最低コルという地点みたいだった。その後は,まあまあ急な斜面もあったが,全般にきつい登りは少なかった。最後に急な斜面や鎖場が続くなぁ,と思ったら,その先で南領の頭と言うところに出た。その先で登山道は急に傾斜が緩くなっていた。そこはもう奥穂高岳の山頂域みたいだった。奥穂高岳山頂には祠のあるピークと360°の展望図のあるピークがあった。安心して立てるのは展望図のある方だったが,一番高いのは祠の方みたいだった。山頂からはジャンダルムやそれに続く峰がよく見えた。
奥穂高岳の山頂では,他の登山者の人に頼んでたくさん写真を撮ってもらった(ここには載せてないが…)。逆に何組かの人達の記念写真も撮ってあげた。しばらく山頂付近で休憩した後,穂高岳山荘を目指して下り始めた。奥穂高岳の山頂からすぐは緩い斜面を下る。やがて徐々に傾斜がきつくなり始める。最終的に鎖場や階段を数カ所通過すると穂高岳山荘に着いた。穂高岳山荘に着いたのは14:15頃だった。朝6時頃上高地を出発して,8時間程度でたどり着いたことになる。
穂高岳山荘に着いてからは,チェックインし,その後で外でしばらく他の登山者の人たちと雑談して過ごした。そして部屋に入って荷物を置き,シャツや靴下を換えておいた。晩飯は2回目ということで,17:45からだった。それまで余りに暇だったので,小さなロビーでしばし他の登山者の人達と話をして過ごした。晩飯は塩サバ,コロッケ,などとご飯,お味噌汁だった。晩飯はあっという間に終わり,歯を磨いて午後7時頃には寝てしまった…。
早く寝たので,まだ暗い午前3時頃に目が覚めてしまった。そこでトイレに行き,そのついでに外に出てみた。すると星がとてもきれいだった。目の前の手の届きそうな所にオリオン座があった。いつもより星が大きく感じた。それだけでも来た甲斐があった。その後,部屋に戻ってもう一眠りしようとしたが,午前4時を過ぎると周りの人達がみな起き出したのでうとうとしただけになってしまった。かなりの登山者が宿で朝食を食べずに午前4時半や5時頃に出発していた。山荘で朝食を食べる人達も,早く出発するために4時半頃には起きだしていた。朝飯は午前5:15から先着順だった。ツアーの団体などは早く出発したいからと,早く並ぶので5時前には食堂に向かってずらっと並んでいた。
私は2日目は上高地に下りるだけの予定だったので,焦らずに遅らせて食べることにした。そこで天気もよかったのでせっかくということで,20分程で上がれるすぐそばの涸沢岳に登ってみた。涸沢岳は比較的簡単に登れた。山頂は3110mだったが,360°の眺望があった。すぐそこに北穂高岳,少し向こうに槍ヶ岳,東には常念岳などが見えた。遠くには,八ヶ岳連峰,南アルプス,富士山,立山連峰,後立山連峰も見えた。すごくきれいで,朝から頑張った甲斐があった。
涸沢岳から戻ると6時をまわっていて,宿は部屋も食堂もガラガラだった。あまりボーッとしていても時間がもったいない感じがしたので,さっさと食事して6時半頃には出発した。山荘を出て,すぐ目の前のザイテングラートを下り,まずは涸沢を目指した。ザイテングラートは思ったより長く急だった。もっとお気楽に下れると思ったのだが…。それでも吊尾根などに比べるとあまり難しくなく,30分ほどで取り付きまで下ることができた。ザイテングラートの下の涸沢ヒュッテまでのルートも余裕と思っていたら,これが意外と長かった。やっぱり北アルプスだねぇ。涸沢では上から見えていた涸沢ヒュッテで朝ビール,と思っていたが,気づいたら涸沢小屋に着いてしまった。涸沢ヒュッテへ直接いくルートはカールの中央付近を歩かないといけないみたいだった。でも,まぁ,大した距離じゃないので,すぐに涸沢ヒュッテに移動した。
涸沢ヒュッテでは念願の朝一生ビールにしてみた。売店には人がいなかったので,大きな声で人を呼ばないといけなかった。さすがに,快晴の涸沢カールを見ながらの朝一生ビールは美味しかった。最高だった。気持よくて,あっという間にビールはなくなってしまった。この時,コンパクトデジカメにトラブルが発生してしまった。写真を撮る前は普通に見えているのだが,シャッターを押すと画像がとてもきたなくなってしまう。色調もおかしいし,解像度も下がるし,とても見るに耐えないものになってしまった(家で調べたら内部の配線のコネクタへの接続不良だった)。仕方ないので,その後は多少画質は落ちるがスマホのカメラで撮ることにした。涸沢ヒュッテには休憩も兼ねてしばらくいたが,家に帰るにはまだまだ遠そうだったので,30分ほどで出発して上高地を目指した。
涸沢ヒュッテからは本谷橋,横尾,徳沢経由で上高地を目指した。本谷橋まではどんどん高度を下げていく,樹林帯の中の普通の山道という感じだった。当初,大きめの石がゴロゴロあったが,徐々に木の根と土の道に代わり,ちょっと急な坂を下ると本谷橋に着いた。本谷橋は幅の狭い吊橋だった。しっかりしてるように見えたが,意外と揺れて歩きにくかった。また,混んだ時のためだと思うが,沢の流れの上に小さめの橋も架けてあった。
本谷橋から横尾までは,はじめは登山道で下って行くが,徐々に道幅が広がり,岩小屋跡に着く頃には普通の未舗装林道状態になっていた。その道をたらたらと歩いて行くと,横尾大橋にたどり着いた。横尾大橋はりっぱな吊橋で,全然揺れが気にならなかった。横尾大橋の向こうには横尾山荘があり,多くの登山者が休憩していた。そこはパスして,さっさと上高地を目指して歩き始めた。横尾の次は徳沢がある。徳沢では徳澤園でソフトクリームを食べようと思っていた。しかし,横尾から徳沢までが遠かった。頑張って歩いたが,小一時間かかったような気がする。徳澤園ではソフトクリームの前に小腹がすいたので,カレーライスを食べた。いっぱい歩いた後の食事はとても美味しかった。その後,ソフトクリームも食べてから最終の上高地を目指した。
徳沢を出ると徐々に一般の観光客が増えてきた。特に明神橋のたもとの明神館から先は一般のハイキングコースなので,ラフな格好の普通の人だらけになった。土曜日で天気も良かったので,数多くの人達が思い思いに散策を楽しんでいた。そんな人達とすれ違いながら歩いていると,12時頃に小梨平キャンプ場に着いた。小梨平キャンプ場は,正午から600円でお風呂に入れるので,さっそくお風呂に入って汗を流した。お風呂は洗い場と湯船が1個の普通のお風呂だったが,丸二日分の汚れを落として,さっぱりした。
お風呂の後はまずはバスターミナルを目指した。当初,16:30発の名古屋行きのバスに乗ろうと思っていたが,あまりに時間が早かったので,バスと電車で松本に出て,そこからJRで帰ることにした。そのため,まずはバスターミナルに行って,チケットを買って整理券を手に入れたかった。バスターミナルには13時頃に着いた。2450円で松本までのチケットを買った。バスは,13:20発だと慌ただしいと思って14:05発のバスの整理券をもらった。その後,おみやげなどを見たが,あまりよさげなのが見当たらなかったので,バスターミナルに戻った。するとまだ13:20発のバスがでていなかったので,やることないし,と思って,13:20のバスに乗せてもらった。
13:20のバスに乗ると,14:25頃に新島々バスターミナルに着く。そこから14:45発の電車で松本駅まで行く。松本には15:15に着いた。一番早く乗れるワイドビューしなのの時間を見ると,15:53発の名古屋行きがあった。そこで,指定券も買える自動販売機で15:53発のしなの18号の切符を買った。それから少し時間があったので,おみやげを買い,唐揚げを買って食べた。
しなので名古屋までは2時間ほどだった。岐阜のおばちゃん3人組と同席になったので,うだうだ話をしながら名古屋に向かった。その後,名古屋の矢場とんでご飯を食べてから,帰路についた。
今回は穂高連峰の奥穂高岳に登ってみた。当初,初めてだからザイテングラートから行こうと思ったが,せっかくなので重太郎新道経由にしてみた。そのおかげで前穂高岳にも登れた。穂高岳山荘に泊まり,宿の北側の涸沢岳にも登ることができた。また,満天の星も見れたし,涸沢岳から360度の眺望もよかった。なかなか充実した北アルプスの旅だった。
今回,登山の途中で多くの方に出会い,いろんな話しをした。
初日に岳沢の登山口付近から奥穂高岳までほぼ一緒に歩き,その日中に北穂まで行き次の日に槍ヶ岳まで行かれた関西から来られた女性,紀美子平から前穂高岳,奥穂高岳とほぼおなじペースで歩かれたカメラを持たれた男性,岳沢小屋手前から2日目の涸沢ヒュッテまでほぼおなじペースで歩かれた東京からの女性ペアのお二人,岳沢パノラマ付近から2日目の上高地付近までよくお会いした黄色いシャツの男性,穂高岳山荘のテラスで話をしながらねじりおかきを頂いた男性お二人,1日前に槍ヶ岳山荘に上がられ槍ヶ岳から大キレット,北穂高岳,涸沢岳を縦走し,次の日に奥穂高岳から重太郎新道を下りると言われていた同室だった母子ペアのお二人,皆さん,楽しい時間をありがとうございました。
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