晩秋の里山アルプスを、カサコソと歩く。yoneyama氏に負けじと。  4時自然起床し、アレコレとマワシしてから出て伊吹の滝登山口到着が5時だった。  伊吹の滝よりも手前西の六所神社から縦走を始めたくてウロウロしたのだったが、駐車場が無く諦めた。ここは35年前に秋田ヤッ君と冬休みの課題として通った場所でもあった。  誰も居ないお不動さんに参ってラテルネ灯して出立、つづら折れの登山道を登高すると白山での夜間登山を思い起こしたが、こちらは夜景付きである。  各務原権現山には何度目かのことで、御嶽等の展望に優れた場所とあって何とも人臭い山である。ココの山座同定表の笠置山は恵那山の誤記ですよ〜。槍ヶ岳こそ同定できないものの、今年登って身近になった南アの北岳は確認した。四阿で日の出を待って気温四度の下白湯を飲んでいるとお二方見えて言葉を交わした。恵那山のずっと右手に日が昇った。  東海自然歩道の老洞峠@へは急降下ですぐだった。登り返した芥見権現山、ここにやっと立てた。日々目にするこの目立つ山にはこれまで何度か登ろうとしたもののソレを敢えて避けてきた。今回の縦走の流れの中で是非登ってみたい山だった。御嶽も、能郷白山も白さを増したが、噴煙は弱まったか?   縦走左手には見覚えのある墓地や団地が見下ろせる。遠からず両親を納骨する墓が中にある。縦走といっても落葉広葉樹の里山歩きである、タカノツメやドウダンツツジの黄葉紅葉を愛でつつ朝日に向かって東進するのは気持ちが良い。桐谷坂の峠Aはこれまで何度も車で通った県道を横断するが、何とも車は恐ろしい。  登り返して向山、321.8須衛を通過し、鉄塔が岩坂トンネルB上だった模様だ。ここで初めて人(女3男1)と擦れ違い、最後尾のオジさんに「坂祝までかい?」と問われた。  抜戸岩、金山、大岩展望台と越え、多賀坂Cは知らぬ間に越えて迫間山まで頑張って昼食とした。ここで独りの元気者のオバちゃんに出会った。百名山は82座登っているという愛知の方で、私の重そうな荷を見て声掛けしてくれたそうだ。芥見権現のベンチはこの方の自費自作という。例の日比野氏もご存知で、雪も沢も軽い岩登りも所属された山岳会で経験している方で「最近の登山者は山の一部分しか歩かないのよっ」と残念そう。植樹からアフリカ本の話とひとくさりされて「久しぶりにマトモな山の話が出来たわ」と満足げに立ち去って行かれた。お褒めに預かり?光栄デス。  オバサンにも言われたように、縦走もこれで先が見えてきた。と、気を抜くや途端に左膝が痛んできた。  迫間不動に裏参り、電磁波強い塔を避け抜けて、鉄塔抜けると右手に木曽川の大きな流れが光って見えた。城山の天守閣からは東にやって来た褒美で白山が遠望できた。登山口で水汲んで、コンクリート建造物を潜ってくぐって集落を抜けて辿り着いた坂祝駅には何やらジーンときてしまった。列車もドンピシャでやって来た。車窓左手に木曽川の流れを見て、蘇原駅は直だった。二四〇円也。構内で、西陽が眩しい。  一時間街を抜けて歩いて車を回収するズクは既になかった。蘇原駅で家内の迎えを待っていると、鉄塔で10:20に擦れ違った女3男1の混成パーティーがタクシーで乗り付けて1533発の下り列車(坂祝方面)にギリギリ飛び乗っていった。私と逆パターンであるが、ここではよくある風景なのだろう。  送られて戻った起点駐車場で、雪虫が舞うのを見た。もう、雪が降るのもそう先のことではなかろう。札幌では二週間以内に降ったものだったが。それまでにこの山行を成し得て満足した。  最近発刊在った「分県登山ガイド 岐阜県の山」でコース定数が38になっているように、近郊里山縦走如きでも四峠通過とあってシッカリと疲労した。標高差331m、累計標高差1555mとある。日々目にするこんな低山にも「山」が存在することを確認できたことが嬉しい。遠からず息子と歩くことは叶おうか。  さて、次は今回の山行中も見えていた養老山地に行こうと思っている。 【タイム】伊吹の滝発(510)各務原権現山(600-50)【気温4℃】老洞峠(700)芥見権現山(720-40)桐谷坂峠(830)向山(910)見晴台312m(920)須衛321.8m(930-50)鉄塔(1020)金山347.7m(1055-1100)大岩見晴台(1111)迫間山(@-1300)城山(1350)坂祝駅(1425);坂祝駅1434発、蘇原駅1450着、車迎え(1600) ※何と、同日にmakky0911と名乗るトレランの方が同ルートを走っている記録があるのをヤマレコが教えてくれた。5時出の私が危うく10時出の方に追い抜かれそうになっていた。もしや蘇原駅でお会いしたか?いやきっと家内待ちの私の横を通り抜けている。いやはや、面白い。