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エギーユ・ド・ビナオセイ(Aiugille de Bionnassay) / エギーユ ド ビナオセイ

最終更新:ベルクハイル
基本情報
標高 4052m
場所 北緯45度50分08秒, 東経06度49分06秒
カシミール3D
エギーユ・ド・ビオナセイ(Auigille de Binnaossay;4052m)は、フレンチアルプス、モンブラン山群(Mont Blanc Massif )のうちの一峰である。
モンブラン山群の主峰であるモンブラン(Mont Blanc;4807m)から西に約4kmに位置している。モンブラン山群のうち、ドーム・ド・グーテ(Dome du Gouter;4304m)からは、約2.5km西側に位置しており、ドーム・ド・グーテとの間は、ナイフリッジ状の雪稜(ビオナセイ東稜)で繋がっている。
また、モンブランから西へと続く、フランスとイタリアとの国境稜線上に位置している。

山頂部へと、白く美しい、いくつかの雪稜と雪面を伸ばしているその山容は、非常に優美、印象的であり、しばしば” "One of the most attractive satellite peaks of Mont Blanc"(意訳;「モンブランを囲む山々の中では最も魅力的なピーク」)と呼ばれる(文献2)。

エギーユ・ド・ビオナセイは東西に長い山頂部を持ち、最高地点が4052mである。そこから顕著な3つの雪稜が伸びている。一つは東稜で、前期の通りドーム・ド・グーテへとつながっており、険しいナイフリッジ状の氷雪の稜である。また南南西方向には、フランス/イタリア国境稜線ともなっている南稜が伸びており、下記の通り、一般的な登攀ルートとなっている。西には西稜が伸びている。

またエギーユ・ド・ビオナセイの北側には、ビオナセイ氷河(Glacier de Bionnassay)の源頭部が、頂上直下まで広がっている。そのため、モンブラン登頂ルートの一つ、グーテルートからは、夏でも白く美しく輝く、その気高い姿を望むことができる。
この(フランス側の)ビオナセイ氷河は、アイスクライミングの場所としても利用されている(文献2)。
南側(イタリア側)にも2本の氷河が山稜直下まで迫っているが、こちらの氷河のうち一つは、北側の氷河と同名の、ビオナセイ氷河(Glacier de Bionnassay)と呼ばれている。もう一つはドーム氷河(Glacier du Dome)である。この2つの南面の氷河は下流で合流して、ミアージュ氷河(Glacier du Miage)と呼ばれる長い氷河(ヨーロッパアルプスのイタリア側では最も長い氷河;約9km)となっている。(この項は、(文献2)に加え、スイス政府のネット地形図の記載を参照した)。

エギーユ・ド・ビオナセイの初登頂は、1865年7月に、 F. C. Grove, E.N. Buxton, R. S. McDonald, J. P. Cachat(guide), M. Payot(guide) による5人パーティにより、北西面(ビオナセイ氷河上部の氷雪の斜面)より達成された(文献1)、(文献2)。

エギーユ・ド・ビオナセイへの一般的な登攀ルートについて、(文献1)に基づいて説明する。
フランス側、シャモニーから西へ約10kmにある、サン・ジェルヴェ・レ・ヴァン(St. Gervais les Bains)という街からスタートする。そこから南へと続くモンジュワの谷(Val Montjoie)を歩き、トレス(Tesse;1050m)という集落に至る。
トレス集落から、本格的な登攀が始まる。谷沿いに急斜面をたどって、プラン グラシエ小屋(Ref. Plan Glaceir;2750m、無人)へ。この小屋は、エギーユ・ド・ビオナセイから西へと延びる岩稜(西稜)の西の端に位置する。さらに氷河や岩稜を越えて進み、岩稜上にあるデュリエール小屋(Ref. Durier;3350m)に至り一泊する。この小屋は上記の西稜の途中から分岐している岩稜(南稜)上の、コル・ド・ミアージュ(Col de Miage)と呼ばれる場所に建っている。
小屋からは、南稜(氷雪稜、一部岩稜)をたどり、エギーユ・ド・ビオナセイの山頂に至る。

トレス(Tresse)からデュリエール小屋(Ref. Durier)まで、登りで約8時間、標高差は約2250m。
デュリエール小屋(Ref. Durier)から、エギーユ・ド・ビオナセイの山頂まで、登りで約3−5時間。標高差は約700m。

ルートの難易度は、フレンチグレードで、PD。
岩稜部のピッチグレードは、最大で供I浩磴亮侈未蓮∈蚤膽佚戞〔45度。

他に(文献1)、(文献2)には、北西フェイスルート、東稜ルートなど複数の登攀ルートが書かれているが詳細は略す。


※ 本稿は、(文献1)「アルプス4000m峰登山ガイド」リヒャルト・ゲーゲテ著、島田 訳、山と渓谷社 刊 (1997)、及び ウイキペディア英語版の、" Auigille de Binnaossay " (文献2)の項を参照して記載した。

※ ウイキペディア英語版の、エギーユ・ド・ビオナセイ(Auigille de Binnaossay )の項

https://en.wikipedia.org/wiki/Aiguille_de_Bionnassay
山頂

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