2022/01/29追記
2022年1月29日のシステムメンテナンス後、ここに書いた方法で過去版の点の記を閲覧する方法は使えなくなったようです。少し様子見&試行錯誤しますが、取りあえず記載しておきます。
2022/03/13追記
どうも、ここに記載した方法は使えなくなったようです。半年ほど残しますが、いずれ削除します。残念。
2022年1月29日のシステムメンテナンス後、ここに書いた方法で過去版の点の記を閲覧する方法は使えなくなったようです。少し様子見&試行錯誤しますが、取りあえず記載しておきます。
2022/03/13追記
どうも、ここに記載した方法は使えなくなったようです。半年ほど残しますが、いずれ削除します。残念。
全国の点ノ記は、国土地理院のHomePageから「基準点成果閲覧サービス」に行き、地図から検索すれば、最新版が見れます。(要ユーザー登録)
クリックして点ノ記を表示させても、昭和・平成の点ノ記は素っ気ない物で、余り興味はそそりません。これだけではつまらない。
点ノ記のPDFが表示されているURLの中に「DataKey=TRXXXXX_YYYYMMDD」と書かれた部分があります。
1)全国の三角点には、基準点コードと言う、その三角点固有の番号があります。TRXXXXXの部分はその三角点の基準点コードです。これは「基準点成果閲覧サービス」の頁でその三角点の「基準点詳細」を表示させれば解ります。
2)サーバー上、個々の三角点の点ノ記の版数管理は、原則として、その点ノ記に書かれた最終日付で識別されているようです。YYYYMMDDの部分がそれに相当するよう。
例えば、前穂高の一等三角点「穂高岳」の最新版は2008/09/13なので、普通に表示させると、この部分は20080913が入っています。初版には、観測作業を開始した明治29年(1896)8月22日が入っていて、”20080913”を”18960822”に書き直すと初版が見れます。ちなみにウェストンの「日本アルプス」に書かれた、墜落した測量官とは、初版より明治26年8月1日に撰定の為に登った館潔彦陸地測量師と解ります。
で、版数に相当するYYYYMMDDの部分は省略可能のようです。上記「穗高岳」の場合、1800年代に書かれた点ノ記はこれしか無いようで、”20080913”を単に”18”と書き変えただけで、初版の点ノ記が見れます。ここを”19”と書き直すと、スクロールして行く事で、1900〜1999年までに書かれた点の記が総て古い順に見れます。YYYYMMDDの部分を総て省略すると、過去に書かれた総ての点の記が見れます。(但し、幾つも該当すると、表示までに少々時間がかかるようです。)
明治23年3月以前の点ノ記が最新版の場合、「基準点成果閲覧サービス」上は「点の記は保管していません」と、亡失や傾斜などの成果異常の場合は「点の記は閲覧できません」と出てリンクが張られていませんが、他点の点ノ記PDFを表示して、基準点コードまで含めて書き直せば、設置当初の点ノ記が見れます。例えば、丹沢犬越路の三等三角点「イノコイシ峠」は「点の記は保管していません」ですが、どこかの点の記を表示させ、”DataKey=TR35339109601_18”と書き直して再表示させれば、明治19年の点の記が見れます。
で、廃点になってしまった三角点ですが、地図上で場所がわかるなら、基準点コードを推定する事で表示出来る可能性ありです。基準点コードは”基準点の種別(3桁)”+”設置場所の三次メッシュコード(8桁)”+”その区劃にある基準点の通し番号(2桁)”です。
基準点の種類は、三角点なら頭は”TR”で、次は等級。一等点なら”1”、二等点なら”2”…です。三等三角点なら”TR3”となります。
3次メッシュコードは地理院地図でわかります。
・地理院地図を開いて当該場所辺りを拡大。
・右上「機能」をクリック
・「設定」をクリック
・「グリット表示」をクリック
・「地域メッシュ」をONに
これで、表示されている縮尺に応じて一次〜三次メッシュコードが表示されます。適当に拡大して8桁の三次メッシュコードが表示されるようにすればOK。
最後の通し番号は”01”から順に試して見るしかありません。約3万6千点程の一〜三等三角点で調べると、大体97%の三角点が"01"なので、大体は"01"でヒットするはずです。ちなみに最も大きくとも"05"でした。
例えば、東京では人気の奥高尾にある陣馬山。かつては三角点があったのですが、今は単なる独立標高点です。上記の方法でメッシュコードを調べ、適当な点ノ記を表示させ、”DataKey=TR35339318301_”と書き直して再表示すると平成3年の点の記が見れます(平成3年まではあったんだ!)。明治19年埋標なのにこれしか残って無いようです。(他の廃点になった三角点でも試しましたが、廃点になった場合は、サーバー上は最終版しか残していないようです。)
尚、国土地理院の引き継いだ点の記は旧陸軍参謀本部のものだけのようで、内務省系の記録は見れませんでした。例えば奥多摩雲取山の一等三角点は、明治16年に内務省によって設置されていますが、上記の方法で見れたのは明治30年代の改埋、改測時の記録で、明治十年代の記録は無いようです。高尾山や東丹沢経ヶ岳、江の島なども、明治の記録は内務省のもののみだったようで、昭和以降のものしか見れませんでした。江の島は大正14年の改埋当時のものがあると思うのですがね(関東大震災の影響で改埋されたのだと思います。その記録が見れないのはオシイ)。このような三角点は東京近郊から東海近畿までの比較的初期に測量が開始された地域の、特に冠字選点番号のない三角点に散見されます。同様に、御料局設置の三角点も、参謀本部に移ってからのものしか無いようです。
明治の測量官登頂ルートを、点の記を読み解いて、地図上であれこれ推定するのも一興でしょう。偶に思わぬ事が書かれている点の記があったりします。登った三角点峰の明治の点の記を見てみると興味深い記述があるかもしれませんよ。三等点の記載は簡素なものですが、一二等点には結構色々書かれているので、ご覧になることをお勧めします。
(2018/10/09:修正&基準点コード推定法追加)
クリックして点ノ記を表示させても、昭和・平成の点ノ記は素っ気ない物で、余り興味はそそりません。これだけではつまらない。
点ノ記のPDFが表示されているURLの中に「DataKey=TRXXXXX_YYYYMMDD」と書かれた部分があります。
1)全国の三角点には、基準点コードと言う、その三角点固有の番号があります。TRXXXXXの部分はその三角点の基準点コードです。これは「基準点成果閲覧サービス」の頁でその三角点の「基準点詳細」を表示させれば解ります。
2)サーバー上、個々の三角点の点ノ記の版数管理は、原則として、その点ノ記に書かれた最終日付で識別されているようです。YYYYMMDDの部分がそれに相当するよう。
例えば、前穂高の一等三角点「穂高岳」の最新版は2008/09/13なので、普通に表示させると、この部分は20080913が入っています。初版には、観測作業を開始した明治29年(1896)8月22日が入っていて、”20080913”を”18960822”に書き直すと初版が見れます。ちなみにウェストンの「日本アルプス」に書かれた、墜落した測量官とは、初版より明治26年8月1日に撰定の為に登った館潔彦陸地測量師と解ります。
で、版数に相当するYYYYMMDDの部分は省略可能のようです。上記「穗高岳」の場合、1800年代に書かれた点ノ記はこれしか無いようで、”20080913”を単に”18”と書き変えただけで、初版の点ノ記が見れます。ここを”19”と書き直すと、スクロールして行く事で、1900〜1999年までに書かれた点の記が総て古い順に見れます。YYYYMMDDの部分を総て省略すると、過去に書かれた総ての点の記が見れます。(但し、幾つも該当すると、表示までに少々時間がかかるようです。)
明治23年3月以前の点ノ記が最新版の場合、「基準点成果閲覧サービス」上は「点の記は保管していません」と、亡失や傾斜などの成果異常の場合は「点の記は閲覧できません」と出てリンクが張られていませんが、他点の点ノ記PDFを表示して、基準点コードまで含めて書き直せば、設置当初の点ノ記が見れます。例えば、丹沢犬越路の三等三角点「イノコイシ峠」は「点の記は保管していません」ですが、どこかの点の記を表示させ、”DataKey=TR35339109601_18”と書き直して再表示させれば、明治19年の点の記が見れます。
で、廃点になってしまった三角点ですが、地図上で場所がわかるなら、基準点コードを推定する事で表示出来る可能性ありです。基準点コードは”基準点の種別(3桁)”+”設置場所の三次メッシュコード(8桁)”+”その区劃にある基準点の通し番号(2桁)”です。
基準点の種類は、三角点なら頭は”TR”で、次は等級。一等点なら”1”、二等点なら”2”…です。三等三角点なら”TR3”となります。
3次メッシュコードは地理院地図でわかります。
・地理院地図を開いて当該場所辺りを拡大。
・右上「機能」をクリック
・「設定」をクリック
・「グリット表示」をクリック
・「地域メッシュ」をONに
これで、表示されている縮尺に応じて一次〜三次メッシュコードが表示されます。適当に拡大して8桁の三次メッシュコードが表示されるようにすればOK。
最後の通し番号は”01”から順に試して見るしかありません。約3万6千点程の一〜三等三角点で調べると、大体97%の三角点が"01"なので、大体は"01"でヒットするはずです。ちなみに最も大きくとも"05"でした。
例えば、東京では人気の奥高尾にある陣馬山。かつては三角点があったのですが、今は単なる独立標高点です。上記の方法でメッシュコードを調べ、適当な点ノ記を表示させ、”DataKey=TR35339318301_”と書き直して再表示すると平成3年の点の記が見れます(平成3年まではあったんだ!)。明治19年埋標なのにこれしか残って無いようです。(他の廃点になった三角点でも試しましたが、廃点になった場合は、サーバー上は最終版しか残していないようです。)
尚、国土地理院の引き継いだ点の記は旧陸軍参謀本部のものだけのようで、内務省系の記録は見れませんでした。例えば奥多摩雲取山の一等三角点は、明治16年に内務省によって設置されていますが、上記の方法で見れたのは明治30年代の改埋、改測時の記録で、明治十年代の記録は無いようです。高尾山や東丹沢経ヶ岳、江の島なども、明治の記録は内務省のもののみだったようで、昭和以降のものしか見れませんでした。江の島は大正14年の改埋当時のものがあると思うのですがね(関東大震災の影響で改埋されたのだと思います。その記録が見れないのはオシイ)。このような三角点は東京近郊から東海近畿までの比較的初期に測量が開始された地域の、特に冠字選点番号のない三角点に散見されます。同様に、御料局設置の三角点も、参謀本部に移ってからのものしか無いようです。
明治の測量官登頂ルートを、点の記を読み解いて、地図上であれこれ推定するのも一興でしょう。偶に思わぬ事が書かれている点の記があったりします。登った三角点峰の明治の点の記を見てみると興味深い記述があるかもしれませんよ。三等点の記載は簡素なものですが、一二等点には結構色々書かれているので、ご覧になることをお勧めします。
(2018/10/09:修正&基準点コード推定法追加)
国土地理院の基準点成果閲覧サービス入口
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貴重な情報ありがとうございます。
この方法でいくつかの点の記を閲覧することが出来ました。
地元那須に「月山」という二等三角点があるのですが
現状「傾斜」とされていて点の記が閲覧できませんでした。
(現場の標石を実見すると、傾斜などしていないように見えるのですが…笑)
二等三角点の点の記などを読むと、一篇の短編小説を味わうような趣がありますよね。
「大丸温泉から牛を使って峰の茶屋まで荷を揚げて、あのあたりで天幕を張ったのかなあ…」などと、いろいろ想像が膨らみます。
thoughtmayさんこんにちは。
ネッ、知っている山だとあれこれ色々想像しちゃうでしょ。
今から百年以上前の小さなヤマレコ。写真や地図はないし、簡素な記述なので、情報量の目安CかDしかもらえないと思いますが、百年以上の歳月はそれを吹っ飛ばしてしまいます。地図を見ながら読み解くと興味は尽きません。よくぞ残してくれたと感心しちゃいます。
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