陣馬山
- GPS
- 05:30
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 646m
- 下り
- 646m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
冬場は17時を回ると真っ暗になるので懐中電灯は必須 |
感想
(写真付き記事はこちらhttp://www.ne.jp/asahi/abyu/abe/jh1eaf/days09.html#Anchor2728185)
2009年ニューイヤーパーティー。
今年はちょっと腰を入れた移動運用を計画した。といってもそんな大袈裟な遠征を考えたのではなく、あくまで近場で、かつ飛びの良さそうなロケーションを模索してみた。
とはいえ、これまで未踏の場で好ロケーションとなると、公共交通機関を使ってすぐに運用出来るポイントはもう限られてしまっている。
大抵は自家用車か徒歩でのハイクを伴わねば辿り着く事が出来ないところばかりだ。
電車、バスでの移動運用派のアマ無線家にとってはどうしても余計な時間と体力消耗を強いられてしまう。
だがそんなことはいっていられない。無理矢理にでも身体を動かして行動する以外に方法はないのだ。
そこで今回は高尾山系の影信山、陣馬山辺りを目標に決める。
いずれも昔から移動運用のメッカと知られたポイントである。しかし、移動ポイントまでケーブルカーで行ける高尾山とは違い、徒歩で一時間以上登らねばならない場所だ。
これがネックでこれまでアタックした事がなかったのである。
正月二日、意を決して阿佐ヶ谷の自宅を午前10時過ぎに出発する。移動運用にはかなり遅い時間帯。
ハイク用の地図は用意したが、本格的な準備はせず、またもや行き当たりばったり。
天候は冬晴れで視界が良い。JR中央線から富士山がよく見える。
午前11時半過ぎ、JR高尾駅到着。
北口のバスターミナルに陣馬山、景信山行のバスが出ている(時刻表はこちら)。実は当初、景信山を目標としていたのだが、影信登山口に向う「小仏行き」のバスが11時代は1時間に一本しかなく、40分近く待たねばならない羽目に。
一方、陣馬山行きバスは5分程待てば発車するようだった。
陣馬山のほうがバス、登山行程が共に長いのだが、バスを待つ時間を含めればどっこいどっこい。
しばらく思案した挙げ句、これも天命だと思い、予定を陣馬山に変更し11時50分発の西東京バス『陣馬高原下』行きに乗り込む(終点まで片道540円)。車内はほぼ席が埋まる状態だが、大半は途中下車するであろう一般客。時間的にハイカーは僅かだ。
暫く市街地を走り抜けたバスは少しづつ山間に入っていく。高度も上がり道も狭くなっていくが道路は整備されており乗り心地は悪くない。
40分弱で終点の『陣馬高原下』バス折り返し場に到着する。この時点で乗客は6〜7人だろうか。
バスの時刻表をチェックして陣馬山山頂へと向う。ガイドではここから徒歩で1時間半とか。この時点で時刻は12時半なので到着するのは14時頃と推定。
やはり出発時間が遅かったのは痛い。
和田峠に通じる陣馬街道をひたすら歩く。
緩やかに登っていく車道だ。案内図を見たら距離にして2キロ以上ある。車を使えば和田峠に駐車しそこから徒歩20分位で山頂に至れるが公共交通機関のみだとバス停から延々徒歩で登ってこなければならない。時間にして1時間。その上体力も消耗する。
いっそバスを和田峠まで通せばよいのにと思ってしまう。最近流行のコミュニティーバスであれば不可能ではなかろう。
どうにも腑に落ちない。
それはさておき、陣馬山山頂へは和田峠を経由せずにショートカット出来る登山道もある。陣馬街道途中よりその登山道入り口がある。距離もこちらの方が短い。今回はこの登山道を利用する事にした。
植林管理の林道を流用したらしく、人工の杉林の中を尾根沿いに登っていく。
この辺りの道程は堂平山や正丸峠と似ている。
危険なところは殆どないが急坂が多く息が切れる。真冬で所々に霜柱も残っている。寒いのに汗をかくから小休止すると汗で濡れたTシャツが冷たくて体温を持っていかれてしまう。替えのシャツもタオルも持ってこなかったので焦る。
冬の山は鳥のさえずりも虫の音も何もない静寂の世界。無味乾燥で不気味でもある。爽快感が喪失している。
何より目的がハイクではないので山登りは単なる時間の無駄と苦痛でしかない。ただただ足元を見詰めつつ「早く頂上へ・・早く頂上へ・・」と念仏を唱えるごとく足を一歩一歩前に進めるだけだ。
2人位のハイカーが自分を抜いていった。午後1時半を過ぎると下山するハイカーとすれ違うようになる。
途中足が吊って座り込んでしまった。
まったくもってしんどい。そして汗で濡れたシャツが不快!
真冬に登山する趣味はないので何もかもが不愉快。悪態をつきながら無理矢理身体を運び上げている感じだった。
バス停を出て1時間半。14時過ぎにやっと頂上らしき視界が開けてきた。和田峠からの登山道と合流して、14時10分頃ようやく標高855mの陣馬山山頂へ到着した。
バス停が標高333mだから高低差520mを徒歩で踏破したのだ。
ガイドブックなどで見慣れた白馬のモニュメントがそそり立つ山頂には思ったより多くのハイカーの姿があった。
犬まで連れている人も。車だと散歩気分で来れるのだろうか?
澄み切った冬晴れで視界は良好。360度眺望の陣馬山山頂は期待通りのパノラマが広がっていた。
富士山は逆光ぎみで残念だったが都心方面の視界は抜群だ。西武ドームとさいたま大宮市街地が重なるように見えるのは興味深い。
もっとパノラマを堪能したかったのだが如何せん時間がない。急いで無線運用の準備をする。
ここは神奈川県と東京都の県境。白馬モニュメント正面向って東側が東京都八王子市、西側が神奈川県相模原市だ。
今回は八王子市側で運用することに。
ところでアマチュア無線のメッカである陣馬山だからニューイヤーパーティーとなれば「先客」さんが陣取っているのではないかと想像していたのだが無線家は誰も居らず。なんだか拍子抜けだ。時間が遅かったので撤収した後だったのだろうか?
山頂のベンチで14時20分頃から運用を開始する。
幸い風が弱い日だったので助かった。汗で濡れたシャツが冷えずに済んだ。これが寒風吹き荒れる日だったらゾッとする。
16時15分までの約1時間55分の間にQRP0.5w運用で50MHz6局(SSB1、CW5)/144MHz25局(CW25)/430MHz2局(FM2)のトータル33局とQSO。内24局がこちらのCQに応答した交信。最近は50MHzより144MHzのほうがCWはアクティブのようだ。
いずれにしろ到着が遅かったので時間が限られており好ロケーションであったのに勿体無い感じ。FMDXもじっくり確認する事が出来なかった。
16時半過ぎ、富士山をバックに沈む夕日を眺めつつ下山開始。すると徐に売店のおじさんが声を掛けてくる。
今からの下山だと途中で真っ暗になるので懐中電灯がないと危険。和田峠経由で車道沿いに下るようにと忠告を受ける。
考えてみればこの時期は17時になれば真っ暗である。あの登山道を灯り無しに下るのは確かにマトモな行為ではなかろう。
忠告通りに和田峠に向って下山。15分程で峠に到着。後は車道をバス停に向って下るだけとタカを括って歩き始めた。
しかしこの車道にも照明はない。既に周りは真っ暗闇。三日月の灯りで「木漏れ日」が出来る程の闇。
その中を時々車が走ってくる。歩道などないのでぶつけられたら大変だ。幸いバックの中に発光ダイオード付のキーホルダーがあったのでそれを頼りに道を下る。こんな小さい灯りすら明るく感じる程の闇だったのである。
バスの時間が刻々と迫るのになかなか麓のバス停に着かない。かといってこの暗闇を闇雲に走ったら危険である。
ぼうっとした月灯りの「木漏れ日」が距離感をおぼろげにさせて転びそうになのだ。
結局バス停に着いたのは17時42分。2分差でバスが出た後だった。約1時間、このバス停で次の便を待たねばならない。
これも「天命」だと諦めベンチで佇む。他に2人のハイカーが残されていた。
バスを待つ間、ハンディー機VX-3で交信を試みるが結局QSO出来たのはさいたま市の1局のみ。
18時40分。やっと「高尾駅」行のバスに乗り込み帰路に就く。
正月休みで道はがらがら。30分程で高尾駅到着。
遅い時間帯での冬期山歩きを伴う移動運用は思わぬ「危険」が潜んでいる事を教訓にしたい。
陣馬山は確かに良いロケーションではあったが徒歩での行程はかなりの体力と時間消費を覚悟しなければならない。
和田峠までバスが通ってくれる事を切に願いたい。
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