伯耆大山 ユートピアルートで「砂すべり」を体験!
- GPS
- 07:30
- 距離
- 9.0km
- 登り
- 962m
- 下り
- 945m
コースタイム
7:42国民宿舎大山ビューハイツ
8:48下宝珠越
9:14中宝珠越
10:12上宝珠越
10:56-11:26三鈷峰
11:44-53ユートピア避難小屋
11:56象ケ鼻
12:03-42ユートピア避難小屋
13:05上宝珠越
(砂すべり)
14:02-14大堰堤
14:29二俣
14:54みせん荘
天候 | 快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
砂すべりは落石が多く、通行が危険です。 また、状況も降雨や季節により変化します。 事前によく調べて安全を確認してから注意して通行してください。 |
写真
感想
たつのいこの「大山」には大山寺方面からは2つの登山ルートがある。
1つ目は先日に歩いた弥山へと登る「夏山登山道」。
それともう一つが「三鈷峰」をピークとした「ユートピアルート」だ。
このルートは、木製の階段が多い安全だが面白みに欠ける「夏山登山道」より、
変化に富んだより「登山」を感じられるルートらしい。それに、一番の魅力は「砂すべり」だ。
この「砂すべり」は山肌が崩落して小さな谷に小石や砂が10センチほど蟻地獄のように堆積しているところに
靴を半分くらい砂の中に埋もれさせながら、滑るように降りて行くと言うとっても珍しいルートがあるのである。
以前に私もTVでそのルートが紹介されているのを見て楽しそうなので
「大山」に行くならぜひ、歩いてみたいなと思っていた。
ただし、ルートは季節により変化するし、落石も多くて安全ではないルートらしい。
それで、そのルートの状況を事前に地元の観光課にメールで問い合わせると以下のような返答があった。
「砂すべりは、現在雪渓が残っています。また、春先で絶えず落石が起こって危険な状態です。あまりお勧めできません」(残念だけど、通行は無理そうだなー)
5月3日に「夏山登山道」を歩いての下山後に一縷の望みを抱いて
「砂すべり」の情報を得るために大山町観光案内に行くも
「土砂流出につき通行危険」の張り紙を見つけてしまった。
(やっぱり、無理そうだな。今回は諦めるか・・・)
それから晩の食事の際に宿泊先の「みせん荘」のご主人に「砂すべり」のことを相談してみると
「落石はありますが、注意したら行けるんじゃないですか?」との回答。
(もしかして、行けるかもしれないなー)
果たして「砂すべり」は通行できるのか?という疑問を残したまま
(行くべきか?行かざるべきか?)大山登山の2日目を迎えた。
昨日の4日の予報は天気が不安定だったので、山登りはやめて出雲大社に観光に出かけた。
歴史好きの私は「古代出雲歴史博物館」に4時間近くも滞在。お陰で出雲そばを食べ損ねてしまった。
(蕎麦屋待ちの長い行列を見て、並んで食べる意欲はなくなった。)
予報通り4日は「大山」は雨が降ったらしいが、本日は幸いなことに予報は快晴であった。
青空の中、宿泊先の「みせん荘」よりスキー場のほうから下宝珠越を目指す。
スキー場の草原はただただ、登るだけで辛い。しかもそれが終わったらルートは笹薮だった。
そんなに人が通らないルートらしい。この先ルートが消えないかなと
一抹の不安を抱きながら笹に包まれたルートを登り始めた。
登り始めて10分くらいすると後ろから足音が聞こえてきた。初老の単独の男性だった。
馴れた感じの足取りだったのでこのルートは初めてではなさそうだった。
挨拶して少し話しをするとこの先は問題なく通行できることがわかり一安心。
ついでに最大懸念の「砂すべり」のことを聞くと。
「まあ、おすすめはしないが注意したら通行できるんじゃないか」との答え。
(行ってみようかな?どうしようかな?)
その後、その方は足早にずっと先へと登って行かれて、そのうちに姿は見えなくなった。
それからしばらくして、前方より足早に下山してくる足音が聞こえて来た。
現れたのは先ほどの初老の単独の男性だった。(???)
下山してきた理由を聞くと、片側が切れ落ちた場所で絶景だったので写真を摂っていると
誤ってデジカメを落としてしまって、それが雪渓の上を滑り、
絶対に回収が不可能な場所まで落ちていってしまったとのこと。
今まで撮りためていた山の写真のデーターもそのカメラにはあって、
今はショックなのでとても山を登る気持ちにはなれずに下山してきたとのこと。
(お気の毒に・・・)
それから、肩を落とした哀愁が漂う後ろ姿を見送った。
中宝珠越を過ぎたあたりから、足元が積雪の箇所もあり、
アイゼンは使用することはないものの滑落しないように注意して歩行した。
途中でロープをつかんで登る個所もあったりで先日に歩いた「夏山登山道」と違って
ワイルドな変化に富んだコースで楽しく歩くことができた。
ゆっくり、ゆっくりで歩いていたので何組かの登山者たちに先を行ってもらった。
上宝珠越に着いたところから、大山の北壁が雄大な姿を現し始めた。
そこで、単独の男性(西脇市に住む60歳前後の方で名前はFさん)に頼まれて
デジカメを渡されてその景色をバックにした記念写真を撮る。
でも、そのカメラの特性なのか?北壁の全体が上手く収まらない。
何か申し訳ないので、「あとで上でちゃんとした写真を撮らせてください」と声をかけた。
このFさんにも「砂すべり」の話しを聞くと、このルートは初めてらしく
「自分も砂すべりは通ってみたいんですが安全に行けるかどうか心配で・・・」との答えだった。
(そうそう、私もそうなんですよ。行ってはみたいのですが・・・)
そして、Fさんは先行して登られて行った。
そこから、稜線に上がり目的のピークである三鈷峰までの道程は
大山の北壁を眺めながらの至福の時間であった。
三鈷峰では展望良く360度のパノラマの世界。
Fさんが先行してそこで休まれていたので、一緒に景色を眺めながら地図を取り出して山座同定をする。
南に雄大な北壁、そして稜線上にはこれから行く「ユートピア避難小屋」
それから先日に登った「弥山山頂」北には「弓ヶ浜」そして「日本海」までもが見渡せた。
すこし、ゆっくりしてからユートピア避難小屋まで移動する。
それから、もう少し稜線上を先に行けそうだったので、もう少しだけ歩いてみる。
多分、地図上の「象ケ鼻」と言う地点まで行ったはずだ。
相変わらず、青空をバックにした「大山」の姿は雄大で美しかった。
せっかくなので、お誘いしてユートピア避難小屋の前でFさんと一緒に昼食を食べる。
Fさんはこの「大山」にはこのGWの時期は毎年登られており、今年で15年連続での登山らしい。
でも、今回のユートピアルートは初めてとのこと。
何気なく「奥さんともたまには山に登られるんですか?」と聞くと、
Fさんは「登山だけじゃ来てくれないんで、地元のペンションに泊まったりとかの
工夫をしないと来てくれないんです。なので、とっても大変なんですよ・・・」
と大変とは言いながらも嬉しそうな表情で答えられた。
「それじゃあ、今日は下で待っておられるのですか?」と聞くと。
「妻はもう、亡くなったので・・・」で答えられた。
多分、この「大山」にも奥さんとの思い出がたくさんあるのだろう。
そして、今日もそのことを思い出しながら登っておられたのだろう・・・
次の瞬間に私の心は決まった。
そして、私の口から「よかったら、一緒に砂すべりを降りてみませんか?」と言葉が出た。
それから、20数分後に私たちは「上宝珠越」にいた。
左に降りたら「砂すべり」へと向かう。通行止めにはなってはいないが、行けるかどうかの確証はない。
「それじゃあ、行ってみましょうか!」声をかけて数分下る。やがて、目の前に「砂すべり」が見えた。
でも、そこは切り立った場所で「砂すべり」へはそこから、さらに5メートルほど
ロープを使って下に降りなければならなかった。
けっこうな高度感があって怖かったが、私が最初に降りる。
降りながらも、足元はほとんど見えず、しかも、足場がもろいので足を置くと、どんどん崩れて落石する。
落ちないように両手でしっかりとロープをつかんで、何とか下まで降りることができた。
あと、残りの2人の安全を下から確認しながら、声をかけて全員が降りるのをそこで待った。
仕方がないことだが、足場が崩れて落石が落ちてくる。
それに注意しながらも「砂すべり」の上のほうからも時折、パラパラと落石の音がする。全く、気が抜けない。
全員が降りてから改めて「砂すべり」を眺めると、全く人が通った跡がない。
しかも、TVで見たとのは違って表面は「砂」ではなく「小石」だった。
落石が怖いので一人ずつ順番に降りてみることにした。
今度も私が一番手でとりあえず行ける所まで降りてみることにした。
「砂すべり」を眺めながらも足を伸ばした瞬間に表層雪崩みたいに
滑り落ちて行くかもしれないという恐怖に駆られた・・・
でも、ここまで来たら、戻れない。行くしかないのだ。
そして、ただ、立っているだけでも足元が沈んでいく不安定な足場から、思い切って降りてみた。
小石の中に足を埋もれさせながらも、滑るように降りて行くことができた。
それも、まるで早足で下りていくようなスピードで・・・
半分ほど下ったところで、左の端によって止まった。
そして、振り返って後の人に降りてくるように合図した。
もう、一度、降りたところで「砂すべり」は終わりその下のほうは積雪が残っていた。
しかも、その上には大小の落石が・・・
こんなところでゆっくりしていたら危ない。あとは少し急ぎ足で安全なところまで下山した。
もうここまで来たら安全だろう「大堰堤」まで来たところで、満足感と安堵感とでいっぱいになった。
そして「よかったね」「何とか行けたね」「楽しかったね」「でも、怖かったね」
とお互いに感想を語り合っていた。
そして、北壁をバックにしてFさんと、記念写真を撮って、ここでお別れした。
そこから後のことはあんまり憶えていない・・・
先日歩いた「夏山登山道」よりもこの「ユートピアルート」は変化に富んだルートで楽しかった。
それに、何よりも天気がよくて展望がよかったし・・・
そして「砂すべり」も・・・とっても、充実した山行でした。
Fさん、ありがとう!また、どこかの山で会いましょう!
orisさん こんばんはー
2日目は 青空で残雪の山波が とってもきれいです。
天気次第で 感動が倍増しますよねーー いい日になったようですね。
砂すべり 面白い名前付けたものですね いろんな所があって 驚きです。
最後の そこから後のことはあんまり憶えていない ← 脱力感でいっぱいだったのかな?
相当緊張してたようですね・・・・ お疲れ様でしたー
「砂すべり」は「通行危険」の張り紙があったり、落石も上からパラパラと落ちてくるし・・・
結果的には無事に下山できましたが、自分的にはチャレンジでした。
無事に全員通過できるのか?精神的なプレッシャーがありましたよ。
なので、それ以降については、達成感と安堵感がいっぱいで印象にはないですね。
多分、弥山川も行けたら狼平以降はあまり印象には残らないでしょうね。
そろそろ、新緑の季節なので、そのうちのオファー待っています。
その日まで心の準備をしておきます。
山陰鳥取遠征第二弾。
第一弾から一変した、最高の良い天気になりましたね。
青空と山肌の残雪の白が何ともいえない、最高のコントラスト。
つい最近まで、深い雪の中を歩いていたと思ったら、
砂の中ですかッ!
楽しそう・・・。
でも危険でもあり、決行判断悩むところですね。
というのは、某キャラメルのキャッチコピーでしたっけ?
一つのお山で二つのルート、うまいこと計画しはりましたねぇ!
砂すべりって、初めて聞きました。
私が見るのは初心者用のガイド本なので、そういうレベルが高いのはでてこないんですね。
ほほぉ〜!いや、しかし怖いなぁ・・・と拝見
少しの冒険は経験値をグンと上げてくれますよね。
2日目は大山にはめずらしく好天に恵まれました。
今回は結局、アイゼンは使用しなかったのですが
念のためにザックには入れていたので、積雪があっても不安はなかったです。
「砂すべり」は上からパラパラと落石があったりのルートで、
かつ情報が少なくて安全に行けるかどうかが確認できない状況で私にしては挑戦でした。
今回は書くことがたくさんで記録の文章がとっても長文になってしまって・・・
もっとコンパクトにまとめられたらいいのですが・・・
そろそろ弥山川ですかね? NANIWANさんと調整お願いします。オファー待っています。
大山町からはこの「ユートピアルート」と一般的な登山道の「夏山登山道」があります。
「夏山登山道」は階段が多くて「千早本道」みたいなハイキングルートって感じです。
それに、弥山山頂付近は木道の上を歩く、大台ケ原みたいな感じです。
コースとしては今回のルートのほうが変化に富んで楽しかったです。
「砂すべり」はいい体験になりました。でも、山での判断としては的確だったかは反省点ですね。
結果的には無事に下山はできたのですが・・・
たまには遠征して違う山域もいいものですね。
昨年は行けなかったが今年は立山に行きたいです。天気に恵まれたらいいけど・・・
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