ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 3584762
全員に公開
ハイキング
塩見・赤石・聖

中央構造線と吊橋

2021年10月02日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
1
日帰りが可能
GPS
00:57
距離
3.3km
登り
92m
下り
92m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
1:46
休憩
0:00
合計
1:46
14:50
106
スタート地点
16:36
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
大鹿村中央構造博物館で学んでから、断層が見える程野露頭をその日に訪ね、翌日は塩見岳に登り、実際に地質を見ながらフィールドワークで復習した。

地蔵峠は当面通行止めで大鹿村から程野露頭には一度伊那谷まで出る必要がある。大鹿村から青崩峠方面へは喬木村役場から南信のトンネルを使うのがよい。
日本を貫く一本線。中央構造線。富士山に負けないインパクト
1
日本を貫く一本線。中央構造線。富士山に負けないインパクト
1日目の目的地。大鹿村中央構造博物館
3月まで学芸員を勤められていた河本様に有料解説を予約依頼し、3時間博物館で展示物を見ながら解説していただいた。
2021年10月02日 09:29撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 9:29
1日目の目的地。大鹿村中央構造博物館
3月まで学芸員を勤められていた河本様に有料解説を予約依頼し、3時間博物館で展示物を見ながら解説していただいた。
中央構造線北側露頭の実物はぎ取り
2021年10月02日 13:20撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 13:20
中央構造線北側露頭の実物はぎ取り
この一角は全て三波川変成帯の実際の石。変成岩の元になる石は玄武岩から泥岩、チャート、様々な付加体があるので色は多様
2021年10月02日 13:20撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 13:20
この一角は全て三波川変成帯の実際の石。変成岩の元になる石は玄武岩から泥岩、チャート、様々な付加体があるので色は多様
ここは塩見岳で見られる石の標本。明日登る。
2021年10月02日 13:21撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 13:21
ここは塩見岳で見られる石の標本。明日登る。
普通の砂岩には結晶片岩のような縞模様がない
2021年10月02日 13:21撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 13:21
普通の砂岩には結晶片岩のような縞模様がない
中央構造線の模型。赤色は花崗岩(領家帯)、中央構造線をはさんで岩質がまったく異なる。ただし、日本全体がプレート上の付加体。
2021年10月02日 13:21撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 13:21
中央構造線の模型。赤色は花崗岩(領家帯)、中央構造線をはさんで岩質がまったく異なる。ただし、日本全体がプレート上の付加体。
緑色岩(玄武岩由来)
石の標本。山の石と見比べるために標本写真
2021年10月02日 13:23撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 13:23
緑色岩(玄武岩由来)
石の標本。山の石と見比べるために標本写真
緑色岩
2021年10月02日 13:23撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:23
緑色岩
緑色岩。緑色岩もいろいろ
2021年10月02日 13:23撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:23
緑色岩。緑色岩もいろいろ
赤色チャート。塩見岳天狗岩付近ではっきり見られる
2021年10月02日 13:23撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:23
赤色チャート。塩見岳天狗岩付近ではっきり見られる
四万十帯の石
2021年10月02日 13:23撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:23
四万十帯の石
これも緑色岩
2021年10月02日 13:23撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:23
これも緑色岩
これも緑色岩
2021年10月02日 13:24撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:24
これも緑色岩
緑色岩。他の石を巻き込んだメランジュ
2021年10月02日 13:24撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:24
緑色岩。他の石を巻き込んだメランジュ
これも緑色岩。変性の度合いでいろいろ
2021年10月02日 13:24撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:24
これも緑色岩。変性の度合いでいろいろ
泥質片麻岩。赤くても赤色チャートとはかぎらない
2021年10月02日 13:25撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:25
泥質片麻岩。赤くても赤色チャートとはかぎらない
マイロナイト
2021年10月02日 13:25撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:25
マイロナイト
片麻岩の間に花崗岩
2021年10月02日 13:25撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 13:25
片麻岩の間に花崗岩
かんらん石。マントルの主成分
2021年10月02日 13:26撮影 by  SM-G973F, samsung
2
10/2 13:26
かんらん石。マントルの主成分
博物館の近くにかかる小渋川橋。昭和32年国指定有形文化財。と背後の大西山崩壊跡
2021年10月02日 09:08撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 9:08
博物館の近くにかかる小渋川橋。昭和32年国指定有形文化財。と背後の大西山崩壊跡
リニアトンネル小渋川抗口。先進抗が隣の抗口と開通したと最近ニュースがあった。ずりはあまり積まれていない。
2021年10月02日 08:56撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 8:56
リニアトンネル小渋川抗口。先進抗が隣の抗口と開通したと最近ニュースがあった。ずりはあまり積まれていない。
リニア工事のダンプ用の仮橋。集落の近くのダンプを減らすため
2021年10月02日 08:51撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 8:51
リニア工事のダンプ用の仮橋。集落の近くのダンプを減らすため
博物館のあとは、程野露頭と歩道橋吊橋巡り。
博物館のあとは、程野露頭と歩道橋吊橋巡り。
小渋川ダムの上流、中部電力の沈殿池に渡る吊橋
2021年10月02日 08:30撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 8:30
小渋川ダムの上流、中部電力の沈殿池に渡る吊橋
中部電力の沈殿池に渡る吊橋
2021年10月02日 08:31撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 8:31
中部電力の沈殿池に渡る吊橋
人は渡れないけど動物は通る
2021年10月02日 08:33撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 8:33
人は渡れないけど動物は通る
程野露頭へ。建設中の南信州自動車道の矢筈トンネルを出てすぐ。
2021年10月02日 14:44撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 14:44
程野露頭へ。建設中の南信州自動車道の矢筈トンネルを出てすぐ。
程野露頭入り口
2021年10月02日 14:50撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 14:50
程野露頭入り口
程野露頭。中央構造線がわかりにくい
2021年10月02日 14:51撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 14:51
程野露頭。中央構造線がわかりにくい
たぶんこの線だと思う
2021年10月02日 14:58撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 14:58
たぶんこの線だと思う
露頭の上では何かの造成工事中
2021年10月02日 15:02撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:02
露頭の上では何かの造成工事中
中宮流宮石。南アルプスから転がってきた
2021年10月02日 15:15撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:15
中宮流宮石。南アルプスから転がってきた
中宮流宮石
2021年10月02日 15:14撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:14
中宮流宮石
天竜川系の歩道の渡河は吊橋が多いが、珍しいトラス。雰囲気がいい
2021年10月02日 15:18撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:18
天竜川系の歩道の渡河は吊橋が多いが、珍しいトラス。雰囲気がいい
熊野神社。川合橋を見るために寄った。
2021年10月02日 15:29撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:29
熊野神社。川合橋を見るために寄った。
中央構造線上にはパワースポットがあり気が出るという。少なくとも訪問者を楽しませる気がいっぱい。
2021年10月02日 15:30撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:30
中央構造線上にはパワースポットがあり気が出るという。少なくとも訪問者を楽しませる気がいっぱい。
熊野神社は川合橋、川合集落への入り口でもある
2021年10月02日 15:29撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:29
熊野神社は川合橋、川合集落への入り口でもある
熊野神社
2021年10月02日 15:30撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:30
熊野神社
熊野神社
2021年10月02日 15:31撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 15:31
熊野神社
熊野神社
2021年10月02日 15:31撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 15:31
熊野神社
熊野神社
2021年10月02日 15:31撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 15:31
熊野神社
川合橋
2021年10月02日 15:32撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:32
川合橋
川合橋
2021年10月02日 15:35撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:35
川合橋
通行止めとはなっているが、集落へ便利なので使われている様子。問題なく渡った
2021年10月02日 15:36撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:36
通行止めとはなっているが、集落へ便利なので使われている様子。問題なく渡った
山体の崩落が多い地域の埋没林あと
2021年10月02日 15:43撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:43
山体の崩落が多い地域の埋没林あと
埋没林のモニュメント。渡れない
2021年10月02日 15:46撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:46
埋没林のモニュメント。渡れない
西島橋
2021年10月02日 15:58撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:58
西島橋
西島橋
2021年10月02日 15:59撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:59
西島橋
西島橋。吊橋はケーブルの長ささえ同じなら傾かない簡単な構造。傾いていると何か不具合がある
2021年10月02日 15:59撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 15:59
西島橋。吊橋はケーブルの長ささえ同じなら傾かない簡単な構造。傾いていると何か不具合がある
青崩峠。となりの兵越峠も通行止め。
2021年10月02日 16:19撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:19
青崩峠。となりの兵越峠も通行止め。
秋葉街道
2021年10月02日 16:20撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:20
秋葉街道
中央構造線上の難所。152号線の不通区間、青崩峠にトンネル工事中。トンネル抗口が見えた
2021年10月02日 16:26撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:26
中央構造線上の難所。152号線の不通区間、青崩峠にトンネル工事中。トンネル抗口が見えた
国道152号線
2021年10月02日 16:29撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:29
国道152号線
青崩の由来の緑色岩の転石
2021年10月02日 16:32撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:32
青崩の由来の緑色岩の転石
青崩峠のトンネルへ向け工事中
2021年10月02日 16:39撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:39
青崩峠のトンネルへ向け工事中
走行中に吊橋が見えたので降りてみる。小屋を通り過ぎると吊橋。個人所有のよう
2021年10月02日 16:48撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:48
走行中に吊橋が見えたので降りてみる。小屋を通り過ぎると吊橋。個人所有のよう
個人所有のようなので立ち入りは遠慮する
2021年10月02日 16:47撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:47
個人所有のようなので立ち入りは遠慮する
場所は月之島
2021年10月02日 16:49撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:49
場所は月之島
吊橋の近くのコンクリートローゼ。この地域に多い。
2021年10月02日 16:51撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:51
吊橋の近くのコンクリートローゼ。この地域に多い。
中央橋
2021年10月02日 16:58撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 16:58
中央橋
中央橋。車も渡れる。
2021年10月02日 17:01撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:01
中央橋。車も渡れる。
宮ノ前吊橋
2021年10月02日 17:05撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:05
宮ノ前吊橋
宮ノ前吊橋
2021年10月02日 17:06撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:06
宮ノ前吊橋
宮ノ前吊橋。これなら車で渡れそう
2021年10月02日 17:07撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:07
宮ノ前吊橋。これなら車で渡れそう
清水橋
2021年10月02日 17:14撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:14
清水橋
清水橋。狭いのでゆれやすい
2021年10月02日 17:14撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 17:14
清水橋。狭いのでゆれやすい
清水橋
2021年10月02日 17:16撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 17:16
清水橋
要長橋。もと飯田線の廃線跡。橋の両側にトンネルがある
2021年10月02日 17:24撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 17:24
要長橋。もと飯田線の廃線跡。橋の両側にトンネルがある
要長橋。
2021年10月02日 17:25撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 17:25
要長橋。
要長橋。耐風サグのアンカーが取れないため横に拡げる工夫
2021年10月02日 17:25撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:25
要長橋。耐風サグのアンカーが取れないため横に拡げる工夫
狭いが耐風サグがしっかりしているのでそれほど揺れない
2021年10月02日 17:26撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:26
狭いが耐風サグがしっかりしているのでそれほど揺れない
橋の向こうのトンネル
2021年10月02日 17:27撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:27
橋の向こうのトンネル
トンネルの先にもトンネルが続く
2021年10月02日 17:28撮影 by  SM-G973F, samsung
10/2 17:28
トンネルの先にもトンネルが続く
トンネルから吊橋を振り返る
2021年10月02日 17:28撮影 by  SM-G973F, samsung
1
10/2 17:28
トンネルから吊橋を振り返る
撮影機器:

感想

赤色立体地図であまりにも見事な一直線、中央構造線に惹かれて中央構造線博物館で勉強して、翌日、南アルプス塩見岳で成果を試す計画を立てた。
今年あちこちの山で得た断片的な経験と知識を、短時間の詰め込みながら、整理することができて、今年3回目の南アルプスを締めくくるにふさわしい充実した伊那谷、中央構造線初訪問になった。

中央構造線博物館での勉強メモ(未編集)

筑波山(深成岩)、富士山(新しい溶岩)、北岳、間ノ岳、茶臼岳(付加体、海洋性の変成岩)に登って石の種類が異なることに興味を持った。
中央構造線博物館のサイトの解説資料が非常に丁寧で、中央構造線とフォッサマグナが別物ということも実はこのサイトで最近知りました。
博物館の元学芸員でいらした河本様に博物館のサイトで、有料解説をお願いできると拝見して、3時間の解説を予約依頼しました。時間を取っていただけることに感謝するとともに、実際に中央構造線を理解する基本から知るにはこのくらいの時間が必要でした。それでも全然頭の中が整理できていませんが。
河本様は退官されて予約依頼があるときだけ博物館に来られるそうです。

地質の研究は技術の進化とともに新しい解釈が生まれるそうで、40年前には放散虫革命といって、放散虫を石から取りだして年代が推定できるようになって日本の地質の認識が変わった。
最近ではラジオアイソトープで新たな認識が出ようとしている。三波川帯の年代は四万十帯の年代と同じで、中間に挟まっている秩父帯を下からくぐるように挟んでしまった、秩父帯は三波川と四万十のUの字の間に乗っかっているようなイメージ、という考え方が出ているとのこと。
地質研究の世界は、案外当たり前と思っていたことが新しい研究で覆ることがあるようで、私には、この案外分かっていないということが面白い発見。

Q.中央構造線を境に地質がズレるのはわかるが、数十キロくらいなら別の場所にあった同じ成り立ちの石が接してもいいように思う。
なぜ、花崗岩と付加体がぴったり接するような状態になのかよくわからない。
Q.中央構造線(露頭で見るような)を境にきれいに地質が左右で異なるということは、中央構造線は幅を持っていない2次元の面なのか。
A.中央構造線の西側、領家変成帯側の花崗岩はマグマ由来なので高熱の場所、東側の三波川変成帯は低温高圧条件で、出来た状態がまったく異なる。
この2つが接していることが中央構造線の特異な点。
中央構造線=昔の大断層は、水平に500km動いただけではなく、垂直にも数10km動いた。
このため、違う深さにあった花崗岩(浅い)と付加体の変成岩(沈んだプレート境:深い)が接することになった。
Q.中央構造線を境に西側(北中央アルプス)に溶岩性、東側(南アルプス)に海洋性の付加体が主となるので、北中央アルプスは岩のとがった山が多く、
南アルプスは緩やかまたは侵食で削られたとがり方の山が多いというとらえ方で合っているか。
A.そうとはいえない。中央北アルプスも含め、日本全体が付加体。領家変成帯の花崗岩は、付加体にマグマが貫入した。北アルプスがとがっているのは氷河の浸食が要因の一つ。
Q.三波川変成帯の名前をよく聞く。地質の帯の中で特殊なのか。
A.三波川変成帯も付加体のある時期の帯で、変性が強い。付加体の元は、三波川変成帯の私のイメージした緑の縞の石だけではなく、あらゆる種類(泥岩、チャート、石灰岩、緑色岩)が変性したもの全てが三波川変成帯の変成岩である。
Q.中央構造線の秋葉街道の谷は断層がアクティブなころに形成されたもので、今は活動がないのでこれ以上谷が進行することはなく埋まっていく一方?
A.地面の活動としては
Q.北岳から茶臼岳周辺の石は、みな付加体で、海洋性の石なのか。見た目や色が異なる石がたくさん集まっているのが特徴に見える。層状のものもあれば塊の岩もある。
A.付加体の中には、プレートを作った玄武岩もあれば、移動してくる間に積み重なった泥岩、石灰岩、チャートもある。
Q.石に10cm以下の層がある石は海洋性の積み重なって出来た層と判断していいか。細かい膜状の重なりの場合は結晶片岩で溶岩由来?
A.(分離しやすい結晶の再編が少ないから、)変成が少ないと言えるかもしれないが、泥岩の場合もメランジュの場合もありうる。
Q.塩見岳の登山道で特徴的な石はありますか。
A.鳥倉登山口は三波川帯は過ぎて、すでに秩父帯。途中で仏像構造線を過ぎると四万十帯。秩父帯は石灰岩が多い。塩見岳の頂上付近は白チャート、赤チャート、緑色片岩などメランジュ。
塩見小屋付近に白チャート、烏帽子岩付近に赤色チャートがある。
Q.北岳と間ノ岳の間の石と、常念岳と天井岳の間の石が同じだった。泥岩のように見える。そんなことあるのか。
A.地質図naviで見ると、北アルプスでも場所によっては泥岩砂岩があるし、そもそも北アルプスも付加体なので同じ種類の石があっても不思議はない。

プレートの成り立ちと石の種類
・マントルは溶けてどろどろはしていない。高圧なので融点が高いためじわじわ動ける個体。ガラス的な性状。
・マントル、プレートは溶けていないが、マグマは溶けている。溶けている要因は石の中に閉じ込められた水がプレートで高圧の地中に引きずりこまれるのが原因。水など不純物を含む物体は融点が下がる。はんだも融点を下げる不純物合金の例。
・マントルの表面は冷やされて個体になる。比重は流紋岩、安山岩、玄武岩の順で重い。融点は流紋岩は低く、玄武岩が高い。
・マグマは海溝から100kmくらいのある帯にしか発生しない。ここが環太平洋火山帯や、日本列島の火山帯。
・プレート境界から100kmの火山列は圧力が低く温度も低いため花崗岩(流紋岩)が多い。
・フィリピン海プレートは安山岩が主体で太平洋プレートより軽い。火山は安山岩。後で調べたら、富士山は玄武岩を噴出しつづける珍しい火山。
・海嶺でわき上がってプレートになるのは玄武岩。固体の玄武岩は液体のマントルより重いので、そのうち沈んでいく。この沈み込みがプレートの移動を生み出す力で、沈む場所が海溝。
・プレートの移動は、このプレートが地中に落ちていく活動が原動力で、海嶺からわき上がるのは引っぱられたから補充するようにわき上がる付随する運動と考えられる。その証拠に昔日本の近くにあった海嶺は海溝にのみこまれてしまったものがある。
・マントルはかんらん石だが地表にはほとんど出ない。

・伊那谷断層は1万年に数mの移動をする活断層。
・中央構造線は1万年に数cmの活動の低くなった断層。仏像構造線(秩父帯と四万十帯の境目)は活断層とは見なされていない。
・中央構造線付近の地塊のうごきは、南アルプスの山塊がまるごと持ち上がるような動き。回転中心が伊那谷。伊那谷は南アルプスと高度差が出来ていくが、中央構造線の谷は地面の大きな動きとしては持ち上がっていく。

・変成岩は元の石がなんであるかに関わらず、高温または高圧で結晶化が進んだり、結晶の配列が変わった石のこと。玄武岩、砂岩泥岩、チャート、石灰なんでもあり。
・深成岩はゆっくり冷えたので結晶が大きい。火山岩は結晶になるひまがなかった石。
・メランジュは付加体がプレート境界に引きずり込まれるときに高圧にさらされて変成するときに、一種類の石ではなく、砂岩泥岩に石灰の塊が入り込んだり、多種の石が一緒に巻き込まれた石。海洋プレートの上の堆積物がはるばる海溝まで運ばれてきて、ぐちゃっと圧力が掛けられるのでメランジュも褶曲も付加体の変成岩には普通に出てくる。
・模型の塩見岳山頂はしましまでメランジュ。

Q.筑波山は同じ山に密度、組成の違う花崗岩と斑れい岩があるのはなぜか。違う場所で出来た?
A.マグマの成分はあまり広くない範囲数キロでも変わるし、同じ場所でも年代で組成が変わる。違った成分が同じ場所で出るのは普通。
・花崗岩は墓石で使うように丈夫に見えるが風化しやすい。
・筑波山、加波山のような山の頂上でも、結晶の隙間に水が浸透し、割れを作り風化するので、転がらなくても丸くなる。

火山岩と深成岩の組合せ。火山岩は急速に冷えた。深成岩はゆっくり冷えるので大きな結晶化が進んだ石。
・花崗岩(深成岩)と流紋岩(火山岩)は同じ成分。シリカ:二酸化ケイ素が多い。白くて軽い。
・閃緑岩(深成岩)と安山岩(火山岩)は同じ成分。中間
・斑れい岩(深成岩)と玄武岩(火山岩)は同じ成分。シリカが少ない。重くて黒い。プレート、緑色岩の成分。
・カンラン岩はマントル
実際にはっきり区別があるわけではなく、安山岩に近い成分の玄武岩など見た目で判定できるものではない。

地質図navi(産総研)のサイトで、地理院図に重ねて地質を見ることができる。
https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#11,35.69338,138.13699
筑波山、加波山、宝篋山で地質が異なることもわかる。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:340人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら