快晴・富士大展望の山梨百名山フィナーレ(王岳:根場いやしの里よりプチ周回コース〜下山途中に予想外のハプニング…)
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 821m
- 下り
- 803m
コースタイム
天候 | 終日ほぼ快晴(朝方やや北風強し) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・鍵掛峠コース入口はいやしの里上部(園内通過には入場料350円必要;迂回路あり) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・鍵掛峠直下、岩峰を巻く区間に一部ロープあり(岩峰上のスポットからは西湖・富士の展望絶佳;足元注意…) ・鍵掛〜王岳手前のピーク(吉沢山)までは一部細尾根、岩混じりのトラバース区間(ロープ付き)あり、足元注意 ・王岳から根場いやしの里への下山路、下部の涸れ沢を横断するポイント前後、沢筋が荒れておりルートがやや不明確な区間あり(赤テープ等マーキングを丁寧に拾って歩けば問題ナシ) |
その他周辺情報 | 精進湖畔エリアなどに温泉宿多数(我が家宿泊の山田屋ホテルでも午後から日帰り入浴可) |
写真
感想
緊急事態モードが解除され3週間余、秋の紅葉シーズン到来とともに首都圏の新規感染者も激減し、県境越え登山・ハイキングも一斉に解禁です。ここ数年間精力的に取り組んできた山梨百名山巡りもいよいよ大詰め、最後ぐらいは家族と連れ立って、と大事にキープしておいた御坂山塊・王岳へのフィナーレツアーを決行に移します。当初は前週末に計画し、祝宴開催のため温泉旅館も4名分予約していたものの、悪天で1週間延期、結果的に参加してくれた家族は、在宅講義続きで週末はヒマしている末っ子くんのみに…。それでも、夏の北アルプス山行以来久しぶりの同伴者ありのツアーにオヤジは大いに張り切り、土曜朝の下り渋滞を回避すべく、ムスコを叩き起こして朝6時前に自宅出発します。途中、事故渋滞に少し巻き込まれたものの大きな遅れなく、登山口の西湖畔・根場いやしの里駐車場に朝8時20分前到着。当初計画では鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳を経て王岳を目指すハードコースの周回を目論んでいましたが、前日の雨で雪頭ヶ岳前後の険しい登降区間が滑りやすいのでは、と推察されたため、王岳登頂を確実に完遂できるよう、鍵掛峠経由のショート周回コースに切り替え、いざ出発です。夜来の雨も上がり、富士の高嶺がキレイに雪化粧する中、雲一つない晴天で絶好のハイキング日和、我が父子のテンションも一気に上がります。
いやしの里を迂回し、登り始めは林道沿いの緩やかなコース。「熊に注意!」のカンバンや路肩の比較的新しめの掘り返し跡にビビりつつ、クマ鈴をリンリン鳴らしながらやがて山道に入ると次第に勾配が増し、峠手前では岩峰を巻き気味に登るルートに入ります。岩峰の直上で富士−西湖の大展望を楽しんだ後、鍵掛峠に出ると一旦勾配は緩み、途中の小ピーク・鍵掛を挟んで、暫くは紅葉混じりの平和な尾根道が続きます。やがて樹林帯を抜け、細尾根や岩混じりのトラバース気味の区間も現れて、白妙の富士はじめ南東方向の大パノラマに励まされつつも、細かいアップダウンが続き親子揃って体力を消耗。いつしかコースタイムを大幅オーバーし、ようやく手前のピーク・吉沢山に到着。ここで小休止して体勢を立て直し、最後の登りをクリアすると、多数の先着ハイカーで大賑わいの山梨百ラスボス・王岳山頂に到着です。その山名に相応しく、遮るもののない富士に西湖・本栖湖、西方の天子山塊の彼方には駿河湾に浮かぶ大型船も望見できる素晴らしい山頂景観に、この山を最後に残しておいて良かった、としみじみ感慨に耽ります。少し気恥ずかしく思いながらも、用意した「山梨百完登」のバナーに日付を書き込み、見慣れた山梨百の標柱を入れてムスコとともに記念撮影。山頂の一角で弁当昼食を書き込みながら、留守家族にもLineで完登の報告写真+メッセージを送ります。
楽しいランチタイムを過ぎて賑やかなベテランハイカーの一団が一足先に鍵掛方面へと下山し、山頂に暫しの静寂が訪れる頃、我々も下山を開始します。あとは笹混じりの斜面を九十九折れに下り、林道からクールダウンの漫歩でツアー完了、と父子揃って油断しながら鼻歌混じりで尾根道を快調に下っていくも、この後予想外のハプニングに見舞われることに…。クマかイノシシの掘り返し跡やクリの食べかすが残る尾根道を離れ、左側の沢筋をトラバース気味に暫く下ると、近年の土石流の爪痕も生々しい涸れ沢を横断。やや不明瞭なルートを赤テープ頼りに進んでいくと、ようやく案内標識の立つ林道終点の登山口に到着し、ここで残る最後のお楽しみ、フルーツゼリーを親子で平らげます。午後の淡い木漏れ日の中、無駄話などしながら簡易舗装の路をしばし下ると、林道の屈曲点の下方、距離にして2-3百メートルのところに黒く動く大きな塊が…。当方のクマ鈴に驚いたのか、唸り声を上げて近くの林に走って逃げていく姿も見え、これはイノシシでも鹿でもなく、間違いなくツキノワグマの成獣と確信します。クマとの遭遇は初体験のムスコ君はさすがに大いにビビり、オヤジの後ろに隠れる感じで恐る恐る歩いてきますが、オヤジもクマ鈴を意識的にリンリン揺らしながら、速足で林道を進んでいきます。余りに焦り過ぎてか、この後に右の足首を強烈に捻ってしまいますが、今度は痛みを押し殺しつつ、それでも普段よりはかなり速いペースで林道をのし歩き、20分弱で程なく麓の駐車場近くに到着。後に続く数組のハイカーが心配でしたが、皆さん平和な様子で下山されていて、結局クマと接近遭遇したのは「露払い」役の我々だけだったかも…。クマ騒ぎで山梨百名山完遂の感動は少し薄れましたが、ともかくも無事にツアーは完了です。
下山後のプチ観光として、道の駅なるさわで鉱石大好きのムスコ君のため入館無料の「鉱石ミュージアム」を見学の後、この日のお宿、静かな精進湖畔の山田屋ホテルに向かいます。展望露天風呂で山の汗を流すうちに右足の強い痛みも少し和らぎ、ビールで祝杯を上げた後、盛り沢山の夕食に舌鼓を打ち、部屋に戻ると親子揃ってバタンキュー…。翌朝早く、朝風呂に入っても足の痛みがまだ残るため、予定していたパノラマ台へのショートハイクは取り止め、代わりに本栖湖の1000円札撮影ビューポイントへ。駐車場近くで山梨県の観光地図を何気なく眺めると、何と全ての山梨百名山(だけ)が地図上にくまなく描かれていて、苦労の連続だった「四天王」(鋸岳、笊ヶ岳、笹山南峰、鶏冠山)ツアーはじめ、これまでの長い長い梨百行脚の思い出が走馬灯のように蘇ります。この後、河口湖の天上山パノラマロープウェイに富士山世界遺産センターと「定番」のミーハー・プチ観光を午前中に終え、小仏渋滞にもほとんど苦しむことなく、午後3時過ぎ無事自宅に帰り着きました。
これでそれぞれに楽しかった甲斐の名山歩きもようやく一段落ですが、あとは首都圏の感染が落ち着いている間に、残り5座となった群馬や千葉エリアの関東百名山をいくつか踏破しつつ、できれば年内にも300名山ゴールのヤブ漕ぎ必須、箱根・神山にも足を延ばしたいところです。まずは王岳の土産代わり!?に持ち帰った右足捻挫の回復を待つ必要がありますが、海外変異株やブレイクスルーによる感染第6波の来襲も気がかりです…。残り少なくなった紅葉シーズン、ヤマレコユーザーの皆様も、冬眠前のクマさんにはくれぐれもご注意!?の上、安全第一にて錦秋の山歩きをお楽しみ下さい!
[2021年10月25日記]
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