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Yamareco

記録ID: 4730233
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

北海道の山旅 2022(4) カンラン岩の城塞;アポイ岳を歩く

2022年09月29日(木) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
05:14
距離
11.0km
登り
803m
下り
791m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
4:23
休憩
0:45
合計
5:08
天候 晴れ。ただし6合目以上は多少、霧がかかっていた。
過去天気図(気象庁) 2022年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
・千歳、苫小牧方面から、日高道ー>国道235号を進む。様似町の市街地を抜けた少し先の道路沿いに、「アポイ岳登山口」と書いた大きな標識があり、そこを左折して少し進むと、登山口(アポイ岳ビジターセンター)に至る。
・アポイ岳ビジターセンター付近には、無料駐車場あり。30台ほど駐車可能。
コース状況/
危険箇所等
・ルートは良く整備されていて、歩きやすい。

・なお、高山植物保護の為、登山道の両側にロープが張ってあるところが多い。ロープ外に出ないよう 要注意。

・五合目(標高 約380m)には、避難小屋がある。
その他周辺情報 登山口には、「アポイ岳ジオパーク ビジターセンター」がある。入館無料。

https://hokkaido-hidaka-kankonavi.com/database/samani/1943/
千歳から日高国道を長々と進むと、ようやく目指すアポイ岳が見えてきた。
2022年09月29日 10:26撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 10:26
千歳から日高国道を長々と進むと、ようやく目指すアポイ岳が見えてきた。
登山口は、「アポイ岳ビジターセンター」があるところ。時間も押しているし、ビジターセンターには下山後に寄ることにして、さっそく登り始めよう
2022年09月29日 16:01撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 16:01
登山口は、「アポイ岳ビジターセンター」があるところ。時間も押しているし、ビジターセンターには下山後に寄ることにして、さっそく登り始めよう
登山口からしばらくは、明るい森の中の、よく整備された道を行く
2022年09月29日 11:48撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 11:48
登山口からしばらくは、明るい森の中の、よく整備された道を行く
3合目。大きな鈴があった。クマよけかな?
2022年09月29日 15:24撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 15:24
3合目。大きな鈴があった。クマよけかな?
五合目(380m)に到着。ここには避難小屋がある。さて一休みしよう
2022年09月29日 12:12撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 12:12
五合目(380m)に到着。ここには避難小屋がある。さて一休みしよう
五合目からは、アポイ岳の山頂部が望めた。標高800m程の山と軽く見てたが、案外と山頂は遠い
2022年09月29日 12:12撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:12
五合目からは、アポイ岳の山頂部が望めた。標高800m程の山と軽く見てたが、案外と山頂は遠い
五合目付近から、逆光に輝く太平洋が見え出してきた
2022年09月29日 12:33撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:33
五合目付近から、逆光に輝く太平洋が見え出してきた
五合目より上は、カンラン岩ばかりの岩っぽい道となった。
登山道沿いのロープは、登山の補助用ではなく、植生保護、盗掘防止のために、張ってあるもの
2022年09月29日 12:47撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:47
五合目より上は、カンラン岩ばかりの岩っぽい道となった。
登山道沿いのロープは、登山の補助用ではなく、植生保護、盗掘防止のために、張ってあるもの
カンラン岩の城塞、といった感じの道が続く。
石垣のように層状になっている箇所が多かったが、これは地下で剪断力によって形成されたものかな?
2022年09月29日 13:23撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:23
カンラン岩の城塞、といった感じの道が続く。
石垣のように層状になっている箇所が多かったが、これは地下で剪断力によって形成されたものかな?
登山道沿いのカンラン岩はほとんどが、風化により赤茶色をしていたが、登山靴で磨かれたのであろうか?
一部には、エメラルドグリーンの色をした部分もあった。
2022年09月29日 12:39撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:39
登山道沿いのカンラン岩はほとんどが、風化により赤茶色をしていたが、登山靴で磨かれたのであろうか?
一部には、エメラルドグリーンの色をした部分もあった。
アポイ岳は元々、高山植物で有名な山。
だが、盗掘などで高山植物は少なくなっているようで、保護のためだろう、白い布でカバーされているものもあちこちに見かけた
2022年09月29日 13:21撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 13:21
アポイ岳は元々、高山植物で有名な山。
だが、盗掘などで高山植物は少なくなっているようで、保護のためだろう、白い布でカバーされているものもあちこちに見かけた
もう9月も末なので、高山植物の旬の時期は過ぎているが、少しは花が咲いていた。
これは白い5弁の花だが、名は知れず。ウメバチソウにちょっと似ているようでもある。
2022年09月29日 13:07撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:07
もう9月も末なので、高山植物の旬の時期は過ぎているが、少しは花が咲いていた。
これは白い5弁の花だが、名は知れず。ウメバチソウにちょっと似ているようでもある。
この黄色い花も名前は知れず。北アルプス辺りで見る、キンバイにも似ている。
2022年09月29日 13:08撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:08
この黄色い花も名前は知れず。北アルプス辺りで見る、キンバイにも似ている。
これは、なんとなくチングルマに似ている花
2022年09月29日 13:35撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:35
これは、なんとなくチングルマに似ている花
今日は少しもやっているが、時々は麓の日高海岸が望めた
2022年09月29日 12:50撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:50
今日は少しもやっているが、時々は麓の日高海岸が望めた
馬の背の岩稜帯を過ぎ、頂上へ。あいにくと頂上部はガスに包まれてきた。
この一帯は標高が低いわりに、ハイマツが多い。カンラン岩の影響による植生分布なのだろう
2022年09月29日 13:36撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:36
馬の背の岩稜帯を過ぎ、頂上へ。あいにくと頂上部はガスに包まれてきた。
この一帯は標高が低いわりに、ハイマツが多い。カンラン岩の影響による植生分布なのだろう
頂上に到着。頂上部はダケカンバが生えている。ガスもかかってしまい、期待していた太平洋の大展望がなくてちょっと残念。
2022年09月29日 14:03撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
3
9/29 14:03
頂上に到着。頂上部はダケカンバが生えている。ガスもかかってしまい、期待していた太平洋の大展望がなくてちょっと残念。
さてと、麓の「ビジターセンター」にも寄りたいので、下りは特急モードで下る
2022年09月29日 14:18撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 14:18
さてと、麓の「ビジターセンター」にも寄りたいので、下りは特急モードで下る
ハイマツの多い、馬の背 岩稜帯
2022年09月29日 14:25撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 14:25
ハイマツの多い、馬の背 岩稜帯
馬の背 岩稜帯を振り返る。名前ほどは両側が切れ落ちているわけではないが、こうやって写真で見ると、険しい高山の雰囲気がある
2022年09月29日 14:27撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 14:27
馬の背 岩稜帯を振り返る。名前ほどは両側が切れ落ちているわけではないが、こうやって写真で見ると、険しい高山の雰囲気がある
海の上までかかった低い雲の合間から、陽光が海を輝かせていた
2022年09月29日 14:46撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 14:46
海の上までかかった低い雲の合間から、陽光が海を輝かせていた
さて5合目まで戻ってきたので、小休止。振り返るといつの間にか、灰色の雲は霧散して、明るい秋空が広がって来た
2022年09月29日 15:05撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 15:05
さて5合目まで戻ってきたので、小休止。振り返るといつの間にか、灰色の雲は霧散して、明るい秋空が広がって来た
2合目あたり、なにか動くものがあり、「もしやヒグマかぁ?」と身構えたが、エゾシカだった。あまり人を恐れないのは、本州、四国の鹿と同じだな
2022年09月29日 15:45撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 15:45
2合目あたり、なにか動くものがあり、「もしやヒグマかぁ?」と身構えたが、エゾシカだった。あまり人を恐れないのは、本州、四国の鹿と同じだな
なんとか16時に登山口に到着。振り返るといつの間にか良い天気となっており、アポイ岳の山頂が望めた。
なおビジターセンターは17時が閉館なので、1時間ほど見学できた
2022年09月29日 16:00撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
9/29 16:00
なんとか16時に登山口に到着。振り返るといつの間にか良い天気となっており、アポイ岳の山頂が望めた。
なおビジターセンターは17時が閉館なので、1時間ほど見学できた
【以下は、自分メモ用の、アポイ岳カンラン岩体の岩石観察です】

・アポイ岳のカンラン岩体は、四国・東赤石のカンラン体と少し違う印象で、カンラン岩(や蛇紋岩に)特徴的な赤茶色の部分の岩の他に、黒っぽい石や、黒っぽい部分が多いのが目を引いた。

(以下の写真では、岩石表面の見た目での区別を、「赤茶色系」、「黒っぽい系」、「白っぽい系」、「グリーン系」、と略す)
2022年09月29日 13:37撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:37
【以下は、自分メモ用の、アポイ岳カンラン岩体の岩石観察です】

・アポイ岳のカンラン岩体は、四国・東赤石のカンラン体と少し違う印象で、カンラン岩(や蛇紋岩に)特徴的な赤茶色の部分の岩の他に、黒っぽい石や、黒っぽい部分が多いのが目を引いた。

(以下の写真では、岩石表面の見た目での区別を、「赤茶色系」、「黒っぽい系」、「白っぽい系」、「グリーン系」、と略す)
「黒っぽい系」の石ころのズームアップ。このような石ころを見ると、カンラン岩の元々の色合いが「黒っぽい系」であり、その一部が風化(酸化)して「赤茶色系」部分になっているようにも見える
2022年09月29日 14:54撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 14:54
「黒っぽい系」の石ころのズームアップ。このような石ころを見ると、カンラン岩の元々の色合いが「黒っぽい系」であり、その一部が風化(酸化)して「赤茶色系」部分になっているようにも見える
「赤茶色系」のマトリックスの中に、「黒っぽい系」の部分が筋状に挟み込まれているものが、あちこちで認められた。
前の写真の考察とは逆だが、こういう構造を見ると、「赤茶色系」と「黒っぽい系」は、単なる風化度合いの違いだけではなく、鉱物組成の違いを反映しているのかも知れない、と思う。
2022年09月29日 13:41撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:41
「赤茶色系」のマトリックスの中に、「黒っぽい系」の部分が筋状に挟み込まれているものが、あちこちで認められた。
前の写真の考察とは逆だが、こういう構造を見ると、「赤茶色系」と「黒っぽい系」は、単なる風化度合いの違いだけではなく、鉱物組成の違いを反映しているのかも知れない、と思う。
「グリーン系」と「黒っぽい系」が入り混じっている岩。
「黒っぽい系」部分の一部に「白っぽい系」部分があるが、「白っぽい系」部分はおそらく、蛇紋岩化した部分。
2022年09月29日 13:20撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:20
「グリーン系」と「黒っぽい系」が入り混じっている岩。
「黒っぽい系」部分の一部に「白っぽい系」部分があるが、「白っぽい系」部分はおそらく、蛇紋岩化した部分。
同様の「黒っぽい系」部分と「グリーン系」部分が入り混じっった岩のズームアップ。
「黒っぽい系」部分の中に、「グリーン系」部分があるが、「黒っぽい系」マトリックス中に、「グリーン系」の鉱物が析出したようにも見える。これも鉱物組成の違いを反映した構造なのかも知れない。
2022年09月29日 13:21撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:21
同様の「黒っぽい系」部分と「グリーン系」部分が入り混じっった岩のズームアップ。
「黒っぽい系」部分の中に、「グリーン系」部分があるが、「黒っぽい系」マトリックス中に、「グリーン系」の鉱物が析出したようにも見える。これも鉱物組成の違いを反映した構造なのかも知れない。
以下、組織構造。
この写真のように層状構造をしたものが多いのは、東赤石カンラン岩体と似ている
2022年09月29日 12:02撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:02
以下、組織構造。
この写真のように層状構造をしたものが多いのは、東赤石カンラン岩体と似ている
これも、巨岩全体が、まるで堆積岩と見まがうような、層状構造を持っていた。
2022年09月29日 13:11撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 13:11
これも、巨岩全体が、まるで堆積岩と見まがうような、層状構造を持っていた。
これは、層状というより、サイコロ状の構造を持つ岩。写真をじっくり見ると、中央部のサイコロ構造の並びかたと、左側の並び方に違いがある。
2022年09月29日 12:49撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:49
これは、層状というより、サイコロ状の構造を持つ岩。写真をじっくり見ると、中央部のサイコロ構造の並びかたと、左側の並び方に違いがある。
こちらは、まるで花崗岩のような、節理状の構造を持つ岩。
2022年09月29日 12:13撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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9/29 12:13
こちらは、まるで花崗岩のような、節理状の構造を持つ岩。

感想

【山行No. 706(4)】

・今日は、今回の「北海道の山旅」の、実質4日目。

・もともと、それほど目標の山を決めずに北海道にやってきたが、ぜひ行きたかったのは、アポイ岳。
 アポイ岳は標高は低いものの、花の名山としても有名だし、日本では珍しい、全山が「カンラン岩」という特殊な岩でできており、その点も、地質マニアの自分には、高ポイント。季節としては花の時期ではないが、岩石観察だけでも自分としては行く価値がある。

・ベースとしている千歳市からは距離もあるので、7時過ぎには出発したが、千歳市内が通勤ラッシュだったり、「日高道」の終点以降の国道が結構長くかかり、登山口には予定より遅く11時に到着。
 麓にある「ビジターセンター」も寄りたいが、それは下山後ということにし、さっそく登り始めた。

・5合目までは樹林帯のなかの、良く整備された道が続く。平日にもかかわらず登山者(下山者)が多いのは、アポイ岳が「ジオパーク」にもなっていて、それなりに名前が知られているのかな?

・避難小屋のある5合目を過ぎると、いよいよカンラン岩がゴツゴツとした岩稜帯となった。あいにくと霧が湧いてきて視界はイマイチだが、岩石の様子を観察しながら登るので、飽きることはない。

・もう登山者もいなくなった午後2時にようやく頂上に到着。だいぶ濃くなってきた灰色の雲のせいで、頂上からは、期待していた太平洋の大展望が無いのは残念。遅い昼食を急いで取り、下山にかかる。

・下りは、転げ落ちないように気を付けながらも、やや急ぎ気味で下る。
 道中良く見ると、咲き残った高山植物の花たちを、ちらほらと見かけた。
 また2合目あたりでなにか動物の気配があり、「もしやヒグマかぁ?」と少し身構えたが、大きなエゾシカだった。こちらをじっと見つめていて逃げるそぶりがないのは、だいぶ人間を恐れなくなっているようだ。これは本州や四国のニホンジカと同じだな。

・午後4時にようやく下山。振り返ると灰色の雲はすっかり無くなっており、素知らぬ顔をしたアポイ岳の山頂が突っ立っていた。
 その後「ビジターセンター」で1時間ほど見学し、千歳市への帰路についた。

・千歳市へ戻ると、もう午後8時になっていた。
 アポイ岳は憧れの山ではあったが、距離が遠くて、行きかえりも、山の上り下りも、なんだかバタバタと慌ただしかったな〜 という印象だけが強かった。

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コメント

bergheilさんこんばんは。
北海道の山旅を満喫されているようで、いいですね〜。

bergheilさんのレコによりアポイ岳の事を初めて知りました。なんと全山カンラン岩で構成されている山とは驚きです。そんな山があるのですね。

カンラン岩については出会ったこともなく知識は無いのですが、変成作用を受けたものが蛇紋岩になると書いて有りなるほどと納得しました。

蛇紋岩は鉄分を多く含むので人の足で踏まれてない箇所は酸化して茶褐色を帯びていることが多いのですが、カンラン岩も同じことが言えるようですね。

又超塩基性の地質は樹木の進出を阻み草原化する事が多いようですが、アポイ岳にはある程度の樹木が生育しているのでハイマツは高緯度による植生かもしれませんね。

私も体が動くうちに北海道の気ままな旅をしてみたいと思っています。アポイ岳も目的地の一つに加えておきたいと思います。
2022/10/7 17:31
MISBさん、
コメントありがとうございます。

カンラン岩という岩石は、元々地殻より下、上部マントルを構成している岩石です。なので地球全体から見ると大量に存在してはいるのですが、地表に現れることが少ない、という意味で、珍しい岩石と言えます。

日本列島で、カンラン岩が大きく分布している山として良く知られているのは、今回の北海道の「アポイ岳」と、四国、石鎚山地の「東赤石山」の、わずか2つの山です。
このうち「東赤石山」は、実は私が住んでいる町の裏山にあたり、何度も登っています。なので、カンラン岩との出会いは、今回の「アポイ岳」が初めて、というわけでもありません。

しかし、アポイ岳は、「ジオパーク」にも認定されているし、花の名山としても有名なので、以前から一度は訪れたい山でした。
なので花との出会いは少なかったのですが、岩石観察ができて、良かったな、と思います。

なお、カンラン岩の親戚筋にあたる蛇紋岩は、日本列島でもあちこちに分布しています。例えば、北アルプスの八方尾根、尾瀬の至仏山、東北の早池峰山など、いずれも花の名山としても有名です。
MISBさんが先日のヤマレコでレポートを上げられていた佐賀県の天山頂上部も、蛇紋岩分布域ですね。

カンラン岩と蛇紋岩は、いわば親子関係にありますが(カンラン岩が親、蛇紋岩が子)、両者とも、風化した表面は赤茶けた色合いを呈し、割れた石などの新鮮面は青黒い色を呈し、区別が難しいほどです。


まあ、岩のことはさておき、北海道の山々は、九州の山々ともまた一味違い、面白い山が多いです。
登山適期が短いことや、交通に時間、費用が掛かることが難点で、私も約15年ぶりに訪れました。
でも、観光名所も沢山あるので、今回の私のように「観光+山歩き」というプランで行かれると、良い旅になると思います。
九州からだと、福岡空港から千歳への直行便も多いと思いますし、私が住んでいる四国よりは、よほどアクセスは良いほうかと思いますよ。
2022/10/7 19:54
bergheilさん、こんばんわ。
アポイ岳、素晴らしい山ですね。

グリーン系のカンラン岩の美しさに吃驚しました。
カンラン石(olivine)でしょうか。
本当に宝石(ペリドット)のようで綺麗です。

やはり岩石は現場で確認したいです。
小生も見てみたいです。
2022/10/7 18:05
fujikitaさん
 コメントありがとうございます。

 MISBさんのコメントへの返信にも少し書きましたが、実は私が住んでいる町の裏手にそびえる「東赤石山」も、カンラン岩が頂上付近に分布している山です。
なので赤茶けた感じのカンラン岩は、見慣れているほうです。しかし、今回のような、エメラルドグリーンの色をしたカンラン岩は、このアポイ岳で初めて見ました。
デジカメ画像なので多少、色調を強調気味にしてはありますが、それにしても、きれいな色でした。岩石図鑑で見る、鉱物のカンラン石(オリビン/ Olivin)に似ていました。
2022/10/7 20:00
bergheilさんはじめまして。tadawasabiと申します。
面白い岩のレコありがとうございました。
かんらん岩といえば赤い岩とばかり思っていましたが、黒い岩や蛇紋岩なりかけの緑の岩があることを知り、大変興味深いです。北海道の山は遠いですが、なんとか訪れる機会をつくりたいと思いました。
私は京都北部の山でかんらん岩と蛇紋岩を観察しました。
【大江山の記録】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1658859.html
これからも面白いレコを楽しみにしています。
2022/10/14 0:40
tadawasabiさん 、初めまして。
コメントありがとうございます。

アポイ岳は、私が住んでいる四国からは遠すぎて、「遥かなる山」といった感じでしたが、時期的に花はそれほど見れなかったものの、地質マニアの自分としてはなかなか興味深い山で、行ったかいがありました。

ところで、京都の「大江山」、以前は、百人一首の一首のなかに、その名前がある山、というくらいの認識でした。
・・が、地質学、岩石学を勉強すると、大江山と、その近くの、福知山市の(旧)夜久野(やくの)町には、カンラン岩、蛇紋岩、斑レイ岩などが分布しており、それぞれ、「大江山オフィオライト岩体」、「夜久野オフィオライト岩体」と呼ばれていることを知りました。
いずれも、海洋プレートの断片が、日本列島の元になっている大陸プレート側にトラップされたものだ、と言います。

私自身も興味深いので、一度、大江山と夜久野地区は訪ねてみたいとおもってます。

tadawasabiさんの大江山レコも参考になりました、ありがとうございます。
2022/10/14 9:27
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