北海道の山旅 2022(4) カンラン岩の城塞;アポイ岳を歩く
- GPS
- 05:14
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 803m
- 下り
- 791m
コースタイム
- 山行
- 4:23
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 5:08
天候 | 晴れ。ただし6合目以上は多少、霧がかかっていた。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・アポイ岳ビジターセンター付近には、無料駐車場あり。30台ほど駐車可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ルートは良く整備されていて、歩きやすい。 ・なお、高山植物保護の為、登山道の両側にロープが張ってあるところが多い。ロープ外に出ないよう 要注意。 ・五合目(標高 約380m)には、避難小屋がある。 |
その他周辺情報 | 登山口には、「アポイ岳ジオパーク ビジターセンター」がある。入館無料。 https://hokkaido-hidaka-kankonavi.com/database/samani/1943/ |
写真
感想
【山行No. 706(4)】
・今日は、今回の「北海道の山旅」の、実質4日目。
・もともと、それほど目標の山を決めずに北海道にやってきたが、ぜひ行きたかったのは、アポイ岳。
アポイ岳は標高は低いものの、花の名山としても有名だし、日本では珍しい、全山が「カンラン岩」という特殊な岩でできており、その点も、地質マニアの自分には、高ポイント。季節としては花の時期ではないが、岩石観察だけでも自分としては行く価値がある。
・ベースとしている千歳市からは距離もあるので、7時過ぎには出発したが、千歳市内が通勤ラッシュだったり、「日高道」の終点以降の国道が結構長くかかり、登山口には予定より遅く11時に到着。
麓にある「ビジターセンター」も寄りたいが、それは下山後ということにし、さっそく登り始めた。
・5合目までは樹林帯のなかの、良く整備された道が続く。平日にもかかわらず登山者(下山者)が多いのは、アポイ岳が「ジオパーク」にもなっていて、それなりに名前が知られているのかな?
・避難小屋のある5合目を過ぎると、いよいよカンラン岩がゴツゴツとした岩稜帯となった。あいにくと霧が湧いてきて視界はイマイチだが、岩石の様子を観察しながら登るので、飽きることはない。
・もう登山者もいなくなった午後2時にようやく頂上に到着。だいぶ濃くなってきた灰色の雲のせいで、頂上からは、期待していた太平洋の大展望が無いのは残念。遅い昼食を急いで取り、下山にかかる。
・下りは、転げ落ちないように気を付けながらも、やや急ぎ気味で下る。
道中良く見ると、咲き残った高山植物の花たちを、ちらほらと見かけた。
また2合目あたりでなにか動物の気配があり、「もしやヒグマかぁ?」と少し身構えたが、大きなエゾシカだった。こちらをじっと見つめていて逃げるそぶりがないのは、だいぶ人間を恐れなくなっているようだ。これは本州や四国のニホンジカと同じだな。
・午後4時にようやく下山。振り返ると灰色の雲はすっかり無くなっており、素知らぬ顔をしたアポイ岳の山頂が突っ立っていた。
その後「ビジターセンター」で1時間ほど見学し、千歳市への帰路についた。
・千歳市へ戻ると、もう午後8時になっていた。
アポイ岳は憧れの山ではあったが、距離が遠くて、行きかえりも、山の上り下りも、なんだかバタバタと慌ただしかったな〜 という印象だけが強かった。
北海道の山旅を満喫されているようで、いいですね〜。
bergheilさんのレコによりアポイ岳の事を初めて知りました。なんと全山カンラン岩で構成されている山とは驚きです。そんな山があるのですね。
カンラン岩については出会ったこともなく知識は無いのですが、変成作用を受けたものが蛇紋岩になると書いて有りなるほどと納得しました。
蛇紋岩は鉄分を多く含むので人の足で踏まれてない箇所は酸化して茶褐色を帯びていることが多いのですが、カンラン岩も同じことが言えるようですね。
又超塩基性の地質は樹木の進出を阻み草原化する事が多いようですが、アポイ岳にはある程度の樹木が生育しているのでハイマツは高緯度による植生かもしれませんね。
私も体が動くうちに北海道の気ままな旅をしてみたいと思っています。アポイ岳も目的地の一つに加えておきたいと思います。
コメントありがとうございます。
カンラン岩という岩石は、元々地殻より下、上部マントルを構成している岩石です。なので地球全体から見ると大量に存在してはいるのですが、地表に現れることが少ない、という意味で、珍しい岩石と言えます。
日本列島で、カンラン岩が大きく分布している山として良く知られているのは、今回の北海道の「アポイ岳」と、四国、石鎚山地の「東赤石山」の、わずか2つの山です。
このうち「東赤石山」は、実は私が住んでいる町の裏山にあたり、何度も登っています。なので、カンラン岩との出会いは、今回の「アポイ岳」が初めて、というわけでもありません。
しかし、アポイ岳は、「ジオパーク」にも認定されているし、花の名山としても有名なので、以前から一度は訪れたい山でした。
なので花との出会いは少なかったのですが、岩石観察ができて、良かったな、と思います。
なお、カンラン岩の親戚筋にあたる蛇紋岩は、日本列島でもあちこちに分布しています。例えば、北アルプスの八方尾根、尾瀬の至仏山、東北の早池峰山など、いずれも花の名山としても有名です。
MISBさんが先日のヤマレコでレポートを上げられていた佐賀県の天山頂上部も、蛇紋岩分布域ですね。
カンラン岩と蛇紋岩は、いわば親子関係にありますが(カンラン岩が親、蛇紋岩が子)、両者とも、風化した表面は赤茶けた色合いを呈し、割れた石などの新鮮面は青黒い色を呈し、区別が難しいほどです。
まあ、岩のことはさておき、北海道の山々は、九州の山々ともまた一味違い、面白い山が多いです。
登山適期が短いことや、交通に時間、費用が掛かることが難点で、私も約15年ぶりに訪れました。
でも、観光名所も沢山あるので、今回の私のように「観光+山歩き」というプランで行かれると、良い旅になると思います。
九州からだと、福岡空港から千歳への直行便も多いと思いますし、私が住んでいる四国よりは、よほどアクセスは良いほうかと思いますよ。
アポイ岳、素晴らしい山ですね。
グリーン系のカンラン岩の美しさに吃驚しました。
カンラン石(olivine)でしょうか。
本当に宝石(ペリドット)のようで綺麗です。
やはり岩石は現場で確認したいです。
小生も見てみたいです。
コメントありがとうございます。
MISBさんのコメントへの返信にも少し書きましたが、実は私が住んでいる町の裏手にそびえる「東赤石山」も、カンラン岩が頂上付近に分布している山です。
なので赤茶けた感じのカンラン岩は、見慣れているほうです。しかし、今回のような、エメラルドグリーンの色をしたカンラン岩は、このアポイ岳で初めて見ました。
デジカメ画像なので多少、色調を強調気味にしてはありますが、それにしても、きれいな色でした。岩石図鑑で見る、鉱物のカンラン石(オリビン/ Olivin)に似ていました。
面白い岩のレコありがとうございました。
かんらん岩といえば赤い岩とばかり思っていましたが、黒い岩や蛇紋岩なりかけの緑の岩があることを知り、大変興味深いです。北海道の山は遠いですが、なんとか訪れる機会をつくりたいと思いました。
私は京都北部の山でかんらん岩と蛇紋岩を観察しました。
【大江山の記録】
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1658859.html
これからも面白いレコを楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
アポイ岳は、私が住んでいる四国からは遠すぎて、「遥かなる山」といった感じでしたが、時期的に花はそれほど見れなかったものの、地質マニアの自分としてはなかなか興味深い山で、行ったかいがありました。
ところで、京都の「大江山」、以前は、百人一首の一首のなかに、その名前がある山、というくらいの認識でした。
・・が、地質学、岩石学を勉強すると、大江山と、その近くの、福知山市の(旧)夜久野(やくの)町には、カンラン岩、蛇紋岩、斑レイ岩などが分布しており、それぞれ、「大江山オフィオライト岩体」、「夜久野オフィオライト岩体」と呼ばれていることを知りました。
いずれも、海洋プレートの断片が、日本列島の元になっている大陸プレート側にトラップされたものだ、と言います。
私自身も興味深いので、一度、大江山と夜久野地区は訪ねてみたいとおもってます。
tadawasabiさんの大江山レコも参考になりました、ありがとうございます。
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