紅葉酔いの稲包山(四万温泉からのピストン)
- GPS
- 09:07
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,382m
- 下り
- 1,367m
コースタイム
天候 | 快晴 無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
〇登山口〜尾根筋(標高1100mあたり)まで 危険個所はないが踏み跡が薄く、時に見失った。強引に尾根を登った個所もあるが、正規のルートの基本は巻いているので注意深く踏み跡を探して進んだほうがよかったと思う。下りでピストンで知った道にもかかわらず、尾根を強引に直降して苦労してしまったので。倒木も多いが簡単に通れる。刈払いの跡があり、地元の方の手は加わっている(宿の人に聞いた)が、如何せん登山者が少ないようだ。 〇尾根筋(標高1100mあたり)〜赤沢峠 ここからのルートは明確。ただし、赤沢峠の近くの巻道に2か所、崩壊しかかった個所がある。道は広いので、注意すればそう危険ではない。写真コメント参照。 〇赤沢峠〜山頂 快適な尾根道。アップダウンは少ない方だが、山頂直前はかなりの急登で高度感がある。 〇全般に岩場のない落葉広葉樹林帯。紅葉の中をあるくにはうってつけ。 |
その他周辺情報 | 前後泊・四万温泉(日向見温泉・中生館)2泊 ・内湯、露天に加え渓流沿いの野湯もある ・電子レンジや給湯のできる広い共用スペースがあり、素泊まりにも優しい |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
カメラ
熊鈴
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感想
恐らく無名の山の稲包山。情報も少なくこわごわと登ったが、なんと素晴らしい山だったことか。ちょうど標高1300m〜1400mで紅葉が真盛りで、今回の四万温泉からのルートは、この標高の尾根歩きがずっと続くので、延々と続く紅葉を満喫しました。まさに"紅葉酔い"。紅葉に囲まれ、凡てを忘れて紅葉の中に没入していました。
そして山頂での360度の大展望。自分の能力を超えていると思われた、累積標高差1300m超え、時間9時間超えの長丁場でしたが、"紅葉酔い"のお陰なんでしょう、そう疲れもなく、無事完遂することが出来ました。快晴・無風という絶好の天気のおかげでもあります。感謝感激です。
<なぜ稲包山だったか>
「山と温泉旅」の観点から、稲包山はずっと気になっていた。最初に知ったのは法師温泉・長寿館の近くの山ということ。しかしこの長寿館は高級旅館で予約もぎっしり埋まっている。でも稲包山を一旦調べてみると捨てがたく、いろいろあたってみると、近年では群馬県境稜線トレイルの山として人気のようだった。
しかし、それよりも注目したのは、次の三つの温泉を拠点とした登山ルートがあることだった。”直豌浩(さらに湯沢温泉)、猿が京温泉、四万温泉と、行ってみたい温泉ばかり。事前調査では、
”直貘Δら 登山口には苗場温泉(湯沢温泉から早朝のバスもある)。最もよく歩かれているようだが、渡渉があって増水時は渡れない場合があるらしい。
∪崑凜好ー場から 猿が京温泉から徒歩2時間半。登山口からは最短だが、「山と高原地図」(2017)には「送電線巡視路なので初心者は入り込まないこと」とあり、情報もほぼ皆無。
四万温泉から 長いルートだが、途中まで上信越自然歩道になっている。ただこの自然歩道というのも当てにならないし、情報も少ない。
調べた限りでは,ら登ってに降りるのが、最も楽しそうだが、いずれも不安が伴う。こういう場合は、ピストンがいいかなと、いずれにしても温泉に前泊することとして、宿の手配に入った。
折しも、全国旅行支援が始まったばかり。そのメリットを生かして、確保できそうなのが、唯一、四万温泉の中生館のみだった(新潟県は旅行支援を一時中断していた)。
この中生館は温泉では有名で、登山基地としてもうってつけ。これも天の配剤と即決したのだった。
これが大正解だった。
第一に、四万温泉からのルートが由緒正しい登山道であることを現地で知ったからだ。四万温泉街に、稲裏(いなつつみ)神社の里宮があり、稲裏=稲包山は四万で信仰されている身近な山であることを知った。地元では信仰のため登っているらしい。その名のとおり稲の神様。勿論、奥宮は山頂にあった。
中生館に前泊した時、中生館の若主人は、私が稲包山に登ると言うと、絶句していた。客筋にそんな人はいないのだろう。山のことを知らないのかと思ったら、一呼吸置いて、嬉しそうに、皆で藪刈りしてるんですよ、最後の急登頑張って、とニッコリ。下山後は、ーー山頂まで行けました? ーーなんとか。見事な紅葉でした。ーーそうそう言い忘れたけど、赤沢峠の手前のトラバースの道が崩れかかっているから気を付けなきゃと皆で話していたんです。ーー(今頃、遅いって)。若主人にとっては、商売から離れてあくまでも、"我が山"、"我が村の山"なんですね。なんといっても、四万の神を祀った山ですから。
第二に、四万温泉からのルートは地元で藪刈していただいているとはいえ、如何せん登山者が少ない。この日も、このルートでは誰一人とも出会わなかった。そのためだろう踏み跡は薄く、尾根にとりつくまでの巻道が大変分かりにくかった。登りでもそうだったし、ピストンで同じ道を下ってさえ分かりにくかった。縦走で初見で降りたらどうなっていたかわからない。
第三に、このルートはちょうど、紅葉が真盛りの標高1300m〜1400mの尾根道が続いていること。尾根に出てからは、ずっと延々と紅葉が続いていたのだ。
<紅葉のこと>
紅葉を満喫した一日だったが、よくよく考えてみれば、そう珍しい樹があるわけではなかった。紅葉が綺麗だったブナ、カマツカ、コミネカエデなどは関東以北の広葉落葉樹林帯(いわゆるブナ-ミズナラ林)の自然林ではふつうに見られる樹だ。
それなのに、これほどまでに感動してしまったのは、かつては普通に見られていた広葉落葉樹林帯の自然林がいかに少なくなってしまったかということなんだと思う。スギ・ヒノキの人工林になったり、伐採されたりして。
しかし、稲包山の周りの山は、同じように紅葉していたように見えた。この山域は、貴重な財産だと思う。改めて、この山域を守ってこられた、四万温泉の方々を初めとした地元の皆様に感謝したい。
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