記録ID: 649176
全員に公開
沢登り
八幡平・岩手山・秋田駒
和賀山塊 羽後朝日岳 部名垂沢(へなたれさわ)遡行
2015年05月30日(土) [日帰り]
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 07:58
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,422m
- 下り
- 1,397m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 7:55
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 7:58
10:05 駐車地
11:55 二股(左へ)
12:35 二股(左へ)
14:00 稜線(部名垂沢源頭)
14:20 羽後朝日北西JP
14:40 羽後朝日岳
15:05 羽後朝日北西JP
15:15 稜線(部名垂沢源頭)
18:00 駐車地
11:55 二股(左へ)
12:35 二股(左へ)
14:00 稜線(部名垂沢源頭)
14:20 羽後朝日北西JP
14:40 羽後朝日岳
15:05 羽後朝日北西JP
15:15 稜線(部名垂沢源頭)
18:00 駐車地
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
✿羽後朝日岳は2015年5月現在、登山道のない山である。積雪期に尾根を辿るか、無雪期に沢を詰めるしかない。「岳人」2002年4月号において全国マイナー12名山の一つに選出されている。 ✿山と渓谷社の分県登山ガイド「秋田県の山」佐々木民秀 にも一般登山者が利用できる山としてかつては紹介されていたようだが、登山道の消失により2010年の改訂版から羽後朝日岳は除外されている。 ✿秋田の山登り50 奥村清明 無明舎出版 2000年初版において部名垂沢を遡行するルートが秋田県内の山では最もハードな上級者コースとして紹介されている。 ✿ 部名垂沢は水の流量は少なめ。ゴーロ歩きが長い。はじめは幾つもの堰堤を越えていかなければならないが、左岸に明瞭なまき道が存在する。 ✿コンター1,000前後から沢幅が狭まり、いよいよ滝が連続して出現しはじめ、沢登りらしさが出てくる。通過が難しい大きな滝には虎ロープが設置されているが、それなりに劣化しているので、過度に信頼しない方が良いと思う。そういう意味において自身でロープ、ハーネス、スリング、カラビナ、確保機(ATC or 8環)を使い、懸垂下降ができる技術を習得していることがこのコースを歩く上での最低限の条件かと思う。 ✿また今時期雪渓がスノーブリッジ状になっている箇所が3箇所ほどある。中のトンネルを通過するか、または上を通過するか悩ましいだろう。 ✿稜線直下の低潅木帯で踏み跡がやや不明瞭になるが、それほど苦労することもなく出られるはずである。稜線上はハイマツやカエデの潅木帯と草付きが交互に現れる。特に低潅木帯は踏み跡を消し去ろうという勢いで道を覆いつつあるので、時にはほふく前進するような姿勢で目線を低くして踏み跡を確認した。加えて先人の残してくれた要所のピンクテープには大いに助けられた。 ✿部名垂沢登山口には遭難して未だ行方不明の方の情報を求める張り紙があった。今回の山行で僕は残念ながら手がかりを見つけられなかった。ただ一つだけ言えることは、このルートは"一般登山の範疇を超えている"ということである。地形図を精査してもエスケープルートは見い出せない。当コースを検討される方は降雨がなく視界良好、天候に恵まれた日を確実に選んでほしい。 |
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
Tシャツ
長袖インナー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
着替え
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ロープ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
ロープスリング
渓流シューズ
|
---|
感想
親父が楽天vs巨人三連戦の観戦に出かけてくれたおかげで無雪期の羽後朝日岳に登頂することができた。僕の車では部名垂沢の車止めまでたどり着くことができない。
部名垂沢はそんなに水量の豊富ではない沢。どちらかといえば、浮き石の多いゴーロ歩きに神経を使う。それから雪渓のスノーブリッヂの通過方法について考えさせられた。上をいくか、下を潜るか。続く大滝の通過。崩壊している箇所があり、既存のトラロープはあまり当てにはできない。
総合的に天気が僕に味方してくれた。稜線に出ると、険阻な沢歩きとは対照的に穏やかな草原を歩く。高山の花に見とれながら、和賀山塊の絶景を堪能する。稜線に咲くシラネアオイ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマシオガマ、イワカガミに励まされる。いつの間にか僕は羽後朝日岳の山頂に立っていた。
※YouTubeの動画、Safari経由でアップロードできなくなった。どうやらiOS8になってからダメみたい。Chromeだと嘘みたいにすんなり快適にアップロードできた!
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コメント
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尾根に沢にヤヴゥにとオールマイティーなtooleさんに脱帽です。
ニノ沢畚、いいですね。今年三角点探訪に行く予定でしたが
須金〜山猫に時間がかかり断念しました。
やはりシラネアオイに心を癒されたようですね。
この花をヤヴゥ漕ぎ中に見かけると心が和みます。
休憩しないと!自然を満喫している実感が湧く瞬間ですね
ヤヴはどちらかというと苦手ですが、稜線上は僅かな踏み跡とピンクテープに大分助けられました。
この山にかつて登山道がなかったとすれば、無雪期の日帰りはかなり厳しいでしょうね。
mountrexさんもニノ沢畚を計画されていましたか。
この山、僕は雪に埋もれて三角点などわからない状態で登頂しましたが、
山頂は広くて三角点を探すのが大変かもしれませんね。
どのようなルートを計画されているのか楽しみにしております
和賀山塊は標高こそそれほどありませんが、高山の貴重な植物を楽しめましたよ
この山域が秘境と呼ばれる所以ですね
「へなたれさわ」が「へたれさわ」に見えてしまってしかたありません
へたれな私にはぴったりなんだわ〜とか、へたれは来んなよ!!とかそんな感じですかね
色の薄いミヤマシオガマ、カワイイですね
屁垂れ、鼻垂れ、くそ垂れあまりいい響きではありませんね
実際遡行しても景色がいいとか、あまり感銘を受けない沢でしたよ。
とにかく歩きづらい沢でしたね
そういうイメージが沢の名前にも反映されているのかもしれませんね
ミヤマシオガマ、まさかこの山で見られると思いませんでしたから見つけた時は嬉しかったです
濃い色が通常ですかね
26のスノーブリッジ、トンネルを潜られたんでしょうか?
絶対行けそうにもない私には臨場感の動画、とても素晴らしかったです!(^^)!
コメントありがとうございます。
トンネル形状のスノーブリッジは3箇所ありましたが、そのうち2つは下を潜りました
試行錯誤の末、上を通過するよりは安全と判断したためです。
残りの1つは上を通過した方が良さそうでした。
場合によっては上も下もダメで引き返すしかないという状況もあるかと思います。
或いは最後の手段として、ピッケルかハンマーで叩き壊す、そういう行為は行き過ぎですかね
まあ、その時々で少し試しては、立ち止まって考えて決めます。
いつか見せてくれると思っていましたが・・
鮮やかです これもtooleさんだからこそ
「一般登山の範疇を超えている」を強調したいところですね。昨年行方不明になった方は、かなりの熟達者だったと聞いています。
お父さんが野球好きで良かったですね
夏の羽後朝日、いつか立ってみたいです
昨年3月にkamadamさんの真似して歩いた北西尾根のことを思い出していましたよ。
それからニノ沢畚へ下ったナイフリッジですね
和賀岳や羽後朝日岳へは登山口が深すぎて僕の車では入れないので、少ないチャンスは逃さないようにしなければですからね
親父は野球好きですが、不思議と僕はまったく興味がないんですよね
ドロドロになった車をきれいに洗車しましたよ
kamadamさん、この夏、羽後朝日に登られるなら僕もお供させてください。
北西のジャンクションピーク辺りにテント張れそうでしたよ。
行方不明の方は早く家族の元に戻れるといいなと思いました。
toole さん、こんばんは。
羽後朝日岳・・・良いですね。
しかも・・・夏道???を部名垂沢から・・・素晴らしい。
私もいつか・・・toole さんのように山頂の碑にタッチしてみたいです。
いろいろいとリスクもあるようですが・・・
やはり羽後朝日岳はそれだけの魅力がある山なんですね。
稜線歩きの好きな私はいつか・・・和賀岳から羽後朝日岳までの国体コースを復活させたいと思っています。
そして、私も・・・高山の花に見とれながら、和賀山塊の絶景を堪能してみたいです。
ご苦労さまでした。
コメントありがとうございます。
稜線上には本当にごく僅かな夏道???の名残がありましたよ
このルートを歩くときには滝の登降りが一番の問題になります。
核心部での失敗は許されない感じでしたね
もし、750RSさんが和賀岳から羽後朝日岳までの稜線コースを整備されるとすると、羽後朝日岳から秘峰の文字が消えてしまいますね
分県登山ガイドにも復活して、縦走を楽しむ人が増えるでしょうね。
それもまた良しですね
秘境性と一般性は表裏一体、悩ましいジレンマです
それにしても750RSさん、GWに沢内から羽後朝日岳への記録、惜しかったです。
僕も今年は雪の少なさで三界山を断念しました
来季こそは登れますように
tooleさん
こんばんは
この季節に羽後朝日岳に行かれたんですね。
お花がきれいです!
私は初登山がここでした(2005年、それは大変でした)。
2011年にまた行きましたが、途中で敗退しました。
また行ってみたくなりますね・・・。
憧れの秘峰、羽後朝日岳に行ってきました。
夏の緑溢れる稜線はどうなっているのか興味深々だったわけですが、
まさか、この標高の低い山でハクサンイチゲやミヤマシオガマが見られるとは思いませんでした
山頂付近の草付きに広がるお花畑は素晴らしいものがありました。
人間の歩く道が無いので、原生のお花畑です。
山レコで羽後朝日岳のページにはnardisさんの2005年10月の紅葉の羽後朝日岳の写真がありますね
稜線上はモミジやドウダンだったので、秋もさぞかし絶景なのでしょうね。
今回、グリーンシーズンの写真を加えさせていただきましたよ
記事を読んで、また行きたくなりました。
30年前、あしげく通った、私の一番好きな山です。
本格的な沢登りはもう出来ないので、部名垂からだと大丈夫でしょうか?
秋の草紅葉の中で一泊で。
昔は、荒沢岳まで、微かな踏み跡があったんですよ。
今は縦走コースも藪と聞いております。
和賀山は、刈り払いしてはイケない山なんですよね
錫杖の森のちょっとしたキレット、白岩岳方面も気になります
数々の名峰が連なる山形にお住まいにもかかわらず、
羽後朝日岳を好きな山に挙げてくださる、barabara2さんの嗜好が想像できます
静かなる和賀山塊と言いたいところですが和賀岳は人気の山で、登山口には県内外の車が多数みられます。
一方で、羽後朝日岳の部名垂沢の車止めには今回、人っ子ひとりいませんでした
羽後朝日岳は藪漕ぎ、沢登りの経験があり、道を自分で切り開ける方であれば、おそらく登頂して帰ってこられると思います。
一般登山道を外れるなど考えたこともない、という方には羽後朝日岳はオススメしません
白岩岳から錫杖の森経由の和賀岳は"準一般道"、つまり破線コース扱いになるとおもいます。こちらは多少の藪やキレット通過はありますが、明確な登山コースであると僕は定義します。
↓3年前の錫杖の森を通過した記録です。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-202679.html
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