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日記

最近の日記リスト 全体に公開

2024年 08月 16日 12:59未分類

この世はこんなにも美しいのに

その人が亡くなったという知らせは、火打山に行く3日前に届いた。 病気が見つかったのは昨年の9月だった。 今年6月にホスピスに入ったという連絡はもらっていた。 それでも、また会えるだろうと漠然と思っていた。訃報は私にとって突然のものだった。 葬儀は身内のみとのこともあって、実感がわかぬまま山へ向
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2024年 07月 10日 22:06未分類

待たせるほうが申し訳ない

「登山口に着く前に電話してくださいね。そうしたらすぐ迎えにいくので、登山口で待たないで済みますから」 登山口まで送迎を頼んだ宿の方は、車から下りる私に声をかけた。 「いいんですか。私にあわせるのは、ご迷惑では」 「いいえー、待たせるほうが申し訳ない」 「すみません。ありがとう
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2024年 01月 01日 23:51未分類

苦い後悔

山に来ているのに、全然別のことを考えている時がある。 この間の山行では、もう知り合ってから10年以上になる、よくプロジェクトで一緒に働いた人のことを考えていた。 その人は明るくて元気がよくて、プロジェクトが終わったときは夜遅くまで飲んだ。 「〇〇さんのおっしゃる通り」が口癖で、私は自分の意見が
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2022年 12月 31日 12:30未分類

もしここで生まれていたら

この小さな集落に生まれていたら この民宿の娘として生まれていたら この稲を育てる家で生まれていたら この葡萄を剪定しているのが私だったら この一日5本の電車で通学するのが私だったら この湧水をくんでいるのが私だったら : : 山に登るために何時間も電車とバスに乗り、初めて出会う風景のなかにいる自分
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2022年 08月 24日 21:02未分類

北岳と父

大学に入った夏、父が突然、北岳に一緒に行こうと言った。遅い反抗期を迎えていた私は渋々承知した。 父は私に真っ黄色の雨具を買ってくれた。高かったらしい。お弁当も作ってくれて、あずさかかいじの中で食べた。 甲府駅で、父の同僚で山に詳しい男性と合流し、タクシーに乗って広河原に行った。雪渓を上っ
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2021年 08月 29日 12:54未分類

ありがとう、おじさん

ある山小屋に泊まった時のこと。 夕食中に、いくつかのグループが話し始めた。大声ではないが、私はだんだん不安になっていった。 ワクチン接種を2回していても感染したりさせたりする可能性がある、といったニュースが頭を巡る。 従業員は若くて注意できないようだった。 なんとなく、お箸が動かない。 で
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2020年 11月 07日 21:17未分類

山での人声

静かな山を歩いていると、人影はないのに声が聞こえてくることがある。 すれ違うか抜かされるか、心の準備をする。 だけど、いつまでたっても、その声は近づいてこないし、離れて行かないことがある。 姿は見えないのに声がする。 女性だったり、男性だったり、笑っていたり、呼びかけていたり。 何かの具合
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