登山教室概要
【日時】1月29日(木)18:30〜20:30
【場所】好日山荘銀座店
【定員】40名
【費用】500円
【概要】雪崩の基礎知識とセルフレスキューについて
そもそも雪崩とは?
「斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる 速さで流れ落ちる現象」
積雪が崩れて動き始める「発生区」と、
発生した雪崩が通る「走路」、
そして、崩れ落ちた雪が積み重なる「堆積区」から成る。
また、雪崩によって堆積した雪を「デブリ」と呼びます
雪崩の種類について
雪崩は、以下の6つの言葉の組み合わせで表現します。
1. 点発生と面発生
一点から始まるか、面として動き出すのか。
2. 乾雪と湿雪
雪が乾いているのか、濡れているのか。
濡れているとは、雪粒の周囲に水が存在している事を
意味します。
3. 表層雪崩と全層雪崩
積雪の上層が雪崩れるか、積雪の底から全てが流れるか。
雪崩の危険トライアングル「アバランチハザードトライアングル」
雪崩の危険は、3つの要素が揃うことで生じます。
【雪崩地形】
雪崩が発生しやすい地形。
例えば
雪庇…発生区となる。
沢 …走路となる。
斜度…35〜45度に集中して起きる。
【不安定な積雪】
気象条件の変化によってもたらされます。
例えば、
・大量に降雪がある最中、もしくは直後
・雨や急な気温上昇が続いたとき
・強風が吹き荒れている
【人(と施設)】
ヒューマン・ファクター(人的要因)
自然のハザードレベル(危険度)が同じであったとしても、
人の判断・選択肢でリスクは変動します。
例えば、
斜面に対し横にトラバースする(スキーカット)行為は、
雪崩の発生率を高める。
【豆知識】簡単に、およその斜度を知る方法
腕をまっすぐ前に伸ばして、
・握りこぶし→約10度
・握って親指を立てる→約15度
・握って親指を立てて小指も伸ばす→約20度
※個人差が大きいので注意!
※全国地すべりがけ崩れ対策協議会のイラスト引用
雪崩リスクを軽減するには?「ハザード」と「リスク」の関係
リスク軽減には、まず「積雪」と「地形」2つのハザードを
知ることが必要です。
地形にある危険要因を理解し、次に積雪がどのような状態に
あるのか推察するのです。
そして、そこに関与する人の行動がリスクの増減に大きく
関わります。
リスク軽減には、知識を得た上で、雪崩発生のリスクを
高めないよう、また万が一発生した際は、被害を最低限に留める行動が必要です。
たとえば、
雪崩が起きやすい場所は、○○mづつ間隔を開けて歩く
リスクが低くても、登山時間が長くなるなら、
危険でも時間が短い登山道を選ぶ
など、臨機応変な対応が必要になります。
危険サインを見逃すな!前兆現象
【雪庇】
山の尾根からの雪の張り出し。
張り出した部分が雪のかたまりとなって斜面に落ちる。
【斜面が平らになっている】
斜面に元の地形が分からないほど平らに雪が積もる。
【スノーボール】
斜面をころころ落ちてくるボールのような、雪のかたまり。
雪庇の一部が落ちてきたもので、多く見られる時は特に要注意!
【クラック】
斜面にひっかき傷が付いたような雪の裂け目。
積もっていた雪がゆるみ、少しずつ動き出そうとしている状態。
【雪しわ】
ふやけた指先のようなシワ状の雪の模様。
積もっていた雪がゆるみ、少しずつ動き出そうとしている状態。
※積雪が少なくても全層雪崩の危険!
雪崩に遭ったらどうする!? 〜自分自身が雪崩に流されてしまった場合〜
【雪崩遭遇時の対処法】
1. 叫ぶ
⇒仲間への注意喚起とともに、自分が仲間からどこで見えなくなったのか、
初動捜索を速やかに進めるため、とても重要。
2. 横方向へ逃げる。
⇒雪崩エネルギーの小さな方向へ逃げること。
3. 身体から荷物をはずす。
⇒ストックなどは、雪崩の底に人を引き込むアンカーとなってしまいます。
※木や岩にぶつかった際のクッションになるザックは背負ったままのほうがいい
4. 雪の中でもがいて浮上するようにする。
⇒雪崩よりも、人の密度の方が大きいので、何もしないと沈みます。
5. 雪崩が停止する前に、可能であれば、エアポケットを作るようにします。
また、もし上が分かるのであれば、片手を突き上げると見つけ易くなります。
雪崩に遭ったらどうする!? 〜雪崩が自分の近くで起きた場合〜
【雪崩捜索の5段階】
大前提に、二次雪崩が発生しそうな場合、安全な場所に避難すること。
また自分たちで助けられない場合、二次災害を防ぐためにも警察に連絡!
1. 流されている人を見続けること
⇒仲間が雪崩に巻き込まれた地点(遭難点)と、
見えなくなった地点(消失点)を覚えておく。
2. 二次雪崩に備え見張りを立て、遭難点と消失点にポールなどの目印をたてる。
※一般的には遭難者は、遭難点と消失点の延長線周辺のデブリ末端に埋まる。
3. ビーコン(無線機)を用いて、捜索する。
4. プローブを用いて、細かな位置を探る。
⇒埋没者にヒットしたプローブは目印としてそのままにしておく。
5. 掘り起こして救急処置を行う
⇒口や鼻に雪が入り込んでいる可能性があるので、呼吸を確認し気道確保をする。
⇒心肺停止している場合、人工呼吸+胸骨圧迫の心肺蘇生で対処。
⇒出血がひどい場合は止血を行なう。
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