ピッケル(ice-axe)による滑落停止には二つほどのポイントがあると思います。
1.一つは、うつ伏せになり「足を上げる」ことです。
姿勢は靴の裏側(アイゼン)を空に向けます。足を伸ばした状態で滑落してスピードが上がってしまうと、アイゼンが何かに引っ掛かってしまい、そこを支点に体が大回転してしまいます。人間の体は回転しだすと止まりません。そうなるとどうにもなりません。2回転3回転ばかりでなく何回転もして大事故になってしまいます。必ずエビ反りで膝を曲げて「足を上げる」ようにしてください。足の上がり具合で訓練のレベルが分かります。
2.二つ目は、「全体重をピックにかける」ことです。
脇をしめ、シャフトを握っている手はシャフトを雪面から離すようにします。スピッツェ(石突き)が雪面に引っ掛かるとピッケルが吹っ飛んだり体が回転するからです。そして何よりも重要なのが「全体重をピックにかける」ことです。
氷やアイスバーン状の状態だと、ピックが刺さらずピッケルがはじき飛ばされることがあります。ピッケルは胸の前でしっかりと持ち、脇をしめて、何が何でもはじき飛ばされないように全体重をピックにかけます。こういう状態で滑落した場合、ピッケルのピックで滑落を止めるしか方法はありません。それを信じて何度も雪上訓練をしてください。荷物を背負っている場合は、荷物を捨てようとせず、荷物の重さも利用してピックに体重をかけます。
氷やアイスバーン状の状態だと、ピックが刺さらずピッケルがはじき飛ばされることがあります。ピッケルは胸の前でしっかりと持ち、脇をしめて、何が何でもはじき飛ばされないように全体重をピックにかけます。こういう状態で滑落した場合、ピッケルのピックで滑落を止めるしか方法はありません。それを信じて何度も雪上訓練をしてください。荷物を背負っている場合は、荷物を捨てようとせず、荷物の重さも利用してピックに体重をかけます。
3.その他
登山中の通常のピッケルの持ち方はピックを後ろ側にするのが一般的です。すぐに滑落停止の姿勢に入れるからです。急斜面だと最初にさっとピックを雪に刺して止める意味でピックを前にする持ち方も有効です。しかしながらそれで止まらないとピッケルを持ち変える時間分だけ滑落してしまうことになります。歩いているその場その場でピッケルの持ち方を変えるのが一番ですが、初心者は常にピックを後ろ側にして歩いた方がいいかと私は思います。
春のような腐った雪だとピックに全体重をのせても中々止まらないことがあります。それでもあきらめずに全体重をピックにかけます。(スピードがついていない状態で「腐った雪」で止まらない場合はスピッツェを使う方法もありますが初心者は全体重をピックにかけることに専念した方がいいかと思います。)
滑落したらどんな技術でも絶対に止まらないと思われる場所では、とにかく「転ばない」という歩行技術が必要です。アイゼンが緩んで外れたなんていうのは論外です。そうならないために日ごろ準備して訓練する訳です。街中をアイゼンを装着して歩けば逮捕されるかも知れませんが、海岸や河川敷ぐらいなら大丈夫でしょう。(雪山に行く前にはアイゼンは必ず研いてくださいネ!)
雪の斜面での練習方法は、仰向け、逆さ仰向け、前転、後転、全ての状態を試してください。本当はザイルで確保された状態でなるべく急な斜面で練習するのが一番効果的な方法です。ただし、訓練中に事故のないように下が緩い傾斜になっていて自然停止出来る場所が最適です。
ソロで山に行かれている人も、基礎技術がなければ危険です。恥ずかしがらずに良い練習が出来る雪面を見つけたら積極的に繰り返し練習をして自分の技術としてください。雪山山行日数よりも訓練日数を増やすことが大切です。
冬山の基礎技術を確実なものとするために安全な場所で繰り返し繰り返し練習して欲しいと思います。「滑落停止」というキーワードを使いYoutubeの動画も参考にしてください。
春のような腐った雪だとピックに全体重をのせても中々止まらないことがあります。それでもあきらめずに全体重をピックにかけます。(スピードがついていない状態で「腐った雪」で止まらない場合はスピッツェを使う方法もありますが初心者は全体重をピックにかけることに専念した方がいいかと思います。)
滑落したらどんな技術でも絶対に止まらないと思われる場所では、とにかく「転ばない」という歩行技術が必要です。アイゼンが緩んで外れたなんていうのは論外です。そうならないために日ごろ準備して訓練する訳です。街中をアイゼンを装着して歩けば逮捕されるかも知れませんが、海岸や河川敷ぐらいなら大丈夫でしょう。(雪山に行く前にはアイゼンは必ず研いてくださいネ!)
雪の斜面での練習方法は、仰向け、逆さ仰向け、前転、後転、全ての状態を試してください。本当はザイルで確保された状態でなるべく急な斜面で練習するのが一番効果的な方法です。ただし、訓練中に事故のないように下が緩い傾斜になっていて自然停止出来る場所が最適です。
ソロで山に行かれている人も、基礎技術がなければ危険です。恥ずかしがらずに良い練習が出来る雪面を見つけたら積極的に繰り返し練習をして自分の技術としてください。雪山山行日数よりも訓練日数を増やすことが大切です。
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