奥日光・三岳/迷走の魔境
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 373m
- 下り
- 381m
コースタイム
天候 | 晴一時飛雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三岳は大きく北三岳と南三岳に分けられる。両者を分ける峠(三岳峠と仮称)に光徳牧場側から登り、南三岳を縦断して光徳牧場に戻る周回ルートを採る。 光徳牧場から学習院の光徳小屋までの車道は除雪されていた(途中の道端には「関係者以外の立入りをお断りします」の看板が数本立っていた。小屋に着くと管理人が出てきたので、事後承諾を取った)。 積雪は50cm程。光徳小屋から光徳沼に下山するまでトレースは全くない。 全コースに渡って道標はない。三岳峠までは赤テープが散見されたが、南三岳の中ではテープ類は一切無い。自分でルートを切り開く醍醐味を味わえるが、しばしば迷走するだろう。魔界に入った印象で、最後はどう脱出するかに腐心する。 |
写真
感想
奥日光の三岳は戦場ヶ原の直ぐ北にあるが、周りに人気の高い山々があるので、あまり注目されない山である。ましてや登山道はおろか踏跡すらない山域なので、訪れる人は稀であろう。
この山域は三岳峠を境に北三岳と南三岳に大きく分けられる。写真1で分かるように、戦場ヶ原から見ると、北三岳は1945mの三角点を有する最高峰を左端にして、3つの峰が続いていて、これが山名の謂れとなったようだ。実際は大きな峰だけでも5, 6峰あり、小さいのを含めると数えきれない。
これに対して南三岳は1752m峰が最高峰で、北三岳より200m近くも低い。こちらも多数の峰から構成されているが、いずれもなだらかである。
両者の違いは写真1を見れば顕著である。背後の北三岳が3連峰を聳え立てているのに比べ、前山となる南三岳はなだらかな丘のような山容で、どうにも登行意欲を掻き立てられない。
北三岳には既に5年前の3月に登った。その後、たまたま白山書房の季刊誌「山の本」で「日本の秘峰」100座が連載され、その48座目にこの三岳が取り上げられていた。でも、紹介されていたのは北三岳ではなく、南三岳であった。
ここには1690mの岩峰があり、麓からは見えないので、「幻の岩峰」と呼ばれているとのこと。それならば、これを探しに登ってみよう、と今回実行することとした。
5年前の北三岳で味わった悪戦苦闘を今回も繰返す羽目になった。真っすぐ進もうとしても、大岩や倒木、濃い藪等々に行く手を遮られて右往左往。僅か100m進むのに2, 30分かかることもしばしばだ。
さらに、なだらかな地形ということは現在地点が把握しにくく、僅かに膨らんだ尾根を降りている積りでも、すぐ隣に似たような尾根があり、乗り移ったりして、迷走を繰り返す。
ましてやコブを巻く場合、どこまで巻いてから次の目標に進むかの判断が難しい。地形図とコンパスに首っ引き。かなり高度の地図読みが要求される。
最高地点の1752m峰頂上から幻の岩峰を巻き終わるまで、直線で僅か1km程なのに3時間もかかった。この調子では明るいうちに降りられるかしら、体力が持つかしら。焦って来た。どうやって、この魔境から抜け出そうか。
さらに南へ縦断する予定だったが、できるだけ短距離で脱出することとし、光徳牧場を目指す。
その後もしばらくは同様の障害物に悩まされたが、ルート採りは順調に進んだ。幸い標高1600mを切ると、障害物はなくなって普通の林中の急下降となる。おかげでペースが上がり、無事に脱出することが出来た。
まだ暗い5時半から歩き出したのに、車に戻ったのは4時半。11時間の行動だった。
南三岳は全体としてなだらかな丘のような地形のため、北三岳よりルート探索は難しかった。障害物によって右往左往する点は似たようなものだ。ただ、南三岳はあまりにも凡庸な山容であるため、顕著な峰々を並び立てている北三岳の方が魅力的であろう。
それにしてもこの山域に高齢者が一人で入り込むことは慎むべきだったかもしれない。
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