十文字峠・甲武信ヶ岳・雁坂峠(備忘録)〜山座同定付〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,949m
- 下り
- 2,161m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 8:10
天候 | 両日とも快晴 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿駅発深夜0時1分発(当時)の鈍行で出発。小淵沢駅(5時1分着)で小海線に乗り換え。6時8分発の列車に乗り信濃川上駅へ(7時3分着)。接続の良い村営バスに乗り梓山で下車(7時30分) (帰宅) 新地平バス停より路線バスで塩山駅へ。中央線(鈍行)、横浜線、小田急線と乗り継いで、職員寮の近くの本厚木駅に戻った。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
この年は雪が早かった。深いところで20〜30 cm。大山手前の雪は凍り付き、通過に難渋する。軽アイゼンを持ってこなかったことを後悔した。事前の情報把握が大事と痛感した。 |
その他周辺情報 | 甲武信小屋に宿泊(当時、1泊2食付4,500円) |
写真
感想
1988年11月末の山行記録。
初冬の奥秩父の空気を感じたくて、十文字峠から雁坂峠の縦走を実行する。
雪景色の中、キンと冷たい空気の中、樹林帯の中にひっそりと佇む十文字小屋の煙突からは、一筋の煙が出ていた。いかにも奥秩父らしい風情で、旅情をそそった。
11月末と言うのに雪が多く、多いところで20~30 cmも積雪があった。雪対策をしてこなかった私は、凍結した大山の登りで苦労した。頼みの鎖も凍結した雪の中に埋もれ、使い物にならない。何度も足を取られたが(軽アイゼンさえも持っていなかった)とにかく滑り落ちぬよう、一歩一歩慎重に足の置く場所を選んで何とか登り切った。
大山から先は、難所はなくなった。トレースを忠実にたどる。三宝山の単調な長い登りは、深い樹林帯で心細くなってくる。三宝山頂上は広い雪原になっていた。午後の光が庭園の様な樹木に当り、美しい風景を演出していた。
急な登り下りに、2~3回転倒しながらも、甲武信ヶ岳頂上にも立つ。大きな看板がなかったら見過ごしてしまいそうな小さなピークである。
煙突から一筋の煙が出ている樹林帯の中の甲武信小屋は、いかにも奥秩父の山小屋といった風情だ。オヤジさん2名と、昔この小屋で働いていたという女性の常連客が迎えてくれた。オヤジさんたちからは、言葉はそっけないが、実に温かみのある人柄が伝わって来た。女性の常連客からはコーヒーを淹れていただく。この常連客を除くと、今宵の宿泊者は私一人であった。
夕方、外に出てみると、遠くの秩父の街が霞み、その中でポツリポツリと灯りが灯りだした。寒くなって、暖かい小屋の中に入ると、薪ストーブのパチパチという音。奥秩父の旅情を存分に味わう。夜は冷えるので、オヤジさんから湯たんぽを貸してくれた。好きなだけ毛布を使ってゆっくりと眠ることができた。俗界から離れ、幸せな一晩を送った。
翌朝は、6時起床。朝食を取ってから、甲武信ヶ岳を往復してくる。今朝の展望は素晴らしかった。富士、南アルプスはもとより、北アルプスの白い峰々までもがクリヤーに目に入って来た。小屋に戻って、このことをオヤジさんたちにお話しすると、「俺らも、これから頂上に行ってみるか」と話していた。
甲武信小屋を後に奥秩父縦走路に入る。雪の中のトレースを忠実にたどる。笹平の下りでは雪を蹴散らせて下って行く。快感。そしてその後は苦痛。破風山の登りは、何度も立ち止まって、後ろを振り返り、ハアハア肩で息をする苦しい登りになった。
雁坂峠では、鍋焼きうどんを作り、昼食をとる。今日は、小屋から出ても誰とも会っていない。初冬の奥秩父は、静かで大変よろしい。
縦走路と別れ甲州側の道に入り、快調に歩を進めた。おかげで、バスの発車時刻1時間以上前には、新地平に到着。寒さで震えながら待っていると、バスが早めに到着してくれた。バスの運転手さんが、暖かい缶のコーンスープをごちそうしてくれた。私の様子を察してくれたのだろう。運転手さんの温かい心づかいに、身も心もあったまった。
今回の山旅は、予想外の雪に悩まされながらも、奥秩父の素朴な雰囲気と、人の温かみを感じる素敵な山旅であった。
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